Microsoft Edgeを起動したときに、「ページの復元」というメッセージが表示されて困っていませんか?
このメッセージは、ブラウザが正常に終了しなかった場合に、前回開いていたタブを復元するかどうか尋ねるものです。しかし、毎回表示されると煩わしく感じる方も多いでしょう。
この記事では、「ページの復元」メッセージを表示させない方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
「ページの復元」メッセージとは

メッセージが表示される理由
「ページの復元」は、Edgeが 異常終了 したときに表示されるダイアログです。
具体的には、次のような状況で表示されます:
- Edgeを開いたままパソコンをシャットダウンした
- タスクマネージャーでEdgeを強制終了した
- Edgeがクラッシュ(予期せぬエラーで終了)した
- システムの更新でパソコンが再起動された
このメッセージには「復元」ボタンがあり、クリックすると前回開いていたタブやウィンドウが元通りになります。
便利な機能だけど…
確かに、作業中にブラウザがクラッシュしたときなどは、この復元機能は非常に便利です。
しかし、以下のような理由で無効にしたいと感じる方もいます:
- 毎回メッセージが表示されて煩わしい
- プライバシーの観点から、前回のセッションを残したくない
- 常に新しいタブから始めたい
- 自動化ツールやスクリプトの動作を妨げる
なぜ表示され続けるのか
もし毎回このメッセージが表示されるなら、それはEdgeを 正しく閉じていない 可能性が高いです。
Windowsのシャットダウンボタンを押したときに、バックグラウンドでEdgeが起動したままになっていることがあります。これをWindowsが「異常終了」と判断し、次回起動時にメッセージを表示するのです。
基本的な対処方法
方法1:Edgeを正しく閉じる
最も簡単で効果的な方法は、ブラウザを 正しく閉じる習慣 をつけることです。
正しい閉じ方:
- ブラウザ右上の「×」ボタンをクリックする
- キーボードで「Alt + F4」を押す
- タスクバーのEdgeアイコンを右クリックして「ウィンドウを閉じる」を選択
避けるべき閉じ方:
- Edgeを開いたままWindowsをシャットダウン
- タスクマネージャーからEdgeを強制終了
- パソコンの電源を直接切る
正しく閉じることで、「ページの復元」メッセージは表示されなくなります。
方法2:起動時の設定を変更する
Edge起動時に開くページの設定を変更することで、復元メッセージの頻度を減らせます。
設定手順:
- Edgeを開き、右上の「…」(3つの点)をクリック
- 「設定」を選択
- 左メニューから「スタート、ホーム、および新しいタブ」をクリック
- 「Microsoft Edgeの起動時に開くページ」で以下のいずれかを選択:
- 新しいタブページを開く(推奨)
- 特定のページまたは複数のページを開く
「前回開いていたページを開く」を選択していると、復元機能と競合する可能性があります。「新しいタブページを開く」に変更しましょう。
方法3:スタートアップブーストをオフにする
スタートアップブースト という機能が、復元メッセージの原因になることがあります。
この機能は、Edgeの起動を高速化するため、バックグラウンドでEdgeを常に待機させておくものです。しかし、これが原因で「正常に終了していない」と判断されることがあります。
オフにする手順:
- Edge設定画面を開く
- 左メニューから「システムとパフォーマンス」を選択
- 「スタートアップブーストを使用する」のスイッチを オフ にする
この設定を変更すると、Edgeの起動が若干遅くなる可能性がありますが、復元メッセージの表示を減らせます。
方法4:最新版にアップデートする
古いバージョンのEdgeでは、復元メッセージに関するバグがある可能性があります。
更新手順:
- Edge右上の「…」をクリック
- 「ヘルプとフィードバック」→「Microsoft Edgeについて」を選択
- 自動的に更新がチェックされ、利用可能な更新があればインストールされます
更新後は、Edgeを再起動しましょう。
上級者向けの設定方法
レジストリエディタで無効化する
⚠️ 警告: レジストリの編集は慎重に行ってください。誤った操作はシステムに深刻な影響を与える可能性があります。必ずバックアップを取ってから実行してください。
この方法は、Windowsのレジストリ(システムの設定情報を保存する場所)を編集して、「ページの復元」ダイアログを完全に無効化します。
手順:
ステップ1:レジストリエディタを開く
- キーボードで「Windows + R」を押す
- 「regedit」と入力して「OK」をクリック
- ユーザーアカウント制御の確認画面で「はい」をクリック
ステップ2:該当する場所に移動
レジストリエディタで以下のパスに移動します:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge
注意: 「Edge」というキーが存在しない場合があります。その場合は、「Microsoft」フォルダを右クリックして「新規」→「キー」を選択し、「Edge」という名前で新しいキーを作成してください。
ステップ3:新しい値を作成
- 「Edge」キーの右側の空白部分を右クリック
- 「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択
- 名前を「HideRestoreDialogEnabled」と入力
ステップ4:値を設定
- 作成した「HideRestoreDialogEnabled」をダブルクリック
- 「値のデータ」を 1 に設定(0は有効、1は無効)
- 「OK」をクリック
ステップ5:パソコンを再起動
設定を有効にするため、パソコンを再起動します。
これで、Edgeがクラッシュした場合でも「ページの復元」ダイアログは表示されなくなります。代わりに、常に新しいタブページでセッションが開始されます。
グループポリシーエディタで設定する(Windows Pro以上)
Windows Pro、Enterprise、Educationエディションをお使いの場合は、グループポリシーエディタを使ってより簡単に設定できます。
注意: この方法はWindows Home エディションでは使用できません。
手順:
ステップ1:グループポリシーエディタを開く
- キーボードで「Windows + R」を押す
- 「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリック
ステップ2:該当する設定に移動
以下のパスを展開していきます:
コンピューターの構成
→ 管理用テンプレート
→ Microsoft Edge
注意: 「Microsoft Edge」フォルダが表示されない場合、Edge用の管理用テンプレートがインストールされていない可能性があります。
ステップ3:設定を変更
- 右側のウィンドウから「ブラウザーのクラッシュ後にページの復元ダイアログを非表示にする」を見つけてダブルクリック
- 「有効」を選択
- 「適用」→「OK」をクリック
ステップ4:ポリシーを更新
- コマンドプロンプトを管理者として開く
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す:
gpupdate /force
設定が即座に適用されます。
トラブルシューティング
設定しても表示され続ける場合
キャッシュをクリアする
- Edge設定→プライバシー、検索、サービスを開く
- 「閲覧データのクリア」→「クリアするデータの選択」をクリック
- 「Cookieおよびその他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「今すぐクリア」をクリック
Edge設定ファイルを確認する
まれに、Edgeの設定ファイルが破損していることがあります。その場合は、Edgeのリセットを検討してください。
- 設定→設定のリセットを開く
- 「設定を復元して既定値に戻します」をクリック
注意: この操作により、拡張機能や設定がリセットされます。
レジストリ設定が反映されない
Edgeが完全に終了しているか確認
レジストリを編集する際は、Edgeが完全に終了している必要があります。
タスクマネージャー(Ctrl + Shift + Esc)を開いて、「msedge.exe」というプロセスが残っていないか確認しましょう。
パスが正しいか確認
レジストリのパスが以下と完全に一致しているか確認してください:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge
一部のサイトで問題が発生する
「ページの復元」を無効にすると、クラッシュ後に作業中のデータが失われる可能性があります。
重要な作業をしている場合は:
- こまめに保存する習慣をつける
- 必要に応じてお気に入りやコレクション機能を活用する
- オンラインサービスの自動保存機能を利用する
セキュリティとプライバシーの考慮点
プライバシー保護の観点
「ページの復元」機能を無効にすることで、プライバシーが向上する面もあります。
メリット:
- 共有パソコンで前回のセッション情報が表示されない
- 他のユーザーに閲覧履歴を見られるリスクが減る
- 起動時に常にクリーンな状態から始められる
セキュリティリスクの理解
一方で、復元機能にはセキュリティ上のメリットもあります。
デメリット:
- クラッシュ時に未保存のデータが失われる
- 重要な作業中のタブが復元できなくなる
- オンラインフォームの入力内容が消える可能性
用途に応じて、復元機能の有効・無効を判断しましょう。
企業・組織での利用について
IT管理者向けの設定
企業や学校などの組織で複数のパソコンを管理している場合、グループポリシーを使って一括設定できます。
Active Directory環境での展開:
- グループポリシー管理コンソールを開く
- 対象のグループポリシーオブジェクト(GPO)を選択
- 前述のグループポリシー設定を適用
- GPOをドメイン全体または特定のOUに適用
この方法により、組織内のすべてのパソコンで統一した設定が適用されます。
キオスクモードやデジタルサイネージ
公共の場所や展示会などで使用するキオスク端末では、「ページの復元」メッセージは不適切です。
こうした環境では:
- グループポリシーまたはレジストリで復元ダイアログを無効化
- 起動時に常に特定のページを開く設定にする
- セッション終了時に閲覧データを自動削除する
これにより、常にクリーンな状態でブラウザが起動します。
よくある質問
Q1:復元機能を無効にすると、タブの復元が一切できなくなりますか?
いいえ、「Ctrl + Shift + T」のショートカットキーを使った手動での復元は引き続き利用できます。無効になるのは、起動時の自動復元ダイアログのみです。
Q2:レジストリ設定を元に戻すにはどうすればいいですか?
レジストリエディタで「HideRestoreDialogEnabled」の値を 0 に変更するか、その項目自体を削除すれば、元の動作に戻ります。
Q3:スタートアップブーストをオフにすると、どのくらい起動が遅くなりますか?
個人差がありますが、通常は1〜2秒程度です。最新のパソコンであれば、ほとんど体感できないレベルです。
Q4:Edgeのバージョンによって設定方法は変わりますか?
基本的な設定場所は変わりませんが、インターフェースが若干異なる場合があります。本記事は最新版のEdgeに基づいています。
Q5:モバイル版Edgeでも同じ設定ができますか?
モバイル版Edgeには「ページの復元」ダイアログは表示されません。この問題はデスクトップ版に特有のものです。
Q6:復元メッセージが英語で表示されるのはなぜですか?
Edgeの表示言語が英語に設定されている可能性があります。設定→言語から日本語に変更できます。
まとめ
Microsoft Edgeの「ページの復元」メッセージを表示させない方法をご紹介しました。
推奨される対処方法(難易度順):
- Edgeを正しく閉じる – 最も簡単で安全
- 起動時の設定を変更する – 設定画面から簡単に変更可能
- スタートアップブーストをオフ – 副作用が少ない
- レジストリ編集 – 完全に無効化できるが上級者向け
- グループポリシー – 企業環境に最適
状況別のおすすめ:
- 一般ユーザー → 方法1〜3を試す
- 上級ユーザー → レジストリ編集で完全無効化
- 企業のIT管理者 → グループポリシーで一括管理
「ページの復元」機能は本来便利な機能ですが、使い方によっては煩わしく感じることもあります。
ご自身の使用状況に合わせて、適切な設定を選んでください。正しく設定すれば、より快適なブラウジング体験が得られるはずです。

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