Slackでユーザーグループにメンバーを追加しようとしたら、「追加できない」「オプションが表示されない」といった問題に遭遇したことはありませんか?
ユーザーグループは、複数のメンバーに一度で通知できる便利な機能です。しかし、権限やプランの制限、アカウントの種類など、さまざまな理由で追加できないケースがあります。
この記事では、ユーザーグループに追加できない原因を徹底的に解説し、それぞれの解決方法を詳しく紹介します。トラブルシューティングの完全ガイドとしてお役立てください。
ユーザーグループとは

基本的な機能
ユーザーグループは、Slackワークスペース内の複数のメンバーをまとめたグループです。
例えば「@デザイナー」「@営業チーム」といったグループを作成すると、そのハンドル名をメンションするだけで、グループ内の全メンバーに通知が届きます。
主な用途
- プロジェクトチームへの一斉通知
- 部署単位での情報共有
- 複数人を一度にチャンネルに招待
- 役割別の連絡(@管理者、@オーナーなど)
有料プラン限定の機能
重要なポイントとして、ユーザーグループは有料プラン限定の機能です。
- フリープラン:利用不可
- プロプラン以上:利用可能
フリープランでは、そもそもユーザーグループを作成・編集できません。これが追加できない最も基本的な原因です。
【原因1】無料プランを使用している
フリープランの制限
Slackの無料プランでは、ユーザーグループ機能を使用できません。
ユーザーグループのメニュー自体が表示されないか、制限されている旨のメッセージが表示されます。
解決方法
有料プランにアップグレードする必要があります。
プラン確認方法
- 画面左上のワークスペース名をクリック
- 「設定と管理」を選択
- 「ワークスペースの設定」をクリック
- ブラウザで開いた設定ページの「プランと請求」を確認
アップグレード可能なプラン
- プロプラン
- ビジネスプラスプラン
- Enterprise Gridプラン
これらのプランにアップグレードすることで、ユーザーグループ機能が使えるようになります。
【原因2】権限が制限されている
ユーザーグループの権限設定
ユーザーグループの作成・編集には、管理者による権限設定が必要です。
デフォルトではワークスペースオーナーと管理者のみがユーザーグループを管理できます。
一般メンバーの場合、管理者が権限を付与しないと、作成も編集もできません。
権限がない場合の症状
以下のような状況なら、権限不足が原因です。
- 「ユーザーグループを作成」ボタンが表示されない
- 既存のユーザーグループを編集できない
- 「この機能へのアクセスは管理者によって制限されています」と表示される
解決方法(一般メンバー向け)
ワークスペースの管理者に連絡して、権限を付与してもらいましょう。
依頼する内容
「ユーザーグループの作成・編集権限をいただけますか?」
管理者が設定を変更すれば、すぐに使えるようになります。
解決方法(管理者向け)
管理者は、メンバーに権限を付与できます。
フリー・プロ・ビジネスプラスプランの場合
- 画面左上のワークスペース名をクリック
- 「設定と管理」→「ワークスペースの設定」を選択
- 「メンバーの種別と権限」をクリック
- 「権限」タブを選択
- 「ユーザーグループ」までスクロール
- 「開く」をクリック
- 作成・無効化・変更を許可するメンバーを選択
- 「保存」をクリック
Enterprise Gridプランの場合
- サイドバーで「管理者」をクリック
- 「ワークスペース設定」を選択
- 該当ワークスペースを選択
- 「設定」タブをクリック
- 「権限」を選択
- 「ユーザーグループ」セクションで権限を設定
権限設定のベストプラクティス
選択肢
- オーナーと管理者のみ(最も制限的)
- メンバー全員(最も開放的)
- カスタム設定(特定の役職のみ)
小規模チームなら全員に許可、大規模組織なら管理者のみに制限するのが一般的です。
【原因3】ゲストアカウントを追加しようとしている
ゲストの制限
Slackのゲストアカウント(マルチチャンネルゲスト・シングルチャンネルゲスト)は、ユーザーグループに追加できません。
これはSlackの仕様上の制限で、回避方法はありません。
なぜゲストは追加できないのか
セキュリティとアクセス制御のためです。
ゲストは参加できるチャンネルが限定されています。ユーザーグループに追加すると、本来見られないチャンネルに招待されてしまう可能性があります。
追加できないアカウントの種類
以下のアカウントタイプは、ユーザーグループに追加できません。
- マルチチャンネルゲスト
- シングルチャンネルゲスト
- ボットユーザー
- Slack Connect経由の外部ユーザー
ゲストへの通知方法
ユーザーグループには追加できませんが、個別にメンションすれば通知は届きます。
手動での対応
@ユーザーグループ @ゲストAさん @ゲストBさん
このように、ユーザーグループと併せて個別メンションを使います。
自動化による回避策(高度)
Slackのワークフロー機能を使えば、ある程度自動化できます。
- ワークフローを作成
- トリガー:特定のユーザーグループへのメンション
- アクション:Slackbotが自動でゲストにメンション
この設定により、「ユーザーグループにメンション→自動的にゲストにも通知」という流れを実現できます。
ただし、この方法にはワークフロービルダーの知識が必要です。
【原因4】Slack Connect経由のメンバー
Slack Connectの制限
Slack Connect機能を使って他社のメンバーと連携している場合、外部組織のメンバーをユーザーグループに追加することはできません。
対象となるケース
以下のような状況では追加できません。
- 他社のSlackワークスペースから参加しているメンバー
- Slack Connectチャンネルで共同作業している外部パートナー
- 別組織に所属するコンサルタントやフリーランス
解決方法
外部メンバーには、直接メンションするしかありません。
または、その人だけのために別途連絡方法を用意する必要があります。
【原因5】メンバー検索で見つからない
検索の問題
ユーザーグループにメンバーを追加する際、検索で見つからないケースがあります。
よくある原因
表示名とユーザー名の混同
Slackでは、各メンバーに「表示名」と「ユーザー名」の2つがあります。
- 表示名:普段画面に表示される名前
- ユーザー名:@の後ろに使う固有の識別子
検索では、どちらでも使えます。片方で見つからない場合は、もう片方を試してみてください。
メールアドレスでの検索
メールアドレスでも検索できます。
ただし、ワークスペース設定で「プロフィールのメールアドレスを隠す」が有効になっている場合、メールアドレス検索は使えません。
解決方法
- 表示名で検索
- ユーザー名で検索
- メールアドレスで検索
- それでも見つからない場合は、メンバーディレクトリから確認
メンバーディレクトリの確認方法:
「ホーム」→「ディレクトリ」→「メンバー」タブ
【原因6】一度に追加できる人数の制限
上限について
チャンネルに一度に追加できるメンバーは最大1,000人です。
ただし、ユーザーグループの作成時に追加できる人数に明確な上限は記載されていませんが、大量のメンバーを一度に追加しようとするとエラーが発生する可能性があります。
大人数を追加する場合
複数回に分けて追加することをおすすめします。
1回目:100人
2回目:次の100人
…
というように、段階的に追加していきましょう。
【原因7】デフォルトチャンネルの設定問題

デフォルトチャンネルとは
ユーザーグループ作成時に、「デフォルトチャンネル」を設定できます。
これは、グループメンバーが自動的に参加するチャンネルのことです。
設定数の上限
デフォルトチャンネルは最大100個まで設定できます。
これを超えると、ユーザーグループの作成自体ができなくなります。
解決方法
デフォルトチャンネルの数を100個以内に減らしてください。
本当に必要なチャンネルだけを選びましょう。後からメンバーを手動でチャンネルに招待することもできます。
【原因8】ブラウザ・アプリの問題
キャッシュやバグの可能性
まれに、ブラウザやアプリのキャッシュが原因で、正しく動作しないことがあります。
試すべき対処法
1. アプリを再起動
Slackアプリを完全に終了して、再度開きます。
2. キャッシュをクリア
- Mac:Cmd + Shift + Delete
- Windows:Ctrl + Shift + Delete
ブラウザのキャッシュクリアと同様の操作です。
3. 最新版にアップデート
古いバージョンのSlackを使っていると、バグがある可能性があります。
アプリストアまたは公式サイトから最新版をインストールしてください。
4. 別のデバイスで試す
- デスクトップアプリで追加できない→ブラウザ版で試す
- ブラウザ版で追加できない→デスクトップアプリで試す
【原因9】ワークスペース固有の制限
Enterprise Gridの特殊なケース
Enterprise Gridプランでは、ユーザーグループは各ワークスペースに固有です。
つまり、ワークスペースAで作ったユーザーグループは、ワークスペースBでは使えません。
OrGレベルのデフォルトグループ
Enterprise Gridでは、組織全体(OrG)レベルで作成できるのは、以下の2つのデフォルトグループのみです。
- @admins(管理者グループ)
- @owners(オーナーグループ)
それ以外のユーザーグループは、各ワークスペースで個別に作成する必要があります。
解決方法
複数のワークスペースで同じユーザーグループが必要な場合、それぞれのワークスペースで個別に作成してください。
トラブルシューティングのチェックリスト
追加できない場合、以下の順番で確認しましょう。
ステップ1:プランの確認
- [ ] 有料プラン(プロ以上)を使用している
ステップ2:権限の確認
- [ ] 自分のアカウントにユーザーグループの管理権限がある
- [ ] 「ユーザーグループを作成」ボタンが表示される
ステップ3:追加したいメンバーの確認
- [ ] 追加したい人は正規メンバー(ゲストではない)
- [ ] 追加したい人は同じワークスペース内のメンバー
- [ ] Slack Connect経由の外部メンバーではない
ステップ4:技術的な確認
- [ ] Slackアプリは最新版
- [ ] ブラウザのキャッシュはクリア済み
- [ ] 別のデバイスでも試した
ステップ5:設定の確認
- [ ] デフォルトチャンネルは100個以内
- [ ] 一度に追加する人数は適切
- [ ] 検索は表示名・ユーザー名・メールアドレスで試した
管理者向け:権限設定のおすすめ
小規模チーム(〜50人)
推奨設定:全メンバーに権限を付与
理由:
- 迅速なコミュニケーションが可能
- 管理者の負担を減らせる
- 柔軟なチーム編成ができる
中規模チーム(50〜200人)
推奨設定:メンバー全員に作成権限、変更は管理者のみ
理由:
- 誰でもグループを作れるが、管理は一元化
- 不要なグループの乱立を防げる
- 情報統制とスピードのバランスが取れる
大規模組織(200人以上)
推奨設定:管理者のみ
理由:
- 組織全体でグループを統一管理できる
- セキュリティを高められる
- 命名規則などのルールを守りやすい
よくある質問と回答
Q. ユーザーグループは何個まで作れる?
A. 明確な上限は公開されていません。
ただし、実用上は数十個程度に抑えるのが管理しやすいでしょう。グループが多すぎると、どれを使えばいいか混乱します。
Q. 自分で作ったユーザーグループなのに編集できない
A. 権限設定が変更された可能性があります。
管理者がワークスペース設定を変更し、「ユーザーグループの変更権限」を管理者のみに制限したかもしれません。
管理者に確認してください。
Q. ゲストを含むグループのような使い方をしたい
A. 代替手段として、以下の方法があります。
方法1:専用チャンネルを作る
ゲストを含めた専用チャンネルを作成し、@channelでメンションする。
方法2:ワークフローで自動化
ユーザーグループへのメンションをトリガーに、ゲストにも自動でメンションするワークフローを作成。
方法3:毎回手動でメンション@グループ名 @ゲストA @ゲストB のように併記する。
Q. ユーザーグループに追加されたか確認したい
A. 以下の方法で確認できます。
- 「ホーム」→「ディレクトリ」を開く
- 「ユーザーグループ」タブを選択
- 該当グループをクリック
- メンバーリストを確認
自分が含まれているかすぐに分かります。
Q. 無料プランでユーザーグループの代わりになる方法は?
A. 完全な代替はありませんが、以下の工夫ができます。
方法1:チャンネルを活用
チームごとに専用チャンネルを作り、@channelでメンション。
方法2:メンションリストを保存
よく使うメンバーのリストをメモアプリに保存しておき、コピペする。
方法3:有料プランにアップグレード
根本的な解決には、プランのアップグレードが最も効果的です。
まとめ
Slackのユーザーグループに追加できない原因と解決方法をまとめます。
主な原因
- 無料プランを使用している → 有料プランにアップグレード
- 権限が制限されている → 管理者に権限付与を依頼
- ゲストアカウントを追加しようとしている → ゲストは追加不可(仕様)
- Slack Connect経由のメンバー → 外部メンバーは追加不可(仕様)
- メンバー検索で見つからない → 表示名・ユーザー名・メールアドレスで検索
- デフォルトチャンネルが多すぎる → 100個以内に減らす
- アプリの不具合 → 再起動・キャッシュクリア・アップデート
トラブルシューティングの手順
- プラン確認(有料プラン必須)
- 権限確認(管理権限が必要)
- 追加対象の確認(正規メンバーのみ)
- 技術的確認(最新版・再起動)
- 管理者に相談
覚えておくべきポイント
- ユーザーグループは有料プラン限定の機能
- ゲストとSlack Connect外部ユーザーは追加不可
- 権限は管理者が設定で変更できる
- 各ワークスペースで個別に作成が必要(Enterprise Grid)
ユーザーグループは、チームコミュニケーションを効率化する強力な機能です。追加できない原因を正しく理解して、スムーズに活用しましょう。
この記事を参考に、問題を解決していただければ幸いです。それでも解決しない場合は、Slackサポート(feedback@slack.com)に問い合わせることをおすすめします。


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