「電源ボタンを押しても何も起こらない…」「昨日まで普通に使えていたのに、急に起動しなくなった!」
Lenovoのノートパソコンが突然起動しなくなると、本当に焦りますよね。でも、諦めるのはまだ早いです。
この記事では、電源がつかない原因を症状別に分類し、自分で試せる解決策を優先度順にご紹介します。多くの場合、簡単な操作だけで復活しますよ。
【緊急対応】まず試すべき3つの方法
パソコンが起動しない時は、まず以下の3つを試してください。これだけで8割以上のケースが解決します。
方法1:放電処理(ハードリセット)【最重要】
パソコン内部に溜まった電気を放出する作業です。最も効果的な方法なので、必ず試してください。
手順:
- ACアダプタをコンセントから抜く
- ノートパソコンからACアダプタを外す
- バッテリーが外せる機種は、バッテリーを取り外す
- 電源ボタンを30秒間長押しする(時計で測る)
- そのまま5分間放置する
- ACアダプタだけを接続する(バッテリーはまだ付けない)
- 電源ボタンを押してみる
ポイント:
- 電源ボタンは30秒しっかり押し続けてください
- 5分の待ち時間は省略しないこと
- 最初はバッテリーなしで試すのが重要
方法2:緊急リセットホールを使う【Lenovo特有】
Lenovoのノートパソコンには、緊急リセットホールという小さな穴があります。これは強制的に電源をリセットする機能です。
手順:
- ノートパソコンの裏面を確認する
- 小さな穴(直径1mm程度)を探す
- クリップを伸ばして、その穴に差し込む
- 60秒間押し続ける
- クリップを抜いて、電源ボタンを押す
リセットホールの場所:
- ThinkPadシリーズ:底面の中央付近
- IdeaPadシリーズ:バッテリー近くや側面
- 機種によって位置が異なるので、底面全体をよく見てください
見つからない場合は、お使いの機種名で「緊急リセットホール 場所」と検索すると画像付きで確認できます。
方法3:ACアダプタと接続を確認する
意外と見落としがちなのが、電源の接続です。
確認ポイント:
- コンセントにしっかり差さっているか
- ACアダプタがノートパソコンにしっかり接続されているか
- ACアダプタのランプが点灯しているか
- 延長コードやタップを使っている場合、それ自体の電源が入っているか
- 別のコンセントで試してみる
ランプの確認:
- ACアダプタに緑や白のランプがある場合、点灯していれば正常
- 消えている場合は、ACアダプタ自体の故障の可能性
症状別の原因と対処法
電源がつかないと言っても、症状によって原因が異なります。あなたのパソコンの状態はどれですか?
パターン1:電源ボタンを押しても完全に無反応
症状:
- 電源ランプが点灯しない
- ファンの音も聞こえない
- 画面が真っ暗なまま
考えられる原因:
- バッテリー切れ
- ACアダプタの故障
- 内部帯電
- マザーボードの故障
対処法の手順:
ステップ1:充電する
- ACアダプタを接続して2時間以上充電
- 充電中、バッテリーランプが点灯するか確認
- 点灯しない場合は、ACアダプタの故障を疑う
ステップ2:別のACアダプタを試す
- 同じ電圧・アンペア数のACアダプタを借りて試す
- または、Lenovo製品を持っている知人から借りる
- USB-C充電対応機種なら、スマホの急速充電器でも試せる(応急処置)
ステップ3:放電処理を再度実施
- 方法1の放電処理をもう一度、今度は10分間放置
- この時、すべての周辺機器(USBメモリ、マウスなど)も外す
パターン2:電源ランプは点くが画面が映らない
症状:
- 電源ボタンを押すとランプが点灯する
- ファンの音は聞こえる
- でも画面が真っ黒のまま
考えられる原因:
- ディスプレイの故障
- RAMの接触不良
- BIOSの問題
- グラフィックチップの故障
対処法の手順:
ステップ1:外部モニターに接続
- HDMIケーブルで外部モニターやテレビに接続
- Windowsキー + P を押す
- 外部モニターに何か映るか確認
- 映れば、ノートパソコンのディスプレイの故障
ステップ2:RAMの再装着
RAMが正しく装着されていないと、画面が映りません。
- 電源を切り、ACアダプタとバッテリーを外す
- ノートパソコンの裏蓋を開ける(ネジで固定されている)
- RAMモジュール(緑色の基板)を探す
- 両端の爪を外側に倒してRAMを取り外す
- 接点部分(金色の部分)を柔らかい布で軽く拭く
- RAMを斜め45度に差し込み、カチッと音がするまで押し込む
- 裏蓋を閉めて、電源を入れる
注意:
- 静電気でRAMが壊れる可能性があるので、金属部分に触れて体の静電気を逃がしてから作業
- 力を入れすぎないこと
ステップ3:BIOS画面が開くか確認
- 電源ボタンを押した直後、F2キーを連打
- BIOS設定画面が表示されるか確認
- 表示されれば、ハードウェアは問題なし(OSの不具合の可能性)
- 表示されなければ、ハードウェアの故障
パターン3:Lenovoロゴは出るがそこから先に進まない
症状:
- 電源を入れるとLenovoのロゴが表示される
- そのまま固まって、Windowsが起動しない
- ぐるぐる回る読み込みマークが出続ける
考えられる原因:
- Windowsの起動ファイル破損
- ハードディスク/SSDの故障
- Windows Updateの失敗
- BIOSの設定ミス
対処法の手順:
ステップ1:セーフモードで起動を試す
- 電源ボタンを押してLenovoロゴが出たら、電源ボタン長押しで強制終了
- これを3回繰り返す
- 4回目の起動時に「自動修復」画面が表示される
- 「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」
- 「スタートアップ設定」→「再起動」
- 「4」キーを押して「セーフモードを有効にする」
ステップ2:スタートアップ修復を実行
- 上記の「詳細オプション」画面で「スタートアップ修復」を選択
- 修復が完了するまで待つ(10~30分かかる場合あり)
- 再起動して正常に起動するか確認
ステップ3:BIOS起動順序の確認
- 電源を入れてすぐF2キーを連打
- BIOS設定画面で「Boot」タブを開く
- 起動順序の1番目がハードディスク/SSDになっているか確認
- 違う場合は、矢印キーで順序を変更
- F10キーを押して保存し、再起動
パターン4:電源ランプが点滅している
症状:
- 電源ボタンを押すと、ランプが点滅し続ける
- 白や赤のランプが規則的に点滅
- 画面は真っ暗
意味:
点滅パターンは、エラーコードを示しています。
対処法:
- 点滅の回数とパターンをメモする(例:白が2回、赤が3回)
- 「Lenovo エラーコード [機種名] 点滅」で検索
- 公式サポートページでエラー内容を確認
- 多くの場合、メモリやマザーボードの問題
バッテリー関連のトラブル
バッテリーが原因で起動しないケースも多いです。
バッテリーの状態を確認する方法
確認項目:
- バッテリーが膨らんでいないか(膨張は危険信号)
- バッテリーの端子部分が汚れていないか
- バッテリーを外した状態で、ACアダプタだけで起動するか
バッテリーが取り外せない機種の場合
最近のLenovoノートパソコンは、バッテリーが内蔵されていて簡単には外せません。
対処法:
- 緊急リセットホールを使う(方法2参照)
- 長時間(12時間以上)充電してから起動を試す
- それでもダメなら、サービスセンターでバッテリー点検
バッテリーが劣化しているサイン
以下の症状があれば、バッテリー交換を検討してください。
- 充電が100%になってもすぐに減る
- 充電ランプが異常な点滅をする
- バッテリーが熱を持つ
- 使用年数が3年以上
データを守りながら対処する注意点
電源がつかない時に、絶対にやってはいけないことがあります。
やってはいけないこと
NG行動1:何度も強制終了を繰り返す
- ハードディスク/SSDにダメージを与える可能性
- データが消える危険性
NG行動2:分解して自己修理
- 保証が切れる
- 静電気で壊れる可能性
- ネジ穴を潰すと修理不可能に
NG行動3:水や衝撃を与える
- 叩いても直りません
- 逆に壊れます
データが大切な場合の対応
重要なデータがある場合:
- 無理に起動させようとしない
- 何度も電源オン/オフを繰り返さない
- データ復旧専門業者に相談
- 費用は高額(5万円~)だが、確実にデータ救出
修理か買い替えか?判断基準
どこまで自分で対処して、どこから専門家に任せるべきか、判断基準をお伝えします。
自分で対処できる範囲
以下の作業は、特別な知識がなくても安全に試せます。
- 放電処理
- ACアダプタの交換
- 外部モニターでの確認
- BIOS設定の確認
- セーフモード起動
専門家に任せるべき症状
以下の場合は、Lenovoサポートや修理業者に依頼しましょう。
- 放電処理を3回試しても改善しない
- 異臭がする
- 煙が出た
- 本体が異常に熱い
- 異音がする(カラカラ、カタカタなど)
- 水濡れした
修理費用の目安
参考までに、修理費用の相場をご紹介します。
バッテリー交換:
- 純正品:8,000円~15,000円
- 互換品:4,000円~8,000円
マザーボード交換:
- 30,000円~80,000円
- 購入から3年以上経過している場合は買い替えも検討
ディスプレイ交換:
- 20,000円~40,000円
ACアダプタ:
- 純正品:3,000円~6,000円
- 互換品:1,500円~3,000円
買い替えを検討すべきケース
以下に該当する場合は、修理より買い替えの方が経済的です。
- 購入から5年以上経過している
- 修理費用が購入価格の50%以上
- マザーボードと画面の両方に問題がある
- 複数回修理している
起動しない原因トップ5とその対処法
実際によくある原因を、発生頻度順にまとめました。
第1位:内部帯電(約40%)
解決策:放電処理(方法1)で解決
第2位:バッテリーの劣化(約25%)
解決策:
- ACアダプタだけで起動を試す
- バッテリー交換
第3位:ACアダプタの故障(約15%)
解決策:
- 別のACアダプタで試す
- ランプが点灯しなければ交換
第4位:RAMの接触不良(約10%)
解決策:
- RAMの再装着
- 複数枚ある場合は1枚ずつ試す
第5位:Windows起動ファイルの破損(約5%)
解決策:
- スタートアップ修復
- システムの復元
- 最悪の場合、再インストール
予防策:同じトラブルを防ぐために
今回復旧できたら、今後のために以下を実践してください。
日常のメンテナンス
週1回:
- 通風口のホコリを掃除機で吸う
- 画面とキーボードを拭く
月1回:
- Windowsアップデートを実行
- 不要なファイルを削除
- バッテリーを完全放電してからフル充電
バッテリーを長持ちさせるコツ
- 充電は50%~80%を維持する
- 100%フル充電のまま使い続けない
- 高温環境(30度以上)での使用を避ける
- 長期間使わない時は50%充電で保管
バックアップの習慣をつける
最低限のバックアップ:
- 重要ファイルは週1回外付けHDDにコピー
- OneDriveやGoogleドライブの自動同期を有効化
- 写真や動画は複数の場所に保存
よくある質問(FAQ)
最後に、よく寄せられる質問にお答えします。
Q1:保証期間内なら無料で修理できる?
A:Lenovo製品は通常1年保証です。自然故障なら無料修理の対象ですが、落下や水濡れなどの過失は有償修理になります。保証書とレシートを確認してください。
Q2:データは消えてしまう?
A:電源がつかないだけなら、データは無事な可能性が高いです。ただし、何度も強制終了を繰り返したり、不適切な操作をするとデータが破損します。
Q3:中古で買ったLenovoでも修理できる?
A:メーカー修理は可能ですが、保証は元の購入者のものなので、中古購入時点で保証切れの可能性が高いです。町の修理店なら対応してくれることもあります。
Q4:電源がつかないのは寿命?
A:ノートパソコンの平均寿命は5~7年です。3年未満なら修理、5年以上なら買い替えを推奨します。ただし使用頻度や環境によって大きく変わります。
Q5:Lenovoサポートへの問い合わせ方法は?
A:
- 電話:0120-000-817(平日9:00~18:00)
- チャット:Lenovo公式サイトから
- メール:サポートページから問い合わせフォーム
- 製品のシリアル番号を手元に用意しておくとスムーズ
まとめ:冷静に段階的に対処しよう
Lenovoノートパソコンの電源がつかない時の対処法を詳しく解説してきました。
重要ポイントのおさらい:
- まず放電処理を試す(30秒長押し+5分放置)
- 緊急リセットホールを使う
- ACアダプタと接続を確認
- 症状に合わせた対処法を試す
- 3回試してダメなら専門家に相談
- 大切なデータがある場合は無理に操作しない
多くの場合、放電処理だけで解決します。それでもダメなら、この記事の症状別対処法を順番に試してください。
焦らず、一つずつ確認していけば、きっと解決しますよ。がんばってください!

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