「チームランチの日程を決めたい」
「新しいプロジェクトについてメンバーの意見を聞きたい」
「社内イベントのアイデアを募集したい」
こんなとき、わざわざ会議を開いたり、個別にメールを送ったりするのは面倒ですよね。
実は、Slackを使えば、簡単にアンケートや投票を実施できます。
ただし、Slack自体には標準的なアンケート機能はありません。でも安心してください。絵文字リアクションを活用したり、専用アプリを使ったりすることで、誰でも簡単にアンケートを作成できます。
この記事では、Slackでアンケートを作る4つの方法から、おすすめアプリの使い方、活用事例まで、分かりやすく解説していきます。
Slackでアンケートを作る4つの方法

Slackでアンケートを実施する方法は、大きく分けて4つあります。
方法1:絵文字リアクションを使う【最も手軽】
特別なアプリ不要で、誰でもすぐに使える方法です。
メリット:
- アプリのインストール不要
- 設定や操作が簡単
- 回答者も気軽に参加できる
デメリット:
- シンプルな選択式のみ
- 匿名投票ができない
- 集計機能がない
向いている用途:
- 日程調整(出欠確認)
- 簡単な多数決
- 好みの調査(ランチの店など)
方法2:Simple Pollアプリを使う【バランス型】
無料で使えて、機能も充実している人気アプリです。
メリット:
- 無料版でも十分な機能
- 操作が直感的で分かりやすい
- 匿名投票や複数回答に対応
デメリット:
- 無料版は月100票まで
- 5つ以上の選択肢は有料版のみ
- 一部の高度な機能は有料
向いている用途:
- 社内アンケート全般
- 定期的な意見収集
- 複数の選択肢がある投票
方法3:Pollyアプリを使う【高機能】
NPS調査や複数質問など、本格的なアンケートに対応しています。
メリット:
- 多様な質問タイプ(賛成/反対、NPS、自由記述など)
- テンプレートが豊富
- 定期的な自動実行が可能
デメリット:
- 無料版は月25レスポンスまで
- 履歴保存は45日間のみ
- 英語ベースのインターフェース
向いている用途:
- 従業員満足度調査
- 顧客満足度調査(NPS)
- 定期的なフィードバック収集
方法4:外部フォームツールを使う【高度】
GoogleフォームやSurveyMonkeyなどを併用する方法です。
メリット:
- 非常に詳細なアンケートが可能
- Slack以外でも回答可能
- 高度な分析機能
デメリット:
- Slackの外に移動する必要がある
- 回答率が下がる可能性
- 複数のツールを管理する手間
向いている用途:
- 長文回答が必要なアンケート
- 外部の人も含めた調査
- 詳細な分析が必要な場合
絵文字リアクションでアンケートを作る方法
作成手順
手順1:質問文を作成
チャンネルまたはDMで、アンケートの質問と選択肢を入力します。
例:
【ランチミーティングの日程調整】
都合の良い日に絵文字でリアクションしてください!
1️⃣ 3月15日(月)12:00〜
2️⃣ 3月17日(水)12:00〜
3️⃣ 3月19日(金)12:00〜
手順2:メンションを追加
チャンネル全員に通知したい場合は、「@channel」を追加します。
手順3:メッセージを送信
作成したメッセージを送信します。
手順4:リアクション絵文字を追加
送信したメッセージに、自分で各選択肢の絵文字をリアクションとして追加します。
手順5:回答を集める
メンバーが該当する絵文字をクリックして投票します。
手順6:結果を確認
各絵文字をクリックすると、誰が投票したかを確認できます。
おすすめの絵文字
日程調整:
- 数字の絵文字:1️⃣ 2️⃣ 3️⃣ 4️⃣ 5️⃣
- 曜日の略称:カスタム絵文字で「Mon」「Tue」など
- 時計の絵文字:🕐 🕑 🕒 🕓
賛成・反対:
- ✅ はい / ❌ いいえ
- 👍 賛成 / 👎 反対
- ⭕ 参加 / ❌ 不参加
感情や評価:
- 😊 良い / 😐 普通 / 😞 悪い
- ⭐⭐⭐⭐⭐ 星5段階
活用のコツ
1. 期限を明記する
「〇月〇日までに回答してください」と明確に書きましょう。
2. ピン留めする
重要なアンケートは、メッセージをピン留めして流れないようにします。
3. リマインダーを設定
Slackのリマインダー機能で、未回答者に再通知できます。
Simple Pollでアンケートを作る方法
インストール手順
手順1:App Directoryにアクセス
Slackのサイドバーから「アプリ」→「アプリを追加する」をクリックします。
手順2:Simple Pollを検索
検索窓に「Simple Poll」と入力して検索します。
手順3:インストール
「Slackに追加」→「許可する」をクリックしてインストールします。
基本的な使い方(コマンド入力)
最も簡単な方法は、スラッシュコマンドを使うことです。
基本構文:
/poll "質問" "選択肢1" "選択肢2" "選択肢3"
実例:
/poll "来週の定例会議に参加できますか?" "はい" "いいえ" "わからない"
ポイント:
- 質問と各選択肢を「”」(ダブルクォーテーション)で囲む
- 半角スペースで区切る
- 最大10個まで選択肢を追加可能(無料版)
ビジュアルエディタを使う方法
より直感的に作成したい場合は、ビジュアルエディタが便利です。
手順1:コマンドを入力
メッセージ入力欄に「/poll」と入力してEnterを押します。
手順2:設定画面を開く
「Simple PollでCreate poll」を選択します。
手順3:質問と選択肢を入力
- チャンネルを選択
- 質問を入力
- 選択肢を追加(「Add option」で追加可能)
手順4:オプションを設定
- Make responses anonymous:匿名投票にする
- Limit votes:一人一票に制限(有料版のみ)
- Hide results:結果を非表示にする
手順5:プレビュー
「Preview」で確認します。
手順6:投稿
「Create Poll」をクリックして投稿します。
便利な機能
1. 匿名投票
設定で「Make responses anonymous」にチェックを入れると、誰が投票したか分からなくなります。
2. 結果の非表示
投票中は結果を隠し、締め切り後に公開することも可能です。
3. 複数回答
デフォルトでは複数の選択肢に投票できます。
4. CSV出力
投票結果をCSVファイルでダウンロードできます(有料版)。
5. 定期実行
毎週同じアンケートを自動で送信できます(有料版)。
Pollyでアンケートを作る方法

インストール手順
手順1:App Directoryにアクセス
Slackのサイドバーから「アプリ」を選択します。
手順2:Pollyを検索
「Polly」と入力して検索し、「Slackに追加」をクリックします。
手順3:許可する
「許可する」をクリックしてインストールを完了します。
基本的な使い方
手順1:コマンドを入力
チャンネルまたはDMで「/polly」の後に質問を入力します。
例:
/polly ランチミーティングで何を食べたいですか?
手順2:選択肢を追加
Pollyの設定画面が開くので、「Add Choices」をクリックします。
手順3:選択肢を入力
選択肢を入力し、「Add Another Choices」で追加できます。
手順4:オプションを設定
- Allow comments:コメント機能を有効化
- Audience Can Add Choices:回答者が選択肢を追加可能にする
- Anonymous:匿名投票にする
手順5:送信
「Submit」をクリックし、確認後に「Send Polly」で送信します。
Pollyの質問タイプ
1. Multiple Choice(複数選択)
通常の選択式アンケートです。
2. Agree/Disagree(賛成/反対)
5段階評価(とてもそう思う〜まったくそう思わない)で回答します。
例:
新しいリモートワーク制度について、どう思いますか?
- Strongly Agree(とてもそう思う)
- Agree(そう思う)
- Neutral(どちらとも言えない)
- Disagree(そうは思わない)
- Strongly Disagree(まったくそう思わない)
3. NPS(ネットプロモータースコア)
0〜10の11段階で評価します。顧客満足度や従業員満足度の測定に使われます。
4. Open-Ended(自由記述)
テキストで自由に回答できます。
5. Multiple Questions(複数質問)
「Add a Question」をクリックすると、複数の質問を一度に作成できます。
定期実行の設定
Pollyの強力な機能の一つが、定期的な自動実行です。
手順1:スケジュール設定を開く
アンケート作成画面で「Schedule」を選択します。
手順2:日時と頻度を設定
- 開始日時
- 繰り返し頻度(毎日、毎週、毎月など)
- 投票期限
手順3:保存
設定を保存すると、自動的にアンケートが配信されます。
活用例:
- 毎週月曜日に週報アンケート
- 毎月1回の従業員満足度調査
- 毎日の健康チェック
アンケートの活用事例
事例1:日程調整
課題:
10人のメンバーで会議の日程を調整するのが大変。
解決方法:
絵文字リアクションまたはSimple Pollで候補日を提示。
実例:
/poll "4月の全体会議の日程を教えてください" "4/5(金)14:00" "4/8(月)10:00" "4/10(水)15:00"
結果:
一目で参加可能人数が分かり、最適な日程を即座に決定できます。
事例2:チームランチの店選び
課題:
みんなの好みが分からず、いつも同じ店になってしまう。
解決方法:
絵文字リアクションで気軽に投票。
実例:
【今週のランチはどこにしますか?】
🍕 イタリアン
🍜 ラーメン
🍛 カレー
🍣 和食
結果:
全員が気軽に参加でき、多数決で決定できます。
事例3:従業員満足度調査
課題:
定期的に従業員の満足度を把握したいが、アンケートツールを別途用意するのは面倒。
解決方法:
Pollyで匿名のNPSアンケートを毎月自動配信。
実例:
/polly 現在の職場環境について、友人に勧める可能性は?(0-10)
結果:
匿名なので本音が聞けて、定期的なデータで変化を追跡できます。
事例4:新機能の優先順位決定
課題:
開発する機能の優先順位をチームで決めたい。
解決方法:
Simple Pollで複数回答可能なアンケートを作成。
実例:
/poll "次にリリースする機能はどれが良いですか?(複数選択可)" "ダークモード" "通知設定の改善" "検索機能の強化" "モバイル対応"
結果:
チーム全体の意見を反映した優先順位を決定できます。
事例5:リモートワーク中の健康チェック
課題:
リモートワーク中のメンバーの体調や気分を把握したい。
解決方法:
Pollyで毎朝自動的に健康チェックアンケートを配信。
実例:
毎朝9:00に自動配信:
- 今日の体調は?(😊良い / 😐普通 / 😞悪い)
- 今日の気分は?(5段階評価)
結果:
メンバーの状態を把握し、必要なサポートを提供できます。
アンケート作成のベストプラクティス
質問の作り方
1. 明確で具体的に
悪い例:
「新しいプロジェクトについてどう思いますか?」
良い例:
「新しいプロジェクトの進め方について、最も重要だと思うことは何ですか?」
2. 簡潔に
長すぎる質問は読まれません。1〜2文以内に収めましょう。
3. 誘導しない
中立的な表現を心がけ、特定の回答に誘導しないようにします。
選択肢の設定
1. 選択肢は3〜5個が理想
多すぎると選びにくく、少なすぎると選択肢が限られます。
2. 「その他」を用意する
予想外の回答のために「その他」や「わからない」を用意しましょう。
3. 網羅的にする
すべての可能性をカバーし、どれにも当てはまらない人が出ないようにします。
回答率を上げるコツ
1. メンションを活用
「@channel」や個別メンションで確実に通知します。
2. 期限を明記
「〇月〇日17:00まで」と具体的に書きます。
3. 理由を説明
なぜこのアンケートが必要なのか、簡単に説明しましょう。
4. リマインダーを送る
期限の前日や数時間前にリマインダーを送ります。
5. 簡潔にする
回答に時間がかからないよう、質問数を最小限に抑えます。
匿名性の使い分け
匿名にすべき場合:
- 上司や会社への評価
- センシティブな話題
- 本音を聞きたいとき
実名にすべき場合:
- 日程調整
- 出欠確認
- フォローアップが必要なとき
よくあるトラブルと解決方法
アプリがインストールできない
原因:権限不足
ワークスペースの設定で、一般メンバーがアプリをインストールできない場合があります。
解決方法:
ワークスペースのオーナーまたは管理者に依頼して、アプリを承認・インストールしてもらいましょう。
コマンドが動作しない
原因1:タイプミス
「/poll」ではなく「/pol」など、スペルミスがあります。
解決方法:
正確に「/poll」または「/polly」と入力してください。
原因2:プライベートチャンネルに未追加
プライベートチャンネルでは、アプリを事前に追加する必要があります。
解決方法:
チャンネルで「/invite @polly」または「/invite @Simple Poll」と入力してアプリを招待します。
投票結果が表示されない
原因:設定の問題
アンケート作成時に「Hide results」をオンにしている可能性があります。
解決方法:
アンケートの設定を確認し、必要に応じて結果表示をオンにします。
無料版の制限に達した
原因:月間投票数の上限
Simple Pollは月100票、Pollyは月25レスポンスまでです。
解決方法:
- 有料プランにアップグレード
- 絵文字リアクションに切り替え
- 複数のアプリを併用する
まとめ:目的に応じて最適な方法を選ぼう
Slackでのアンケート作成は、簡単な絵文字リアクションから本格的なアプリまで、さまざまな方法があります。
4つの方法の比較:
| 方法 | 難易度 | コスト | 機能 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|
| 絵文字リアクション | ★☆☆ | 無料 | 基本のみ | 日程調整、簡単な多数決 |
| Simple Poll | ★★☆ | 無料〜 | 充実 | 社内アンケート全般 |
| Polly | ★★★ | 無料〜 | 高機能 | 満足度調査、定期調査 |
| 外部ツール | ★★★ | 無料〜 | 最高 | 詳細な調査、外部向け |
選び方のポイント:
- 手軽さ重視 → 絵文字リアクション
- バランス重視 → Simple Poll
- 機能重視 → Polly
- 詳細分析重視 → Googleフォームなど外部ツール
活用のコツ:
- 質問は明確かつ簡潔に
- 選択肢は3〜5個が理想
- 期限を明記してリマインダーを設定
- 匿名性を適切に使い分ける
- 目的に応じて方法を使い分ける
Slackでアンケートを活用することで、チームの意見を効率的に集め、より良い意思決定ができるようになります。
ぜひこの記事を参考に、あなたのチームに最適なアンケート方法を見つけてください!
よくある質問(FAQ)
Q1. Slackに標準的なアンケート機能はありますか?
いいえ、Slack自体には専用のアンケート機能はありません。ただし、絵文字リアクションを活用したり、Simple PollやPollyなどのサードパーティアプリを使ったりすることで、簡単にアンケートを作成できます。
Q2. 無料でアンケートを作成できますか?
はい、可能です。絵文字リアクションは完全無料で、Simple Pollは月100票まで、Pollyは月25レスポンスまで無料で使えます。多くの場合、無料版の範囲内で十分に活用できます。
Q3. 匿名でアンケートを取ることはできますか?
はい、Simple PollとPollyの両方で匿名アンケート機能があります。アンケート作成時に「anonymous」または「Make responses anonymous」の設定をオンにすることで、誰が何に投票したか分からなくなります。絵文字リアクションは匿名にできません。
Q4. 定期的に同じアンケートを自動で送信できますか?
はい、PollyとSimple Pollの有料版では、定期実行機能があります。毎日、毎週、毎月など、指定した頻度で自動的にアンケートを配信できます。従業員満足度調査や健康チェックなど、定期的なフィードバック収集に便利です。
Q5. アンケート結果をエクスポートできますか?
はい、Simple PollとPollyの両方で、結果をCSV形式でエクスポートできます。ただし、この機能は有料版のみの場合が多いです。エクスポートしたデータは、ExcelやGoogleスプレッドシートで分析できます。


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