ウェブサイトを見ていたら、突然別のウィンドウが開いて広告が表示されたり、いきなり別のページに飛ばされたりした経験はありませんか?
これが「ポップアップ」と「リダイレクト」です。
Microsoft Edgeには、こうした煩わしい動作をブロックする機能が標準で備わっています。この記事では、ポップアップとリダイレクトをコントロールして、快適で安全なブラウジングを実現する方法を分かりやすく解説します。
ポップアップとリダイレクトって何?

まずは基本的な用語を理解しておきましょう。
ポップアップとは
ポップアップは、ウェブサイトを見ているときに、自動的に開く新しいウィンドウやタブのことです。
ポップアップの例
- 広告ウィンドウ
- ログイン画面
- お知らせやキャンペーン情報
- 銀行の取引確認画面
- 決済サイトの支払い画面
ポップアップには役に立つものもあれば、邪魔なものもあります。銀行のオンラインバンキングや決済サービスなどは、セキュリティのためにポップアップを使うことが多いんです。
リダイレクトとは
リダイレクトは、今見ているページから別のページへ自動的に転送される動作のことです。
リダイレクトの例
- ログイン後に自動的にマイページへ移動
- 古いURLから新しいURLへの自動転送
- 広告サイトへの強制的な誘導(悪質なケース)
- フィッシング詐欺サイトへの誘導(危険!)
正当な理由でのリダイレクトもありますが、悪質なサイトが勝手に別のページへ飛ばすこともあるので注意が必要です。
なぜブロックする必要があるの?
ポップアップやリダイレクトをブロックすべき理由は主に3つあります。
1. セキュリティの保護
悪意のあるポップアップには、ウイルスやマルウェアが仕込まれていることがあります。また、「あなたのパソコンがウイルスに感染しました!」といった偽の警告を表示して、偽のセキュリティソフトを買わせようとする詐欺もあります。
2. プライバシーの保護
フィッシング詐欺サイトへリダイレクトされて、個人情報やクレジットカード番号を盗まれる危険性があります。
3. 快適なブラウジング
広告ポップアップが次々と開くと、見たいページが見られなくなってストレスが溜まりますよね。ブロック機能を使えば、快適にウェブサイトを閲覧できます。
ポップアップブロック機能を有効にする方法
Microsoft Edgeでは、デフォルト(初期設定)でポップアップブロックが有効になっています。でも、何かの拍子に無効になっていることもあるので、確認しておきましょう。
基本設定の手順
手順1:設定メニューを開く
- Microsoft Edgeを開く
- 右上の「…」(設定など)をクリック
- 表示されたメニューから「設定」を選択
手順2:アクセス許可の設定へ移動
- 左側のメニューから「Cookieとサイトのアクセス許可」をクリック
(表示されていない場合は、左上の「≡」をクリックすると表示されます) - 右側の画面で「サイトのアクセス許可」セクションまでスクロール
- 「ポップアップとリダイレクト」をクリック
手順3:ブロック機能を有効にする
「ブロック済み(推奨)」のスイッチが青色(オン)になっていることを確認します。
- 青色(オン):ポップアップとリダイレクトがブロックされます
- 白色(オフ):すべてのポップアップとリダイレクトが許可されます
推奨設定は「オン」です。セキュリティと快適さのために、基本的にはオンにしておきましょう。
素早くアクセスする裏技
毎回設定メニューを開くのが面倒という方には、この方法がおすすめです。
直接アクセスする方法
- Edgeのアドレスバー(URLを入力する場所)に以下を入力
edge://settings/content/popups
- Enterキーを押す
これで一発でポップアップ設定画面に飛べます!
特定のサイトだけポップアップを許可する方法
「基本的にはブロックしたいけど、よく使う銀行やショッピングサイトだけは許可したい」という場合は、サイトごとに設定できます。
信頼できるサイトを許可リストに追加
方法1:設定画面から追加
- 「ポップアップとリダイレクト」の設定画面を開く(上記の手順を参照)
- 「許可」セクションの「追加」ボタンをクリック
- 「サイト」欄にウェブサイトのURLを入力
- 例:
https://www.example-bank.co.jp - ワイルドカード(*)も使えます:
[*.]example.com
- 「追加」ボタンをクリック
ワイルドカードの使い方
[*.]example.com と入力すると、以下のすべてのサブドメインで許可されます。
www.example.comshop.example.comlogin.example.com
方法2:ポップアップがブロックされた時に許可
実際にサイトを訪問しているときに、ポップアップがブロックされると、アドレスバーに小さなアイコンが表示されます。
- アドレスバーの右側に表示される「ポップアップブロック」アイコンをクリック
- 「常に許可」を選択
- 「完了」をクリック
これで次回からそのサイトのポップアップは自動的に許可されます。
どんなサイトを許可すべき?
以下のようなサイトでは、ポップアップが正常な機能として使われていることが多いです。
許可を検討すべきサイト
- オンラインバンキング(三菱UFJ、みずほ、三井住友など)
- クレジットカード会社のサイト
- 証券会社のオンライン取引サイト
- 電子決済サービス(PayPay、楽天ペイなど)
- 官公庁の電子申請システム(e-Tax、マイナポータルなど)
- ECサイトの決済画面
- オンライン会議ツール(Zoom、Microsoft Teamsなど)
これらのサイトは信頼できるので、許可リストに追加しても問題ありません。
特定のサイトだけブロックする方法
逆に、「基本的には許可したいけど、この広告サイトだけはブロックしたい」という場合もありますよね。
ブロックリストに追加する手順
- 「ポップアップとリダイレクト」の設定画面を開く
- まず「ブロック済み(推奨)」のスイッチをオフ(白色)にする
(これで全サイトでポップアップが許可されます) - 「ブロック」セクションの「追加」ボタンをクリック
- ブロックしたいサイトのURLを入力
- 「追加」ボタンをクリック
この方法は、特定の広告サイトや怪しいサイトを個別にブロックしたいときに便利です。
注意点
全体をオフにすると、あらゆるサイトでポップアップが表示されるようになります。セキュリティリスクが高まるので、基本的には「ブロック済み(推奨)」をオンにして、信頼できるサイトだけを許可リストに追加する方法をおすすめします。
ポップアップブロックが効かない時の対処法
「設定しているのにポップアップが表示される!」という場合は、以下の方法を試してみましょう。
対処法1:Edgeを最新バージョンに更新
古いバージョンのEdgeでは、ブロック機能が正常に動作しないことがあります。
更新手順
- Edgeの右上「…」をクリック
- 「ヘルプとフィードバック」→「Microsoft Edgeについて」を選択
- 自動的に更新チェックが開始されます
- 更新がある場合は自動的にダウンロード・インストールされます
- 「再起動」ボタンが表示されたらクリック
対処法2:拡張機能を確認
広告ブロッカーなどの拡張機能が、Edgeのポップアップブロック機能と干渉していることがあります。
確認手順
- Edgeの「…」→「拡張機能」→「拡張機能の管理」
- インストールされている拡張機能を一つずつオフにして動作確認
- 問題の原因となっている拡張機能が見つかったら、削除するか設定を調整
よくある干渉する拡張機能
- 広告ブロッカー(AdBlock、uBlock Originなど)
- セキュリティ系拡張機能
- VPN拡張機能
対処法3:サードパーティCookieをブロック
悪質な広告は、サードパーティCookie(第三者Cookie)を使って追跡していることがあります。
設定手順
- 「設定」→「プライバシー、検索、サービス」を選択
- 「Cookieとサイトデータ」セクションを見つける
- 「サードパーティのCookieをブロックする」をオンにする
対処法4:閲覧データをクリア
古いキャッシュや履歴が原因で、ブロック機能が正常に働かないことがあります。
クリア手順
- Edgeの「…」→「設定」→「プライバシー、検索、サービス」
- 「閲覧データをクリア」セクションの「クリアするデータの選択」をクリック
- 以下の項目にチェックを入れる
- 閲覧の履歴
- Cookieおよびその他のサイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
- 期間を「すべての期間」に設定
- 「今すぐクリア」をクリック
注意:この操作を行うと、保存されているパスワードやフォーム入力データは消えませんが、ログイン状態は解除されます。
対処法5:悪質な通知許可を削除
ポップアップのように見えても、実は「通知機能」を悪用した偽の警告かもしれません。
通知許可を確認・削除する手順
- 「設定」→「Cookieとサイトのアクセス許可」
- 「通知」をクリック
- 「許可」リストに怪しいサイトがないか確認
- 不要なサイトの右側にある「…」→「削除」
怪しいサイトの特徴
- 見覚えのないドメイン名
- ランダムな文字列のURL(例:
abcd1234.click) - 海外の怪しいドメイン(
.xyz、.click、`.topなど)
悪意のあるポップアップへの対処法

「ウイルスに感染しました!」「システムが破損しています!」といった偽の警告が出た場合の対処法です。
こんなポップアップは無視!
絶対に信じてはいけないポップアップ
- 「パソコンがウイルスに感染しました!今すぐ削除してください!」
- 「Windowsセキュリティ警告:システムが破損しています」
- 「あなたのIPアドレスがハッカーに監視されています」
- 「マイクロソフトサポート:このまま使用すると危険です」
- 「おめでとうございます!iPhone 15が当選しました!」
これらはすべて偽物です。本物のMicrosoftやAppleは、こんな警告をポップアップで表示しません。
偽警告ポップアップが出た時の対処
ステップ1:落ち着いて何もクリックしない
焦らせて何かをクリックさせるのが相手の狙いです。絶対にボタンを押さないでください。
ステップ2:ブラウザを強制終了
- キーボードの「Alt + F4」を押す、または
- Ctrl + Shift + Escでタスクマネージャーを開く
- 「Microsoft Edge」を選択
- 「タスクの終了」をクリック
ステップ3:ウイルススキャンを実行
念のため、セキュリティソフトでスキャンしましょう。
- Windows Securityを開く(スタートメニューから検索)
- 「ウイルスと脅威の防止」をクリック
- 「クイックスキャン」を実行
ステップ4:問題のサイトを二度と訪れない
偽警告を表示したサイトは、ブックマークから削除し、今後アクセスしないようにしましょう。
マルウェア感染が疑われる場合
ポップアップブロックを有効にしても止まらない、パソコン起動時に勝手にポップアップが開く場合は、マルウェア感染の可能性があります。
マルウェア感染のサイン
- パソコン起動時に広告が自動表示される
- ホームページが勝手に変わっている
- 知らない検索エンジンが設定されている
- ブラウザの動作が極端に遅い
- 覚えのない拡張機能がインストールされている
対処手順
- セキュリティソフトでフルスキャン
Windows Defenderまたは信頼できるウイルス対策ソフトを使用 - 不要なプログラムを削除
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 覚えのないアプリや、最近インストールした怪しいアプリを削除
- Edgeの設定をリセット
- 「設定」→「設定のリセット」
- 「設定を既定値に戻す」をクリック
- 専門家に相談
上記を試しても改善しない場合は、パソコンサポート業者やメーカーサポートに相談しましょう。
モバイル版Edgeでの設定
スマートフォンやタブレットでEdgeを使っている場合も、ポップアップブロック設定ができます。
Android版・iOS版の設定手順
手順
- Edge アプリを開く
- 画面下部の「…」(メニュー)をタップ
- 「設定」をタップ
- 「プライバシーとセキュリティ」をタップ
- 「サイトのアクセス許可」をタップ
- 「ポップアップとリダイレクト」をタップ
- スイッチをオン(ブロック)またはオフ(許可)に切り替え
モバイル版でも、特定のサイトを許可リストやブロックリストに追加できます。
よくある質問
Q1. ポップアップブロックを有効にしても、一部の広告が表示されます。
A. ページ内に埋め込まれた広告は、ポップアップブロックでは防げません。これらは別ウィンドウではなく、ページの一部として表示されているためです。こうした広告をブロックしたい場合は、広告ブロッカー拡張機能(uBlock Origin、AdBlock Plusなど)の使用を検討してください。
Q2. 銀行のサイトでログインできなくなりました。
A. 銀行サイトの多くは、セキュリティのためにポップアップを使用しています。その銀行サイトを許可リストに追加してください。具体的には、「ポップアップとリダイレクト」設定画面の「許可」セクションに、銀行サイトのURLを追加します。
Q3. 「リダイレクト」だけをブロックして、ポップアップは許可できますか?
A. いいえ、Microsoft Edgeの設定では、ポップアップとリダイレクトは一緒に管理されています。両方ともブロックするか、両方とも許可するか、サイトごとに設定するかの3択になります。
Q4. ポップアップブロックの設定は、InPrivateモードでも有効ですか?
A. はい、InPrivate(プライベート)モードでも、通常モードと同じポップアップブロック設定が適用されます。許可リストやブロックリストも引き継がれます。
Q5. 会社のパソコンで設定が変更できません(グレーアウトしています)。
A. 会社の情報システム部門が、セキュリティポリシー(グループポリシー)で設定を固定している可能性があります。変更が必要な場合は、社内のIT管理者に相談してください。
Q6. ポップアップブロックを完全にオフにしても安全ですか?
A. おすすめしません。すべてのポップアップを許可すると、悪質な広告やフィッシング詐欺に遭うリスクが高まります。基本的には「ブロック済み(推奨)」をオンにして、信頼できるサイトだけを個別に許可する方が安全です。
Q7. スマホでもパソコンと同じ設定ができますか?
A. はい、Android版・iOS版のEdgeでも、ポップアップブロックの設定が可能です。ただし、UIが少し異なるため、上記の「モバイル版Edgeでの設定」セクションを参照してください。
Q8. ポップアップブロックと広告ブロッカー、どちらを使うべきですか?
A. 両方を併用するのがベストです。ポップアップブロックは新しいウィンドウを防ぎ、広告ブロッカーはページ内の広告要素を非表示にします。それぞれ役割が異なるので、組み合わせることでより快適なブラウジングが可能になります。
まとめ:安全で快適なブラウジングのために
Microsoft Edgeのポップアップブロック機能を正しく設定することで、煩わしい広告や悪質なポップアップから身を守れます。
この記事のポイントをおさらい
- 基本はブロックオン:「ブロック済み(推奨)」を有効にしておく
- 信頼できるサイトだけ許可:銀行や決済サイトなど、必要なサイトは許可リストに追加
- 偽警告は無視:「ウイルス感染!」などの警告は詐欺なので絶対に信じない
- 定期的にメンテナンス:閲覧データのクリアと、許可リストの見直しを行う
- 怪しいと思ったらスキャン:ウイルス対策ソフトでチェック
ポップアップやリダイレクトは、正しく管理すれば怖くありません。この記事を参考に、快適で安全なインターネットライフを楽しんでくださいね!
セキュリティのための追加Tips
- 不審なサイトは訪問しない
- ソフトウェアは公式サイトからダウンロードする
- 定期的にEdgeとWindowsを最新バージョンに更新する
- 強力なパスワードを使い、定期的に変更する
- 二段階認証を有効にする
これらを心がけることで、さらに安全にインターネットを利用できますよ。


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