「ドライバーを更新したら、ゲームが急に重くなった…」「アップデート前は快適だったのに、FPSが半分になった!」
こんな経験、ありませんか?実は、NVIDIAドライバーのアップデート後にパフォーマンスが低下するのは、あなただけではありません。
この記事では、アップデート後に重くなる原因と、今すぐ試せる解決策を優先度順にご紹介します。多くの場合、10分以内に解決できますよ。
まず確認:本当にドライバーが原因?

対処法を試す前に、本当にドライバーのせいなのか確認しましょう。
アップデート後によくある症状
以下の症状が、ドライバー更新後に出た場合は、ドライバーが原因の可能性が高いです。
ゲームでの症状:
- FPS(フレームレート)が明らかに低下(例:150fps → 70fps)
- カクつき、スタッタリング(一瞬止まる)が頻発
- 画面がちらつく、ティアリングが出る
- ゲームがクラッシュするようになった
全体的な症状:
- デスクトップの動きが重い
- ブラウザでスクロールがカクカクする
- 動画再生が不安定
- CPU使用率が異常に高い
原因を特定する方法
ステップ1:更新した日を確認
- デスクトップで右クリック→「NVIDIAコントロールパネル」
- 左下「システム情報」をクリック
- 「ドライバのバージョン」と日付を確認
- その日付以降に重くなったか思い出す
ステップ2:タスクマネージャーで確認
- Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャーを開く
- 「パフォーマンス」タブをクリック
- GPU使用率が異常に高い、または逆に低すぎないか確認
- CPU使用率も確認
【緊急対応】今すぐ試すべき3つの即効対策
まずは、再起動やキャッシュクリアなど、簡単にできることから試しましょう。
対策1:パソコンを完全再起動(所要時間:3分)
意外と見落としがちですが、完全再起動が重要です。
手順:
- すべてのゲームやアプリを終了
- Shiftキーを押しながら「シャットダウン」をクリック
- 30秒待ってから電源を入れる
ポイント:普通の再起動では、一部のドライバーが完全にリセットされないことがあります。
対策2:シェーダーキャッシュをクリア(所要時間:5分)
古いキャッシュが新しいドライバーと干渉している可能性があります。
手順:
- デスクトップで右クリック→「NVIDIAコントロールパネル」
- 「3D設定の管理」をクリック
- 「シェーダーキャッシュサイズ」を探す
- 一度「無制限」に変更
- 「適用」をクリック
- 元の設定に戻す
- 「適用」をクリック
- パソコンを再起動
対策3:電源管理設定を確認(所要時間:3分)
ドライバー更新で電源設定がリセットされることがあります。
手順:
- NVIDIAコントロールパネルを開く
- 「3D設定の管理」→「グローバル設定」
- 「電源管理モード」を探す
- 「パフォーマンス最大化を優先」に変更
- 「適用」をクリック
【本命】ドライバーをロールバック(古いバージョンに戻す)
即効対策で改善しない場合は、ドライバーを元のバージョンに戻しましょう。
ロールバックとは
アップデート前の安定していたバージョンに戻すことです。これが最も確実な解決法です。
方法1:デバイスマネージャーからロールバック(所要時間:5分)
注意:この方法は、アップデートから1週間以内のみ有効です。
手順:
- Windowsキー + X を押す
- 「デバイスマネージャー」をクリック
- 「ディスプレイアダプター」をダブルクリック
- 「NVIDIA GeForce XXX」を右クリック
- 「プロパティ」をクリック
- 「ドライバー」タブを開く
- 「ドライバーを元に戻す」をクリック
- 理由を選択して「はい」
- 再起動
「ドライバーを元に戻す」がグレーアウトしている場合:
→方法2に進んでください。
方法2:手動で古いバージョンをインストール(所要時間:15分)
ステップ1:安定版のバージョンを調べる
以下の方法で、評判の良いバージョンを探します。
- Reddit(/r/nvidia)や公式フォーラムで検索
- 「stable driver version [あなたのGPU名]」で検索
- 2~3ヶ月前のバージョンが比較的安定していることが多い
参考:最近の安定版(2025年12月時点):
- RTX 40シリーズ:566.14、560.94
- RTX 30シリーズ:566.14、560.94
- RTX 20シリーズ:560.94
※あくまで参考です。ご自身の環境で確認してください。
ステップ2:古いドライバーをダウンロード
- NVIDIA公式サイト(https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/)にアクセス
- グラフィックカード情報を入力
- 「検索」をクリック
- 「他のバージョンを見る」をクリック←重要
- リストから安定版のバージョンを選択
- 「ダウンロード」をクリック
ステップ3:現在のドライバーをアンインストール
- Windowsキー + R
- 「appwiz.cpl」と入力してEnter
- 「NVIDIA グラフィックス ドライバー」を右クリック
- 「アンインストールと変更」
- 「アンインストール」
- 再起動
ステップ4:古いドライバーをインストール
- ダウンロードしたファイルをダブルクリック
- 「カスタム(詳細)」を選択
- 「クリーンインストールを実行」にチェックを入れる←重要
- 「次へ」で進めてインストール
- 完了したら再起動
クリーンインストールで完全リセット
ロールバックでもダメな場合は、ドライバーを完全にリセットしましょう。
クリーンインストールとは
古い設定やファイルを完全に削除してから、新しくインストールする方法です。
手順(所要時間:20分)
ステップ1:現在のバージョンをメモ
- NVIDIAコントロールパネルでバージョン番号を確認
- メモしておく
ステップ2:ドライバーをダウンロード
- NVIDIA公式サイトから最新版(または安定版)をダウンロード
- デスクトップに保存
ステップ3:インストール時に「クリーンインストール」を選択
- ダウンロードしたファイルを実行
- 「同意して続行する」
- 「カスタム(詳細)」を選択
- 「クリーンインストールを実行」にチェック
- 「次へ」でインストール
- 完了後、再起動
NVIDIA設定を最適化する

ドライバーのバージョンを戻したら、設定も見直しましょう。
【重要】グローバル設定を確認
NVIDIAコントロールパネルで以下を設定してください。
- 「3D設定の管理」を開く
- 「グローバル設定」タブを選択
- 以下の設定を変更:
必須設定:
- 電源管理モード:「パフォーマンス最大化を優先」
- 優先するグラフィックスプロセッサ:「高パフォーマンスNVIDIAプロセッサ」
- 低遅延モード:「ウルトラ」(競技系ゲーム)または「オン」
推奨設定:
- 垂直同期:「オフ」(ティアリングが気にならなければ)
- 最大フレームレート:モニターのリフレッシュレート+10fps
- テクスチャフィルタリング – 品質:「高パフォーマンス」
ゲームごとの設定
よく遊ぶゲームは、個別に設定することをおすすめします。
- 「3D設定の管理」
- 「プログラム設定」タブ
- ゲームを追加
- 上記の設定をゲームごとに適用
Windows Update起因の問題と対処法
最近特に多いのが、Windows Updateとの相性問題です。
Windows 11 KB5066835 問題(2025年10月)
このアップデート後、多くのユーザーがFPS低下を報告しました。
症状:
- FPSが半分以下に低下(140fps → 40~70fps)
- ゲーム全般が重くなる
- タスクバーが60Hzに固定される
解決策:
方法1:NVIDIAホットフィックスドライバーをインストール
- バージョン581.94をダウンロード
- インストール
- 再起動
方法2:Windows Updateをアンインストール(インストールから7日以内のみ)
- 設定→Windows Update→「更新の履歴」
- KB5066835を探す
- 「アンインストール」
今後の予防策
- Windows Updateを1週間待つ:問題報告がないか確認してから適用
- NVIDIAドライバーも1週間待つ:安定性を確認してから更新
- ゲームの大会前は更新しない:重要な時期は現状維持
特定のバージョンで起きる既知の問題
過去に報告された問題のあるバージョンをまとめました。
避けるべきバージョン
以下のバージョンは、多数の不具合報告があります。
- 545.84:スクロールのカクつき、動画が暗くなる、タスクバーが真っ黒
- 572.16:ゲームクラッシュ、BSOD、モニタースリープ不具合
- 576.02:クラッシュ多発(特定ゲーム)
現在このバージョンを使っている場合:
→すぐに安定版にダウングレードしてください
安定版の見分け方
- リリースから2週間以上経過している
- 公式フォーラムで大きな問題報告がない
- “Hotfix”ではない(Hotfixは緊急修正版)
その他の原因と対処法
ドライバー以外の可能性もチェックしましょう。
原因1:バックグラウンドプログラムの干渉
確認方法:
- Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャー
- CPUやGPU使用率が高いプログラムを探す
対処法:
- 不要なプログラムを終了
- 特にオーバーレイ系(Discord、GeForce Experience、RivaTuner)を一時停止
原因2:GeForce Experienceの不具合
意外と重い原因になることがあります。
対処法:
- GeForce Experienceをアンインストール
- ドライバーだけで運用してみる
- 改善したら、GeForce Experienceなしで継続
原因3:モニターのリフレッシュレート設定
ドライバー更新でリセットされることがあります。
確認方法:
- デスクトップで右クリック→「ディスプレイ設定」
- 「ディスプレイの詳細設定」
- リフレッシュレートが正しいか確認(144Hz、240Hzなど)
原因4:GPU温度が高い
ドライバー更新で冷却設定がリセットされた可能性。
確認方法:
- MSI AfterburnerやHWiNFOで温度を確認
- 80度以上なら要注意
対処法:
- ファンカーブを設定し直す
- PCケース内を掃除
- グラボのファンを掃除
よくある質問(FAQ)
最後に、よくある質問にお答えします。
Q1:ドライバーを戻したら、また自動で更新されませんか?
A:以下の方法で自動更新を止められます。
- デバイスマネージャーを開く
- グラフィックカードを右クリック→「プロパティ」
- 「ドライバー」タブ
- 「ドライバーの更新」→「このデバイスのドライバーソフトウェアを更新しない」を選択
ただし、セキュリティリスクもあるので、安定版が出たら手動で更新しましょう。
Q2:クリーンインストールとロールバック、どっちが先?
A:ロールバックを先に試してください。
ロールバックで改善しないなら、クリーンインストールを試しましょう。
Q3:Game Ready と Studio、どっちが安定?
A:Studio ドライバーの方が安定しています。
ゲームをする人でも、最新ゲームを発売日に遊ばないなら、Studio ドライバーがおすすめです。
Q4:FPSが戻らない場合は?
A:以下を順番に試してください。
- DDUで完全削除→再インストール
- Windows Updateを最新にする
- ゲームの再インストール
- それでもダメなら、グラフィックカードのハードウェア故障を疑う
Q5:アップデート前のバージョンがわからない
A:以下のバージョンを試してみてください。
- 2~3ヶ月前のバージョン
- 公式フォーラムで評判の良いバージョン
- 上記「安定版」リストのバージョン
まとめ:焦らず段階的に対処しよう
NVIDIAドライバーアップデート後に重くなった時の対処法をご紹介しました。
解決までの流れ:
- 【即効】完全再起動、キャッシュクリア、電源設定確認
- 【本命】ドライバーをロールバック(古いバージョンに戻す)
- 【徹底】クリーンインストールで完全リセット
- 【最適化】NVIDIA設定を見直す
- 【その他】Windows Update、他のプログラムも確認
重要なポイント:
- 最新=最良ではない。安定版を選ぼう
- ドライバー更新は、重要な時期を避ける
- 問題が起きたら、すぐにロールバック
- GeForce Experienceは必須ではない
多くの場合、ドライバーをロールバックするだけで解決します。焦らず、一つずつ試してみてくださいね。
快適なゲーム環境を取り戻しましょう!


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