Slackのダイレクトメッセージ(DM)とは?

Slackのダイレクトメッセージ(DM)は、チャンネルの外で行われる小規模な会話のことです。「Direct Message」の頭文字を取って「DM」と呼ばれています。
チャンネル全体のメンバーに知らせる必要のない、特定の人だけとやり取りしたい時に便利な機能です。たとえば、会議の日程調整や、個別の質問、ちょっとした確認事項など、1対1または少人数でのコミュニケーションに適しています。
DMの特徴:
- 1対1または最大9人までのグループで会話できる
- 参加者以外には内容が見えない(プライベートな会話)
- チャンネルと同じように、ファイル共有や絵文字リアクション、スレッド機能が使える
- 会話の履歴が残るので、後から見返すことができる
DMとチャンネルの違い
| 項目 | ダイレクトメッセージ(DM) | チャンネル |
|---|---|---|
| 公開範囲 | 参加者のみ | パブリックチャンネルは全員、プライベートチャンネルは招待されたメンバー |
| 参加人数 | 最大9人 | 制限なし |
| 用途 | 個別の相談、確認事項、簡単な連絡 | プロジェクト、チーム、テーマごとの継続的な議論 |
| 検索性 | 参加者のみ検索可能 | チャンネルメンバー全員が検索可能 |
| 情報の共有 | 閉じられた会話 | オープンな情報共有 |
いつDMを使うべき?
- 個人的な質問や相談
- 会議の日程調整
- 短期的な確認事項
- センシティブな内容(評価、個人情報など)
いつチャンネルを使うべき?
- チーム全体で共有すべき情報
- プロジェクトの進捗報告
- 複数人が関わる議論
- 後から他のメンバーも参照する可能性がある内容
DMの送り方(基本編)
1対1のDMを送る
デスクトップアプリの場合:
方法1:サイドバーから送る
- 画面左のサイドバーで「DM」セクションを探す
- 「DM」の横にある「+」(プラスマーク)をクリック
- メッセージを送りたい相手の名前を入力
- 候補から相手を選択
- メッセージ入力欄にメッセージを入力
- Enterキーを押して送信(または紙飛行機アイコンをクリック)
方法2:新規メッセージから送る
- 画面左上のワークスペース名の横にある「✎」(ペンマーク)をクリック
- 「宛先」欄に相手の名前を入力
- 候補から相手を選択
- メッセージを入力して送信
スマホアプリの場合:
- 画面下部の「ホーム」タブを開く
- 画面下にある「新規メッセージ」ボタン(✎マーク)をタップ
- 「宛先」欄に相手の名前を入力
- 候補から相手を選択
- メッセージを入力して送信
複数人へのグループDMを送る
DMは1対1だけでなく、最大9人(自分を含む)までのグループでも利用できます。
手順:
- 「DM」の横にある「+」をクリック(または「新規メッセージ」ボタン)
- 1人目の名前を入力して選択
- 続けて2人目、3人目の名前を入力して選択
- 全員選択したら、メッセージを入力して送信
グループDMは、サイドバーに参加者全員の名前が表示されます(例:「田中、佐藤、鈴木」)。
DMの便利な機能
メッセージの編集と削除
送信したメッセージは、後から編集したり削除したりできます。
編集する:
- 編集したいメッセージにカーソルを合わせる
- 表示される「︙」(3点メニュー)をクリック
- 「メッセージを編集する」を選択
- 内容を修正してEnterキーで確定
削除する:
- 削除したいメッセージにカーソルを合わせる
- 「︙」(3点メニュー)をクリック
- 「メッセージを削除する」を選択
- 確認画面で「削除」をクリック
注意:削除したメッセージは復元できません。また、相手側にも削除されたことが表示されます。
スレッド機能を使う
DMの中でも、特定のメッセージに返信する形で「スレッド」を作成できます。これにより、話題ごとに会話を整理できます。
スレッドの作成方法:
- 返信したいメッセージにカーソルを合わせる
- 「スレッドで返信する」アイコン(吹き出しマーク)をクリック
- 右側にスレッドパネルが開く
- メッセージを入力して送信
リアクション機能
相手のメッセージに絵文字でリアクションできます。「了解」「いいね」などを素早く伝えるのに便利です。
リアクションの付け方:
- リアクションしたいメッセージにカーソルを合わせる
- 表示される絵文字アイコンをクリック
- 絵文字を選択
よく使われるリアクション:
- 👍(いいね、了解)
- ✅(確認しました)
- 👀(見ています)
- 🎉(おめでとう)
ファイルの共有
DMでもチャンネルと同じように、ファイルを共有できます。
ファイルの送信方法:
- メッセージ入力欄の左下にある「+」(クリップマーク)をクリック
- 「ファイル」を選択
- 送信したいファイルを選択
- 必要に応じてメッセージを追加して送信
または、ファイルをドラッグ&ドロップでDM画面に直接投げ込むこともできます。
重要なDMをスター付け
頻繁にやり取りする相手や、重要な会話をスター付けして、サイドバーの上部に固定できます。
スターの付け方:
- サイドバーのDM一覧で、スターを付けたい相手の名前にカーソルを合わせる
- 表示される「☆」(星マーク)をクリック
スター付けしたDMは、サイドバーの「スター付き」セクションに表示されます。
グループDMにメンバーを追加する
すでに始まっているDMに、後から別のメンバーを追加することができます。
手順:
- DMを開く
- 画面上部の参加者名をクリック
- 「メンバーを追加」を選択
- 追加したいメンバーの名前を入力して選択
- 「次へ」をクリック
- 会話履歴を含めるかを選択
- 「すべてのメッセージを含める」:過去の会話も新メンバーに見せる
- 「今後のメッセージのみ含める」:追加後のメッセージのみ見せる
- 「完了」をクリックして「確認」を選択
注意:DMに追加できるのは合計9人までです。それ以上のメンバーが必要な場合は、プライベートチャンネルに変換する必要があります。
グループDMをプライベートチャンネルに変換する
9人を超えるメンバーが必要になった場合や、長期的なプロジェクトになった場合は、グループDMをプライベートチャンネルに変換できます。
手順:
- グループDMを開く
- 画面右上の「︙」(詳細アイコン)をクリック
- 「その他」を選択
- メニューから「プライベートチャンネルに変換する」を選択
- チャンネル名を入力
- 「変換する」をクリック
変換後は、チャンネルとして扱われるため、9人以上のメンバーを追加できます。
Slack Connectで他社のメンバーとDMする
Slack Connectを使えば、別の会社のメンバーともDMでやり取りできます。これにより、取引先やパートナー企業と、メールよりも迅速にコミュニケーションが取れます。
外部メンバーにDM招待を送る
手順:
- サイドバーの「+」(新規メッセージ)をクリック
- 「外部の人とのメッセージ」を選択
- 相手のメールアドレスを入力
- 必要に応じてメッセージを追加
- 「招待を送信」をクリック
相手が招待を承認すると、DMでやり取りできるようになります。
外部からのDM招待を承認する
招待の確認方法:
- 画面右上の自分のプロフィール写真をクリック
- 「つながるための招待」を選択
- 招待の詳細を確認(送信者のメールアドレス、メッセージなど)
- 「招待を承諾する」をクリック
セキュリティ上の注意:
- 送信者のメールアドレスを必ず確認する
- 知らない相手からの招待は承諾しない
- 不要な招待は「ブロック」することもできる
DMのエチケット・マナー

DMは便利ですが、使い方によっては相手の負担になることもあります。以下のマナーを守りましょう。
「こんにちは」だけ送らない
NG例:
(最初のメッセージ)こんにちは
(2通目のメッセージ)○○の件で相談したいのですが...
これだと相手に2回通知が行き、最初の「こんにちは」だけでは用件が分かりません。
OK例:
こんにちは。○○の件で相談したいのですが、
今週の会議の日程を金曜日に変更できますでしょうか?
用件を1つのメッセージにまとめることで、相手も効率的に対応できます。
複数のメッセージに分けない
NG例:
(メッセージ1)あのさ
(メッセージ2)明日の会議なんだけど
(メッセージ3)資料準備した?
通知が3回も届いて、相手の集中を妨げます。
OK例:
明日の会議について質問です。
資料の準備は完了していますか?
改行が必要な場合は、Shift + Enterで改行してから送信しましょう。
チャンネルで共有すべき内容はDMで送らない
同じ質問を複数人から個別に受けると、回答する側は何度も同じことを説明しなければなりません。チーム全体で共有すべき情報は、チャンネルで質問・回答しましょう。
DMが適切:
- 個人的な相談、評価面談の日程調整
- センシティブな内容(給与、人事評価など)
チャンネルが適切:
- プロジェクトの進捗確認
- ツールの使い方の質問
- チーム全体に関係する情報
おやすみモード(DND)を尊重する
相手が「おやすみモード」に設定している時間帯には、緊急でない限りDMを控えましょう。Slackは相手がDNDモードの時に警告を表示してくれます。
返信を急かさない
Slackはリアルタイムコミュニケーションツールですが、相手がすぐに返信できるとは限りません。会議中、集中作業中、または休憩中かもしれません。返信を急ぐ場合は、「急ぎ」と明記するか、別の連絡手段を使いましょう。
DMの履歴を見る・検索する
過去のDMを探す
サイドバーの「DM」セクションには、最近やり取りした相手だけが表示されます。過去にメッセージを送った相手でも、しばらくやり取りがないと表示されなくなります。
すべてのDM履歴を表示する:
- サイドバーの「DM」セクションの横にある「︙」(縦3点メニュー)をクリック
- 「DMを閲覧する」を選択
すべてのDM履歴が一覧表示されます。
DMの内容を検索する
手順:
- 画面上部の検索バーをクリック
- 検索キーワードを入力
- 検索結果から「メッセージ」タブを選択
- 必要に応じて、左側のフィルターで「ダイレクトメッセージ」を選択
特定の相手とのDMだけを検索したい場合は、検索バーに「from:@名前 キーワード」と入力します。
DMが消えた?よくあるトラブル
DMが見つからない
サイドバーからDMが消えても、会話自体は削除されていません。「DMを閲覧する」から探すか、相手に新しいメッセージを送ると再びサイドバーに表示されます。
間違えて「×」を押してしまった
サイドバーのDMの横にある「×」をクリックすると、そのDMがサイドバーから非表示になります。これは会話を削除しているわけではなく、単に表示を消しているだけです。
復活させる方法:
- 「DMを閲覧する」から該当するDMを開く
- または、相手に新しいメッセージを送る
DMの通知設定
頻繁にDMが来すぎて集中できない場合は、通知設定を調整しましょう。
通知の基本設定
手順:
- 画面右上の自分のプロフィール写真をクリック
- 「環境設定」を選択
- 左側のメニューから「通知」を選択
- 「通知のタイミング」で以下のオプションから選択
- 「すべてのメッセージ」:すべてのDMで通知
- 「ダイレクトメッセージ、メンション、キーワード」:DMとメンションのみ通知
- 「なし」:通知をオフ
特定のDMの通知をミュートする
特定の相手とのDMだけ通知をオフにすることもできます。
手順:
- ミュートしたいDMを開く
- 画面上部の相手の名前をクリック
- 「通知」タブを選択
- 「このダイレクトメッセージをミュート」を選択
まとめ:DMを効果的に使いこなそう
SlackのDM機能は、個別のコミュニケーションに非常に便利ですが、使い方によっては情報がサイロ化したり、相手の集中を妨げたりすることもあります。
DMを使う際のポイント:
- 用件は1つのメッセージにまとめる:複数回に分けない
- チャンネルで共有すべき情報はDMで送らない:情報の透明性を保つ
- 相手のステータスやDNDモードを尊重する:緊急でなければ無理に送らない
- グループDMが大きくなったらプライベートチャンネルに変換:情報管理がしやすくなる
- 外部とのやり取りはSlack Connectを活用:メールより迅速にコミュニケーション
適切にDMとチャンネルを使い分けることで、チーム全体のコミュニケーションがより効率的になります。
よくある質問(FAQ)
Q1: DMは誰でも送れますか?ゲストも送れますか?
A: すべてのメンバーがDMを送信できます。ゲストも参加できますが、ゲストが自分からDMを開始できるのは、同じチャンネルに参加しているメンバーに対してのみです。
Q2: DMの内容は管理者に見られますか?
A: ワークスペースのオーナーや管理者は、有料プランでデータエクスポート機能を使えば、DMの内容を含むすべてのメッセージをエクスポートできます。完全にプライベートではないことを理解しておきましょう。
Q3: 複数人のグループDMとプライベートチャンネルの違いは何ですか?
A: グループDMは最大9人まで、カジュアルで一時的な会話に適しています。プライベートチャンネルは人数制限がなく、長期的なプロジェクトや、情報の整理・検索がしやすい構造になっています。
Q4: DMを削除することはできますか?
A: 個別のメッセージは削除できますが、DM全体(会話履歴)を完全に削除することはできません。サイドバーから非表示にすることは可能ですが、履歴は残ります。
Q5: 送信したDMを取り消すことはできますか?
A: 送信直後であれば、すぐに削除することで取り消せます。ただし、相手がすでに通知を受け取っている場合や、メッセージを読んでいる場合は、削除しても「このメッセージは削除されました」と表示されます。完全に取り消すことはできません。
Q6: DMの送信予約はできますか?
A: はい、できます。メッセージを入力した後、紙飛行機アイコンの横にある「▼」(矢印アイコン)をクリックし、「送信日時を設定」を選択すると、指定した日時に自動送信されます。
Q7: 相手がメッセージを読んだか確認できますか?
A: Slackには既読機能(リードレシート)がありません。相手がメッセージを読んだかどうかを確認する公式の方法はありません。相手がリアクション(絵文字)を付けてくれれば、読んだことが分かります。
Q8: DMで音声通話やビデオ通話はできますか?
A: はい、DMから「ハドルミーティング」機能を使って、音声通話やビデオ通話ができます。DM画面の右上にあるヘッドフォンアイコンをクリックすると、ハドルが開始されます。


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