パソコンで見ていたWebサイトを、外出先でスマホから続きを見たい。そんな経験はありませんか?
Microsoft Edge(マイクロソフト エッジ)の「同期機能」を使えば、お気に入りやパスワード、閲覧履歴などを、複数のデバイス間で自動的に共有できます。
この記事では、Edge同期の基本から設定方法まで、初めての方にも分かりやすく解説していきます。
Microsoft Edge 同期の基本

同期機能とは何か
同期(シンク) とは、複数のデバイス間でデータを自動的に一致させる機能のことです。
Edgeの同期機能を有効にすると、あなたのブラウザ情報がMicrosoftのクラウドサーバー(インターネット上の保管場所)に保存されます。そして、同じMicrosoftアカウントでサインインした他のデバイスでも、同じ情報を使えるようになります。
例えば、職場のパソコンでお気に入りに追加したWebサイトが、帰宅後に自宅のパソコンで自動的に表示される、といった具合です。
同期できるデータの種類
Edgeでは、次のようなデータを同期できます。
お気に入り関連
- お気に入りに登録したWebサイト
- コレクション(関連するページをまとめて保存する機能)
- 閲覧リスト(後で読みたいページのリスト)
閲覧データ
- 閲覧履歴
- 開いているタブ(複数デバイスで同じタブを開ける)
個人情報
- 保存したパスワード
- オートフィル情報(名前、住所、電話番号など自動入力される情報)
- 支払い情報(クレジットカード情報など)
カスタマイズ設定
- ブラウザの各種設定
- 拡張機能(ブラウザに追加した便利なツール)
- テーマやデザイン設定
これらのデータは、項目ごとに同期するかしないかを選べます。
同期機能のメリット
1. デバイスを選ばない快適さ
朝は自宅のパソコン、昼は会社のパソコン、移動中はスマートフォン。そんな風に複数のデバイスを使い分けている方でも、どこでも同じブラウザ環境を利用できます。
2. データ入力の手間が省ける
一度保存したパスワードや住所情報は、すべてのデバイスで使えます。スマホで毎回パスワードを入力する手間から解放されるでしょう。
3. 情報の引き継ぎが簡単
新しいパソコンやスマホに買い替えても、Edgeにサインインするだけで、すぐに以前の環境を再現できます。
4. データのバックアップになる
クラウド上にデータが保存されるため、万が一パソコンが故障しても、お気に入りやパスワードは失われません。
同期機能の設定方法
パソコンで同期を有効にする手順
ステップ1:Edgeを開く
デスクトップやタスクバーから、Microsoft Edgeを起動します。
ステップ2:設定メニューを開く
画面右上にある「…」(3つの点)のアイコンをクリックし、「設定」を選択します。
別の方法として、キーボードの「Alt」キーを押しながら「F」キーを押しても設定を開けます。
ステップ3:プロファイル設定に進む
左側のメニューから「プロファイル」をクリックします。
ステップ4:サインインする
「サインインしてデータを同期」というボタンが表示されている場合は、それをクリックします。
Microsoftアカウントのメールアドレスとパスワードを入力してサインインしましょう。
すでにサインインしている場合は、「同期は有効になっています」と表示されます。
ステップ5:同期設定をカスタマイズする
「同期」をクリックすると、同期する項目を選べる画面が開きます。
各項目の右側にあるスイッチをクリックすることで、オン(青色)とオフ(白色)を切り替えられます。
スマートフォンで同期を有効にする手順
iOS(iPhone/iPad)の場合
- App StoreからMicrosoft Edgeアプリをダウンロードします
- アプリを開き、画面下部の「プロファイル」アイコンをタップ
- 「アカウント」を選択
- 「サインイン」をタップして、Microsoftアカウントでサインイン
- 同期が自動的に有効になります
Androidの場合
- Google PlayストアからMicrosoft Edgeアプリをダウンロードします
- アプリを開き、画面下部の「…」をタップ
- 「設定」→「アカウント」の順に進む
- 「サインイン」をタップして、Microsoftアカウントでサインイン
- 同期が自動的に有効になります
同期する項目を選ぶ
すべてのデータを同期する必要はありません。プライバシーや容量の都合で、特定のデータだけを同期したい場合もあるでしょう。
設定→プロファイル→同期 の画面で、項目ごとにスイッチをオン・オフできます。
例えば:
- 「パスワードは同期したいけど、履歴は同期したくない」
- 「お気に入りだけ同期したい」
このように、自分の使い方に合わせてカスタマイズしましょう。
同期機能を停止・解除する方法
一時的に同期を止めたい場合
特定のデータの同期だけを止めたい場合は、前述の設定画面で該当する項目のスイッチをオフにします。
これにより、その項目だけ同期が停止されます。
完全に同期を解除する場合
パソコンの場合
- 設定→プロファイルを開く
- 「サインアウト」ボタンをクリック
- 確認画面で「サインアウト」を選択
サインアウト時に、「お気に入り、履歴、パスワード、およびその他の閲覧データをこのデバイスからクリアします」にチェックを入れると、そのデバイスからローカルデータも削除されます。
注意: サインイン中かつ同期中にデータを削除すると、同期されているすべてのデバイスからデータが削除されてしまいます。
同期がうまくいかない時の対処法
サインインできているか確認する
同期が機能するには、まずEdgeにサインインしている必要があります。
画面右上のプロファイルアイコンをクリックして、「サインインしています」と表示されているか確認しましょう。
インターネット接続を確認する
同期はクラウド経由で行われるため、インターネット接続が必要です。
Wi-Fiやモバイルデータ通信が正常に機能しているか確認してください。
同期のリセットを試す
それでも問題が解決しない場合は、同期のリセットを試してみましょう。
- 設定→プロファイル→同期を開く
- 「同期をリセット」または「データの再同期」を選択
- 指示に従って操作を完了する
Edgeを最新版に更新する
古いバージョンのEdgeでは、同期機能に不具合が生じることがあります。
設定→概要 から、最新バージョンにアップデートできているか確認しましょう。
セキュリティとプライバシーについて

データの暗号化
Microsoft Edgeの同期機能では、セキュリティが重視されています。
- データの転送時:TLS 1.2以上の暗号化技術で保護
- クラウドでの保存時:AES128という強力な暗号化方式で保護
- デバイスから送信前:Azure Information Protectionで管理された鍵により暗号化
これらの技術により、あなたのデータは第三者から守られています。
プライバシーへの配慮
「履歴を同期したくない」「特定のパスワードは同期しない」など、プライバシーに関する懸念があれば、項目別に同期をオフにできます。
また、会社や学校のデバイスで個人アカウントを使う場合は、サインアウト時にデータを削除するオプションを利用しましょう。
企業や組織での利用について
エンタープライズ同期とは
企業や学校などの組織で使うEdgeでも、同期機能を利用できます。
ただし、個人用Microsoftアカウントではなく、組織が提供するMicrosoft 365アカウント(旧Office 365)や Azure ADアカウントを使用します。
必要なサブスクリプション
企業で同期機能を使うには、次のいずれかのサブスクリプションが必要です。
- Microsoft 365 Business Basic、Standard、Premium
- Enterprise Mobility + Security(E3、E5など)
- Microsoft Entra ID(旧Azure AD)プランP1またはP2
管理者による制御
IT管理者は、グループポリシーを使って組織全体の同期設定を管理できます。
例えば、「パスワードの同期は許可するが、閲覧履歴の同期は禁止する」といった細かい制御が可能です。
よくある質問
Q1:同期には料金がかかりますか?
個人利用の場合、同期機能は完全無料です。Microsoftアカウント(無料)があれば利用できます。
企業利用の場合のみ、前述のサブスクリプションが必要になります。
Q2:何台まで同期できますか?
デバイス数に制限はありません。同じMicrosoftアカウントでサインインすれば、何台でも同期できます。
Q3:Google ChromeのデータをEdgeに移行できますか?
はい、可能です。Edgeの初回起動時、または「設定→プロファイル→ブラウザー データのインポート」から、Chromeのお気に入りやパスワードなどをインポートできます。
ただし、ChromeとEdge間での自動同期はできません。
Q4:同期されたデータはどこに保存されますか?
Microsoftのクラウドサーバーに保存されます。保存場所は、アカウントが登録されている地域に応じて決まります。
Q5:子供用アカウントでも同期できますか?
Microsoftファミリー機能で管理されている子供用アカウントでも、保護者の設定に応じて同期機能を使えます。
まとめ
Microsoft Edgeの同期機能を使えば、複数のデバイス間でシームレスなブラウジング体験が実現します。
主なポイント
- Microsoftアカウントでサインインするだけで、簡単に設定できる
- お気に入り、パスワード、履歴など多様なデータを同期可能
- 項目ごとに同期のオン・オフを選べる
- データは暗号化されて安全に保護される
- 個人利用なら完全無料で使える
パソコン、スマートフォン、タブレットなど、複数のデバイスを使っている方にとって、同期機能は大変便利です。
まだ使っていない方は、ぜひこの機会に設定してみてください。一度設定すれば、その便利さを実感できるはずです。


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