「このページはJavaScriptがブロックされています」
Webサイトを閲覧していたら、突然こんなメッセージが表示されたことはありませんか?または、動画が再生されない、ボタンをクリックしても反応しない、アニメーションが動かないといった問題に遭遇したことがあるかもしれません。
これらの多くは、JavaScript(ジャバスクリプト)が無効になっていることが原因です。
JavaScriptは、Webページに動きやインタラクティブな機能を加えるプログラミング言語で、現代のWebサイトには欠かせない存在です。ネットバンキング、動画サイト、SNS、オンラインショッピングなど、ほぼすべてのWebサイトがJavaScriptを使用しています。
この記事では、Microsoft EdgeでJavaScriptを有効にする方法を、初心者の方でも迷わず実践できるよう、画像なしでも分かりやすく詳しく解説します。
有効になっているかの確認方法から、具体的な設定手順、特定のサイトだけブロックする方法、トラブルシューティングまで、JavaScriptに関するすべての情報をお届けします。
JavaScriptとは何か

Webページに命を吹き込む言語
JavaScript(ジャバスクリプト)は、Webページを動的で対話的にするプログラミング言語です。
簡単に言うと、HTMLがWebページの「骨組み」、CSSが「見た目(デザイン)」だとすると、JavaScriptは「動き(機能)」を担当しています。
例えば、次のような機能はすべてJavaScriptによって実現されています。
- 動画プレーヤー:YouTube、NetflixなどでPOSの再生・停止
- スライドショー:画像が自動的に切り替わる
- ドロップダウンメニュー:マウスを乗せるとメニューが開く
- フォームの検証:メールアドレスの形式が正しいかチェック
- リアルタイム更新:株価、天気、SNSのタイムライン
- 地図の操作:Google Mapsでズームや移動
- ショッピングカート:商品を追加・削除する
- チャット機能:メッセージのリアルタイム送受信
これらの機能がなければ、Webページはただの「静止画」のようなものになってしまいます。
なぜJavaScriptが必要なのか
現代のWebサイトの95%以上がJavaScriptを使用しています。
JavaScriptがないと、次のような問題が発生します。
- ログイン画面でパスワードが入力できない
- 動画や音楽が再生できない
- ページの一部が表示されない
- ボタンをクリックしても何も起こらない
- フォームが送信できない
- 地図やグラフが表示されない
つまり、JavaScriptなしでは、ほとんどのWebサイトが正常に機能しなくなってしまうんです。
EdgeでJavaScriptが有効か確認する方法
アドレスバーのアイコンで確認
最も簡単な確認方法は、アドレスバーを見ることです。
JavaScriptがブロックされているWebページを開くと、アドレスバーの左側に「盾」のようなアイコンと共に、「このページではJavaScriptがブロックされています」というメッセージが表示されます。
このアイコンが表示されていれば、JavaScriptが無効になっている証拠です。
設定画面で確認
確実に確認したい場合は、Edge設定画面から確認できます。
手順:
- Microsoft Edgeを開く
- 右上の「…」(3つの点)をクリック
- 「設定」を選択
- 左側メニューから「Cookieとサイトのアクセス許可」をクリック
- 右側の「すべてのアクセス許可」セクションで「JavaScript」をクリック
- 「許可(推奨)」のスイッチを確認
スイッチが青色(オン)になっていればJavaScriptは有効、灰色(オフ)になっていれば無効です。
テストページで確認
確実に動作しているか確認したい場合は、JavaScriptの動作テストページを使う方法もあります。
ただし、Edgeの設定で有効になっていても、個別のサイトでブロックされていることもあるので、設定画面での確認が最も確実です。
JavaScriptを有効にする方法(基本設定)
標準的な手順
EdgeでJavaScriptを有効にする基本的な手順は次の通りです。
手順1:設定画面を開く
- Microsoft Edgeを開く
- 右上の「…」(設定など)をクリック
- メニューから「設定」を選択
手順2:アクセス許可設定に移動
- 左側メニューから「Cookieとサイトのアクセス許可」をクリック
- 右側にスクロールして「すべてのアクセス許可」セクションを探す
- 「JavaScript」をクリック
手順3:JavaScriptを有効化
- 「サイトのアクセス許可 / JavaScript」設定画面が表示される
- 「許可(推奨)」の右側にあるスイッチをクリック
- スイッチが青色に変わればOK
これでEdgeでJavaScriptが有効になりました。
別の方法(プライバシー設定から)
別のルートからもJavaScriptの設定にアクセスできます。
手順:
- 「設定」→「プライバシー、検索、サービス」
- 下にスクロールして「サイトのアクセス許可」をクリック
- 「すべてのアクセス許可」をクリック
- 「JavaScript」を選択
- 「許可(推奨)」をオンにする
この方法でも同じ設定画面にたどり着けます。
設定の反映
JavaScriptの設定は即座に反映されます。
ブラウザを再起動する必要はありませんが、すでに開いているページは再読み込み(F5キー)する必要があります。
設定を変更したら、問題が発生していたWebページに戻って、ページを更新してください。
特定のサイトだけブロック・許可する方法
すべてのサイトではなく個別に設定
「基本的にはJavaScriptを有効にしたいけど、特定のサイトだけブロックしたい」という場合があります。
逆に、「基本的にはブロックしたいけど、信頼できるサイトだけ許可したい」ということもあるでしょう。
Edgeでは、サイトごとに個別の設定ができます。
ブロックリストに追加
特定のサイトでJavaScriptをブロックするには、次の手順です。
手順:
- 「設定」→「Cookieとサイトのアクセス許可」→「JavaScript」
- 「ブロック」セクションの「追加」ボタンをクリック
- ブロックしたいサイトのURLを入力
- 例:
example.com - 例:
https://www.example.com
- 「追加」をクリック
これで、そのサイトでは全体の設定に関係なくJavaScriptがブロックされます。
許可リストに追加
逆に、特定のサイトだけJavaScriptを許可するには、次の手順です。
手順:
- 「設定」→「Cookieとサイトのアクセス許可」→「JavaScript」
- 「許可(推奨)」をオフにする(全体的にブロック)
- 「許可」セクションの「追加」ボタンをクリック
- 許可したいサイトのURLを入力
- 「追加」をクリック
これで、基本的にはすべてのサイトでJavaScriptがブロックされますが、登録したサイトだけは動作するようになります。
ワイルドカードの使用
URLを入力する際、ワイルドカードを使うこともできます。
*.example.com:example.comのすべてのサブドメインexample.com:*:すべてのポート番号
ただし、セキュリティのため、できるだけ具体的なURLを指定することをおすすめします。
JavaScriptを無効にする方法と注意点

無効化は推奨されません
JavaScriptを無効にすることも可能ですが、強くおすすめしません。
無効にすると、次のような問題が発生します。
- ほとんどのWebサイトが正常に機能しなくなる
- オンラインバンキングが使えなくなる
- YouTubeやNetflixなどの動画が見られなくなる
- SNS(Twitter、Instagram、Facebookなど)が使えなくなる
- オンラインショッピングができなくなる
- Webメールが使えなくなる
現代のWeb体験の大部分を失うことになります。
無効化が必要な場合
それでも無効化が必要な特殊なケースもあります。
- 古いブラウザゲームの動作確認:JavaScriptなしで動くゲーム
- セキュリティテスト:開発者がJavaScript無効時の動作を確認
- 超軽量ブラウジング:通信速度が極端に遅い環境
- トラブルシューティング:JavaScript関連の問題を特定
こうした特殊な目的がない限り、JavaScriptは有効にしておくべきです。
無効化の手順
自己責任で無効化する場合の手順は次の通りです。
手順:
- 「設定」→「Cookieとサイトのアクセス許可」→「JavaScript」
- 「許可(推奨)」のスイッチをオフにする
- スイッチが灰色になれば、JavaScriptは無効
再度有効にする場合は、同じ手順でスイッチをオンに戻してください。
JavaScriptが動作しない時のトラブルシューティング
設定は有効なのに動かない場合
JavaScriptを有効にしても、まだWebサイトが正常に動作しない場合があります。
以下の方法を順番に試してみてください。
対処法1:ページを再読み込み
最も基本的な方法です。
手順:
- F5キーを押す
- または、アドレスバーの更新ボタンをクリック
- 完全な再読み込みが必要な場合はCtrl + F5
設定変更後は、必ずページを更新してください。
対処法2:キャッシュとCookieをクリア
古いキャッシュが原因で問題が発生していることがあります。
手順:
- Ctrl + Shift + Deleteキーを押す
- 「閲覧データのクリア」画面が開く
- 時間の範囲を「すべての期間」に設定
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「Cookieおよびその他のサイトデータ」にチェック
- 「今すぐクリア」をクリック
クリア後、Edgeを再起動してWebサイトにアクセスしてください。
対処法3:拡張機能を無効化
インストールしている拡張機能が、JavaScriptの動作を妨げていることがあります。
手順:
- 「…」→「拡張機能」→「拡張機能の管理」
- インストール済みの拡張機能が一覧表示される
- 各拡張機能のスイッチをオフにして無効化
- 問題が解決するか確認
特に、広告ブロッカーやスクリプトブロッカーは、JavaScriptをブロックすることがあります。
問題が解決したら、拡張機能を一つずつ有効に戻して、原因を特定してください。
対処法4:Edgeをリセット
それでも解決しない場合は、Edge設定をリセットします。
手順:
- 「設定」→「設定のリセット」
- 「設定を復元して既定値に戻す」をクリック
- 確認画面で「リセット」をクリック
リセットすると、拡張機能や設定が初期化されますが、ブックマークやパスワードは保持されます。
対処法5:Edgeを更新
古いバージョンのEdgeでは、JavaScript関連のバグがあることがあります。
手順:
- 「設定」→「Microsoft Edgeについて」
- 自動的に最新バージョンのチェックと更新が開始される
- 更新がある場合は、「再起動」ボタンをクリック
常に最新バージョンを使うことで、セキュリティとパフォーマンスが向上します。
企業・組織のPCでの注意点
グループポリシーで制御されている場合
会社や学校のパソコンでは、グループポリシーによってJavaScriptの設定がロックされていることがあります。
この場合、個人では設定を変更できません。
確認方法:
JavaScript設定画面に「組織によって管理されています」というメッセージが表示される場合、グループポリシーで制御されています。
IT部門に相談
業務上JavaScriptが必要な場合は、IT部門や情報システム担当者に相談してください。
正当な理由があれば、管理者権限で設定を変更してもらえる可能性があります。
勝手に設定を変更しようとすると、セキュリティポリシー違反になる恐れがあるので注意してください。
個人PCでも制限がかかる場合
稀に、個人のパソコンでもウイルス対策ソフトやセキュリティソフトがJavaScriptをブロックすることがあります。
その場合は、セキュリティソフトの設定を確認し、必要に応じて信頼できるサイトを例外リストに追加してください。
セキュリティ上の注意点
JavaScriptのリスク
JavaScriptは便利ですが、セキュリティリスクもあります。
悪意のあるWebサイトは、JavaScriptを使って次のような攻撃を行うことがあります。
- クロスサイトスクリプティング(XSS):個人情報の盗取
- マルウェアのダウンロード:ウイルス感染
- フィッシング詐欺:偽のログインページ
- 暗号資産マイニング:勝手にCPUを使用
- リダイレクト攻撃:悪質なサイトへ誘導
だからこそ、JavaScriptの適切な管理が重要なんです。
安全にJavaScriptを使うためのヒント
リスクを最小限に抑えるための対策をご紹介します。
1. 信頼できないサイトは避ける
- 知らないサイトや怪しいサイトにはアクセスしない
- URLをよく確認する(httpsかどうか)
2. 特定のサイトだけブロック
- 怪しいサイトだけJavaScriptをブロックする
- 全体は有効にして、個別にブロックリストを管理
3. 拡張機能を活用
- NoScriptなどのスクリプト管理拡張機能を使う
- ただし、使いこなすには知識が必要
4. Edgeを最新に保つ
- セキュリティパッチが含まれる
- 自動更新を有効にしておく
5. セキュリティソフトを併用
- ウイルス対策ソフトを最新の状態に保つ
- リアルタイム保護を有効にする
6. 不審な動作に注意
- ページの読み込みが異常に遅い
- 勝手にポップアップが開く
- CPUが異常に高くなる
こうした兆候があれば、すぐにページを閉じてください。
よくある質問と回答
JavaScriptを有効にしても効果がない場合は?
まず、ページを再読み込みしてください。設定変更後は、F5キーでページを更新する必要があります。
それでも解決しない場合は、キャッシュクリア、拡張機能の無効化、Edge更新を順番に試してください。
Microsoft EdgeとInternet Explorerで設定は違う?
はい、まったく異なります。
Internet Explorer(IE)は古いブラウザで、設定方法も大きく異なります。現在はMicrosoft Edgeの使用が推奨されています。
IEのサポートは2022年6月に終了しているため、セキュリティリスクがあります。Edgeへの移行をおすすめします。
JavaScriptとJavaは同じもの?
いいえ、まったく別物です。
名前が似ているので混同されがちですが、JavaScriptとJavaは異なるプログラミング言語です。
- JavaScript:Webページで動作するスクリプト言語
- Java:独立したアプリケーション開発言語
この記事で扱っているのはJavaScriptです。Javaの設定とは無関係なので注意してください。
モバイル版Edgeでも設定できる?
はい、スマートフォンやタブレット版のEdgeでも設定できます。
ただし、モバイル版では設定画面の構成が少し異なります。
モバイル版の手順:
- 下部の「…」→「設定」
- 「サイトのアクセス許可」
- 「JavaScript」
- 「許可」をオンにする
基本的な流れはデスクトップ版と同じです。
特定のサイトだけJavaScriptが動かない場合は?
そのサイト自体がJavaScriptエラーを抱えている可能性があります。
または、そのサイトを個別にブロックリストに追加していないか確認してください。
確認方法:
- 「設定」→「Cookieとサイトのアクセス許可」→「JavaScript」
- 「ブロック」リストに該当サイトがないか確認
- あれば、削除する
それでも解決しない場合は、サイト運営者に問い合わせてください。
まとめ
Microsoft EdgeでJavaScriptを有効にするのは、とても簡単です。
基本的な手順は以下の通りです:
- 右上の「…」→「設定」
- 「Cookieとサイトのアクセス許可」→「JavaScript」
- 「許可(推奨)」をオンにする
これだけで、ほとんどのWebサイトが正常に動作するようになります。
JavaScriptは初期状態で有効になっているので、通常は設定変更の必要はありません。もし無効になっていた場合は、誰かが意図的に変更したか、何らかのソフトウェアが設定を変えた可能性があります。
特定のサイトだけ設定したい場合は、ブロックリストや許可リストを活用してください。個別に管理することで、セキュリティと利便性のバランスを取ることができます。
JavaScriptが動作しない場合は、ページ再読み込み、キャッシュクリア、拡張機能無効化、Edge更新を順番に試してください。
セキュリティも重要です。JavaScriptは便利ですが、悪意のあるサイトによる攻撃のリスクもあります。信頼できないサイトは避け、Edgeとセキュリティソフトを最新に保つことで、安全にWebを楽しめます。
JavaScriptを適切に管理して、快適で安全なWeb体験を実現しましょう。


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