Thunderbirdでメールを管理していると、フォルダの順番を自由に変えたくなりますよね。
- よく使うフォルダを上に持ってきたい
- 重要度の高い順に並べたい
- プロジェクトごとにグループ化したい
- アルファベット順ではなく自分好みの順番にしたい
実は、Thunderbirdのフォルダ並び替え機能には大きな変化がありました。Thunderbird 139.0(2025年5月リリース)以降では、ドラッグ&ドロップで簡単に並び替えができるようになったのです!
この記事では、最新版での並び替え方法から、旧バージョンでの対処法、アカウントの並び替えまで、フォルダ管理のすべてを詳しく解説していきます。
Thunderbirdのフォルダ並び替え機能の歴史

まず、Thunderbirdのフォルダ並び替え機能がどのように変化してきたかを理解しましょう。
初期(〜ver 114):アドオンが必要
状況:
- デフォルトではフォルダはアルファベット順に固定
- 手動での並び替えは不可能
解決策:
- 「Manually Sort Folders」というアドオンを使用
- このアドオンは長年多くのユーザーに愛用されていた
Thunderbird 115(2023年7月〜):並び替え機能が失われた
問題:
- 新しいUI「Supernova」の採用により、Manually Sort Foldersが動作しなくなった
- アドオンの開発が個人によるもので、115に対応しなかった
代替手段:
- フォルダ名に番号を付けて疑似的に並び替え
- 例:「01 重要」「02 プロジェクトA」「03 プロジェクトB」
- 不便だが、これしか方法がなかった
Thunderbird 139.0以降(2025年5月〜):標準機能として実装
朗報:
- ドラッグ&ドロップでフォルダを自由に並び替えできるようになった
- アドオン不要で直感的に操作可能
- 長年のユーザーからの要望がついに実現
この変更の意義:
- Manually Sort Foldersのようなアドオンが不要に
- より直感的で分かりやすい操作
【最新版】Thunderbird 139.0以降でのフォルダ並び替え方法
Thunderbird 139.0以降をお使いの方は、とても簡単にフォルダを並び替えできます。
基本的な並び替え手順
手順:
- Thunderbirdを起動します
- 左側のフォルダペイン(フォルダ一覧)を表示します
- 「すべてのフォルダ」ビューに切り替えます
- フォルダペイン上部のビュー切り替えボタンをクリック
- 「すべてのフォルダ」を選択
- 並び替えたいフォルダを選択します
- マウスでドラッグして、好きな位置にドロップします
- 青い線(ドロップインジケーター)が表示されるので、そこで離します
- フォルダが移動します
これだけで完了です!
重要な注意点
統合フォルダビューでは並び替えできません
統合フォルダ(すべてのアカウントの受信トレイがまとまって表示される)を使っている場合、直接並び替えはできません。
対処法:
- 「すべてのフォルダ」ビューで並び替える
- その順序が統合フォルダビューにも反映されます
実際の操作例
例1:受信トレイの下にあるフォルダを上に移動
- 「プロジェクトA」フォルダを上に移動したい
- 「プロジェクトA」をクリックしてドラッグ開始
- 受信トレイの上まで持っていく
- 青い線が表示されたらドロップ
- 完了!
例2:フォルダをグループ化
- 関連するフォルダをまとめて並べる
- 「仕事」関連のフォルダを上に
- 「01 重要プロジェクト」
- 「02 日常業務」
- 「03 アーカイブ」
- 「個人」関連のフォルダをその下に
- 「趣味」
- 「家族」
- 「友人」
サブフォルダの並び替え
親フォルダの中のサブフォルダも同様に並び替えできます。
手順:
- 親フォルダを展開(▶をクリック)
- サブフォルダを選択してドラッグ
- 同じ階層内で位置を変更
注意:
- サブフォルダを別の親フォルダに移動することもできます
- その場合は、移動先の親フォルダの上でドロップ
バージョン確認方法
自分のThunderbirdがフォルダ並び替え機能に対応しているか確認しましょう。
バージョンの確認手順
手順:
- Thunderbirdを起動
- 画面右上の「≡」(ハンバーガーメニュー)をクリック
- 「ヘルプ」→「Thunderbirdについて」を選択
- メニューバーから「ヘルプ」→「Thunderbirdについて」でもOK
- バージョン番号が表示されます
判定:
- バージョン 139.0以降: ドラッグ&ドロップで並び替えOK
- バージョン 115〜138: アドオン使用または名前変更が必要
- バージョン 114以前: Manually Sort Foldersアドオンが使用可能
最新版へのアップデート方法
手順:
- Thunderbirdを起動
- 「ヘルプ」→「Thunderbirdについて」を開く
- 更新が利用可能な場合、自動的にダウンロードが始まります
- 「更新をインストールするには再起動が必要です」と表示されたら再起動
- 最新版にアップデートされます
【旧バージョン】Thunderbird 115〜138での対処法
Thunderbird 115〜138を使用している場合、標準機能では並び替えができません。
方法1:フォルダ名に番号を付ける(最も簡単)
この方法は、Thunderbirdがフォルダを数字順・アルファベット順に表示する仕様を利用します。
手順:
- 並び替えたいフォルダを右クリック
- 「名前を変更」を選択
- フォルダ名の先頭に番号を付けます
- 例:「重要」→「01 重要」
- 例:「プロジェクトA」→「02 プロジェクトA」
- すべてのフォルダに番号を付けます
- 番号順に自動的に並び替わります
番号の付け方のコツ:
10個未満のフォルダの場合:
1 最重要
2 プロジェクトA
3 プロジェクトB
4 日常業務
5 アーカイブ
10個以上のフォルダの場合:
01 最重要
02 プロジェクトA
...
10 その他
11 アーカイブ
理由:
- 「10」は文字列として「1」の前に来てしまうため
- 「01」「02」のように0を付けることで正しく並ぶ
記号を使った工夫:
★ 最重要(記号は数字より前に表示される)
01 プロジェクトA
02 プロジェクトB
...
99 アーカイブ
方法2:Thunderbird 139以降にアップデートする(推奨)
最も簡単で確実な方法は、最新版にアップデートすることです。
メリット:
- ドラッグ&ドロップで直感的に操作
- フォルダ名に余計な番号を付けなくてOK
- セキュリティアップデートも同時に適用
手順:
- 前述の「最新版へのアップデート方法」を参照
【古いバージョン】Manually Sort Foldersアドオンの使い方

Thunderbird 114以前、または特定の環境でManually Sort Foldersが使える場合の説明です。
注意:
- このアドオンはThunderbird 115以降では動作しません
- Thunderbird 139以降では不要です(標準機能で対応)
アドオンのインストール方法
手順:
- Thunderbirdを起動
- 画面右上の「≡」→「アドオンとテーマ」を選択
- 検索ボックスに「Manually sort folders」と入力
- 検索結果に「Manually sort folders」が表示されます
- 「+ Thunderbirdへ追加」をクリック
- インストールが完了すると、「ツール」メニューに「フォルダの並べ替え」が追加されます
アドオンの使い方
フォルダの並び替え:
- 「ツール」→「フォルダの並べ替え」を選択
- 「フォルダの並び替え」タブを開く
- アカウントを選択
- 「手動でソート」を選択
- フォルダ一覧が表示されます
- 移動したいフォルダを選択
- 「上へ」「下へ」ボタンで位置を変更
- 「OK」をクリック
起動時に開くフォルダの設定:
- 「追加設定」タブを開く
- 「起動時に開くフォルダ」でアカウントとフォルダを選択
- 「OK」をクリック
- 次回起動時から、指定したフォルダが開きます
アカウントの並び替え方法
フォルダではなく、アカウント(メールアドレス)自体の順番を変える方法です。
重要:
- アカウントの並び替えは、すべてのバージョンで標準機能として可能です
- アドオン不要です
アカウント並び替えの手順
方法1:ドラッグ&ドロップ(簡単)
- フォルダペインでアカウント名を選択
- そのままドラッグして、好きな位置にドロップ
- 順番が変更されます
方法2:アカウント設定から(確実)
- 画面右上の「≡」→「アカウント設定」を開く
- またはメニューバーから「ツール」→「アカウント設定」
- 左側のペインにアカウント一覧が表示されます
- 移動したいアカウントを選択
- ドラッグ&ドロップで位置を変更します
- 設定画面を閉じます
- フォルダペインでアカウントの順序が変わっています
アカウントを優先度順に並べる例
例:
1. 仕事用メイン(最優先)
2. 仕事用サブ
3. 個人用メイン
4. 個人用サブ
5. ニュースレター受信用(低優先)
このように並べると、重要なアカウントが上に来て確認しやすくなります。
フォルダ並び替えのベストプラクティス
効率的なフォルダ管理のためのヒントをご紹介します。
1. 優先度順に並べる
原則:
- 最も頻繁に使うフォルダを上に
- 時々使うフォルダを中間に
- ほとんど使わないアーカイブフォルダを下に
例:
受信トレイ(毎日確認)
重要プロジェクト(毎日確認)
日常業務(週数回確認)
参考資料(月数回確認)
アーカイブ(ほぼ見ない)
2. カテゴリーごとにグループ化
分類例:
【仕事関連】
├ 重要プロジェクト
├ 日常業務
└ 社内連絡
【個人関連】
├ 家族
├ 趣味
└ 買い物
【自動振り分け】
├ ニュースレター
├ SNS通知
└ その他
3. 受信トレイは常に上に
理由:
- 新着メールの確認が最優先
- デフォルトで上にあるのが自然
設定:
- 受信トレイは固定して、その下のフォルダを並び替える
4. フォルダ名は簡潔に
良い例:
- 「プロジェクトA」
- 「重要」
- 「アーカイブ」
悪い例:
- 「とても重要なプロジェクトAに関する全てのメール」(長すぎ)
- 「tmp」(意味不明)
5. 色分けも活用
Thunderbird 139以降では、フォルダに色を付けることもできます。
手順:
- フォルダを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「色」を選択
- 好きな色を選ぶ
活用例:
- 赤:緊急・重要
- 黄:注意が必要
- 青:日常業務
- 緑:完了・アーカイブ
トラブルシューティング
フォルダ並び替えで問題が発生した場合の対処法です。
Q1. ドラッグしてもフォルダが移動しません
原因1:統合フォルダビューを使用している
対処法:
- 「すべてのフォルダ」ビューに切り替える
- そこで並び替えを行う
- 統合フォルダビューでも順序が反映されます
原因2:Thunderbirdのバージョンが古い
対処法:
- Thunderbird 139.0以降にアップデート
原因3:特殊なフォルダを移動しようとしている
対処法:
- 「受信トレイ」「送信済み」「ゴミ箱」など、システムフォルダは移動できない場合があります
- サブフォルダのみ移動可能です
Q2. アカウントをドラッグできません
対処法:
- アカウント設定画面から並び替える
- 「≡」→「アカウント設定」を開く
- 左側のアカウント一覧でドラッグ&ドロップ
Q3. 並び替えても保存されません
原因:プロファイルの問題
対処法:
- Thunderbirdを完全に終了
- 再起動して並び替えを試す
- それでもダメな場合:
- フォルダを最適化(右クリック→「最適化」)
- Thunderbirdを再インストール(データは保持されます)
Q4. 番号を付けても順番通りに並びません
原因:数字の桁数が揃っていない
対処法:
悪い例:
1 フォルダA
2 フォルダB
...
10 フォルダJ ← 「1」の前に来てしまう
良い例:
01 フォルダA
02 フォルダB
...
10 フォルダJ ← 正しく並ぶ
Q5. サブフォルダが勝手に並び替わります
原因:自動ソート機能が有効
対処法:
Thunderbird 139以降では手動ソートが優先されます。
それ以前のバージョンで、Manually Sort Foldersを使用している場合:
- 「ツール」→「フォルダの並べ替え」を開く
- 「手動でソート」を選択(「自動でソート」ではなく)
- 「OK」をクリック
よくある質問(FAQ)
Q1. フォルダの並び替えはアカウントごとに設定できますか?
A. はい、できます。
各アカウントのフォルダは独立して並び替えできます。
例:
- Aアカウント:受信トレイ、重要、アーカイブの順
- Bアカウント:受信トレイ、プロジェクト、アーカイブの順
異なる順序を設定可能です。
Q2. IMAPとPOPでフォルダの並び替えに違いはありますか?
A. 基本的に違いはありません。
どちらのアカウントタイプでも同じ方法で並び替えできます。
注意点:
- IMAPの場合、サーバー上のフォルダ構造は変更されません
- Thunderbird上の表示順のみが変更されます
Q3. 複数のパソコンで同じ並び順にできますか?
A. 自動的には同期されません。
フォルダの並び順は、各パソコンのThunderbirdプロファイルに保存されています。
対処法:
- 各パソコンで同じように並び替えを行う
- またはプロファイルをコピーして同期する(上級者向け)
Q4. スマートフォルダ(統合フォルダ)で並び替えできますか?
A. 直接はできませんが、反映されます。
手順:
- 「すべてのフォルダ」ビューで並び替える
- その順序が統合フォルダビューにも反映されます
Q5. フォルダを五十音順に並べたいです
A. デフォルトでは自動的にアルファベット順・五十音順になります。
手動で並び替えをしていない場合、自動的に五十音順(またはアルファベット順)で表示されます。
手動並び替えを解除したい場合:
- Thunderbird 139以降:元の位置にドラッグで戻す
- 旧バージョン:フォルダ名から番号を削除
Q6. サブフォルダを作成したら、勝手に一番下に表示されます
A. 新規作成フォルダは最下部に表示される仕様です。
対処法:
- 作成後にドラッグ&ドロップで好きな位置に移動
- または、番号を付けて作成する
Q7. 「ゴミ箱」「送信済み」などのフォルダを移動できません
A. 特殊なシステムフォルダは移動に制限があります。
制限されるフォルダ:
- 受信トレイ
- 送信済みトレイ
- ゴミ箱
- 下書き
- 迷惑メール
対処法:
- これらは固定位置です
- サブフォルダや自分で作成したフォルダのみ移動できます
Q8. Manually Sort Foldersをアンインストールしても大丈夫ですか?
A. Thunderbird 139以降を使用している場合、アンインストールして問題ありません。
手順:
- Thunderbird 139以降にアップデート
- フォルダの順序が保持されているか確認
- 問題なければManually Sort Foldersをアンインストール
- 標準機能で並び替えを行う
まとめ
Thunderbirdのフォルダ並び替えについて解説してきました。重要なポイントをおさらいしましょう。
バージョン別の対応方法
Thunderbird 139.0以降(2025年5月〜)
- ドラッグ&ドロップで簡単に並び替え
- アドオン不要
- 「すべてのフォルダ」ビューで操作
- 最も簡単で直感的
Thunderbird 115〜138
- フォルダ名に番号を付ける方法
- 例:「01 重要」「02 プロジェクトA」
- 手間はかかるが確実
Thunderbird 114以前
- Manually Sort Foldersアドオンを使用
- 「ツール」→「フォルダの並べ替え」から操作
アカウントの並び替え
すべてのバージョンで可能:
- フォルダペインでアカウントをドラッグ&ドロップ
- またはアカウント設定画面から並び替え
- アドオン不要
効率的なフォルダ管理のコツ
1. 優先度順に並べる
- よく使うフォルダは上に
- アーカイブフォルダは下に
2. カテゴリーごとにグループ化
- 仕事、個人、その他などに分類
- 視認性が向上
3. フォルダ名は簡潔に
- 短くて分かりやすい名前
- 必要に応じて番号や記号を活用
4. 色分けを活用
- 重要度に応じて色を設定
- 一目で判別可能
最も簡単な方法
結論:Thunderbird 139以降にアップデートすることが最善策
理由:
- ドラッグ&ドロップで直感的に操作可能
- フォルダ名に余計な番号を付ける必要なし
- セキュリティアップデートも同時に適用
- 今後の機能改善も受けられる
トラブルの際は
よくある問題:
- 統合フォルダビューで並び替えできない → 「すべてのフォルダ」ビューで操作
- 番号順に並ばない → 桁数を揃える(01、02、10)
- ドラッグできない → バージョンを確認、アップデート
最後に
フォルダの並び替え機能は、メール管理の効率を大きく向上させます。
ポイント:
- 自分の使い方に合った順序を見つける
- 定期的に見直して最適化
- Thunderbirdを最新版に保つ
Thunderbird 139以降の標準機能により、長年の課題だったフォルダ並び替えが簡単になりました。ぜひこの機能を活用して、快適なメール環境を作り上げてください!

コメント