「あれ?Slackのメッセージの時間が9時間ずれてる…」
朝送ったはずのメッセージが、夜の時間で表示されている。こんな経験、ありませんか?
Slackの時刻表示がおかしいとき、ほとんどの場合は「タイムゾーン設定」の問題です。今回は、Slackの時刻がずれる原因から、具体的な解決方法まで、分かりやすく解説していきます。
なぜSlackの時刻表示がおかしくなるのか?

Slackの時刻がずれる原因は、大きく分けて3つあります。
原因1:Slackのタイムゾーン設定がずれている
最も多いのがこのパターンです。
Slackには「タイムゾーンを自動で設定する」という機能があります。この機能がオンになっていると、デバイスの位置情報やシステム時計をもとに、Slackが自動的にタイムゾーンを判断します。
ただし、この自動判定が必ずしも正確とは限りません。特に以下のような状況では、誤った判定が起こりやすくなります。
VPNを使用している場合
VPNサーバーの所在地を基準にタイムゾーンが設定されてしまい、実際の現地時間とずれることがあります。
デバイスの位置情報がオフになっている場合
位置情報が取得できないと、Slackがデフォルトで設定する「アメリカ太平洋時間」が適用される可能性があります。これは日本時間より16時間(夏時間は17時間)遅れています。
海外から帰国した直後
旅行や出張で海外に行っていた場合、帰国後すぐには設定が更新されないことがあります。
原因2:デバイスの時刻設定がおかしい
Slackはデバイスのシステム時計を基準に動作します。
そのため、デバイス側のタイムゾーン設定が間違っていると、Slackの設定を正しく変更しても問題が解決しないことがあります。
例えば、パソコンの時計が「ニューヨーク時間」になっているのに、Slackで「東京」を選んでも、Slackはデバイスの設定を優先してしまうんです。
原因3:ブラウザやアプリの不具合
稀にですが、ブラウザ版のSlackやデスクトップアプリに一時的な不具合が発生することがあります。
過去には、Google Chromeのアップデート後に時刻表示がおかしくなるという事例もありました。この場合、ブラウザのバージョンアップや再起動で解決することが多いです。
メッセージのタイムスタンプの仕組み
問題を解決する前に、Slackのタイムスタンプの仕組みを理解しておきましょう。
Slackは協定世界時(UTC)で記録している
Slackは内部的に、すべてのメッセージを「協定世界時(UTC)」で記録しています。
これは、世界中のどこからアクセスしても一貫した時間管理ができるようにするためです。UTCは、日本時間(JST)より9時間遅れています。
表示は各ユーザーのタイムゾーンに変換される
記録されたUTC時刻は、各ユーザーが設定したタイムゾーンに変換されて表示されます。
つまり、同じメッセージでも、東京にいる人には「午後2時」、ニューヨークにいる人には「午前0時」と表示されるわけです。
デバイスの時刻とSlackの設定の両方が影響する
表示される時刻は、「デバイスの時刻設定」と「Slackのタイムゾーン設定」の両方に影響を受けます。
どちらか一方でも間違っていると、正しい時刻が表示されません。
デバイスの時刻設定を確認・修正する方法
まずは、デバイス側の時刻設定を確認しましょう。
Windowsの場合
- 画面右下の時計を右クリック
- 「日付と時刻の調整」を選択
- 「時刻を自動的に設定する」がオンになっているか確認
- 「タイムゾーンを自動的に設定する」もオンにする
- タイムゾーンが「(UTC+09:00)大阪、札幌、東京」になっているか確認
もし自動設定がうまくいかない場合は、手動で正しいタイムゾーンを選択してください。
Macの場合
- 左上のアップルメニューをクリック
- 「システム設定」を選択
- 「一般」→「日付と時刻」を開く
- 「現在の位置情報を使用してタイムゾーンを自動的に設定」にチェックを入れる
- 「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」も確認
- 位置情報サービスがオンで、「システムサービス」の「タイムゾーンの設定」が有効になっているか確認
iPhone・iPadの場合
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」→「日付と時刻」をタップ
- 「自動設定」をオンにする
- タイムゾーンが「東京」になっているか確認
Androidの場合
- 「設定」アプリを開く
- 「システム」→「日付と時刻」をタップ
- 「日付と時刻の自動設定」をオンにする
- 「タイムゾーンの自動設定」もオンにする
デバイスの時刻設定を変更したら、必ずSlackアプリを再起動してください。
Slackのタイムゾーン設定を確認・変更する方法

デバイスの設定が正しいことを確認したら、次はSlack側の設定を確認しましょう。
デスクトップ版・ブラウザ版での設定方法
- 画面右上の自分のプロフィール写真をクリック
- 「環境設定」を選択
- 左側のメニューから「言語と地域」をクリック
- 「タイムゾーン」のセクションを確認
ここで2つの選択肢があります。
自動設定を使う場合
「タイムゾーンを自動で設定する」にチェックを入れます。これで、Slackがデバイスの位置情報から自動的にタイムゾーンを判定します。
ただし、VPNを使っている場合や位置情報がオフの場合は、手動設定の方が確実です。
手動で設定する場合
「タイムゾーンを自動で設定する」のチェックを外し、ドロップダウンメニューから正しいタイムゾーンを選択します。
日本にいる場合は、「(GMT+09:00)大阪、札幌、東京」を選んでください。
設定を変更したら、右下の「保存」をクリックするのを忘れずに。
スマホアプリでの設定方法(iOS・Android共通)
- 画面下部(またはサイドバー)の「あなた」タブをタップ
- 「環境設定」をタップ
- 「詳細設定」を選択
- 「タイムゾーンを自動で設定する」のスイッチをオン・オフで切り替え
スマホ版では、基本的に自動設定しか選べません。手動で細かく調整したい場合は、デスクトップ版やブラウザ版から設定しましょう。
よくあるトラブルと対処法
設定を変更しても問題が解決しない場合、以下のトラブルシューティングを試してみてください。
設定を変更したのに時刻が直らない
対処法1:Slackアプリを完全に再起動する
設定変更後、必ずアプリを一度完全に終了させて、再度起動してください。
デスクトップアプリの場合、タスクトレイ(Windows)やメニューバー(Mac)からも終了させましょう。単にウィンドウを閉じるだけでは、バックグラウンドで動き続けていることがあります。
対処法2:キャッシュをクリアする
ブラウザ版を使っている場合、キャッシュが古い情報を保持している可能性があります。
- Google Chrome:設定→プライバシーとセキュリティ→閲覧履歴データの削除→キャッシュされた画像とファイルを削除
- デスクトップアプリ:完全にアンインストールして再インストール
対処法3:別のブラウザやアプリで試す
ブラウザ版で問題が起きている場合は、デスクトップアプリで試してみてください。逆も同様です。
別の環境で正常に表示されるなら、アプリやブラウザ側の問題です。
海外から帰国したのに現地時刻のままになっている
帰国後すぐは、自動設定が反映されるまで時間がかかることがあります。
- 「タイムゾーンを自動で設定する」を一度オフにする
- 手動で「(GMT+09:00)大阪、札幌、東京」を選択
- 保存後、再度「タイムゾーンを自動で設定する」をオンにする
この手順で、設定がリセットされて正しく反映されることが多いです。
VPN使用時に時刻がおかしくなる
VPNを使用していると、接続先のサーバーの位置情報が優先されることがあります。
対処法
- VPN接続中は「タイムゾーンを自動で設定する」をオフにする
- 手動で正しいタイムゾーンを選択する
VPNを頻繁に使う場合は、手動設定にしておくことをお勧めします。
特定のブラウザだけ時刻がおかしい
過去には、Google Chromeのアップデート後に時刻表示がずれる不具合が報告されています。
対処法
- ブラウザを最新バージョンにアップデートする
- それでも直らない場合、一度パソコンのタイムゾーン設定を別の地域に変更し、すぐに元に戻す
- ブラウザを再起動する
この手順で、ブラウザが正しい時刻を再読み込みすることがあります。
リマインダーや通知が変な時間に来る
Slackのリマインダーや「おやすみモード」の通知スケジュールは、タイムゾーン設定に依存しています。
タイムゾーンを変更すると、これらの設定も現地時間に合わせて自動調整されます。
ただし、すでに設定済みのリマインダーは、設定時のタイムゾーンで記録されているため、手動で再設定する必要があるかもしれません。
時刻は合っているのに表記が12時間制になっている
Slackは、タイムゾーンの地域によってデフォルトで12時間制(AM/PM表示)または24時間制を使い分けます。
24時間制に変更する方法
残念ながら、現在のSlackには時刻の表示形式を直接変更する設定はありません。ただし、タイムゾーンを24時間制を使う地域(ヨーロッパや日本など)に設定すると、表示が変わることがあります。
確実に24時間制にしたい場合は、デバイス側の地域設定を確認し、24時間制を使う地域に設定してください。
他のメンバーのタイムゾーンを確認する方法
グローバルチームで働いている場合、相手が今何時なのか知りたいこともありますよね。
プロフィールから確認
- チャンネルやダイレクトメッセージで、確認したいメンバーの名前をクリック
- プロフィールのポップアップが表示される
- 名前の下に「現地時間:午後2時30分」のように表示される
これで、相手の現地時間が一目で分かります。
配慮したコミュニケーション
相手のタイムゾーンが分かったら、以下のような配慮ができます。
- 深夜や早朝の時間帯は、緊急でない限りメッセージを「送信予約」機能で営業時間に送る
- 相手が設定している「おやすみモード」の時間を尊重する
- ミーティングの時間を決めるとき、全員にとって無理のない時間帯を選ぶ
まとめ:時刻がおかしいときの解決手順
Slackの時刻表示がおかしいときは、以下の順番で確認・対処してください。
ステップ1:デバイスの時刻設定を確認
- システム時計が正しい時刻になっているか
- タイムゾーンが正しく設定されているか
- 自動設定がオンになっているか
ステップ2:Slackのタイムゾーン設定を確認
- 環境設定→言語と地域→タイムゾーン
- 自動設定を試す、またはだめなら手動で正しいタイムゾーンを選択
- 日本なら「(GMT+09:00)大阪、札幌、東京」
ステップ3:アプリを再起動
- 設定変更後、必ずアプリを完全に終了させて再起動
ステップ4:それでもだめなら
- キャッシュをクリア
- 別のブラウザやアプリで試す
- アプリを再インストール
ほとんどのケースは、ステップ1〜3で解決します。
時刻表示が正しくなると、チームとのコミュニケーションがぐっとスムーズになります。特にグローバルチームで働いている場合、正確なタイムスタンプは必須です。
設定を一度確認して、快適なSlackライフを送りましょう!


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