「Slackのパブリックチャンネルって何?」
「プライベートチャンネルとどう違うの?」
Slackを使い始めたばかりだと、チャンネルの種類に戸惑いますよね。パブリックとプライベート、どちらを選ぶべきか迷う方も多いはずです。
この記事では、Slackのパブリックチャンネルについて、基本から使い分けのコツまで、分かりやすく解説します。正しく理解すれば、チーム全体の情報共有がもっとスムーズになりますよ。
Slackのパブリックチャンネルとは?

パブリックチャンネルとは、ワークスペース内の誰でも自由に参加・閲覧できるオープンなチャンネルのことです。
「パブリック」は「公開」という意味。つまり、社内やチーム内の全メンバーに公開されているグループチャットというイメージです。
パブリックチャンネルの見分け方
パブリックチャンネルは、名前の前に「#」(ハッシュタグ)がついています。
例:
- #general
- #プロジェクトA
- #営業部
この「#」マークがついていたら、それがパブリックチャンネルの目印です。
誰が参加できる?
ワークスペースのメンバー(ゲスト以外)なら、誰でも自由に参加できます。
招待される必要はありません。自分でチャンネルを見つけて、クリックするだけで参加できます。退出も自由で、いつでも好きな時に抜けられます。
ただし、ゲストアカウントは、招待されたチャンネルにしか参加できない制限があります。
プライベートチャンネルとの違い
パブリックチャンネルを理解するには、プライベートチャンネルとの違いを知ることが大切です。
見た目の違い
パブリックチャンネル:
- 名前の前に「#」マーク
- 例:#マーケティング
プライベートチャンネル:
- 名前の前に「🔒」(鍵マーク)
- 例:🔒人事部門
この違いで、一目でどちらか分かります。
参加方法の違い
パブリックチャンネル:
- 誰でも自由に参加可能
- チャンネル一覧から検索して参加できる
- 招待不要
プライベートチャンネル:
- すでに参加しているメンバーからの招待が必要
- チャンネル一覧に表示されない(参加者以外には存在も見えない)
- 招待なしでは参加できない
検索での違い
パブリックチャンネル:
- 投稿されたメッセージやファイルは、ワークスペース全体で検索可能
- 参加していないチャンネルの内容も、検索結果に表示される
プライベートチャンネル:
- 投稿内容は、そのチャンネルのメンバーしか検索できない
- 部外者の検索結果には一切表示されない
変更の違い
パブリックからプライベートへ:
- 可能(ただし1回のみ)
- 一度変更したら元に戻せない
プライベートからパブリックへ:
- 基本的に不可能(セキュリティ保護のため)
- 新しくパブリックチャンネルを作り直す必要がある
パブリックチャンネルの主な特徴
透明性が高い
全員が同じ情報にアクセスできるため、情報の透明性が確保されます。
「知らなかった」「聞いていない」というトラブルを減らせるのが大きな利点です。誰もが同じ情報を見られるので、認識のズレが生まれにくくなります。
情報が蓄積される
パブリックチャンネルでの会話は、ワークスペース全体のナレッジとして蓄積されます。
新しいメンバーが入社した時も、過去の議論や決定事項を検索で見つけられます。組織の知識ベースとして機能するわけです。
自由な出入りが可能
メンバーは必要に応じて自由に参加・退出できます。
興味のあるプロジェクトには気軽に参加でき、終わったら退出する。このフレキシブルさが、部門を超えたコラボレーションを促進します。
全員に検索可能
チャンネルに参加していなくても、そこで共有された情報を検索で見つけられます。
例えば、営業部のチャンネルに参加していない開発部のメンバーでも、製品仕様について営業チャンネルで議論された内容を検索できます。
パブリックチャンネルのメリット
メリット1:情報の民主化
全員が同じ情報にアクセスできることで、情報の偏りがなくなります。
上司だけが知っている、一部の人しか知らない、という状況を防げます。フラットな組織作りにも貢献します。
メリット2:サイロ化の防止
部署やチームが孤立する「サイロ化」を防げます。
他部署が何をしているか見える化されるため、部門間の連携がスムーズになります。思わぬコラボレーションが生まれることも。
メリット3:新人の教育がスムーズ
新しく入ったメンバーは、パブリックチャンネルの過去ログを読むだけで、多くのことを学べます。
プロジェクトの経緯、決定事項、よくある質問への回答など、全てチャンネルに記録されています。教育コストを削減できるわけです。
メリット4:重複作業の削減
他のチームが既に解決した問題を、自分のチームでも検索で見つけられます。
同じ問題に複数のチームが取り組む無駄を避けられます。「車輪の再発明」を防げるんです。
メリット5:専門知識の共有
特定分野の専門家の発言を、他のメンバーも見られます。
例えば、セキュリティの専門家がいるチャンネルでの議論を、他部署のメンバーも参考にできます。組織全体の知識レベルが底上げされます。
パブリックチャンネルのデメリット・注意点

デメリット1:機密情報の管理が難しい
全員が見られるため、機密性の高い情報は扱えません。
個人情報、未発表の新製品情報、給与データなど、限られた人しか知るべきでない情報には不向きです。
デメリット2:通知が多くなりがち
多くのパブリックチャンネルに参加すると、通知が増えて集中力が削がれます。
必要なチャンネルだけに参加する、通知設定を調整するなど、工夫が必要です。
デメリット3:発言のハードルが高くなることも
全員に見られると思うと、気軽に発言しづらいと感じる人もいます。
特に新人や控えめな性格の人は、質問や意見を躊躇してしまうかもしれません。心理的安全性を確保する配慮が大切です。
デメリット4:関係ない人にも情報が届く
プロジェクトに直接関係ないメンバーにも、情報が見えてしまいます。
本当に限られたメンバーで議論したい場合は、パブリックチャンネルは適しません。
パブリックチャンネルとプライベートチャンネルの使い分け
どんな時にパブリックを使い、どんな時にプライベートを使うべきか、明確な基準があると便利です。
パブリックチャンネルを使うべき場面
1. 全社的な情報共有
- 会社全体のお知らせ
- 全社会議の議事録
- 新製品のリリース情報
2. オープンなプロジェクト
- 社内イベントの企画
- 新しいツールの導入検討
- 業務改善の提案
3. 専門知識の共有
- 技術的なTips
- マーケティング戦略の議論
- デザインレビュー
4. 部門間コラボレーション
- 複数部署が関わるプロジェクト
- 営業と開発の連携
- 全社的な取り組み
プライベートチャンネルを使うべき場面
1. 機密性の高い情報
- 採用活動
- 人事評価
- 未発表の買収・提携情報
2. 個人情報を扱う場合
- 従業員の健康情報
- 給与や報酬の議論
- 個別の人事案件
3. 限定されたチームでの議論
- 経営陣のみの戦略会議
- 特定部署の内部ミーティング
- セキュリティ対策の検討
4. クライアントとの連携
- 特定顧客との商談
- 機密保持契約がある案件
- 競合他社に知られたくない情報
迷った時の判断基準
以下に当てはまるならパブリックチャンネル:
- 誰が見ても問題ない情報
- 多くの人に知ってもらいたい内容
- 組織全体で共有すべき知識
- 新メンバーにも見せたい過去の議論
以下に当てはまるならプライベートチャンネル:
- 特定の人しか知るべきでない情報
- 法的・倫理的な配慮が必要な内容
- 競争優位に関わる機密情報
- 個人のプライバシーに関わる話題
パブリックチャンネルの作成方法
パブリックチャンネルは、簡単に作成できます。
パソコンでの作成手順
手順:
- Slackのサイドバーにある「チャンネル」の横の「+」をクリック
- 「新しいチャンネルを作成する」を選択
- チャンネル名を入力(80文字まで)
- チャンネルの説明を入力(任意だが推奨)
- 「パブリックチャンネル」が選択されていることを確認
- 「作成」をクリック
これでパブリックチャンネルが完成します。
スマホでの作成手順
手順:
- ホームタブで「+」アイコンをタップ
- チャンネル名を入力して「次へ」
- 「パブリック」を選択
- 「作成」をタップ
スマホでも簡単に作れます。
チャンネル名のつけ方
良いチャンネル名は、内容が一目で分かることです。
良い例:
- #プロジェクト-新商品開発
- #marketing-sns
- #営業-北海道エリア
悪い例:
- #重要
- #メモ
- #その他
チャンネル名には、日本語、英小文字、数字、ハイフン(-)、アンダーバー(_)が使えます。スペースやピリオドは使えません。
#generalチャンネルの特別な扱い
全てのワークスペースには、最初から「#general」というパブリックチャンネルがあります。
#generalの特徴
- 全メンバーが自動参加
ワークスペースに参加した瞬間、自動的に追加されます(ゲスト以外)。 - 退出できない
唯一、退出できないチャンネルです。常に全員が見られる状態になっています。 - 削除・プライベート化できない
管理者であっても、このチャンネルを削除したり、プライベートに変更したりできません。 - 全社向けの情報共有に最適
全員が必ず参加しているので、会社全体に伝えたい重要な情報の共有に向いています。
#generalの上手な使い方
推奨される使い方:
- 全社的なお知らせ
- 緊急連絡
- 会社の方針変更
- 重要なイベントの告知
避けるべき使い方:
- 雑談(専用チャンネルを作る)
- 特定部署だけに関係する話題
- 頻繁な投稿(重要な情報が埋もれる)
パブリックチャンネルでの注意点
注意点1:一度公開したファイルは非公開にできない
パブリックチャンネルで共有したファイルは、たとえチャンネルをプライベートに変更しても、公開されたままになります。
これはセキュリティ上の重要なポイントです。機密ファイルを間違ってパブリックチャンネルにアップロードしないよう、十分注意しましょう。
注意点2:検索に引っかかる
パブリックチャンネルの内容は、ワークスペース全体の検索対象になります。
「この会話、他の人には見られたくない」と後から思っても、既に検索履歴に残っています。投稿前によく考えましょう。
注意点3:削除しても検索に残る可能性
メッセージを削除しても、誰かがブックマークしていたり、引用していたりすると、完全には消えない場合があります。
注意点4:プライベート化は一度だけ
パブリックチャンネルをプライベートに変更できるのは、一度だけです。
そして、一度プライベートにしたら、二度とパブリックには戻せません。変更は慎重に行いましょう。
よくある質問
Q1. パブリックチャンネルとプライベートチャンネル、どちらを多く使うべき?
A. 基本はパブリックチャンネルを推奨します。
Slackの公式ガイドラインでも、可能な限りパブリックチャンネルを使うことが推奨されています。透明性が高まり、情報共有がスムーズになるからです。
プライベートチャンネルは、本当に必要な場合だけに限定するのが良い運用です。
Q2. ゲストもパブリックチャンネルに参加できる?
A. いいえ、ゲストは招待されたチャンネルにしか参加できません。
ゲストアカウントは、パブリックチャンネルであっても、自由に参加することはできません。必ず誰かが招待する必要があります。
Q3. パブリックチャンネルに参加しないと見られない?
A. 参加しなくても検索で見つけられます。
パブリックチャンネルの内容は、参加していなくても検索結果に表示されます。ただし、リアルタイムで通知を受け取りたい場合は、参加する必要があります。
Q4. 誰がパブリックチャンネルを作れる?
A. デフォルトでは、ワークスペースのメンバーなら誰でも作成できます。
ただし、管理者が権限を制限している場合もあります。作成できない場合は、ワークスペースのオーナーに確認しましょう。
Q5. パブリックチャンネルの数に制限はある?
A. いいえ、作成数に制限はありません。
ただし、チャンネルが増えすぎると管理が大変になります。適切な数に抑え、不要になったチャンネルはアーカイブ(保管)しましょう。
Q6. プライベートチャンネルをパブリックにする方法は?
A. 基本的にできません。
セキュリティとプライバシー保護のため、プライベートチャンネルをパブリックに変更することは原則不可能です。どうしても必要な場合は、新しくパブリックチャンネルを作成し、必要な情報をコピーしましょう。
まとめ:パブリックチャンネルで透明性の高いコミュニケーションを
Slackのパブリックチャンネルは、組織の透明性を高め、情報共有をスムーズにする強力なツールです。
この記事のポイント:
- パブリックチャンネルは名前の前に「#」がついている
- ワークスペースメンバーなら誰でも自由に参加・閲覧可能
- 投稿内容は全員が検索できる
- プライベートチャンネルとは、参加方法や検索範囲が大きく異なる
- 基本的にはパブリックチャンネルを使い、機密情報のみプライベートを使う
- 一度公開したファイルは非公開にできないので注意
- #generalは全員が自動参加する特別なチャンネル
「どちらを使うべきか迷ったら、パブリックチャンネル」を基本に考えましょう。
情報の透明性を保ちながら、本当に必要な時だけプライベートチャンネルを使う。このバランスが、効率的なSlack運用のコツです。
まずは自分のワークスペースで、パブリックチャンネルをいくつか作ってみませんか?きっと、チーム全体のコミュニケーションが活性化するはずです。

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