「毎週月曜日に朝会のリマインドを送りたい」「毎月15日に請求書提出の通知を自動化したい」そんな風に思ったことはありませんか?
Slackには定期的にメッセージを送信できる便利な機能がいくつか用意されています。この記事では、無料プランでも使える方法から有料プランの高度な機能まで、あなたのチームに最適な定期投稿の設定方法を分かりやすく解説します。
Slackの定期投稿って何?

Slackの定期投稿とは、特定のチャンネルやダイレクトメッセージに対して、決まった時間・曜日に自動的にメッセージを送信する機能のことです。
たとえば「毎週金曜日の16時にタイムシート提出のリマインド」や「毎日9時に朝会の議題確認」といった繰り返し発生する連絡を自動化できます。手作業で毎回送る必要がなくなるので、うっかり忘れる心配もありません。
この定期投稿機能を活用すれば、チームのコミュニケーションがぐっとスムーズになりますよ。
無料プランでもOK!リマインダー機能を使った定期投稿
Slackの無料プランでも使える一番シンプルな方法が「リマインダー機能」です。
リマインダー機能とは
リマインダー機能は、/remindというスラッシュコマンド(コマンドとは、特定の操作を実行するための命令文のこと)を使って、自分やチャンネルに対して通知を送る機能です。
一回限りの通知だけでなく、「毎日」「毎週月曜日」「平日のみ」といった繰り返し設定もできるんです。
基本的な設定方法
メッセージ入力欄に以下の形式で入力するだけで設定完了です。
書式
/remind [送信先] [メッセージ内容] [日時]
具体例
平日の毎朝9時に自分宛てにリマインド:
/remind me タスク確認する at 9:00 every weekday
毎週月曜日の10時に特定チャンネルへリマインド:
/remind #マーケティング 週報を提出してください every Monday at 10:00
毎月1日の9時に経費申請のリマインド:
/remind #経理 経費申請の締切です on the 1st of every month at 9:00
送信先の指定方法
- 自分宛て:
me - 特定のユーザー:
@ユーザー名 - チャンネル全体:
#チャンネル名 - ユーザーグループ:
@グループ名
チャンネル全体に送る場合、@channelや@hereと組み合わせることもできます。
/remind #営業部 @営業チーム 週次ミーティングは13時からです every Friday at 12:45
繰り返し設定のパターン
リマインダー機能では、以下のような繰り返し設定が可能です。
every day:毎日every weekday:平日のみevery Monday:毎週月曜日every two weeks:2週間ごとevery month:毎月(月初)
曜日を複数指定したい場合は、それぞれ個別にリマインダーを作成する必要があります。
設定したリマインダーの確認・削除方法
確認方法
メッセージ欄に以下を入力:
/remind list
自分が設定したすべてのリマインダーが一覧表示されます。
削除方法
削除したいリマインダーが設定されているチャンネルで/remind listを実行すると、リスト内に「削除する」ボタンが表示されます。該当するリマインダーの横にある「削除する」をクリックすれば削除完了です。
リマインダー機能のメリット・デメリット
メリット
- 無料プランでも使える
- コマンド一つで簡単に設定できる
- 複雑な操作が不要
デメリット
- メッセージの装飾や画像添付ができない
- ボタンなどのインタラクティブ要素は追加できない
- 複数の曜日を一度に指定できない
シンプルなテキストメッセージの定期送信なら、リマインダー機能で十分対応できますよ。
有料プランならもっと便利!ワークフロービルダーで高度な定期投稿
Slackの有料プラン(Pro、Business+、Enterprise Grid)をお使いの方は、「ワークフロービルダー」という強力な自動化ツールが使えます。
ワークフロービルダーとは
ワークフロービルダーは、Slack内のさまざまな作業を自動化できる機能です。コードを書く必要がなく、視覚的な操作だけで複雑な自動化を設定できます。
リマインダー機能と比べて、以下のような高度なことができるんです。
- メッセージの装飾やフォーマット設定
- ボタンやフォームの追加
- 変数を使った動的なメッセージ(日時を自動挿入など)
- 複数のステップを組み合わせた処理
テンプレートを使った設定方法
Slackには「日時を設定してメッセージを送信する」というテンプレートが用意されているので、これを使えば簡単に定期投稿が設定できます。
手順
- デスクトップ版Slackの左サイドバーから「ツール」をクリック
- 「ツール」が見当たらない場合は「自動化」や「その他」から探してみましょう
- 「ワークフロー」を選択
- 「テンプレート」タブをクリック
- 「日時を設定してメッセージを送信する」テンプレートを選択
- 「テンプレートを使用する」をクリック
スケジュールの設定
- 「ここでスケジュールを設定します」の横にある鉛筆アイコンをクリック
- 「Slackイベント」で「スケジュールに基づく」を選択
- 開始日時を設定
- 繰り返し頻度を選択
- 毎日
- 毎週(特定の曜日を複数選択可能)
- 毎月
- カスタム(より細かい設定)
- 「保存」をクリック
メッセージ内容の設定
- 2つ目の鉛筆アイコンをクリック
- 送信先のチャンネルを入力・選択
- メッセージ本文を作成
- 太字、リンク、絵文字なども使用可能
- 「{}変数を挿入する」から日時などの動的な情報を追加できます
- 必要に応じて送信者のアイコンや名前をカスタマイズ
- 「保存」をクリック
ワークフローの公開
- 「完了」をクリック
- ワークフローに名前を付ける
- 「次へ」をクリック
- ワークフローマネージャーを追加(必要に応じて)
- 「公開する」をクリック
これで定期投稿の設定は完了です!
ワークフローの編集・削除方法
設定したワークフローを後から変更したい場合:
- 左サイドバーの「ツール」→「ワークフロー」
- 「あなたが管理」タブをクリック
- 編集したいワークフローを選択
- 内容を変更して保存、または削除
ワークフロービルダーのメリット・デメリット
メリット
- メッセージの装飾が自由にできる
- ボタンやフォームなどインタラクティブな要素を追加可能
- 複数の曜日を一度に指定できる
- 日時を自動挿入するなど動的なメッセージが作れる
- GUIで直感的に操作できる
デメリット
- 有料プランが必要
- リマインダー機能よりは設定手順が多い
見栄えの良いメッセージや、回答を集めるフォーム付きの定期投稿を作りたい場合は、ワークフロービルダーがおすすめです。
予約投稿との違いは?

Slackには「予約投稿」という似た機能もありますが、定期投稿とは別物なんです。
予約投稿の特徴
予約投稿は、メッセージを作成した後、送信ボタン横の「∨」マークから送信日時を指定できる機能です。
設定方法
- チャンネルやDMでメッセージを作成
- 送信ボタン横の「∨」をクリック
- 送信日時を選択(またはカスタム時間を設定)
- 「メッセージの送信日時を設定する」をクリック
定期投稿との主な違い
| 予約投稿 | 定期投稿(リマインダー・ワークフロー) | |
|---|---|---|
| 繰り返し | × 一回限り | ○ 自動で繰り返し可能 |
| プラン | 無料・有料両方 | リマインダーは無料、ワークフローは有料 |
| 設定の手軽さ | ○ とても簡単 | △ 初回設定は少し手間 |
| 用途 | 一時的な予約送信 | 定例的な通知 |
「明日の午後3時に特定のメッセージを送りたい」という一回限りの場合は予約投稿、「毎週金曜日に送りたい」という繰り返しの場合は定期投稿(リマインダーやワークフロー)を使い分けましょう。
外部ツールを使った定期投稿
より高度な定期投稿を実現したい場合、外部ツールやAPIを活用する方法もあります。
Google Apps Script(GAS)を使った方法
プログラミングの知識がある方なら、GASとSlack APIを組み合わせて独自の定期投稿ボットを作成できます。
メリット
- 完全にカスタマイズ可能
- スプレッドシートと連携してデータベース的に使える
- 無料で利用可能
デメリット
- コーディングの知識が必要
- 初期設定に時間がかかる
Zapierなどの連携ツール
Zapierは、異なるアプリ同士を連携させるツールです。
できること
- Googleカレンダーの予定をSlackに自動投稿
- スプレッドシートの更新内容を定期的に通知
- 他のツールのデータをSlackに送信
デメリット
- 高度な機能は有料プランが必要
- 設定が複雑になることがある
専用のSlackアプリ
App Directoryには、定期投稿を支援するサードパーティ製アプリもいくつか存在します。
例:
- Message Scheduler
- Simple Poll(定期アンケート)
- Standuply(スタンドアップミーティング用)
これらのアプリは、特定の用途に特化した機能を提供してくれます。
実際の活用例
定期投稿機能を実際にどう活用できるか、具体例を見てみましょう。
1. 毎日の朝会リマインド
設定例
/remind #開発チーム @開発メンバー 朝会は9時30分からです。議題がある方はスレッドに投稿してください at 9:15 every weekday
毎朝のスタンドアップミーティング前に、参加者全員に通知を送れます。議題を事前に集めることで、会議がスムーズに進みますね。
2. 週次の報告書提出リマインド
設定例(ワークフロービルダー使用)
- 毎週金曜日16時に営業チャンネルへ投稿
- メッセージ内容:「今週の営業報告書の提出をお願いします。締切は今日の18時です。」
- 提出用のフォームボタンを設置
これで毎週の報告書提出を自動でリマインドでき、提出率の向上が期待できます。
3. 月次の経費精算リマインド
設定例
/remind #全体連絡 先月分の経費精算を提出してください。締切は今月5日までです on the 1st of every month at 10:00
毎月初めに全社員へ経費精算のリマインドを送ることで、提出忘れを防げますよ。
4. 定期的なランチ企画の告知
設定例
/remind #雑談 今週のチームランチは木曜日12時です!参加希望の方はリアクションしてください every Monday at 9:00
週の始めにランチの予定を共有することで、参加者の予定調整がしやすくなります。
5. セキュリティチェックのリマインド
設定例(ワークフロービルダー使用)
- 毎週火曜日と金曜日の17時に投稿
- メッセージ:「本日のセキュリティチェックリストを確認してください」
- チェックリストへのリンクを添付
定期的なセキュリティ確認を自動化することで、チーム全体の意識向上につながります。
よくあるトラブルと解決方法
リマインダーが届かない
原因と対策
- 設定した時刻が間違っている→
/remind listで設定内容を確認 - タイムゾーンの設定がずれている→プロフィール設定からタイムゾーンを確認
- 通知設定がオフになっている→通知設定を確認
ワークフロービルダーが表示されない
原因と対策
- 無料プランを使用している→有料プランへのアップグレードが必要
- 管理者が機能を制限している→ワークスペース管理者に確認
- 権限が不足している→管理者に権限付与を依頼
スレッド内に定期投稿したい
残念ながら、現時点ではスレッド内への定期投稿は直接サポートされていません。
代替案
- チャンネル本体に投稿した後、手動でスレッドに移動
- 専用のチャンネルを作成して、そこに定期投稿する
メッセージの編集ができない
リマインダーの場合
リマインダー自体は編集できないため、一度削除してから再度作成する必要があります。
ワークフローの場合
「ツール」→「ワークフロー」→「あなたが管理」から該当のワークフローを開いて編集できます。
まとめ
Slackの定期投稿機能を使えば、繰り返し発生する連絡業務を自動化して、チームの生産性を大きく向上させられます。
方法の選び方
- シンプルなテキスト通知(無料プラン):リマインダー機能(
/remindコマンド) - 装飾されたメッセージ・インタラクティブ要素(有料プラン):ワークフロービルダー
- 一回限りの予約送信:予約投稿機能
- 高度なカスタマイズ:GASや外部ツール
まずはリマインダー機能から始めてみて、必要に応じてワークフロービルダーや外部ツールにステップアップしていくのがおすすめです。
定期投稿を活用して、チームのコミュニケーションをもっとスムーズにしましょう!


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