朝、メールをチェックしようとThunderbirdを開いたら「あれ?メールが受信できない…」「送信したはずのメールがエラーになってる!」なんて経験、ありませんか?
仕事でメールが使えないと本当に困りますよね。でも安心してください。Thunderbirdの送受信トラブルは、ほとんどの場合、簡単な設定の見直しで解決できるんです。
この記事では、Thunderbirdでメールが送受信できなくなった時の原因と、誰でもできる解決方法をわかりやすく解説します。一つずつ確認していけば、きっと問題が解決できますよ!
まず確認!基本的なチェックポイント

トラブルシューティングを始める前に、基本的な部分から確認していきましょう。意外とこれだけで解決することもあります。
インターネット接続は大丈夫?
他のウェブサイトが開けるか、ブラウザで確認してみてください。インターネット接続に問題があれば、Thunderbirdも当然メールを送受信できません。
Wi-Fiのマークをチェックして、きちんと接続されているか見てみましょう。
Thunderbirdは最新版?
古いバージョンを使っていると、メールサーバーとの互換性に問題が起きることがあります。
確認方法:
- メニューボタン(三本線のアイコン)をクリック
- 「ヘルプ」→「Thunderbirdについて」を選択
- 自動的にアップデートをチェックしてくれます
最新版にアップデートすると問題が解決することも多いので、まずはこれを試してみてください。
オフラインモードになっていないか?
Thunderbirdには「オフラインモード」という機能があります。これがオンになっていると、インターネットに接続していても送受信できません。
確認方法:
- メニューから「ファイル」→「オフライン」を見てください
- チェックが入っていたら、クリックして外しましょう
送受信できない主な原因
Thunderbirdでメールが送受信できない原因は、いくつかのパターンに分けられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. サーバー設定の問題
メールを送受信するには、正しいサーバー設定が必要です。これが間違っていると、Thunderbirdがメールサーバーに接続できません。
サーバー設定とは?
簡単に言うと、メールの「送り先」と「受け取り先」の住所のようなものです。この住所が間違っていると、郵便物が届かないのと同じで、メールも届きません。
確認すべき設定項目:
- 受信サーバー名(IMAP/POPサーバー)
- 送信サーバー名(SMTPサーバー)
- ポート番号
- 認証方法
- セキュリティ設定(SSL/TLS)
2. ポート番号の設定ミス
ポート番号は、サーバーとの通信に使う「出入り口の番号」のようなものです。間違っていると接続できません。
一般的なポート番号:
- 受信(IMAP): ポート993(SSL/TLS使用時)
- 受信(POP3): ポート995(SSL/TLS使用時)
- 送信(SMTP): ポート465または587
3. SSL/TLS設定の問題
SSL/TLSは、メールを暗号化して安全にやり取りするための技術です。でも、古いメールサーバーがこの暗号化に対応していないと、接続に失敗してしまいます。
特に2024年以降のThunderbirdでは、セキュリティ基準が厳しくなったため、この問題が起きやすくなっています。
4. 受信トレイの容量オーバー
Thunderbirdには、1つのフォルダに保存できるメール容量に「4GB」という上限があります。この制限を超えると、新しいメールが受信できなくなってしまうんです。
長年使っていると、知らない間に容量がいっぱいになっていることがあります。
5. ファイアウォールやセキュリティソフトのブロック
パソコンのファイアウォール(防火壁)やウイルス対策ソフトが、Thunderbirdの通信を「危険なもの」と判断してブロックしてしまうことがあります。
これは、セキュリティソフトがあなたを守ろうとしているのですが、時には過剰反応してしまうんですね。
6. アドオンの影響
Thunderbirdに追加機能(アドオン)をインストールしていると、そのアドオンが原因でメール送受信に問題が起きることがあります。
特にThunderbirdをアップデートした直後は、古いアドオンが対応していない可能性があります。
7. プロファイルの破損
プロファイルとは、Thunderbirdの設定やメールデータを保存している大事なフォルダのことです。これが壊れると、さまざまな問題が起きます。
まれなケースですが、パソコンのクラッシュやThunderbirdの強制終了で破損することがあります。
解決方法1:サーバー設定を確認する
それでは、実際の解決方法を見ていきましょう。まずは最も基本的な「サーバー設定の確認」からです。
受信サーバー(IMAP/POP)の設定確認
手順:
- Thunderbirdを起動します
- メニューから「ツール」→「アカウント設定」を開きます
- 左側のリストから問題のあるメールアカウントを選択
- 「サーバー設定」をクリック
確認すべきポイント:
- サーバー名: メールプロバイダーの正しいサーバー名が入っているか確認
- ポート番号:
- IMAPの場合:通常は993
- POP3の場合:通常は995
- 接続の保護: 「SSL/TLS」が選択されているか
- 認証方式: 通常は「通常のパスワード認証」
設定が間違っていたら、正しい内容に修正して「OK」をクリックしてください。
送信サーバー(SMTP)の設定確認
受信はできるけど送信だけできない場合は、SMTP設定に問題があることが多いです。
手順:
- 同じく「ツール」→「アカウント設定」を開きます
- 左側のリストから「送信(SMTP)サーバー」を選択
- 使用しているサーバーを選んで「編集」をクリック
確認すべきポイント:
- サーバー名: 送信サーバーの正しい名前
- ポート番号: 通常は587または465
- 接続の保護: 「STARTTLS」または「SSL/TLS」
- 認証方式: 「通常のパスワード認証」
- ユーザー名: メールアドレスまたはアカウント名
変更したら「OK」をクリックして、テスト送信してみましょう。
プロバイダーの正しい設定を調べる方法
「正しい設定がわからない…」という場合は、メールプロバイダーの公式サイトで確認できます。
検索のコツ:
- 「(プロバイダー名) メール設定」で検索
- 例:「Gmail Thunderbird 設定」「Yahoo Thunderbird 設定」
多くのプロバイダーは、専用の設定ガイドを用意しています。
解決方法2:SSL/TLS設定を調整する
サーバー設定が正しいのに送受信できない場合は、SSL/TLS設定を変えてみましょう。
送信だけできない場合の対処法
手順:
- 「アカウント設定」→「送信(SMTP)サーバー」を開きます
- 該当サーバーを選んで「編集」をクリック
- 「接続の保護」を以下の順で試してみてください:
- 「STARTTLS」→ 送信テスト
- 「なし」→ 送信テスト(一時的)
重要な注意点:
「なし」に設定すると、メールが暗号化されずに送信されます。応急処置としては有効ですが、セキュリティ上のリスクがあるため、長期的には使わないほうが良いでしょう。
問題が解決したら、メールプロバイダーに連絡して、適切な暗号化設定について相談することをおすすめします。
受信できない場合の対処法
手順:
- 「アカウント設定」→「サーバー設定」を開きます
- 「接続の保護」の設定を変更してみます:
- 「SSL/TLS」→ 受信テスト
- 「STARTTLS」→ 受信テスト
- 「なし」→ 受信テスト(一時的)
変更するたびに、実際にメールが受信できるか確認してください。
解決方法3:受信トレイの容量を減らす

容量オーバーでメールが受信できなくなっている場合の対処法です。
現在の容量を確認する
手順:
- 左側のフォルダーツリーで「受信トレイ」を右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 表示された容量を確認します
3GB以上になっていたら要注意です。
フォルダーを最適化する
フォルダーの「最適化」は、実際にメールを削除せずに容量を減らせる便利な機能です。
手順:
- メニューから「ツール」→「設定」を開きます
- 「ネットワークとディスク領域」をクリック
- 「ディスク領域を合計20MB以上節約できるときはフォルダーを最適化する」にチェック
- 「最適化する前に毎回確認する」にもチェックを入れておくと安心です
これで、不要なデータが自動的にクリーンアップされます。
古いメールをアーカイブする
それでも容量が足りない場合は、古いメールを別のフォルダに移動しましょう。
手順:
- アーカイブしたいメールを選択
- 「A」キーを押すか、右クリックして「アーカイブ」を選択
- 年度ごとに自動的にフォルダが作成されます
定期的にアーカイブすることで、受信トレイをスッキリ保てます。
解決方法4:ファイアウォールとセキュリティソフトの設定
セキュリティソフトがThunderbirdをブロックしている可能性がある場合の対処法です。
Windowsファイアウォールの設定
手順:
- Windows検索で「ファイアウォール」と入力
- 「Windowsファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリック
- 「設定の変更」ボタンをクリック
- 「別のアプリの許可」をクリック
- Thunderbirdを探して追加します
- 「プライベート」と「パブリック」の両方にチェックを入れます
- 「OK」をクリック
これで、ファイアウォールがThunderbirdの通信を許可するようになります。
ウイルス対策ソフトの除外設定
一時的なテスト方法:
- ウイルス対策ソフトを一時的に無効化します
- Thunderbirdでメールの送受信を試します
- 送受信できたら、ウイルス対策ソフトが原因だと確認できます
恒久的な対処法:
ウイルス対策ソフトの設定画面で、Thunderbirdを「信頼できるアプリケーション」として登録します。具体的な手順は、お使いのセキュリティソフトによって異なるので、ソフトの公式サポートページを確認してください。
主なセキュリティソフトの設定例:
- Norton: 設定 → ファイアウォール → プログラム制御
- McAfee: ナビゲーション → 一般設定および警告 → ファイアウォール
- ESET: 設定 → 詳細設定 → ネットワーク保護
解決方法5:アドオンを無効化する
アドオンが原因の場合の対処法です。
アドオンを一時的に無効化
手順:
- メニューから「アドオンとテーマ」を開きます
- インストールされているアドオンの一覧が表示されます
- 各アドオンの「無効化」ボタンをクリック
- Thunderbirdを再起動します
- メール送受信をテストします
問題のアドオンを特定する
全部無効化して送受信できるようになったら、一つずつアドオンを有効に戻していきます。
どのアドオンを有効にした時に問題が再発するか確認できれば、原因が特定できます。
問題のあるアドオンは、アップデートされるまで使わないようにしましょう。
解決方法6:プロファイルを修復・再作成する
他の方法で解決しない場合は、プロファイルの問題かもしれません。
フォルダーを修復する
手順:
- 問題のあるフォルダ(受信トレイなど)を右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「フォルダーを修復」ボタンをクリック
- Thunderbirdを再起動します
これで、破損したデータが修復されることがあります。
新しいプロファイルを作成する
修復してもダメな場合は、新しいプロファイルを作成しましょう。
重要: この作業の前に、必ずデータのバックアップを取ってください。
手順(Windows):
- Thunderbirdを完全に終了します
- Windowsキー+Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開きます
- 「thunderbird.exe -p」と入力してEnterキーを押します
- プロファイルマネージャーが起動します
- 「プロファイルを作成」をクリック
- 新しいプロファイル名を入力します
- 作成が完了したら、メールアカウントを再設定します
手順(Mac):
- Thunderbirdを終了します
- アプリケーション→ユーティリティ→ターミナルを開きます
- 「/Applications/Thunderbird.app/Contents/MacOS/thunderbird -p」と入力してEnterキーを押します
- あとはWindowsと同じ手順です
新しいプロファイルで問題が解決すれば、古いプロファイルが原因だったとわかります。
解決方法7:バージョンに関する問題への対処
Thunderbirdのバージョンアップデートが原因で送受信できなくなることがあります。
アップデート直後のトラブル
2024年9月には、バージョン128.2.2で送受信できなくなる不具合が多数報告されました。このような場合は、以下の対処が有効です。
対処法1:最新版にアップデート
不具合が修正された最新版(128.2.3以降など)にアップデートすると解決することがあります。
手順:
- メニュー→「ヘルプ」→「Thunderbirdについて」
- 自動的にアップデートが開始されます
- 完了したらThunderbirdを再起動
対処法2:一つ前のバージョンに戻す
最新版で問題が起きている場合は、安定した古いバージョンに戻すのも一つの方法です。
手順:
- Mozilla公式サイトから安定版をダウンロード
- 現在のThunderbirdをアンインストール(メールデータは削除されません)
- ダウンロードしたバージョンをインストール
- 自動更新を無効化しておきます
自動更新の無効化:
- 「ツール」→「設定」
- 「一般」をスクロールダウン
- 「更新」→「Thunderbirdの更新」で「更新を確認するが、インストールするかどうかを選択する」を選びます
よくあるエラーメッセージと対処法
具体的なエラーメッセージが表示される場合、それぞれに応じた対処が必要です。
「タイムアウトしました」エラー
意味: サーバーとの通信が時間内に完了しなかった
原因:
- インターネット接続が不安定
- サーバーが混雑している
- ファイアウォールがブロックしている
解決方法:
- インターネット接続を確認する
- しばらく時間をおいて再試行する
- ファイアウォール設定を確認する(解決方法4参照)
「認証に失敗しました」エラー
意味: ユーザー名またはパスワードが間違っている
原因:
- パスワードが変更されている
- 2段階認証が有効になっている
- アカウント設定が間違っている
解決方法:
- ブラウザでメールアカウントにログインできるか確認
- ログインできる場合は、Thunderbirdのパスワードを更新:
- 「ツール」→「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- 「保存されているパスワード」をクリック
- 該当アカウントを削除
- Thunderbird再起動時に新しいパスワードを入力
Gmailの場合の特別な注意:
Gmailでは「安全性の低いアプリのアクセス」が無効化されているため、「アプリパスワード」を生成して使用する必要があります。
アプリパスワードの作成方法:
- Googleアカウントにログイン
- セキュリティ設定を開く
- 「2段階認証プロセス」を有効化
- 「アプリパスワード」を生成
- 生成されたパスワードをThunderbirdに設定
「サーバーが見つかりません」エラー
意味: 指定されたサーバー名に接続できない
原因:
- サーバー名が間違っている
- インターネット接続に問題がある
- DNSの問題
解決方法:
- サーバー名のスペルを確認
- プロバイダーの公式サイトで正しいサーバー名を確認
- 他のウェブサイトが開けるか確認
- ルーターを再起動してみる
トラブルを予防する日常的なメンテナンス
問題が解決したら、今度は同じトラブルが起きないように予防しましょう。
定期的な受信トレイの整理
おすすめの習慣:
- 週に一度、古いメールを整理する
- 不要なメールは削除する
- 大事なメールはアーカイブする
- 添付ファイルの大きいメールは別保存
自動アーカイブの設定
Thunderbirdには、古いメールを自動的にアーカイブする機能があります。
設定方法:
- 「ツール」→「アカウント設定」
- 「アーカイブのオプション」を選択
- 保存期間や保存先を設定
これで、手動で整理する手間が省けます。
バックアップの重要性
万が一に備えて、定期的にバックアップを取っておきましょう。
プロファイルフォルダの場所:
- Windows: C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles
- Mac: ~/Library/Thunderbird/Profiles
- Linux: ~/.thunderbird
このフォルダを外付けHDDやクラウドストレージにコピーしておけば安心です。
定期的なアップデート
Thunderbirdは定期的にアップデートされます。最新版を使うことで、多くの問題を予防できます。
自動更新の有効化:
- 「ツール」→「設定」
- 「一般」をスクロールダウン
- 「更新」で「更新を自動的にインストールする」を選択
それでも解決しない場合の対処法
ここまでの方法を試しても問題が解決しない場合は、以下を検討してください。
サーバー側の問題を確認
メールプロバイダーのサーバーに問題がある可能性があります。
確認方法:
- プロバイダーの公式サイトでメンテナンス情報をチェック
- ブラウザでWebメールにアクセスできるか試す
- プロバイダーのサポートに問い合わせる
Webメールでも送受信できない場合は、サーバー側の問題である可能性が高いです。
Thunderbirdの再インストール
最終手段として、Thunderbirdを完全に再インストールする方法があります。
重要な注意点:
- 再インストールしてもメールデータは削除されません
- ただし、念のため必ずバックアップを取ってください
手順:
- プロファイルフォルダをバックアップ
- Thunderbirdをアンインストール
- Thunderbirdの公式サイトから最新版をダウンロード
- インストールして起動
- メールアカウントを再設定
別のメールクライアントも検討
どうしてもThunderbirdで問題が解決しない場合は、他のメールクライアントも検討してみましょう。
代替案:
- Microsoft Outlook
- Mailbird
- eM Client
- ブラウザベースのWebメール
それぞれ特徴があるので、自分に合ったものを選んでください。
まとめ
Thunderbirdでメールが送受信できなくなる原因と解決方法を見てきました。
主な原因:
- サーバー設定の誤り
- ポート番号の間違い
- SSL/TLS設定の問題
- 受信トレイの容量オーバー
- ファイアウォールのブロック
- アドオンの影響
- プロファイルの破損
基本的な解決手順:
- インターネット接続とThunderbirdのバージョンを確認
- サーバー設定(SMTP、IMAP/POP)を見直す
- SSL/TLS設定を調整してみる
- 受信トレイの容量を確認して最適化
- ファイアウォールとセキュリティソフトの設定を確認
- アドオンを無効化してテスト
- プロファイルを修復または再作成
トラブルシューティングは、一つずつ順番に確認していくことが大切です。焦らず、落ち着いて対処すれば、ほとんどの問題は解決できます。
それでも解決しない場合は、メールプロバイダーのサポートに相談するか、Thunderbirdの公式コミュニティで質問してみましょう。きっと同じ問題を経験した人が、解決方法を教えてくれるはずです。
普段からこまめにメールを整理して、定期的にバックアップを取っておけば、万が一のトラブルにも安心して対応できますよ!


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