「Microsoft Edge WebView2 Runtimeを削除したいのに、アンインストールボタンが押せない…」
Windowsを使っていると、知らないうちにインストールされているこのソフトウェア。削除しようとしても、ボタンがグレーアウトしていたり、削除したはずなのに翌日には復活していたりと、困った経験はありませんか?
今回は、WebView2 Runtimeがアンインストールできない原因と、その対処法について詳しく解説していきます。
WebView2 Runtimeとは?なぜ勝手にインストールされるの?

まず、このソフトウェアが何なのかを理解しておきましょう。
Microsoft Edge WebView2 Runtimeは、アプリケーション内でWebコンテンツを表示するための技術です。簡単に言うと、様々なアプリがブラウザのような機能を使えるようにする「土台」のような存在なんですね。
開発者向けのツールとして提供されており、Microsoft Edgeのエンジンを活用して、アプリ内でHTMLやJavaScript、CSSといったWeb技術を動かせるようになります。
どんなアプリで使われているの?
WebView2 Runtimeは、実は多くのアプリで活用されています。
- Microsoft 365(Word、Excel、Outlookなど)
- Microsoft Teams
- Windowsウィジェット(天気やニュースなど)
- Visual Studio
- AutoCAD
- CLIP STUDIO PAINT
- その他多数のアプリケーション
つまり、日常的に使っているアプリの多くが、このWebView2に依存しているんです。だから、Windowsアップデートや特定のアプリをインストールしたときに、自動的にインストールされることがあります。
なぜアンインストールできないの?主な原因3つ
WebView2 Runtimeがアンインストールできない理由は、主に以下の3つです。
原因1:Windows 11でシステムコンポーネント化されている
Windows 11では、WebView2 RuntimeがOSの一部として組み込まれるようになりました。
設定画面やコントロールパネルで確認すると、「アンインストール」ボタンがグレーアウトして押せない状態になっていることがあります。これは、システムが「削除してはいけない重要なコンポーネント」として認識しているためです。
Windows 10でも、Microsoft 365がインストールされている環境では同様の制限がかかる場合があります。
原因2:バックグラウンドで実行中のアプリがある
WebView2を使用しているアプリが起動している状態では、アンインストールできません。
例えば、Teamsが起動していたり、Outlookが開いていたりすると、「使用中のため削除できません」というエラーが表示されることがあります。見えないところでバックグラウンドプロセスとして動いている場合もあるので、注意が必要です。
原因3:削除しても自動的に再インストールされる
これが一番厄介なパターンです。
たとえアンインストールに成功しても、次のような場面で自動的に再インストールされてしまいます。
- Windowsアップデートの実行時
- Microsoft 365アプリの起動時
- WebView2に依存するアプリのインストール時
- Microsoft Edgeの更新時
Microsoftがセキュリティアップデートの一環として、強制的にインストールする仕組みになっているためです。
本当にアンインストールする必要があるの?
削除を試みる前に、少し立ち止まって考えてみましょう。
WebView2 Runtimeを削除すると、以下のような問題が発生する可能性があります。
削除後に起こりうる問題:
- Microsoft 365アプリの一部機能が使えなくなる
- Teamsが正常に動作しなくなる
- Windowsウィジェットが機能しなくなる
- 特定のアプリケーションが起動できなくなる
WebView2自体のファイルサイズは比較的小さく、通常はパソコンの動作に大きな影響を与えません。ただし、複数のアプリが同時にWebView2プロセスを起動すると、メモリやCPUリソースを消費することはあります。
「パソコンが重い」と感じる場合は、WebView2を使っているアプリを同時に複数起動しないようにする方が、安全で現実的な対策です。
それでも削除したい場合の対処法
どうしても削除が必要な場合や、破損したWebView2を再インストールしたい場合の手順を紹介します。
方法1:コマンドプロンプトで強制アンインストール
通常の方法でアンインストールできない場合でも、コマンドプロンプトを使うと削除できることがあります。
手順:
- Windowsの検索ボックスに「cmd」と入力
- 「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
cd "C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeWebView\Application\1*\Installer"
※「1*」の部分は、実際のバージョン番号に読み替えられます
- 次に、以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
setup.exe --uninstall --msedgewebview --system-level --verbose-logging --force-uninstall
これで、WebView2 Runtimeが強制的にアンインストールされます。
方法2:セーフモードでアンインストール
通常モードで削除できない場合は、セーフモードで起動してから試してみましょう。
セーフモードの起動方法:
- 「設定」アプリを開く
- 「システム」→「回復」を選択
- 「PCの起動をカスタマイズする」の「今すぐ再起動」をクリック
- 再起動後、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」を選択
- 「4」または「F4」キーを押してセーフモードで起動
セーフモードで起動したら、コントロールパネルの「プログラムのアンインストール」から削除を試みてください。
方法3:サードパーティツールを使用する
IObit UninstallerやCCleanerといったアンインストール専用ツールを使うと、頑固なソフトウェアも削除しやすくなります。
ただし、こうしたツールの使用は自己責任となります。信頼できる公式サイトからダウンロードし、使用前にシステムの復元ポイントを作成しておくことをおすすめします。
「既にインストールされています」エラーの対処法
WebView2を再インストールしようとすると「既にインストールされています」と表示されるのに、実際には動作しない…というトラブルもよくあります。
これは、レジストリに古い情報が残っているのが原因です。
レジストリのクリーンアップ手順
注意:レジストリの編集は慎重に行ってください。間違った操作はWindowsの動作不良を引き起こす可能性があります。
- Windowsの検索ボックスに「regedit」と入力してレジストリエディタを起動
- 事前にレジストリのバックアップを取る(「ファイル」→「エクスポート」)
- 以下のキーを検索して削除
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Microsoft\Edge
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Microsoft\EdgeUpdate
- レジストリエディタを閉じる
- パソコンを再起動
その後、Microsoft公式サイトから最新のWebView2 Runtimeをダウンロードしてインストールします。
関連フォルダの手動削除
レジストリをクリーンアップした後、以下のフォルダも確認してください。
C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeWebView
C:\Program Files\Microsoft\EdgeWebView
これらのフォルダが残っている場合は、手動で削除します。削除できない場合は、管理者権限が必要か、ファイルが使用中の可能性があります。
再インストールを防ぐ方法はある?

完全に再インストールを防ぐことは難しいですが、いくつか試せる方法があります。
タスクスケジューラで自動更新を無効化
- Windowsの検索ボックスに「タスクスケジューラ」と入力して起動
- 「タスクスケジューラライブラリ」を開く
- 以下のタスクを探して右クリックし、「無効」を選択
MicrosoftEdgeUpdateTaskMachineCore
MicrosoftEdgeUpdateTaskMachineUA
これで、Microsoft Edge関連の自動更新が停止されます。ただし、セキュリティアップデートも受け取れなくなるため、注意が必要です。
実行ファイルの名前を変更
少し強引な方法ですが、実行ファイルの名前を変更することで、自動インストールを防げる場合があります。
以下のファイルを探して、名前の末尾に「.old」などを追加します。
C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeWebView\Application\[バージョン番号]\msedgewebview2.exe
この方法は、Windowsアップデートなどで再度インストールされる可能性があるため、完全な解決策ではありません。
修復が必要な場合の対処法
WebView2が正常に動作しない場合は、アンインストールではなく「修復」を試してみましょう。
設定画面から修復する
- 「設定」アプリを開く
- 「アプリ」→「インストールされているアプリ」を選択
- 「Microsoft Edge WebView2 Runtime」を探す
- 右側の「…」メニューをクリック
- 「変更」を選択
- 表示される画面で「修復」をクリック
修復には数分かかりますが、再インストールよりも安全で、設定やデータもそのまま保持されます。
まとめ:削除より共存を考えよう
Microsoft Edge WebView2 Runtimeがアンインストールできない問題について解説してきました。
この記事のポイント:
- WebView2は多くのアプリが依存する重要なコンポーネント
- Windows 11ではシステムの一部として組み込まれている
- 削除してもWindowsアップデートなどで再インストールされる
- コマンドプロンプトを使えば強制削除は可能
- レジストリの残骸が原因で「既にインストール済み」エラーが出る場合がある
- 削除より修復や共存を検討する方が安全
どうしても削除が必要な特別な事情がない限り、WebView2 Runtimeはそのままにしておくことをおすすめします。
パソコンの動作が重いと感じる場合は、WebView2を使っているアプリを同時に複数起動しないようにしたり、不要なバックグラウンドアプリを停止したりする方が、安全で効果的な対策になります。
また、WebView2が原因でアプリが正常に動作しない場合は、アンインストールではなく「修復」機能を使うことで、多くの問題は解決できますよ。


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