仏の種類と一覧｜如来・菩薩・明王・天部の違いと特徴をわかりやすく解説

お寺に行くと、さまざまな仏像が並んでいますよね。

「どれも同じに見える…」「如来と菩薩って何が違うの？」と思ったことはありませんか？

実は仏教の世界では、仏様には明確な「ランク」や「役割」があるんです。
会社でいえば、社長から部長、課長、そして現場のガードマンまで、それぞれ違う仕事をしているようなもの。

仏様も同じで、悟りを開いた最高位の存在から、私たちを守ってくれる守護神まで、さまざまな種類が存在しています。

この記事では、仏教に登場する仏様の種類を、階層ごとにわかりやすく解説していきます。

仏様には「4つの階層」がある

仏像の基本的な分類

仏教における仏様は、大きく 4つのグループ に分けられています。

位が高い順に並べると、以下のようになります。

1. 如来（にょらい）：悟りを開いた最高位の存在
2. 菩薩（ぼさつ）：悟りを目指しながら人々を救う存在
3. 明王（みょうおう）：怒りの力で人々を導く存在
4. 天部（てんぶ）：仏教を守護する神々

この4つの階層は、会社の組織図のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。

如来は「経営者・役員」、菩薩は「管理職」、明王は「指導係」、天部は「警備員・守衛」といったイメージですね。

なぜこんなに種類が増えたの？

もともと仏教が始まった頃、「仏」といえばお釈迦様（釈迦如来）だけを指していました。

お釈迦様が亡くなった後、仏教をもっと多くの人に広めるために、釈迦の姿を像にしたのが仏像の始まりです。

その後、仏教がインドから中国、東南アジア、そして日本へと広がっていく過程で、古代インドの神々が取り込まれたり、新しい仏様が生まれたりしました。

こうして、さまざまな願いに応える仏様が次々と誕生し、現在のような多彩な仏様の世界ができあがったのです。

如来（にょらい）──最高位の悟りを開いた存在

如来とは何か？

「如来」とは、サンスクリット語の「タターガタ」を訳した言葉で、「真理から来た者」という意味があります。

すべての修行を終え、完全に悟りを開いた状態の仏様です。

仏像の階層の中で 最も位が高い存在 であり、煩悩や苦しみから完全に解き放たれています。

如来の見分け方

如来像には、いくつかの特徴的な外見があります。

主な特徴

• 螺髪（らほつ）：パンチパーマのような、右巻きにカールした髪型
• 肉髻（にっけい）：知恵が発達して頭頂部が盛り上がった形
• 白毫（びゃくごう）：眉間にある白い毛の塊（伸ばすと約4.5メートル）
• 質素な衣装：装飾品をほとんど身につけていない

お釈迦様は出家する際に一切の装飾品を捨てたため、如来像は基本的に粗末な衣を一枚だけ纏った姿で表現されます。

ただし、大日如来だけは例外で、菩薩のように華やかな装飾を身につけているんです。

代表的な如来

釈迦如来（しゃかにょらい）

仏教の開祖であるお釈迦様の姿を表した如来。

本名はゴータマ・シッダールタで、古代インドの釈迦族の王子として生まれました。
29歳で出家し、35歳で悟りを開き、80歳で入滅するまで教えを説き続けたとされています。

禅宗など多くの宗派で本尊として祀られています。

会える場所：法隆寺（奈良県）、室生寺（奈良県）、飛鳥寺（奈良県）など

阿弥陀如来（あみだにょらい）

西方の極楽浄土にいるとされる如来で、浄土宗や浄土真宗の本尊です。

「南無阿弥陀仏」と唱えれば、死後に極楽浄土へ導いてくれると信じられています。

鎌倉の大仏は、この阿弥陀如来像として有名ですね。

会える場所：高徳院（神奈川県・鎌倉大仏）、平等院鳳凰堂（京都府）、東大寺（奈良県）など

薬師如来（やくしにょらい）

東方の瑠璃光浄土にいるとされる如来で、病気を治し、心身の健康をもたらしてくれます。

他の如来と違い、左手に「薬壺（やっこ）」という薬の入った壺を持っているのが特徴。

「現世利益」、つまり今生きているこの世での幸せをもたらしてくれる如来として人気があります。

会える場所：薬師寺（奈良県）、新薬師寺（奈良県）、法隆寺（奈良県）など

大日如来（だいにちにょらい）

密教における最高位の如来で、宇宙そのものを表す存在です。

真言宗の本尊であり、太陽のようにあらゆる場所を照らし、すべての仏の根源とされています。

他の如来と異なり、宝冠や装飾品を身につけた華やかな姿で表現されるのが特徴。

胸の前で両手を組み、左手の人差し指を右手で握る「智拳印（ちけんいん）」という独特の印を結んでいます。

会える場所：東寺（京都府）、金剛峯寺（和歌山県）、円成寺（奈良県）など

五智如来（ごちにょらい）

密教では、大日如来を中心とした5体の如来をセットで祀ることがあります。

如来名	方角	司る智慧
大日如来	中央	法界体性智（すべての智慧の根源）
阿閦如来（あしゅくにょらい）	東	大円鏡智（鏡のように物事を映す智慧）
宝生如来（ほうしょうにょらい）	南	平等性智（すべてを平等に見る智慧）
阿弥陀如来	西	妙観察智（物事を正しく見分ける智慧）
不空成就如来（ふくうじょうじゅにょらい）	北	成所作智（なすべきことを成し遂げる智慧）

菩薩（ぼさつ）──人々を救うために修行する存在

菩薩とは何か？

菩薩は、悟りを求めて修行しながら、同時に人々を救済する慈悲深い存在です。

「菩提薩埵（ぼだいさった）」の略で、サンスクリット語の「ボーディサットヴァ」に由来します。

如来になる一歩手前の段階にいますが、あえて如来にならず、苦しむ人々のそばにいることを選んでいるとも言われています。

菩薩の見分け方

菩薩像は、お釈迦様が出家する前の王子時代の姿がモデルになっています。

そのため、如来とは対照的に 華やかな装飾品 を身につけているのが特徴です。

主な特徴

• 宝冠：頭に王族の証である冠をかぶっている
• 瓔珞（ようらく）：首や胸にかけた豪華なネックレス
• 腕釧（わんせん）：腕輪（ブレスレット）
• 天衣（てんね）：肩から垂らした長いショール状の衣

この華やかさは、まだ煩悩や執着が完全には消えていない段階を表現しているとも言われます。

ただし、地蔵菩薩だけは例外で、僧侶の姿（丸坊主で質素な衣）で表されることが多いです。

代表的な菩薩

観音菩薩（かんのんぼさつ）

日本で最も親しまれている菩薩の一つ。

人々の苦しみの声を聞き、その苦しみから救ってくれる慈悲の化身です。

33の姿に変身して人々を救うとされ、以下のようなバリエーションがあります。

観音菩薩の主な変化形

• 聖観音（しょうかんのん）：最も基本的な姿
• 千手観音（せんじゅかんのん）：千本の手であらゆる人を救う
• 十一面観音（じゅういちめんかんのん）：11の顔で全方位を見守る
• 如意輪観音（にょいりんかんのん）：願いを叶える宝珠を持つ
• 馬頭観音（ばとうかんのん）：馬の頭をつけた怒りの姿

会える場所：清水寺（京都府）、長谷寺（奈良県）、三十三間堂（京都府・千手観音）など

地蔵菩薩（じぞうぼさつ）

子どもや旅人の守り神として、道端のお地蔵さんでおなじみの菩薩。

釈迦が入滅してから、弥勒菩薩が現れるまでの「無仏の時代」に、人々を救う役目を担っています。

特に、幼くして亡くなった子どもたちを救ってくれる存在として信仰されています。

他の菩薩と違い、僧侶の姿（丸坊主で質素な衣）で表されるのが特徴。

会える場所：六波羅蜜寺（京都府）、壬生寺（京都府）、全国各地の路傍など

弥勒菩薩（みろくぼさつ）

釈迦の入滅から約56億7千万年後に現れ、人々を救うとされる「未来の仏」。

現在は兜率天（とそつてん）という天界で修行中とされています。

京都・広隆寺の「弥勒菩薩半跏思惟像」は、美しい微笑みで有名ですね。

会える場所：広隆寺（京都府）、中宮寺（奈良県）、東大寺（奈良県）など

文殊菩薩（もんじゅぼさつ）

「三人寄れば文殊の知恵」のことわざで知られる、智慧を司る菩薩。

獅子に乗り、剣や経典を持った姿で表されることが多いです。

学業成就や合格祈願の仏様として人気があります。

会える場所：安倍文殊院（奈良県）、智恩寺（京都府・天橋立）など

普賢菩薩（ふげんぼさつ）

修行や慈悲を司る菩薩で、白い象に乗った姿が特徴的。

文殊菩薩と対をなし、釈迦如来の脇侍（わきじ）として祀られることが多いです。

会える場所：興福寺（奈良県）、東大寺（奈良県）など

菩薩の主な一覧

菩薩名	司る分野	特徴
観音菩薩	慈悲・救済	33の姿に変化
地蔵菩薩	子ども・旅人の守護	僧侶の姿
弥勒菩薩	未来の救済	56億7千万年後に出現
文殊菩薩	智慧	獅子に乗る
普賢菩薩	修行・慈悲	白象に乗る
勢至菩薩	智慧の光	阿弥陀如来の脇侍
虚空蔵菩薩	知恵・福徳	求聞持法の本尊
日光菩薩	昼の守護	薬師如来の脇侍
月光菩薩	夜の守護	薬師如来の脇侍

明王（みょうおう）──怒りで人々を救う存在

明王とは何か？

明王は、如来や菩薩が優しく教えを説いても聞かない「ひねくれ者」を、力ずくで正しい道に導く存在です。

密教特有の仏様で、大日如来の化身とされています。

「怒りの表情」と「武器を持った姿」が特徴ですが、その怒りは慈悲の裏返し。

母親が子どもを思って叱るように、人々を救うための怒りなんです。

明王の見分け方

明王像は、他の仏像とは明らかに異なる 怒りの形相（忿怒相） をしています。

主な特徴

• 忿怒相（ふんぬそう）：眉を吊り上げ、目を見開いた怒りの表情
• 火焔光背：背後に燃え盛る炎
• 武器：剣や縄など、煩悩を断ち切る道具
• 複数の顔や腕：多面多臂（ためんたひ）の姿も多い

明王像は主に真言宗や天台宗などの密教系の寺院で見ることができます。

代表的な明王

不動明王（ふどうみょうおう）

明王の中で最も有名で、日本で最も信仰されている明王です。

「動かない守護者」という名前の通り、どんな困難にも動じずに人々を守ってくれます。

外見の特徴

• 右手に剣（煩悩を断ち切る）
• 左手に羂索（けんさく・縄。迷える人を救い上げる）
• 背後に火焔（煩悩を焼き尽くす）
• 制吒迦童子（せいたかどうじ）と矜羯羅童子（こんがらどうじ）の二童子を従えることも

真言宗の寺院では脇侍として、修験道ではご本尊として祀られています。

会える場所：東寺（京都府）、高野山金剛峯寺（和歌山県）、成田山新勝寺（千葉県）など

愛染明王（あいぜんみょうおう）

愛欲や煩悩を悟りに変える力を持つ明王。

真っ赤な体と三つの目、六本の腕を持つ姿で表されます。

恋愛成就や良縁祈願の仏様として人気があります。

会える場所：西大寺（奈良県）、神護寺（京都府）など

五大明王（ごだいみょうおう）

密教では、不動明王を中心に東西南北を守る5体の明王をセットで祀ります。

明王名	方角	対応する如来	特徴
不動明王	中央	大日如来	剣と縄を持つ
降三世明王（ごうざんぜみょうおう）	東	阿閦如来	四面八臂、シヴァ神を踏む
軍荼利明王（ぐんだりみょうおう）	南	宝生如来	一面三眼八臂、体に蛇が巻きつく
大威徳明王（だいいとくみょうおう）	西	阿弥陀如来	六面六臂六足、水牛に乗る
金剛夜叉明王（こんごうやしゃみょうおう）	北	不空成就如来	三面六臂、正面は五眼

京都・東寺の講堂には、平安時代に作られた五大明王像（国宝）が安置されています。

天台宗では金剛夜叉明王の代わりに 烏枢沙摩明王（うすさまみょうおう） を加えることもあります。

明王の主な一覧

明王名	特徴	ご利益
不動明王	剣と縄、火焔	災難除け、厄除け
降三世明王	四面八臂	怒り・迷いの克服
軍荼利明王	蛇が体に巻きつく	煩悩の克服
大威徳明王	水牛に乗る	戦勝、病気平癒
金剛夜叉明王	三面五眼	悪を懲らしめる
愛染明王	真っ赤な体	恋愛成就、良縁
孔雀明王（くじゃくみょうおう）	孔雀に乗る、穏やかな表情	災難除け、雨乞い
烏枢沙摩明王	炎に包まれた姿	不浄除け、トイレの神様

天部（てんぶ）──仏教を守護する神々

天部とは何か？

天部は、もともとインドのバラモン教やヒンドゥー教の神々だった存在です。

仏教が広まる過程で取り入れられ、仏法を守る 護法善神（ごほうぜんしん） となりました。

如来や菩薩を守る「ボディガード」のような役割を担っています。

天部の見分け方

天部は種類が非常に多く、姿もバラエティ豊か。

大きく分けると、以下の2タイプがあります。

貴顕天部（きけんてんぶ）

• 貴族や天女のような穏やかな姿
• 梵天、帝釈天、吉祥天、弁財天など

武装天部（ぶそうてんぶ）

• 甲冑を着た武将のような勇ましい姿
• 四天王、金剛力士、十二神将など

代表的な天部

梵天（ぼんてん）・帝釈天（たいしゃくてん）

インドの最高神たちが仏教に取り込まれた存在で、天部の中でも最上位とされています。

お釈迦様が悟りを開いた時、説法を勧めたのがこの二神。

穏やかで上品な姿をしており、たいてい2体セットで祀られます。

会える場所：東寺（京都府）、興福寺（奈良県）など

四天王（してんのう）

須弥山（しゅみせん）の四方を守る4人の守護神で、天部の中でも最もポピュラーな存在です。

甲冑を着て怒りの表情をし、足元に邪鬼を踏みつけているのが基本スタイル。

天王名	方角	特徴
持国天（じこくてん）	東	剣を持つ
増長天（ぞうちょうてん）	南	槍や戟を持つ
広目天（こうもくてん）	西	筆と巻物を持つ（悪行を記録）
多聞天（たもんてん）	北	宝塔を持つ、リーダー格

多聞天は単独で祀られる場合「毘沙門天（びしゃもんてん）」と呼ばれ、七福神の一員としても有名です。

会える場所：東大寺戒壇院（奈良県・国宝）、法隆寺（奈良県）、東寺（京都府）など

金剛力士（こんごうりきし）

お寺の山門で睨みをきかせている、筋骨隆々の2体の守護神。

「仁王（におう）」とも呼ばれ、口を開けた「阿形（あぎょう）」と口を閉じた「吽形（うんぎょう）」のペアで立っています。

この「阿吽」は、すべての始まりと終わりを表しているとされます。

会える場所：東大寺南大門（奈良県・国宝）、法隆寺中門（奈良県）など

十二神将（じゅうにしんしょう）

薬師如来を守護する12人の武神で、それぞれに十二支が割り当てられています。

奈良・新薬師寺の十二神将像（11体が国宝）は、今にも動き出しそうな躍動感で有名。

「伐折羅（ばさら）大将」は、500円切手のデザインにもなっています。

神将名	干支	神将名	干支
宮毘羅（くびら）	子（ねずみ）	伐折羅（ばさら）	丑（うし）
迷企羅（めきら）	寅（とら）	安底羅（あんてら）	卯（うさぎ）
頞你羅（あにら）	辰（たつ）	珊底羅（さんてら）	巳（へび）
因達羅（いんだら）	午（うま）	波夷羅（はいら）	未（ひつじ）
摩虎羅（まこら）	申（さる）	真達羅（しんだら）	酉（とり）
招杜羅（しょうとら）	戌（いぬ）	毘羯羅（びから）	亥（いのしし）

会える場所：新薬師寺（奈良県）、興福寺東金堂（奈良県）など

八部衆（はちぶしゅう）

釈迦如来に従う8種類の護法善神で、もともとはインドの神々や異形の存在でした。

奈良・興福寺の八部衆像（国宝）は、少年のような顔立ちの「阿修羅像」で特に有名。

主な八部衆

• 天衆（てんしゅう）：天界の神々
• 龍衆（りゅうしゅう）：龍の種族
• 夜叉衆（やしゃしゅう）：元は鬼だった存在
• 乾闘婆衆（けんだつばしゅう）：音楽の神
• 阿修羅衆（あしゅらしゅう）：戦いの神
• 迦楼羅衆（かるらしゅう）：巨大な鳥の姿
• 緊那羅衆（きんならしゅう）：音楽の神
• 摩睺羅伽衆（まごらがしゅう）：蛇の神

会える場所：興福寺（奈良県・国宝）など

七福神

日本独自に発展した福の神グループで、天部の神々が中心になっています。

神名	出自	ご利益
大黒天	インドのマハーカーラ → 日本の大国主と習合	財運・五穀豊穣
毘沙門天	インドのクベーラ（四天王の多聞天）	勝運・金運
弁財天	インドのサラスヴァティー	芸能・学業
恵比寿	日本固有の神	商売繁盛
福禄寿	中国の道教	長寿・幸福
寿老人	中国の道教	長寿・健康
布袋	中国の禅僧がモデル	開運・良縁

天部の主な一覧

天部名	分類	特徴・ご利益
梵天	貴顕天部	天部の最上位、仏法守護
帝釈天	貴顕天部	四天王を統べる、除災招福
四天王	武装天部	東西南北を守護
毘沙門天	武装天部	財運、勝運
金剛力士	武装天部	山門の守護神
十二神将	武装天部	薬師如来の守護、十二支と対応
八部衆	混合	釈迦如来の眷属
弁財天	貴顕天部	芸能、学業
吉祥天	貴顕天部	美と幸福
大黒天	貴顕天部	財運、五穀豊穣
鬼子母神	貴顕天部	子育て、安産
韋駄天	武装天部	足の速さ、寺院の守護
摩利支天	武装天部	勝利、開運
歓喜天	貴顕天部	夫婦和合、商売繁盛

仏様の見分け方まとめ

外見での見分けポイント

お寺で仏像を見たとき、以下のポイントをチェックすると種類がわかります。

如来の特徴

• パンチパーマのような髪型（螺髪）
• 質素な衣一枚だけ
• 装飾品がない（大日如来を除く）

菩薩の特徴

• 宝冠や豪華な装飾品
• 華やかな天衣
• 地蔵菩薩だけは僧侶の姿

明王の特徴

• 怒りの表情
• 背後に炎
• 武器を持っている
• 複数の顔や腕を持つことも

天部の特徴

• バリエーション豊か
• 武将姿または貴族姿
• 邪鬼を踏んでいることも

持ち物でわかる仏様

仏像が持っている物（持物・じもつ）からも、仏様の種類を判別できます。

持物	対応する仏様
薬壺	薬師如来
剣と縄	不動明王
宝塔	毘沙門天
琵琶	弁財天
錫杖と宝珠	地蔵菩薩
蓮華	観音菩薩
筆と巻物	広目天

まとめ

仏教における仏様は、単なる「崇拝の対象」ではありません。

それぞれに明確な役割があり、人々の悩みや願いに応じて力を貸してくれる存在なんです。

4つの階層のおさらい

• 如来：悟りを開いた最高位。真理を教えてくれる
• 菩薩：悟りを目指しながら人々を救う。慈悲の心を持つ
• 明王：怒りの力で迷える人を導く。厳しくも優しい
• 天部：仏教を守護する神々。バリエーション豊か

この基本を知っているだけで、お寺に参拝したときの体験がぐっと深まるはず。

次にお寺を訪れたら、ぜひ仏像の髪型や持ち物をチェックしてみてください。
「これは如来だな」「こっちは明王か」と見分けられるようになると、仏像鑑賞がもっと楽しくなりますよ。