「パソコン買い替えるけど、Edgeのお気に入り移行できるかな?」
「パスワード全部消えたら困る…バックアップしておきたい」
「仕事用と個人用でデータを移したい」
こんな心配、ありますよね。
実は、Microsoft Edgeには大切なデータを簡単にエクスポート(バックアップ)する機能が備わっています。お気に入り、パスワード、その他の設定を安全に保存して、必要なときにすぐ復元できるんです。
この記事では、Edgeのデータをエクスポートする方法から、インポート(復元)の手順、さらに便利な同期機能まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
なぜエクスポート(バックアップ)が必要なの?

まず、エクスポートが必要になる場面を確認しましょう。
エクスポートが役立つ5つの場面
1. パソコンの買い替え
新しいパソコンに古いEdgeのデータを移行したい
2. Windowsの初期化・再インストール
パソコンの調子が悪くて初期化する前に、データを保護したい
3. 別のブラウザへの移行
ChromeやFirefoxなど、他のブラウザに乗り換えたい
4. 定期的なバックアップ
突然の故障やトラブルに備えて、定期的に保存しておきたい
5. 複数のプロファイル間でのデータ移行
仕事用と個人用でデータを分けて管理したい
エクスポートとは?インポートとは?
分かりやすく説明すると:
エクスポート
Edgeの中のデータを外部ファイルとして取り出すこと。「バックアップ」と同じ意味です。
インポート
外部ファイルからEdgeにデータを読み込むこと。「復元」と同じ意味です。
つまり、「出す」と「入れる」の作業ですね。
Edgeでエクスポートできるデータは何?
Edgeでは、以下のデータをエクスポートできます。
エクスポート可能なデータ
1. お気に入り(ブックマーク)
- 形式:HTML形式
- サイズ:軽量(通常数KB~数MB)
- 互換性:他のブラウザでも使える標準形式
2. パスワード
- 形式:CSV形式
- 内容:サイトURL、ユーザー名、パスワード
- 注意:誰でも見られるので保存場所に注意
3. コレクション
- エクスポート:コピー&ペーストで移行
- 用途:リサーチや計画のメモを別アカウントへ
エクスポートできないもの
以下は直接エクスポートできません:
- 閲覧履歴(間接的には可能)
- Cookie
- キャッシュ
- 拡張機能の設定
- 一般設定(テーマ、言語など)
これらは、同期機能やプロファイルのコピーで対応できます。
【超重要】お気に入りのエクスポート方法
最もよく使う機能です。詳しく解説します。
お気に入りをエクスポートする手順
ステップ1:お気に入りメニューを開く
Edgeを起動して、右上の「★」(お気に入り)アイコンをクリックします。
または、キーボードショートカット:
- Windows/Linux:Ctrl + Shift + O
- Mac:⌥ + ⌘ + B
ステップ2:エクスポートオプションを選択
お気に入りのパネルが開いたら、「…」(3つの点)をクリックします。
メニューから「お気に入りのエクスポート」を選択。
ステップ3:保存場所を指定
「名前を付けて保存」ダイアログが表示されます。
保存場所を選択(デスクトップやドキュメントなど)して、ファイル名を入力します。
デフォルトのファイル名
Microsoft Edge お気に入り.html
お好みの名前に変更できます。例:
- お気に入り_2025年1月.html
- Edge_Bookmarks_Backup.html
ステップ4:保存ボタンをクリック
「保存」をクリックすれば完了です。
指定した場所にHTMLファイルが作成されます。
お気に入りエクスポートの別の方法
メニューから直接アクセス
- 右上の「…」(設定など)をクリック
- 「お気に入り」を選択
- 「…」(その他のオプション)をクリック
- 「お気に入りのエクスポート」を選択
この方法でも同じ結果が得られます。
エクスポートされるお気に入りの内容
含まれるもの
- すべてのブックマーク
- フォルダ構造(階層も維持される)
- ブックマークバーの内容
含まれないもの
- ファビコン(サイトのアイコン)
- 追加日時
- 最終訪問日
パスワードのエクスポート方法(慎重に!)
パスワードのエクスポートは特に慎重に行う必要があります。
パスワードをエクスポートする手順
ステップ1:設定を開く
- Edgeの右上「…」→「設定」をクリック
- または、アドレスバーに「edge://settings」と入力
ステップ2:パスワード設定へ移動
左側メニューから「プロファイル」を選択。
右側で「パスワード」をクリックします。
ステップ3:エクスポートオプションを選択
「保存されたパスワード」の右側にある「…」(3つの点)をクリック。
「パスワードのエクスポート」を選択します。
ステップ4:セキュリティ確認
Windowsから本人確認を求められます。
- Windows Hello(顔認証や指紋)
- PINコード
- Windowsパスワード
いずれかで認証します。
ステップ5:保存場所を選択
CSVファイルの保存場所を指定します。
重要:必ず安全な場所に保存してください。
- USBメモリ(保存後は物理的に保管)
- 暗号化されたフォルダ
- パスワード管理ツール専用のフォルダ
絶対にしてはいけないこと
- デスクトップに保存したまま放置
- 共有フォルダに保存
- クラウドドライブに暗号化せず保存
ステップ6:保存を完了
「保存」をクリックしてエクスポート完了。
パスワードCSVファイルの中身
エクスポートされたCSVファイルには以下が含まれます:
name, url, username, password
Google, https://accounts.google.com, yourname@gmail.com, your_password
Facebook, https://www.facebook.com, your_email, your_password
注意:このファイルを開くと、すべてのパスワードが平文(暗号化されていない状態)で見えます。
パスワードファイルの安全な取り扱い
エクスポート後すぐにすべきこと
- ファイルを暗号化する
- 安全な場所に移動する
- 不要になったらすぐ削除する
- コピーを作らない
推奨される保存方法
- 暗号化USBメモリに保存
- パスワード管理ツール(1Password、Bitwardenなど)にインポート
- 暗号化ソフトで保護されたフォルダ
お気に入りのインポート(復元)方法

エクスポートしたお気に入りを別のパソコンやプロファイルに復元します。
お気に入りをインポートする手順
ステップ1:お気に入りメニューを開く
右上の「★」(お気に入り)アイコンをクリック。
ステップ2:インポートオプションを選択
「…」(3つの点)→「お気に入りをインポートする」をクリック。
設定画面が開きます。
ステップ3:インポート元を選択
「ブラウザーデータのインポート」画面で、「インポート元」のドロップダウンをクリック。
「お気に入りまたはブックマークのHTMLファイル」を選択。
ステップ4:ファイルを選択
「ファイルの選択」をクリック。
保存しておいたHTMLファイルを選んで「開く」をクリック。
ステップ5:インポート完了
「すべて完了しました!」と表示されれば成功です。
「完了」をクリックして画面を閉じます。
インポート後の確認
お気に入りアイコンをクリックして、すべてのブックマークが復元されているか確認しましょう。
フォルダ構造もそのまま維持されています。
パスワードのインポート(復元)方法
エクスポートしたパスワードを新しい環境に復元します。
パスワードをインポートする手順
ステップ1:パスワード設定を開く
「設定」→「プロファイル」→「パスワード」に移動。
ステップ2:インポートオプションを選択
「保存されたパスワード」の右側「…」→「パスワードをインポートする」をクリック。
ステップ3:インポート元を選択
「インポート元」で「パスワード CSV ファイル」を選択。
ステップ4:ファイルを選択
「ファイルの選択」をクリックして、保存していたCSVファイルを選択。
「開く」をクリック。
ステップ5:インポート完了
「インポートが成功しました」と表示されれば完了。
「完了」をクリックして画面を閉じます。
重複パスワードの扱い
同じサイトのパスワードがすでに存在する場合、Edgeは自動的に新しいパスワードで上書きします。
他のブラウザからのデータインポート
ChromeやFirefoxから直接データを移行できます。
他のブラウザからインポートする手順
ステップ1:インポート画面を開く
設定画面で「プロファイル」を選択。
「ブラウザー データのインポート」をクリック。
ステップ2:ブラウザを選択
「インポート元」で、データを移行したいブラウザを選択:
- Google Chrome
- Mozilla Firefox
- Internet Explorer
- その他のブラウザ
ステップ3:インポートする項目を選択
以下から選べます:
- お気に入り/ブックマーク
- 保存されたパスワード
- 住所などの情報
- 閲覧履歴
- 設定
- 開いているタブ
- 拡張機能
必要な項目にチェックを入れます。
ステップ4:インポート実行
「インポート」ボタンをクリック。
数秒~数分でインポートが完了します。
対応ブラウザ
以下のブラウザから直接インポートできます:
- Google Chrome
- Mozilla Firefox
- Safari(Mac)
- Opera
- Brave
- Vivaldi
同期機能を使った自動バックアップ
手動エクスポートより簡単な方法があります。
同期機能とは?
Microsoftアカウントでサインインすると、複数のデバイス間でEdgeのデータを自動的に同期できます。
同期されるデータ
- お気に入り
- パスワード
- 閲覧履歴
- 開いているタブ
- 拡張機能
- 設定
- 住所と連絡先情報
- 支払い情報
同期を有効化する方法
ステップ1:サインイン
Edgeの右上、プロファイルアイコンをクリック。
「サインイン」を選択し、Microsoftアカウントでログイン。
ステップ2:同期設定を確認
「設定」→「プロファイル」→「同期」をクリック。
ステップ3:同期項目を選択
「同期」をオンにします。
同期したい項目を個別に選択できます:
- お気に入り:オン
- 設定:オン
- パスワード:オン
- 住所など:お好みで
- 閲覧履歴:お好みで
- 開いているタブ:お好みで
- 拡張機能:オン
- コレクション:オン
同期のメリット
自動バックアップ
何もしなくても、クラウドに自動保存されます。
複数デバイスで利用
自宅のPC、職場のPC、ノートパソコンで同じ環境が使えます。
すぐに復元
新しいパソコンでサインインするだけで、すべてのデータが復元されます。
同期の注意点
プライバシー
すべてのデータがMicrosoftのサーバーに保存されます。機密性の高いパスワードは別管理も検討してください。
ストレージ容量
基本的に無制限ですが、極端に大量のデータは同期に時間がかかります。
同期の遅延
すぐには反映されないことがあります。通常は数分以内に同期されます。
プロファイル全体のバックアップ(上級者向け)

すべての設定を完全にバックアップしたい場合の方法です。
プロファイルフォルダの場所
Edgeのすべてのデータは以下のフォルダに保存されています:
Windows
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\Edge\User Data\Default
Mac
~/Library/Application Support/Microsoft Edge/Default
プロファイルをバックアップする方法
ステップ1:Edgeを完全に終了
タスクマネージャーで、すべてのEdgeプロセスが終了していることを確認。
ステップ2:フォルダを表示
エクスプローラーのアドレスバーに以下を入力:
%LOCALAPPDATA%\Microsoft\Edge\User Data
ステップ3:Defaultフォルダをコピー
「Default」フォルダ全体を、外付けHDDやUSBメモリにコピーします。
ステップ4:安全に保管
バックアップしたフォルダを安全な場所に保管。
プロファイルを復元する方法
注意:この方法は上級者向けです。失敗するとEdgeが正常に動作しなくなる可能性があります。
ステップ1:Edgeを終了
すべてのEdgeプロセスを終了。
ステップ2:既存のDefaultフォルダをリネーム
念のため「Default.old」などに名前を変更。
ステップ3:バックアップをコピー
バックアップしておいた「Default」フォルダを元の場所にコピー。
ステップ4:Edgeを起動
Edgeを起動して、すべてのデータが復元されているか確認。
よくある質問
Q1:お気に入りのエクスポートに失敗します
考えられる原因と対処法
原因1:ファイルの保存先に問題がある
- 書き込み権限のあるフォルダを選択
- 十分な空き容量があるか確認
原因2:Edgeが正常に動作していない
- Edgeを再起動
- Windowsを再起動
原因3:お気に入りが破損している
- 設定のリセットを試す
- 同期を使って復元
Q2:パスワードのエクスポートボタンが表示されません
対処法
Edgeのバージョンが古い可能性があります。
- 「設定」→「Microsoft Edge について」
- 最新バージョンに更新
- 更新後、再度確認
Q3:エクスポートしたパスワードファイルを誤ってデスクトップに保存してしまいました
すぐに対処してください!
- ファイルをすぐに安全な場所に移動
- デスクトップのファイルを完全削除
- ごみ箱も空にする
- 可能ならすべてのパスワードを変更
Q4:HTMLファイルをダブルクリックしたらブラウザで開いちゃった
問題ありません。 お気に入りのHTMLファイルは、ブラウザで開くとブックマークのリストが表示されます。
インポートする際は、「ファイルの選択」でこのHTMLファイルを指定すればOKです。
Q5:同期とエクスポート、どっちがいいですか?
両方使うのがベストです。
同期の利点
- 自動で常に最新
- 複数デバイスで便利
- 設定忘れがない
エクスポートの利点
- 完全にコントロールできる
- オフラインで保管できる
- 特定の時点の状態を保存
推奨:普段は同期を使い、重要な節目(パソコン買い替え前など)では手動エクスポートも実行。
Q6:エクスポートの頻度はどのくらいがいいですか?
推奨頻度
お気に入り
- 月1回程度
- 大きな変更をした後
パスワード
- 新しいサービスに登録したとき
- パスワードを大量に追加・変更した後
または
同期機能を有効化すれば、頻繁な手動エクスポートは不要です。
Q7:複数のプロファイルがある場合は?
プロファイルごとにエクスポートが必要です。
各プロファイルで個別に:
- プロファイルを切り替え
- お気に入りをエクスポート
- パスワードをエクスポート
- ファイル名にプロファイル名を入れると分かりやすい
例:
- お気に入り_仕事用.html
- お気に入り_個人用.html
データ移行の実践的なシナリオ
実際の場面でどう使うか、具体例を紹介します。
シナリオ1:パソコンを買い替える
買い替え前のパソコンで
- お気に入りをエクスポート
- パスワードをエクスポート
- USBメモリに保存
- または、Microsoftアカウントで同期を有効化
新しいパソコンで
- Edgeをセットアップ
- USBメモリからファイルをコピー
- お気に入りとパスワードをインポート
- または、同じMicrosoftアカウントでサインイン
シナリオ2:ChromeからEdgeに移行
手順
- Edge の「設定」→「プロファイル」→「ブラウザー データのインポート」
- 「Google Chrome」を選択
- 必要な項目にチェック
- 「インポート」をクリック
これでChromeのデータがすべてEdgeに移行されます。
シナリオ3:職場と自宅でデータを共有
最適な方法:同期機能
- 職場のパソコンでMicrosoftアカウントにサインイン
- 同期を有効化
- 自宅のパソコンでも同じアカウントでサインイン
- 自動的にすべてのデータが同期される
セキュリティのベストプラクティス
データを安全に管理するための注意点です。
エクスポートファイルの取り扱い
お気に入りHTMLファイル
- 比較的安全(パスワードは含まれない)
- 共有フォルダに置いても大きな問題なし
パスワードCSVファイル
- 超重要!厳重に管理
- 暗号化必須
- 使用後は削除
推奨されるセキュリティ対策
1. パスワードマネージャーの使用
専用ツールを使うと安全性が向上:
- 1Password
- Bitwarden
- LastPass
- Keeper
2. 二要素認証の有効化
Microsoftアカウントで二要素認証を設定:
- よりセキュアな同期
- 不正アクセスを防止
3. 定期的なパスワード変更
重要なアカウントは定期的にパスワードを変更しましょう。
4. エクスポートファイルの暗号化
Windows の BitLocker や、7-Zip などで暗号化してから保存。
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法です。
インポートが失敗する
対処法1:ファイル形式を確認
- お気に入り:HTML形式
- パスワード:CSV形式
対処法2:ファイルの破損をチェック
- テキストエディタで開いて確認
- 文字化けしていないか
対処法3:Edgeの再起動
- すべてのEdgeウィンドウを閉じる
- タスクマネージャーでプロセスを確認
- 再度起動してインポート
同期が機能しない
対処法
- インターネット接続を確認
- Microsoftアカウントでサインインしているか確認
- 同期設定が有効になっているか確認
- Edgeを最新バージョンに更新
- 同期を一度オフにしてから再度オン
エクスポートファイルが開けない
HTML形式のお気に入り
- 任意のブラウザで開ける
- テキストエディタでも開ける
CSV形式のパスワード
- Excelで開ける
- テキストエディタでも開ける
- 文字コードはUTF-8
まとめ:定期的なバックアップで安心
Microsoft Edgeのデータエクスポートについて解説しました。
この記事で学んだこと
エクスポートの基本
- お気に入り:HTML形式で簡単にバックアップ
- パスワード:CSV形式で保存(要注意!)
- インポートも同様に簡単
3つのバックアップ方法
- 手動エクスポート:完全コントロール
- 同期機能:自動で常に最新
- プロファイルコピー:完全バックアップ(上級者向け)
重要なポイント
- パスワードファイルは厳重管理
- 定期的なバックアップが重要
- 同期機能との併用がベスト
推奨されるバックアップ戦略
日常的に
- Microsoftアカウントで同期を有効化
- 自動で複数デバイス間でデータ共有
定期的に(月1回程度)
- お気に入りを手動エクスポート
- 外部ストレージに保存
重要な節目(パソコン買い替えなど)
- すべてのデータをエクスポート
- 複数の場所にバックアップ
- 復元テストを実施
最後に
データのバックアップは、トラブルが起きてから後悔しても遅いです。
「あのお気に入り、消えちゃった…」
「パスワード全部分からない…」
こんなことにならないよう、今すぐバックアップを実行しましょう!
今日やるべきこと
- Microsoftアカウントでサインイン
- 同期を有効化
- お気に入りをエクスポート
- 安全な場所に保存
たった5分の作業で、大切なデータを守れます。さあ、今すぐ始めましょう!

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