「インストールできませんでした。Microsoft Edge WebView2 Runtimeは既にシステムにインストールされています」
このメッセージが出て、先に進めなくなった経験はありませんか?
実はこのエラー、多くのWindowsユーザーが遭遇するトラブルなんです。
この記事では、WebView2 Runtimeのインストールエラーを確実に解決する方法を、初心者にもわかりやすく解説していきます。
WebView2 Runtimeとは?

まず、WebView2 Runtimeって何なのか簡単に説明しますね。
WebView2 Runtimeは、アプリケーション内でWebコンテンツを表示するために必要なプログラムです。
Microsoft Edgeのエンジンをベースにしているため、安全で高速なWeb表示が可能になります。
どんなアプリで使われているの?
- Microsoft Teams(最新版)
- Outlook(新バージョン)
- Visual Studio
- 3Dプリント関連ソフト
- Unity関連ツール
- その他多数のWindows向けアプリケーション
Windows 11では最初から搭載されていますが、Windows 10では必要に応じて自動インストールされることもあります。
よくあるエラーメッセージ
WebView2 Runtimeのインストール時に表示される代表的なエラーは以下の通りです。
エラー例1:
「インストールできませんでした。Microsoft Edge WebView2 Runtimeは既にシステムにインストールされています」
エラー例2:
「Microsoft Edge WebView2 Runtimeが見つかりません」
エラー例3:
「インストールに失敗しました。Microsoft Edge WebView2 Runtimeインストーラーの起動に失敗しました」
実はインストールされているのに見つからない、あるいは本当はインストールされていないのに「既にインストール済み」と表示されるという矛盾した状況が起きるんですね。
インストールできない主な原因
なぜこんな問題が起きるのでしょうか?
原因を理解すれば、適切な対処法が見えてきます。
原因1:レジストリ情報の不整合
Windows Updateやアプリのアップデート中に何らかのエラーが発生すると、レジストリに中途半端な情報が残ってしまいます。
システムは「インストール済み」と認識しているのに、実際のファイルが存在しないという状態です。
原因2:権限不足
通常の実行では、システム全体に影響する変更を行う権限がありません。
WebView2 Runtimeは複数のユーザーで共有するプログラムなので、管理者権限が必要なんですね。
原因3:破損したファイル
過去のインストールが不完全に終わり、破損したファイルや設定が残っている場合があります。
これがあると新しいインストールをブロックしてしまうんです。
原因4:ウイルス対策ソフトの干渉
セキュリティソフトが、WebView2 Runtimeのインストールを危険な動作と誤認識してブロックすることがあります。
企業のPCなど、セキュリティポリシーが厳格な環境では特に起きやすい問題です。
【解決方法1】管理者権限で実行する
最も簡単で効果的な方法から試してみましょう。
多くの場合、これだけで問題が解決します。
手順:
- Microsoft公式サイトからWebView2 Runtimeのインストーラーをダウンロードします
(「Evergreen スタンドアロン インストーラー」を選択) - ダウンロードしたファイル(MicrosoftEdgeWebView2RuntimeInstallerX64.exe)を右クリックします
- メニューから「管理者として実行」を選択します
- ユーザーアカウント制御の画面で「はい」をクリックします
- インストールが完了するまで待ちます
通常の実行では権限が足りず、「既にインストール済み」というエラーが出ていた可能性があります。
管理者権限で実行すれば、システムレベルでの変更が可能になるんですね。
【解決方法2】修復機能を使う
既にWebView2 Runtimeがインストールされている(と認識されている)場合、修復機能が有効です。
手順:
- Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開きます
- 「appwiz.cpl」と入力してEnterキーを押します
- プログラム一覧から「Microsoft Edge WebView2 Runtime」を探します
- 右クリックして「変更」を選択します
- 表示される画面で「修復」をクリックします
- 修復が完了したらPCを再起動します
修復機能は、破損したファイルを自動的に置き換えてくれる便利な機能なんですよ。
【解決方法3】完全アンインストール後に再インストール
修復でも解決しない場合は、一度完全に削除してから入れ直す方法を試しましょう。
手順:
- Windowsキー + Rを押して「appwiz.cpl」を実行します
- 「Microsoft Edge WebView2 Runtime」を右クリックして「アンインストール」を選択します
- アンインストールが完了したらPCを再起動します
- Microsoft公式サイトから最新版のインストーラーをダウンロードします
- ダウンロードしたファイルを右クリックして「管理者として実行」を選択します
- インストールが完了したら再度PCを再起動します
クリーンインストールによって、過去のエラーやゴミファイルを完全にリセットできます。
【解決方法4】レジストリを編集する(上級者向け)
上記の方法で解決しない場合、レジストリに残った情報を手動で削除する必要があります。
重要な注意事項:
レジストリの編集は慎重に行ってください。間違った操作をするとWindowsが起動しなくなる可能性があります。必ずバックアップを取ってから作業しましょう。
手順:
- Windowsキー + Rを押して「regedit」と入力し、Enterキーを押します
- レジストリエディタが開いたら、以下の場所に移動します:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Microsoft\EdgeUpdate\Clients\
- 「{F3017226-FE2A-4295-8BDF-00C3A9A7E4C5}」というキーを探します
- このキーを右クリックして「エクスポート」を選び、バックアップを保存します
- バックアップが完了したら、同じキーを右クリックして「削除」を選択します
- レジストリエディタを閉じます
- PCを再起動します
- WebView2 Runtimeのインストーラーを管理者権限で実行します
レジストリに残っていた「インストール済み」という情報を削除することで、新規インストールが可能になるんですね。
【解決方法5】セーフモードでインストール
ウイルス対策ソフトや他のプログラムが干渉している可能性がある場合、セーフモードでのインストールが効果的です。
手順:
- Windowsキーを押しながら「設定」を開きます
- 「更新とセキュリティ」→「回復」を選択します
- 「PCの起動をカスタマイズする」の下にある「今すぐ再起動」をクリックします
- ブルーの画面が表示されたら「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」の順に選択します
- 再起動後、F4キーを押して「セーフモードを有効にする」を選びます
- セーフモードで起動したら、WebView2 Runtimeのインストーラーを管理者権限で実行します
- インストール完了後、通常モードで再起動します
セーフモードでは最小限のプログラムしか動作しないため、干渉を受けずにインストールできるんです。
【解決方法6】ウイルス対策ソフトを一時的に無効化
セキュリティソフトがインストールをブロックしている可能性がある場合の対処法です。
手順:
- タスクバーのシステムトレイ(右下)にあるウイルス対策ソフトのアイコンを右クリックします
- 「保護を一時的に無効化」または「シールドを無効化」などのオプションを選択します
(ソフトによって表記が異なります) - 無効化する時間を選択します(通常は10分程度で十分です)
- WebView2 Runtimeのインストーラーを管理者権限で実行します
- インストールが完了したら、ウイルス対策ソフトを再度有効化します
注意:
セキュリティソフトを無効化している間は、怪しいサイトへのアクセスやファイルのダウンロードは避けてください。
コントロールパネルに表示されない場合

「プログラムと機能」にWebView2 Runtimeが表示されない場合でも、実際にはインストールされていることがあります。
この場合、以下の方法で確認・修復できます。
レジストリで表示させる方法:
- レジストリエディタを開きます(Windowsキー + R → 「regedit」)
- 以下の場所に移動します:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall\Microsoft EdgeWebView
- 「SystemComponent」という項目を探します
- この値を「1」から「0」に変更します
- レジストリエディタを閉じて「プログラムと機能」を再度開きます
これでWebView2 Runtimeがプログラム一覧に表示されるようになり、修復やアンインストールが可能になります。
予防策:今後同じ問題を避けるために
一度解決したら、同じトラブルを避けるための対策も知っておきましょう。
定期的なWindows更新
Windows Updateを定期的に実行することで、WebView2 Runtimeも自動的に最新版に保たれます。
更新を放置すると、古いバージョンと新しいバージョンの間で競合が起きることがあるんですね。
強制終了を避ける
Windows UpdateやOfficeの更新中に強制終了すると、ファイルが中途半端な状態になる可能性があります。
更新中は電源を切らず、完了するまで待ちましょう。
信頼できるソースからのみインストール
WebView2 Runtimeは必ずMicrosoft公式サイトからダウンロードしてください。
非公式サイトからのダウンロードは、マルウェアのリスクがあります。
よくある質問
Q1:WebView2 Runtimeは削除しても大丈夫?
削除すること自体は可能ですが、WebView2を使用するアプリが正常に動作しなくなります。TeamsやOutlookなどの重要なアプリで必要なため、基本的には削除しない方が良いでしょう。
Q2:勝手にインストールされているのはなぜ?
Windows UpdateやOfficeの更新時に、必要なコンポーネントとして自動的にインストールされることがあります。これはMicrosoftが推奨する正常な動作です。
Q3:複数のバージョンがインストールされることはある?
基本的に1つのバージョンのみがインストールされます。ただし、特定のアプリが古いバージョンを要求する場合、例外的に複数存在することもあります。
Q4:タスクマネージャーでメモリを大量消費している場合は?
WebView2を使用するアプリを多数起動していると、メモリ使用量が増えます。不要なアプリを閉じることで改善されます。異常に重い場合は、WebView2 Runtimeの修復を試してみてください。
Q5:Windows 11でもインストールが必要?
Windows 11には最初からWebView2 Runtimeが搭載されていますが、アプリによっては特定のバージョンが必要な場合があります。その際は追加インストールが必要になることもあります。
まとめ
Microsoft Edge WebView2 Runtimeのインストールエラーは、適切な手順を踏めば確実に解決できます。
この記事で紹介した方法を順番に試してみてください。
解決方法のおさらい:
- 管理者権限で実行:最も簡単で効果的な方法
- 修復機能を使用:既にインストールされている場合に有効
- 完全アンインストール後に再インストール:クリーンな状態から始める
- レジストリ編集:上級者向けだが確実な方法
- セーフモードでインストール:他のプログラムの干渉を避ける
- ウイルス対策ソフトを一時無効化:セキュリティソフトがブロックしている場合
多くの場合、方法1の「管理者権限で実行」だけで解決します。
それでも解決しない場合は、順番に次の方法を試していきましょう。
レジストリ編集は慎重に行い、不安な場合は詳しい人に相談することをおすすめします。
この記事が、WebView2 Runtimeのトラブル解決に役立てば幸いです。


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