Slackのデータ移行完全ガイド!エクスポート・インポートの手順と注意点を徹底解説

プログラミング・IT

「Slackのワークスペースを統合したい」
「別のツールに移行するから、データをバックアップしておきたい」
「会社が買収されて、Slackを移行することになった」

Slackを使っていると、データ移行が必要になる場面があります。でも、「どうやってデータを移行するの?」「全部のデータが移行できるの?」と不安になりますよね。

この記事では、Slackのデータ移行について、エクスポートからインポートまでの手順、プラン別の制限、注意点まで詳しく解説します。

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  1. Slackのデータ移行とは?
    1. データ移行が必要になる主な場面
  2. データエクスポートの基本
    1. エクスポートできるデータ
    2. プラン別のエクスポート範囲
  3. データエクスポートの手順
    1. パブリックチャンネルのエクスポート方法
    2. エクスポートファイルのダウンロード
    3. 全会話のエクスポート申請(有料プランのみ)
  4. データインポートの基本
    1. インポートできるデータの種類
    2. インポートの制限事項
  5. Slackワークスペース間のデータ移行手順
    1. ステップ1:移行元ワークスペースからデータをエクスポート
    2. ステップ2:エクスポートファイルをアップロード準備
    3. ステップ3:移行先ワークスペースでインポートを開始
    4. ステップ4:ユーザーのマッピング
    5. ステップ5:チャンネルのマッピング
    6. ステップ6:オプション設定
    7. ステップ7:インポート実行
  6. CSVファイルからのインポート
    1. CSVファイルの準備
    2. CSVインポートの手順
  7. データ移行の注意点
    1. 注意点1:ファイル本体は含まれない
    2. 注意点2:アプリの設定は移行されない
    3. 注意点3:プライベートチャンネルの扱いに注意
    4. 注意点4:エクスポートファイルは編集しない
    5. 注意点5:インポートは取り消せない
    6. 注意点6:データサイズが大きいと時間がかかる
  8. データ移行の事前準備チェックリスト
    1. 確認1:移行の目的を明確にする
    2. 確認2:プランの確認
    3. 確認3:データ量の確認
    4. 確認4:ユーザーへの通知
    5. 確認5:バックアップ
    6. 確認6:テスト実施
  9. トラブルシューティング
    1. エクスポートが完了しない
    2. インポートが失敗する
    3. ユーザーが正しくマッピングされない
    4. チャンネルが統合されてしまった
    5. ファイルが見られない
  10. よくある質問
    1. Q1. 無料プランでもデータ移行できる?
    2. Q2. ファイルも一緒に移行できる?
    3. Q3. プライベートチャンネルやDMも移行できる?
    4. Q4. 移行にどれくらい時間がかかる?
    5. Q5. 移行したデータは削除できる?
    6. Q6. Enterprise Gridから通常プランに移行できる?
    7. Q7. 他のツール(TeamsやChatworkなど)にも移行できる?
  11. まとめ:計画的にデータ移行を進めよう

Slackのデータ移行とは?

データ移行とは、Slackのメッセージやファイル、チャンネル情報などを別の場所に移すことです。

データ移行が必要になる主な場面

場面1:ワークスペースの統合
複数のワークスペースを1つにまとめたい時です。部署ごとに作ったワークスペースを、会社全体のワークスペースに統合するケースなどがあります。

場面2:他のツールへの移行
SlackからMicrosoft Teamsや他のチャットツールに移行する場合です。過去のやり取りを新しいツールでも見られるようにしたい時に必要です。

場面3:バックアップ
大切なメッセージやファイルを定期的にバックアップしたい場合です。コンプライアンス対応や万が一の事態に備えるために行います。

場面4:プラン変更による対応
フリープランから有料プランへのアップグレード、またはダウングレード時に、データを保存しておきたい場合です。

データエクスポートの基本

まずは、Slackからデータを取り出す「エクスポート」について説明します。

エクスポートできるデータ

基本的にエクスポートされるもの:

  • メッセージの内容(テキスト)
  • メッセージの送信者
  • メッセージの送信日時
  • チャンネル情報
  • ユーザー情報
  • ファイルへのリンク(ファイル本体ではない)

エクスポートされないもの:

  • ファイル本体(リンクのみ)
  • 絵文字のカスタム設定
  • ユーザーグループ
  • ワークスペースの設定
  • アプリの設定
  • ブックマーク
  • 保存したアイテム(個人用)

プラン別のエクスポート範囲

エクスポートできる範囲は、契約プランによって大きく異なります。

フリープラン:

  • エクスポート可能:パブリックチャンネルのみ
  • 期間:過去90日分まで
  • 形式:JSON形式
  • 制限:ファイル本体は含まれない

Pro / Business+プラン:

  • エクスポート可能:パブリックチャンネル(標準)
  • 追加申請:プライベートチャンネル、DMも可能(条件付き)
  • 期間:ワークスペースの全履歴
  • 形式:JSON形式

Enterprise Gridプラン:

  • エクスポート可能:全てのデータ
  • カスタムエクスポート:特定のユーザーやチャンネルのみ選択可能
  • 形式:JSONまたはTXT形式
  • スケジュール機能:定期的な自動エクスポートが可能

データエクスポートの手順

パブリックチャンネルのエクスポート方法

手順:

  1. デスクトップアプリまたはブラウザでSlackを開く
  2. 左上のワークスペース名をクリック
  3. 「設定と管理」→「ワークスペースの設定」を選択
  4. ブラウザが自動で開く
  5. 画面右上の「データのインポート/エクスポート」をクリック
  6. 「エクスポート」タブを選択
  7. 「日付範囲をエクスポートする」でエクスポート期間を選択
  8. 「エクスポート開始」をクリック

エクスポート期間の選択肢:

  • 全期間
  • 過去30日間
  • カスタム期間(開始日と終了日を指定)

エクスポートが完了すると、メールで通知が届きます。

エクスポートファイルのダウンロード

手順:

  1. Slackから届いたメールを開く
  2. 「ワークスペースのエクスポートページにアクセスする」をクリック
  3. 「ダウンロード」タブを選択
  4. 「ダウンロードを開始する」をクリック
  5. ZIPファイルがダウンロードされる

注意点:

  • ダウンロードリンクには有効期限がある
  • エクスポートの生成は1時間に1回まで
  • ZIPファイルのサイズは、データ量によって数MBから数GBまで様々

全会話のエクスポート申請(有料プランのみ)

プライベートチャンネルやDMを含む全データのエクスポートには、特別な申請が必要です。

申請に必要なもの:

  1. 法的に有効な要求書類(政府機関や規制当局からの命令など)
  2. メンバーの同意書
  3. 適用法に基づく権利の証明

申請手順:

  1. Slackサポートに連絡
  2. 上記の必要書類を提出
  3. Slackが審査(通常数日〜数週間)
  4. 承認されたら、セルフサービスツールへのアクセス権が付与される
  5. ツールを使ってエクスポート

この機能は、法的対応やコンプライアンス目的でのみ使用できます。

データインポートの基本

エクスポートしたデータを、別のワークスペースに取り込む「インポート」について説明します。

インポートできるデータの種類

1. 他のSlackワークスペースからのデータ

  • メッセージ
  • チャンネル
  • ユーザー情報

2. CSVファイル

  • Microsoft TeamsやSkypeなど、他ツールからのデータ
  • カスタム形式のデータ

3. サードパーティアプリからのエクスポートデータ

  • HipChatなど、他のチャットツールからのデータ

インポートの制限事項

インポートできないもの:

  • Enterprise GridからのデータをEnterprise Grid以外へ
  • ワークスペースの設定(手動で再設定が必要)
  • アプリの設定(インポート後に再インストールが必要)
  • ユーザーグループ
  • カスタム絵文字
  • ユーザーの保存済みアイテム
  • プロフィールフィールドのカスタム設定

Slackワークスペース間のデータ移行手順

2つのワークスペースを統合する、最も一般的なケースの手順です。

ステップ1:移行元ワークスペースからデータをエクスポート

前述の「データエクスポートの手順」に従って、移行元ワークスペースのデータをエクスポートします。

ポイント:

  • 小規模なワークスペースから大規模なワークスペースへ移行するのがおすすめ
  • エクスポートファイルが大きすぎる場合は、日付範囲で分割する

ステップ2:エクスポートファイルをアップロード準備

方法1:クラウドストレージを使う

  1. DropboxやGoogle Drive、Boxなどにエクスポートファイルをアップロード
  2. 公開ダウンロードリンクを生成
  3. リンクをメモしておく

方法2:直接アップロード

ファイルサイズが小さい場合は、この方法が簡単です。

ステップ3:移行先ワークスペースでインポートを開始

手順:

  1. 移行先ワークスペースにサインイン
  2. 左上のワークスペース名をクリック
  3. 「設定と管理」→「ワークスペースの設定」を選択
  4. 「データのインポート/エクスポート」をクリック
  5. 「インポート」タブを選択
  6. 「Slack」の横の「インポート」をクリック
  7. ガイドを確認して「次へ」
  8. エクスポートファイルのリンクを貼り付け、または直接アップロード
  9. 「ファイルをアップロード」をクリック

アップロードが完了すると、メールで通知が届きます。

ステップ4:ユーザーのマッピング

インポートするユーザーをどう扱うか選択します。

選択肢:

1. 既存のメンバーにマージ

  • メールアドレスが一致するユーザーは、既存アカウントと統合される
  • 過去のメッセージも既存ユーザーに紐付けられる

2. 新規ユーザーとして招待

  • 新しいアカウントを作成
  • 招待メールが送信される

3. 解除済みアカウントとして登録

  • アカウントは作成されるが、無効化された状態
  • 招待メールは送信されない
  • 後で必要に応じて有効化できる

4. インポートしない

  • 特定のユーザーを除外できる

ステップ5:チャンネルのマッピング

インポートするチャンネルをどう扱うか選択します。

選択肢:

1. 新しいチャンネルとして作成

  • 移行先に同名のチャンネルがない場合、新規作成される

2. 既存のチャンネルにマージ

  • 移行先に同名のパブリックチャンネルがある場合、統合される
  • メッセージは日時順に並べ替えられる

3. インポートしない

  • 特定のチャンネルを除外できる

注意:

  • プライベートチャンネルは既存チャンネルにマージできない
  • チャンネル名の変更はインポート前に行う必要がある

ステップ6:オプション設定

DMのインポート:
「インポートされたユーザー間のダイレクトメッセージ」にチェックを入れると、DMもインポートされます。

ファイルの扱い:
ファイル自体は含まれず、リンクのみがインポートされます。リンクが有効な限り、ファイルにアクセスできます。

ステップ7:インポート実行

手順:

  1. 設定内容を最終確認
  2. 「インポート」ボタンをクリック
  3. 進行状況バーで進捗を確認
  4. 完了するとメールで通知

所要時間:

  • 小規模(数千メッセージ):数分〜数時間
  • 中規模(数万メッセージ):数時間〜1日
  • 大規模(数十万メッセージ以上):数日かかることも

CSVファイルからのインポート

他ツールからSlackに移行する場合の方法です。

CSVファイルの準備

必須の列(この順番で):

  1. タイムスタンプ(Unixタイムスタンプ形式)
  2. チャンネル名
  3. ユーザー名
  4. メッセージテキスト

例:

1357559471,team-marketing,田中,新しい広告いつ始まる?
1357559472,team-marketing,佐藤,来週です!

ルール:

  • 複数行のメッセージは、ダブルクォーテーション(”)で囲む
  • 列の区切りはカンマ(または指定した区切り文字)
  • メッセージは古い順に並べる

CSVインポートの手順

手順:

  1. ワークスペース設定を開く
  2. 「データのインポート/エクスポート」をクリック
  3. 「CSV/テキストファイル」の横の「インポート」をクリック
  4. CSVファイルを選択
  5. 区切り文字を確認(デフォルトはカンマ)
  6. 「インポート開始」をクリック
  7. アップロード完了後、ユーザーとチャンネルをマッピング
  8. インポート実行

制限:
CSVインポートでは、基本的なデータ(チャンネル、メッセージ、ユーザー)のみインポートできます。

データ移行の注意点

注意点1:ファイル本体は含まれない

エクスポートには、ファイルへのリンクしか含まれません。

対処法:

  • ファイルも移行したい場合は、サードパーティツールを使う
  • または、手動でファイルをダウンロードして再アップロード

注意点2:アプリの設定は移行されない

連携しているアプリ(Google Drive、Trelloなど)の設定は、移行先で再設定が必要です。

対処法:

  • 使用中のアプリリストを作成
  • 移行後に1つずつ再インストール・再設定

注意点3:プライベートチャンネルの扱いに注意

プライベートチャンネルは、既存のチャンネルにマージできません。

対処法:

  • 移行完了まではパブリックチャンネルにしておく
  • 移行後にプライベートに変更

注意点4:エクスポートファイルは編集しない

エクスポートファイルを編集すると、インポートが失敗する可能性があります。

対処法:

  • 必要なデータの選択は、インポート時に行う
  • ファイルは編集せず、そのままアップロード

注意点5:インポートは取り消せない

一度インポートしたデータは、簡単には削除できません。

対処法:

  • 本番環境で実行する前に、テスト用ワークスペースで試す
  • フリープランで新しいワークスペースを作り、テストインポートを実行

注意点6:データサイズが大きいと時間がかかる

数十万、数百万のメッセージがある場合、インポートに数日かかることもあります。

対処法:

  • 日付範囲を分割して、複数回インポート
  • 必要なデータだけを選択してインポート

データ移行の事前準備チェックリスト

移行をスムーズに進めるため、事前に確認しておくべきことです。

確認1:移行の目的を明確にする

  • なぜ移行が必要なのか
  • どのデータが必要なのか
  • いつまでに完了させるのか

確認2:プランの確認

  • 現在のプランでエクスポート可能な範囲は?
  • 追加申請が必要か?

確認3:データ量の確認

  • エクスポートファイルのサイズは?
  • インポートにかかる時間は?

確認4:ユーザーへの通知

  • メンバーに移行予定を事前通知
  • 移行中の注意事項を共有
  • 移行後の手順を説明

確認5:バックアップ

  • 移行前に現状のエクスポートを取得
  • 万が一に備えて保管

確認6:テスト実施

  • テスト用ワークスペースで事前に試す
  • 問題がないか確認

トラブルシューティング

エクスポートが完了しない

原因:

  • データ量が多すぎる
  • ネットワークエラー

対処法:

  1. 日付範囲を短くして再試行
  2. 時間をおいて再度エクスポート
  3. Slackサポートに連絡

インポートが失敗する

原因:

  • エクスポートファイルが編集されている
  • ファイルサイズが大きすぎる
  • ファイル形式が正しくない

対処法:

  1. 編集していないエクスポートファイルを使用
  2. ファイルを分割して複数回インポート
  3. CSVファイルの形式を再確認

ユーザーが正しくマッピングされない

原因:

  • メールアドレスが一致しない
  • ユーザー名が重複している

対処法:

  1. インポート時にマッピングを手動で確認
  2. メールアドレスを事前に統一
  3. 重複するユーザー名を変更

チャンネルが統合されてしまった

原因:

  • 移行先に同名のパブリックチャンネルが存在した

対処法:

  1. エクスポート前にチャンネル名を変更
  2. または、移行先のチャンネル名を変更

ファイルが見られない

原因:

  • ファイルへのリンクが切れている
  • 移行元ワークスペースが削除された

対処法:

  1. 移行前にファイルをダウンロード
  2. 移行後に再アップロード
  3. または、サードパーティツールを使用

よくある質問

Q1. 無料プランでもデータ移行できる?

A. はい、できますが制限があります。

フリープランでは、パブリックチャンネルの過去90日分のデータのみエクスポートできます。プライベートチャンネルやDMは含まれません。

Q2. ファイルも一緒に移行できる?

A. 標準機能では、ファイル本体は移行できません。

エクスポートにはファイルへのリンクのみが含まれます。ファイル本体も移行したい場合は、サードパーティのツールを使うか、手動でダウンロード・再アップロードが必要です。

Q3. プライベートチャンネルやDMも移行できる?

A. 有料プランで、特別な申請をすれば可能です。

ただし、法的な要求や全メンバーの同意などが必要になります。通常の移行では、パブリックチャンネルのみが対象です。

Q4. 移行にどれくらい時間がかかる?

A. データ量によって大きく異なります。

数千メッセージなら数時間、数十万メッセージなら数日かかることもあります。事前にテストして、所要時間を確認するのがおすすめです。

Q5. 移行したデータは削除できる?

A. インポート後の一括削除は簡単ではありません。

チャンネルごとに削除するか、ワークスペース全体を削除する必要があります。そのため、本番前に必ずテストすることが重要です。

Q6. Enterprise Gridから通常プランに移行できる?

A. 直接は移行できません。

Enterprise Gridのデータは、通常のワークスペースにインポートできません。別のワークスペースにインポートしてから、それをOrganizationに移行する必要があります。

Q7. 他のツール(TeamsやChatworkなど)にも移行できる?

A. エクスポートしたデータを使えば可能です。

Slackからエクスポートしたデータを、移行先ツールの形式に変換する必要があります。多くのツールには、Slackからのインポート機能があります。

まとめ:計画的にデータ移行を進めよう

Slackのデータ移行は、手順を理解すれば難しくありません。

この記事のポイント:

  • データ移行には、エクスポートとインポートの2つのステップがある
  • フリープランはパブリックチャンネルのみ、有料プランはより広範囲をエクスポート可能
  • ファイル本体は含まれず、リンクのみがエクスポートされる
  • ワークスペース間の移行では、ユーザーとチャンネルのマッピングが重要
  • CSVファイルからのインポートも可能だが、基本データのみ
  • アプリの設定は移行されないので、再設定が必要
  • 事前にテスト用ワークスペースで試すことが大切
  • データ量が多いと時間がかかるので、余裕を持って計画する

データ移行は、一度始めると途中で止めるのが難しい作業です。

まずはエクスポートだけ試してみて、ファイルサイズや所要時間を確認しましょう。そして、テスト用のワークスペースで実際にインポートを試してみることをおすすめします。

本番の移行は、メンバーが少ない週末や休日を選び、事前に告知してから実施するのがベストです。

計画的に進めれば、スムーズにデータ移行ができますよ!

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