「先月の会議で決まったこと、なんだっけ?」「去年の夏に共有されたあのファイル、どこだっけ?」
Slackを使っていると、過去のメッセージやファイルを探す場面が頻繁にありますよね。でも、数千、数万件のメッセージの中から目的のものを見つけるのは大変です。
そんなときに便利なのが、期間を指定した検索です。「いつ頃のメッセージか」がわかっていれば、検索結果を大幅に絞り込めます。
この記事では、Slackで日付や期間を指定して検索する方法を、初心者の方にもわかりやすく詳しく解説していきます。
Slackの検索機能とは?

まず、Slackの検索機能について基本を理解しましょう。
検索できる範囲
Slackで検索できるのは:
メッセージ:
- 自分が投稿したメッセージ
- 自分が参加しているパブリックチャンネルのメッセージ
- 自分が参加しているプライベートチャンネルのメッセージ
- 自分のダイレクトメッセージ(DM)
ファイル:
- チャンネルやDMで共有されたファイル
- ファイル名だけでなく、ファイル内のテキストも検索可能(PDF、Wordなど)
その他:
- チャンネル名と説明
- メンバーのプロフィール情報
検索できない範囲
検索対象外:
- 参加していないプライベートチャンネル
- 他のメンバー間のDM
- 削除されたメッセージ
無料プランの制限
Slackの無料プランには重要な制限があります:
- 検索できるのは直近10,000件のメッセージまで
- それ以前のメッセージは検索できない(表示もされない)
有料プラン(Pro、Business+、Enterprise Grid)では、すべてのメッセージ履歴を検索できます。
基本的な検索方法
期間指定の前に、基本的な検索方法をおさらいしましょう。
検索フィールドの使い方
デスクトップアプリ・ブラウザ版
- 画面上部の検索フィールドをクリック
- キーワードを入力
- Enterキーを押す
ショートカットキー:
- ワークスペース全体を検索:Ctrl + G(Windows/Linux)、⌘ + G(Mac)
- 現在のチャンネル内を検索:Ctrl + F(Windows/Linux)、⌘ + F(Mac)
スマホアプリ
- 画面上部の検索バーをタップ
- 検索フィールドにキーワードを入力
- 虫眼鏡アイコンまたは「検索」をタップ
検索結果の種類
検索結果は4つのタブに分かれて表示されます:
1. メッセージ
キーワードを含むメッセージが表示されます。
2. ファイル
ファイル名または内容にキーワードが含まれるファイル。
3. チャンネル
チャンネル名や説明にキーワードが含まれるチャンネル。
4. メンバーディレクトリ
名前やプロフィールにキーワードが含まれるメンバー。
期間指定の基本|検索モディファイアを使う
Slackで期間を指定するには、検索モディファイアという特殊なコマンドを使います。
検索モディファイアとは
検索モディファイアは、検索条件を指定するための特別なキーワードです。
使い方:
検索フィールドに「モディファイア:値」の形式で入力します。
例:on:2024-12-01 会議
これで「2024年12月1日に投稿された『会議』を含むメッセージ」が検索されます。
期間指定の3つの基本モディファイア
1. on:(特定の日付)
特定の日付のメッセージを検索します。
書式:
on:日付
使用例:
特定の日付を指定:
on:2024-12-01
相対的な日付を指定:
on:today(今日)
on:yesterday(昨日)
on:monday(今週の月曜日)
月単位で指定:
on:january(今年の1月)
on:december(今年の12月)
年単位で指定:
on:2024
2. before:(指定日以前)
指定した日付より前のメッセージを検索します。
書式:
before:日付
使用例:
before:2024-12-01(2024年12月1日より前)
before:yesterday(昨日より前)
before:this week(今週より前)
3. after:(指定日以降)
指定した日付より後のメッセージを検索します。
書式:
after:日付
使用例:
after:2024-01-01(2024年1月1日より後)
after:last week(先週より後)
after:this month(今月より後)
日付の入力形式
Slackでは複数の日付形式が使えます:
国際標準方式(推奨):
YYYY-MM-DD(例:2024-12-01)YYYY/MM/DD(例:2024/12/01)
米国方式:
MM/DD/YYYY(例:12/01/2024)MM-DD-YYYY(例:12-01-2024)
相対的な表現:
today(今日)yesterday(昨日)week(今週)month(今月)year(今年)last week(先週)last month(先月)
曜日:
monday、tuesday、wednesday、thursday、friday、saturday、sunday
月名:
january、february、march、april、may、junejuly、august、september、october、november、december
期間を範囲で指定する方法

特定の期間(範囲)でメッセージを検索する方法を解説します。
方法1:beforeとafterを組み合わせる
最も確実な方法は、beforeとafterを同時に使う方法です。
書式:
after:開始日 before:終了日
使用例:
2024年6月1日から6月30日まで:
after:2024-06-01 before:2024-06-30
先週の月曜日から金曜日まで:
after:last monday before:last friday
今年の1月から3月まで:
after:2024-01-01 before:2024-03-31
方法2:during:を使う(月・年単位)
during:は、特定の月や年全体を指定するモディファイアです。
書式:
during:期間
使用例:
先週全体:
during:last week
先月全体:
during:last month
今月全体:
during:this month
特定の月:
during:january(今年の1月)
during:december(今年の12月)
特定の年:
during:2024
during:2023
方法3:フィルターで期間を指定(GUI)
検索結果が表示された後、GUIで期間を絞り込むこともできます。
デスクトップ版
- 検索を実行
- 検索結果画面で「フィルター」をクリック
- 「対象期間」または「Date」を選択
- 開始日と終了日を入力
この方法なら、カレンダーから日付を選べるので直感的です。
スマホアプリ
- 検索を実行
- 「その他のフィルター」をタップ
- 日付範囲を設定
実践的な検索例
実際の業務でよく使う検索パターンを紹介します。
例1:昨日の自分の投稿を確認
検索クエリ:
from:me on:yesterday
用途:
- 日報の振り返り
- 昨日何を報告したか確認
- 自分の発言を振り返る
例2:特定のチャンネルで先週の議論を探す
検索クエリ:
in:#marketing during:last week
用途:
- 週次MTGの内容確認
- 先週の決定事項を振り返る
例3:特定の人が今月送ったファイルを探す
検索クエリ:
from:@田中 during:this month
検索実行後、「ファイル」タブに切り替える。
例4:特定のキーワードを含む6月の会話
検索クエリ:
プロジェクトA after:2024-06-01 before:2024-06-30
または:
プロジェクトA during:june
例5:2024年第1四半期の予算関連メッセージ
検索クエリ:
予算 after:2024-01-01 before:2024-03-31
例6:特定の日以降にスターを付けたメッセージ
検索クエリ:
has:star after:2024-11-01
用途:
- 重要なメッセージの振り返り
- ブックマークしたタスクの確認
他の検索モディファイアと組み合わせる
期間指定は、他のモディファイアと組み合わせることでさらに便利になります。
よく使う検索モディファイア一覧
チャンネル・場所を指定
in:チャンネル名/ユーザー名
特定のチャンネルやDM内を検索
in:#general
in:@山田
送信者を指定
from:ユーザー名
特定のユーザーが送ったメッセージ
from:@田中
from:me(自分)
メンションを指定
to:ユーザー名
特定のユーザーへのメンション
to:me(自分宛)
to:@佐藤
完全一致検索
“フレーズ”
ダブルクォーテーションで囲むと完全一致
"四半期レポート"
特定の単語を除外
-単語
マイナス記号で除外
会議 -中止
コンテンツの種類で絞る
has:リンク/リアクション/スター
has:link(リンクを含む)
has:star(スターを付けた)
has:reaction(リアクションがある)
has::thumbsup:(特定の絵文字リアクション)
高度な組み合わせ例
例1:特定チャンネルで特定の人が先月送ったリンク付きメッセージ
in:#開発 from:@鈴木 during:last month has:link
例2:今週自分宛にメンションされたメッセージ
to:me during:this week
例3:今年のQ1に「予算」を含み「中止」を含まないメッセージ
予算 -中止 after:2024-01-01 before:2024-03-31
例4:特定の日にマーケティングチャンネルで共有されたファイル
in:#marketing on:2024-12-01
検索後、「ファイル」タブに切り替える。
例5:昨日から今日までの自分の投稿でスターが付いたもの
from:me after:yesterday has:star
検索結果のフィルタリングと並べ替え
検索後、結果をさらに絞り込むことができます。
フィルターの使い方
検索結果画面には、すぐに使えるフィルターが表示されます。
デスクトップ版
検索結果の右側に表示されるフィルター:
送信者(From):
特定のユーザーに絞る
共有(In):
特定のチャンネルやDMに絞る
対象期間(Date):
日付範囲を指定
その他のフィルター:
- 自分のチャンネルのみ検索
- アプリとボットを非表示
- ブックマークしたメッセージのみ
- スターを付けたメッセージのみ
並べ替え
検索結果の表示順を変更できます:
最新順(デフォルト):
新しいメッセージから表示
関連性順:
検索キーワードとの関連性が高い順
検索のコツとベストプラクティス

効率的に検索するためのヒントを紹介します。
コツ1:完全一致を使う
曖昧な検索で結果が多すぎる場合は、ダブルクォーテーションを使いましょう。
悪い例:
四半期 レポート
→「四半期」か「レポート」のどちらかを含むメッセージがすべて表示
良い例:
"四半期レポート"
→「四半期レポート」という連続したフレーズのみ
コツ2:除外キーワードを活用
不要な結果を除外することで、目的のメッセージを見つけやすくなります。
例:
ミーティング -中止 -延期
「ミーティング」を含むが、「中止」「延期」を含まないメッセージ。
コツ3:段階的に絞り込む
最初から完璧な検索をしようとせず、段階的に絞り込みましょう。
ステップ1: キーワードだけで検索
予算
ステップ2: 期間を追加
予算 during:last month
ステップ3: チャンネルを絞る
予算 during:last month in:#財務
コツ4:よく使う検索を保存
Slackは検索履歴を保存してくれます。
検索フィールドをクリックすると「最近の検索」が表示されるので、同じ検索を簡単に再実行できます。
コツ5:ブックマーク機能を活用
後で見返す必要がありそうなメッセージは、ブックマークしておきましょう。
ブックマークの付け方:
- メッセージにマウスオーバー
- 「︙」(その他のアクション)をクリック
- 「ブックマークに登録する」を選択
ブックマークの確認:
サイドバーの「ブックマーク」から一覧を表示できます。
トラブルシューティング
検索がうまくいかないときの対処法です。
問題1:検索結果が0件
原因と対処法:
原因1:検索範囲外
→ 参加していないプライベートチャンネルやメッセージは検索できません
原因2:日付形式が間違っている
→ YYYY-MM-DD形式で再試行
原因3:無料プランの制限
→ 10,000件より古いメッセージは検索できません
原因4:モディファイアの書式ミス
→ スペースや記号を確認(例:on:の後にスペースを入れない)
問題2:検索結果が多すぎる
対処法:
- 期間を狭める
during:last month→during:last weekafter:2024-01-01→after:2024-06-01
- チャンネルを絞る
in:#特定チャンネルを追加
- 完全一致を使う
- ダブルクォーテーションで囲む
- 除外キーワードを追加
-不要なワードを追加
問題3:日付の指定がうまくいかない
チェックポイント:
- コロン(:)の後にスペースを入れていませんか?
- ❌
on: 2024-12-01 - ✅
on:2024-12-01 - 日付形式は正しいですか?
- ✅
YYYY-MM-DD(2024-12-01) - ✅
MM/DD/YYYY(12/01/2024) - ❌
DD/MM/YYYY(非対応)
問題4:スマホで期間指定がうまくできない
スマホでは、検索モディファイアを手入力するより、フィルター機能を使う方が簡単です。
- 検索を実行
- 「その他のフィルター」をタップ
- 日付フィルターで範囲を選択
無料プランと有料プランの違い
Slackの検索機能は、プランによって制限が異なります。
無料プラン(Free)
制限:
- 直近10,000件のメッセージのみ検索可能
- 10,001件目以降のメッセージは検索できない(表示もされない)
- ファイルストレージも制限あり(5GB)
影響:
- 活発なワークスペースでは、数ヶ月で上限に達する
- 古い情報にアクセスできなくなる
有料プラン(Pro / Business+ / Enterprise Grid)
メリット:
- すべてのメッセージ履歴を検索可能
- 無制限のストレージ(Business+以上)
- 高度な検索機能
- メッセージのエクスポート機能
料金:
- Pro:月額850円/ユーザー(年払い)
- Business+:月額1,600円/ユーザー(年払い)
無料プランでの工夫
10,000件の制限がある場合の対処法:
1. 重要なメッセージをブックマーク
ブックマークは制限外で保存されます。
2. 重要な情報は外部に保存
- Google Docs、Notion、Confluenceなどに転記
- 定期的にエクスポート(管理者権限が必要)
3. チャンネルを整理
不要なチャンネルを削除して、メッセージ数を抑える。
よくある質問
Q1:検索できるメッセージの件数に上限はある?
無料プラン: 直近10,000件のみ
有料プラン: 無制限
無料プランでは、10,001件目以降のメッセージは検索できなくなります。
Q2:削除したメッセージは検索できる?
いいえ、削除されたメッセージは検索できません。
ただし、管理者が設定したメッセージ保持ポリシーによっては、一定期間保存される場合があります。
Q3:他の人のDMは検索できる?
いいえ、自分が参加していないDMは検索できません。
検索できるのは:
- 自分が送受信したDM
- 自分が参加しているグループDM
Q4:期間指定で「during:」と「after: + before:」の違いは?
during:
- 月単位・年単位の指定に便利
- 例:
during:january、during:2024
after: + before:
- 細かい日付範囲の指定に便利
- 例:
after:2024-06-01 before:2024-06-15
どちらも同じ結果が得られますが、使いやすい方を選びましょう。
Q5:曜日で検索できる?
はい、on:mondayのように曜日を指定できます。
これは「今週の月曜日」を意味します。先週の月曜日ならon:last monday。
Q6:複数の期間を同時に検索できる?
いいえ、基本的には1つの期間範囲のみ指定できます。
複数の期間を調べたい場合は、検索を複数回実行する必要があります。
Q7:スマホでも同じように検索できる?
はい、検索モディファイアはスマホでも使えます。
ただし、フィルター機能を使う方が簡単な場合もあります。
まとめ|期間指定で検索効率を劇的に改善
Slackの期間指定検索について解説してきました。
重要ポイントのおさらい:
基本の3つのモディファイア:
on:日付→ 特定の日before:日付→ 指定日以前after:日付→ 指定日以降
期間範囲の指定:
after:開始日 before:終了日during:期間(月・年単位)
日付の書式:
YYYY-MM-DD(推奨)MM/DD/YYYYtoday、yesterday、last weekなどの相対表現
実践的な使い方:
- 他のモディファイアと組み合わせる
- 段階的に絞り込む
- ブックマークを活用
- フィルターも併用
無料プランの制限:
- 直近10,000件のみ検索可能
- 有料プランなら無制限
Slackの検索機能を使いこなせば、過去のメッセージや決定事項をすぐに見つけられるようになります。特に期間指定は、「いつ頃の話だったか」を覚えている場合に非常に有効です。
検索モディファイアは最初は覚えにくいかもしれませんが、何度か使ううちに自然と身につきます。まずはon:todayやduring:last weekなど、簡単なものから試してみてくださいね!

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