Slackを使い始めようとすると、まず最初に出てくる「ワークスペース」という言葉。
「ワークスペースって何?」「チャンネルとどう違うの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Slackのワークスペースについて、初心者の方にも分かりやすく、基礎知識から作成方法、管理方法まで徹底的に解説します。ワークスペースを理解することで、Slackをより効果的に活用できるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
ワークスペースとは?基本を理解しよう

まず、ワークスペースの基本的な概念を確認しましょう。
ワークスペースの定義
ワークスペース(Workspace)とは、Slackにおける組織やチーム全体の共有スペースのことです。
簡単に言えば、「チームメンバーが集まって仕事をするための場所」です。
イメージ:
- ワークスペース = 会社のオフィス全体
- チャンネル = オフィス内の各会議室
- DM = 個別の面談スペース
ワークスペースは、Slackを使ううえでの最大単位であり、すべての作業の起点となります。
ワークスペースの役割
ワークスペースは、以下のような役割を持ちます:
1. メンバーをまとめる
組織やプロジェクトに関わる人々を一箇所に集めます。
2. コミュニケーションのハブ
メッセージ、ファイル共有、通話など、すべてのコミュニケーションの中心地です。
3. ツールの統合基盤
Google Drive、Zoom、GitHubなど、他のツールと連携する基盤となります。
4. 情報の整理
チャンネル、DM、ファイルなど、すべての情報を整理・管理します。
ワークスペースがないと何もできない
重要なポイント:ワークスペースがないと、Slackでメッセージを送ることすらできません。
Slackを使うには、必ずワークスペースを作成するか、既存のワークスペースに参加する必要があります。
ワークスペースとチャンネルの違い
Slackで最も混同されやすいのが、ワークスペースとチャンネルの違いです。
階層構造で理解する
ワークスペース(最大単位)
├── チャンネル1(#営業部)
│ ├── メッセージ
│ ├── ファイル
│ └── メンバー
├── チャンネル2(#開発チーム)
├── チャンネル3(#マーケティング)
├── DM(ダイレクトメッセージ)
└── アプリ・連携
重要:ワークスペースの中にチャンネルが存在します。
チャンネルの中にワークスペースが存在することはありません。
違いの比較表
| 項目 | ワークスペース | チャンネル |
|---|---|---|
| 概念 | 組織・チーム全体 | 特定のトピック・プロジェクト |
| 規模 | 大(組織全体) | 小(部門・プロジェクト単位) |
| 作成者 | 限られた人のみ | メンバーなら誰でも(設定による) |
| メンバー | 組織全体 | チャンネルごとに異なる |
| 単位 | Slackにおける最大単位 | ワークスペース内の単位 |
具体例で理解する
例:ABC株式会社の場合
ワークスペース:
- 名前:「ABC株式会社」
- メンバー:全社員100名
チャンネル:
- #営業部(営業部のメンバー20名)
- #開発チーム(開発チームのメンバー15名)
- #マーケティング(マーケティング部のメンバー10名)
- #プロジェクトA(プロジェクトAの担当者8名)
- #雑談(全社員参加可)
このように、ワークスペースが大枠で、その中に目的別のチャンネルが複数存在する構造です。
ワークスペースの構成要素
ワークスペースは、さまざまな要素で構成されています。
1. メンバー(ユーザー)
ワークスペースに所属する人々です。
役割の種類:
- プライマリーオーナー: ワークスペースを作成した人。最高権限を持つ(1人のみ)
- オーナー: プライマリーオーナーが指名。ほぼ同等の権限
- 管理者(Admin): メンバー管理や設定変更が可能
- メンバー: 通常の利用者
- ゲスト: 外部の人で限定的なアクセス権限
2. チャンネル
トピックやプロジェクトごとの会話スペースです。
チャンネルの種類:
- パブリックチャンネル(#): ワークスペースの全員が参加可能
- プライベートチャンネル(🔒): 招待されたメンバーのみ参加可能
3. ダイレクトメッセージ(DM)
個別またはグループでの非公開メッセージです。
- 1対1のDM
- グループDM(最大9人)
4. アプリと連携
ワークスペースに統合できる外部ツールです。
- Google Drive
- Zoom
- GitHub
- Trello
- Asana
- その他2,000以上のアプリ
5. ファイル
ワークスペース内で共有されるファイルです。
- 画像、PDF、Word文書など
- チャンネルごとに整理
- 検索機能で簡単に見つけられる
6. 設定とカスタマイズ
ワークスペース固有の設定です。
- ワークスペース名
- アイコン(ロゴ)
- URL(例:abc-company.slack.com)
- 通知設定
- セキュリティ設定
ワークスペースの作成方法
新しいワークスペースを作成する手順を説明します。
作成できる人
誰でも無料で作成できます。
ただし、仕事用の場合は、会社のメールアドレスを使うことが推奨されます。
PC(ブラウザ)で作成する手順
手順1:Slackの公式サイトにアクセス
- https://slack.com/get-started#/createnew を開く
手順2:メールアドレスを入力
- 仕事用のメールアドレスを入力
- 「続行する」をクリック
- または、GoogleまたはAppleアカウントで続行も可能
手順3:確認コードを入力
- Slackから送られてきたメールを確認
- メールに記載されている6桁の確認コードをコピー
- 確認コード入力欄に貼り付け
- 「ワークスペースを作成」をクリック
手順4:ワークスペースの情報を入力
- 会社名または組織名を入力(例:ABC株式会社)
- ワークスペース名を入力(通常は会社名と同じでOK)
- プロジェクトや目的を入力(例:営業チーム、開発プロジェクトなど)
手順5:チームメンバーを招待
- 招待したいメンバーのメールアドレスを入力
- 「招待を送信」をクリック
- スキップして後から招待することも可能
手順6:完成!
ワークスペースが作成され、Slackの利用を開始できます。
スマホ(iPhone/Android)で作成する手順
手順1:Slackアプリをダウンロード
- App Store(iPhone)またはGoogle Play(Android)から「Slack」アプリをダウンロード
- アプリを開く
手順2:新規作成を選択
- 「Slackを始める」をタップ
- メールアドレスを入力、または「Google/Appleで続ける」を選択
手順3:確認コードを確認
- 受信したメールを確認
- 「メールアドレスの確認」をタップ
- Slackアプリに戻る
手順4:ワークスペースを作成
- 「ワークスペースを新規作成する」(iOS)をタップ
- または「Slack ワークスペースを新規作成」(Android)をタップ
- 画面の指示に従って、ワークスペース名などを入力
手順5:完成!
ワークスペースの作成が完了します。
作成数に制限はある?
いいえ、ワークスペースの作成数に制限はありません。
必要に応じて、複数のワークスペースを作成できます。
ワークスペースへの参加方法
既存のワークスペースに参加する方法を説明します。
参加の前提条件
ワークスペースに参加するには、以下のいずれかが必要です:
- 招待メールを受け取る
- 招待リンクを受け取る
- 自動参加が有効(特定のメールドメインで登録すると自動参加)
メール招待から参加する手順
手順1:招待メールを確認
- 「○○があなたをSlackに招待しました」というメールを開く
- メール内の「参加する」または「Join Now」ボタンをクリック
手順2:アカウントを作成
- 名前を入力
- パスワードを設定(または、Google/Appleアカウントで続行)
- 「アカウントを作成」をクリック
手順3:完了!
ワークスペースに参加完了。すぐにメッセージを送れるようになります。
招待リンクから参加する手順
手順1:リンクをクリック
- 共有された招待リンク(例:https://join.slack.com/t/abc-company/shared_invite/…)をクリック
手順2:メールアドレスを入力
- 自分のメールアドレスを入力
- 確認コードを受信して入力
手順3:アカウント作成
- 名前とパスワードを設定
- 「参加する」をクリック
自動参加(オープンサインアップ)
一部のワークスペースでは、特定のメールドメイン(例:@abc-company.com)を持っていれば、招待なしで自動的に参加できます。
手順:
- Slackのサインアップページにアクセス
- 会社のメールアドレスを入力
- 自動的にワークスペースが表示される
- 「参加する」をクリック
ワークスペースのログイン方法

作成または参加したワークスペースにログインする方法です。
PC(ブラウザ)でログイン
手順1:サインインページにアクセス
- https://slack.com/signin を開く
手順2:メールアドレスを入力
- ワークスペースに登録したメールアドレスを入力
- 「続行する」をクリック
手順3:確認コードを入力
- Slackから送られてきたメールの確認コードを入力
手順4:ワークスペースを選択
- 複数のワークスペースに参加している場合、一覧が表示される
- ログインしたいワークスペースを選択
手順5:完了!
ワークスペースにログインできました。
スマホアプリでログイン
手順1:アプリを開く
- Slackアプリを起動
手順2:サインインを選択
- 「サインイン」をタップ
手順3:メールアドレスを入力
- ワークスペースに登録したメールアドレスを入力
- 確認コードを受信して入力
手順4:ワークスペースを選択
- ログインしたいワークスペースをタップ
ワークスペースのURLを知っている場合
直接アクセス:
ワークスペースのURL(例:abc-company.slack.com)を知っている場合は、直接アクセスできます。
- ブラウザでURLを入力
- メールアドレスとパスワードを入力してログイン
複数のワークスペースを管理する方法
1つのメールアドレスで、複数のワークスペースに参加できます。
重要な仕組み
ワークスペースごとに別のアカウントが作成されます。
例:
- メールアドレス:tanaka@example.com
- ワークスペースA:tanaka@example.comのアカウントA
- ワークスペースB:tanaka@example.comのアカウントB
同じメールアドレスでも、ワークスペースAとBでは別々のアカウントとして扱われます。
ワークスペースの切り替え方法
PC(デスクトップアプリ・ブラウザ):
- 左サイドバーに表示されているワークスペースのアイコンを確認
- 切り替えたいワークスペースのアイコンをクリック
- 自動的に切り替わる
スマホアプリ:
- 画面右下の「あなた」タブをタップ
- 「ワークスペース」セクションから切り替えたいワークスペースをタップ
ワークスペースの並び替え
デスクトップアプリ:
- サイドバーのワークスペースアイコンをドラッグ&ドロップ
- よく使うワークスペースを上に配置すると便利
通知の管理
複数のワークスペースに参加している場合、通知が多すぎて困ることがあります。
おすすめ設定:
- ワークスペースごとに通知レベルを調整
- 重要なワークスペースのみ通知をオンにする
- おやすみモードを活用する
ワークスペースの管理(オーナー・管理者向け)
ワークスペースのオーナーや管理者が知っておくべき管理機能です。
ワークスペース名とURLの変更
手順:
- デスクトップ版でワークスペース名をクリック
- 「設定と管理」→「ワークスペースの設定」を選択
- 「ワークスペース名」または「ワークスペースURL」を変更
- 変更を保存
注意:
- URLの変更は慎重に。既存のリンクがすべて無効になります
- URLは一度変更すると、元のURLは他の人が使える可能性があります
メンバーの招待
手順:
- ワークスペース名をクリック
- 「設定と管理」→「メンバーを招待」を選択
- メールアドレスを入力(複数可、カンマ区切り)
- 「招待を送信」をクリック
メンバーの削除
手順:
- 「設定と管理」→「メンバーを管理」を選択
- 削除したいメンバーを検索
- メンバー名の横の「…」をクリック
- 「アカウントを無効化」を選択
権限の設定
変更できる権限の例:
- チャンネルの作成権限
- メンバーの招待権限
- アプリのインストール権限
- 絵文字のカスタマイズ権限
設定方法:
- 「設定と管理」→「ワークスペースの設定」
- 「権限」タブを選択
- 各項目を設定
ワークスペースの削除
重要:削除すると復元できません!
削除できる人:
プライマリーオーナーのみ
手順:
- デスクトップ版のみで操作可能
- 「設定と管理」→「ワークスペースの設定」
- 下部の「ワークスペースを削除」をクリック
- 確認メッセージを読み、理解した上で削除を実行
オーガナイゼーション(Enterprise Grid)との違い
Slackには、ワークスペースより上位の概念として「オーガナイゼーション」があります。
オーガナイゼーションとは
Enterprise Grid プラン専用の機能で、複数のワークスペースを統合管理できる仕組みです。
イメージ:
オーガナイゼーション(組織全体)
├── ワークスペースA(営業部門)
│ └── チャンネル群
├── ワークスペースB(開発部門)
│ └── チャンネル群
└── ワークスペースC(管理部門)
└── チャンネル群
通常のワークスペースとの違い
| 項目 | ワークスペース | オーガナイゼーション |
|---|---|---|
| プラン | すべてのプラン | Enterprise Gridのみ |
| 管理単位 | 単一のチーム・組織 | 複数のワークスペース |
| プロフィール | ワークスペースごとに異なる | 全体で共通 |
| 管理者 | ワークスペースごと | 組織全体 |
誰が使うべきか
オーガナイゼーションが必要な場合:
- 大企業で複数の部門が別々のワークスペースを使っている
- 複数のワークスペースを一元管理したい
- 全社的なセキュリティポリシーを適用したい
通常のワークスペースで十分な場合:
- 中小企業
- 単一のチームやプロジェクト
- 複数ワークスペースの統合管理が不要
よくある質問
Q1. ワークスペースは無料で作成できますか?
はい、無料で作成できます。
Slackの無料プランでワークスペースを作成し、基本的な機能を利用できます。
Q2. 1つのメールアドレスで複数のワークスペースに参加できますか?
はい、制限なく参加できます。
ただし、ワークスペースごとに別のSlackアカウントが作成されます。
Q3. ワークスペースとチャンネルはどう違いますか?
ワークスペース: 組織・チーム全体の大きな枠組み
チャンネル: ワークスペース内の特定のトピック・プロジェクト用のスペース
ワークスペースの中にチャンネルが複数存在します。
Q4. ワークスペースを削除したらどうなりますか?
すべてのデータが完全に削除されます。
- メッセージ履歴
- ファイル
- チャンネル
- メンバー情報
復元はできませんので、削除前に必ずバックアップを取ってください。
Q5. ワークスペースの作成数に制限はありますか?
いいえ、制限はありません。
必要に応じて、複数のワークスペースを作成できます。
Q6. 他のワークスペースとメッセージをやり取りできますか?
Slack Connectを使えば可能です。
異なるワークスペース間でチャンネルを共有したり、DMを送ったりできます。
ただし、両方のワークスペースが有料プランである必要があります(一部機能は無料でも可)。
Q7. ワークスペースのメンバーはどこまで増やせますか?
プランによって異なります:
- 無料プラン: 制限なし(ただし、メッセージ履歴は90日間のみ)
- 有料プラン: 制限なし
技術的には無制限ですが、パフォーマンスを考慮すると、大規模な場合はチャンネルを500〜1,000人程度に分けることが推奨されます。
Q8. ワークスペースのオーナー権限を譲渡できますか?
はい、プライマリーオーナーは権限を譲渡できます。
手順:
- 「設定と管理」→「ワークスペースの設定」
- 「プライマリーオーナーの移譲」を選択
- 新しいオーナーを指定
まとめ
Slackのワークスペースについて、基礎知識から管理方法まで詳しく解説しました。
ワークスペースの重要ポイント:
- 定義: 組織・チーム全体の共有スペース
- 役割: Slackにおける最大単位で、すべての作業の起点
- 構成: チャンネル、DM、メンバー、アプリなどを含む
- 作成: 誰でも無料で作成可能、作成数に制限なし
- 参加: 招待メール、招待リンク、自動参加から選択
チャンネルとの違い:
- ワークスペース = 組織全体(大)
- チャンネル = 特定トピック・プロジェクト(小)
- ワークスペースの中にチャンネルが存在する
複数ワークスペースの管理:
- 1つのメールアドレスで複数参加可能
- ワークスペースごとに別アカウントが作成される
- サイドバーから簡単に切り替え可能
管理機能(オーナー・管理者):
- メンバーの招待・削除
- 権限設定
- ワークスペース名・URLの変更
- ワークスペースの削除(プライマリーオーナーのみ)
ワークスペースは、Slackを使ううえで必須の基盤です。
この記事を参考に、ワークスペースの作成・参加・管理をスムーズに行い、チームのコミュニケーションを活性化させてください。
ワークスペースを正しく理解することで、Slackをより効果的に活用できるようになります。快適なSlackライフをお楽しみください!

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