MacでSafariの閲覧履歴を確認しようとして、DB Browser for SQLiteなどのツールを使ってHistory.dbファイルを開こうとしたら、「Error: unable to open database file」というエラーメッセージが表示されて困っていませんか?
このエラーは、Safariの履歴データベースにアクセスしようとした多くのユーザーが経験する一般的な問題です。でも安心してください。実は解決方法はとてもシンプルなんです。
この記事では、なぜこのエラーが発生するのか、そしてどうすれば確実に解決できるのかを、初心者の方にも分かりやすく説明していきます。
History.dbファイルって何?

まず基本的なことから説明しますね。
History.dbは、SafariがあなたのWeb閲覧履歴を保存しているデータベースファイルです。このファイルには、訪問したウェブサイトのURL、訪問日時、ページタイトルなどの情報が記録されています。
このファイルは「SQLite」という形式のデータベースで保存されており、通常のテキストエディタでは読めません。そのため、DB Browser for SQLiteのような専用ツールを使って中身を確認する必要があるわけです。
保存場所
/Users/[ユーザー名]/Library/Safari/History.db
macOSのバージョンによって若干異なる場合もありますが、基本的にはこのパスに保存されています。
エラーが発生する3つの主な原因
「unable to open database file」というエラーが表示される理由は、主に次の3つです。
原因1:Safariがファイルをロックしている
Safariが起動中の場合、History.dbファイルは使用中としてロックされます。これは、複数のプログラムが同時に同じファイルにアクセスして、データが壊れてしまうのを防ぐための仕組みです。
データベースファイルが「使用中」の状態では、他のアプリケーションからは開けないようになっています。
原因2:macOSのセキュリティ保護(Data Vault)
macOS Mojave(10.14)以降では、「Data Vault」というセキュリティ機能が強化されました。これにより、SafariのデータはAppleによって特別に保護されており、他のアプリケーションから直接アクセスすることが制限されています。
この保護機能は、ユーザーのプライバシーを守るための重要な仕組みなんですが、履歴データを確認したい場合には障害になってしまうわけですね。
原因3:フルディスクアクセス権限の不足
macOSの新しいバージョンでは、アプリケーションが特定のシステムフォルダにアクセスするためには、ユーザーが明示的に「フルディスクアクセス」の権限を与える必要があります。
DB Browser for SQLiteなどのツールにこの権限がない場合、Libraryフォルダ内のSafariディレクトリにあるHistory.dbファイルを開くことができません。
【最も簡単】ファイルをコピーして開く方法
このエラーを解決する最も確実で簡単な方法は、History.dbファイルを別の場所にコピーしてから開くことです。
ステップ1:Safariを完全に終了する
まず、Safariを完全に終了させます。これでファイルのロックが解除されます。
- Safariを開いている場合は、メニューバーから「Safari」→「Safariを終了」を選択
- Dockを確認して、Safariのアイコンの下に点(起動中を示す印)がないことを確認
重要なポイント:単にウィンドウを閉じるだけでは不十分です。アプリケーション自体を終了させる必要があります。
ステップ2:Finderで履歴ファイルを見つける
- Finderを開く
- メニューバーから「移動」→「フォルダへ移動…」を選択(ショートカット:Command + Shift + G)
- 次のパスを入力:
~/Library/Safari
- 「移動」ボタンをクリック
すると、Safariフォルダが開いて、その中に「History.db」というファイルが見つかるはずです。
補足説明:「~」はホームディレクトリ(あなたのユーザーフォルダ)を表す記号です。また、Libraryフォルダは通常は非表示になっているので、この方法でアクセスする必要があります。
ステップ3:ファイルをデスクトップにコピー
- History.dbファイルを右クリック
- 「コピー」を選択(またはCommand + C)
- デスクトップに移動して右クリック
- 「ペースト」を選択(またはCommand + V)
なぜコピーが必要なの?
元の場所にあるファイルは、macOSのセキュリティ保護によって守られています。でも、デスクトップなどの別の場所にコピーしたファイルには、この制限が適用されないんです。そのため、コピーしたファイルなら問題なく開くことができるわけです。
ステップ4:コピーしたファイルを開く
- DB Browser for SQLite(または使用しているSQLiteツール)を起動
- 「データベースを開く」をクリック
- デスクトップにコピーしたHistory.dbファイルを選択
- 「開く」をクリック
これで、エラーなくファイルを開けるはずです!
ステップ5:履歴データを確認する
ファイルが開いたら:
- 「データの参照」(Browse Data)タブをクリック
- 「Table:」のドロップダウンメニューから「history_visits」または「history_items」を選択
- 閲覧履歴のデータが表示されます
テーブルの説明:
- history_items:訪問したURLとドメイン情報
- history_visits:訪問日時、ページタイトル、訪問回数など
- history_client_version:バージョン情報(通常は確認不要)
より詳細な情報を見たい場合は、2つのテーブルを組み合わせたSQL文を使うと便利です。
【上級者向け】コマンドラインで履歴をエクスポートする方法

ターミナルの操作に慣れている方なら、コマンドラインを使ってSafariの履歴をCSVファイルとして直接エクスポートすることもできます。
手順
- Safariを終了
- ターミナルを起動(アプリケーション→ユーティリティ→ターミナル)
- 以下のコマンドを実行:
sqlite3 -header -csv ~/Library/Safari/History.db \
"SELECT datetime(visit_time + 978307200, 'unixepoch', 'localtime') AS visit_time,
title, url
FROM history_visits
INNER JOIN history_items ON history_items.id = history_visits.history_item
ORDER BY visit_time DESC;" > ~/Desktop/safari_history.csv
このコマンドを実行すると、デスクトップに「safari_history.csv」というファイルが作成されます。このファイルはExcelやGoogleスプレッドシートで開くことができます。
コマンドの説明:
sqlite3:SQLiteデータベースを操作するコマンド-header:CSVの1行目に列名を含める-csv:CSV形式で出力978307200:macOSの時刻形式をUnixタイムスタンプに変換するための値INNER JOIN:2つのテーブルを結合してデータを取得
フルディスクアクセス権限を付与する方法
ファイルのコピーではなく、元のファイルに直接アクセスしたい場合は、使用しているツールにフルディスクアクセスの権限を与える必要があります。
設定手順
- Appleメニュー(画面左上)→「システム設定」(または「システム環境設定」)
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 左側のリストから「フルディスクアクセス」を選択
- 右下の鍵アイコンをクリックして、管理者パスワードを入力
- 「+」ボタンをクリック
- アプリケーションフォルダから「DB Browser for SQLite」(または使用しているツール)を選択
- 「開く」をクリック
- アプリのチェックボックスがオンになっていることを確認
注意点:権限を付与した後は、アプリケーションを再起動する必要がある場合があります。
セキュリティについて:フルディスクアクセスは強力な権限なので、信頼できるアプリケーションにのみ付与するようにしてください。
よくある質問と追加のトラブルシューティング
Q1:コピーしたファイルを開いても、データが表示されません
回答:「データの参照」タブで、正しいテーブル(history_visits またはhistory_items)を選択しているか確認してください。history_client_versionテーブルには履歴データは含まれていません。
Q2:「Database file is encrypted」というエラーが表示されます
回答:最近のmacOSバージョンでは、一部のデータベースファイルが暗号化されている場合があります。この場合、Keychain Access(キーチェーンアクセス)アプリでパスワードを確認する必要がありますが、通常のHistory.dbファイルは暗号化されていません。このエラーが出る場合は、別のファイルを開いている可能性があります。
Q3:履歴が古いデータしか表示されません
回答:Safariが起動中だった可能性があります。Safariを完全に終了してから、再度ファイルをコピーしてください。また、Safariの設定で履歴の自動削除期間が設定されている場合、古いデータは自動的に削除されます。
Q4:プライベートブラウズの履歴も見られますか?
回答:いいえ、プライベートブラウズモードで閲覧したページは、History.dbファイルには記録されません。これはプライバシー保護のための設計仕様です。
Q5:History.dbファイルが見つかりません
回答:以下を確認してください:
- Libraryフォルダは通常非表示なので、「移動」→「フォルダへ移動…」からアクセスする必要があります
- まだ一度もSafariを使っていない場合、ファイルが存在しない可能性があります
- macOSのバージョンによってファイルの場所が異なる場合があります
Q6:ファイルを開いたら文字化けしています
回答:History.dbはバイナリファイルなので、テキストエディタで開くと文字化けします。必ずDB Browser for SQLiteなどのSQLiteツールを使用してください。
代替方法:iCloudを使った履歴の同期
他のAppleデバイス(iPhoneやiPadなど)でも同じApple IDを使用している場合、iCloud経由でSafariの履歴を同期することができます。
設定方法
Macの場合:
- システム設定(またはシステム環境設定)→ Apple ID
- iCloud → Safari にチェック
iPhoneの場合:
- 設定 → [あなたの名前] → iCloud
- Safari をオン
この設定を有効にしておけば、Macで削除してしまった履歴でも、iPhoneに残っている場合があり、そこから確認できる可能性があります。
まとめ
「Error: unable to open database file」エラーは、一見すると複雑に見えますが、実際には簡単に解決できます。
最も確実な解決方法:
- Safariを完全に終了する
- History.dbファイルをデスクトップなど別の場所にコピー
- コピーしたファイルをDB Browser for SQLiteで開く
重要なポイント:
- 元のファイルは直接開けないが、コピーすれば開ける
- Safariを終了しないとファイルがロックされている
- プライベートブラウズの履歴は記録されない
- フルディスクアクセス権限を付与すれば元ファイルにもアクセス可能
この方法で、過去のWeb閲覧履歴を確認したり、大切なウェブサイトのURLを取り戻したりすることができます。
ただし、履歴データにはプライバシー情報が含まれているので、取り扱いには十分注意してくださいね。また、他人のコンピュータのデータに無断でアクセスすることは、プライバシーの侵害になる可能性があるので、自分のデータのみを扱うようにしましょう。

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