「一人暮らしを始めるけど、インターネットはスマホのテザリングだけで十分?それとも固定回線を引くべき?」
新生活や引っ越しのタイミングで、多くの人が直面するこの悩み。実は、固定回線とテザリングには、それぞれ明確な長所と短所があるんです。
この記事では、固定回線とテザリングの違いを分かりやすく比較しながら、あなたのライフスタイルに合った選択ができるよう、詳しく解説していきます!
固定回線とテザリング、基本をおさらい

まずは、それぞれの基本的な仕組みから理解していきましょう。
固定回線とは?
固定回線 とは、自宅まで物理的なケーブルを引き込んでインターネットに接続する方法です。
代表的なものに以下があります:
光回線
- 光ファイバーケーブルを使用
- 最大速度1Gbps〜10Gbps
- 現在の主流
ADSL
- 電話線を使用
- 最大速度50Mbps程度
- サービス終了が進んでいる
ケーブルテレビ回線
- テレビ用のケーブルを使用
- 速度は契約プランによる
固定回線は、自宅に設置したルーターから家中にWi-Fiを飛ばして使うのが一般的です。
テザリングとは?
テザリング とは、スマートフォンのモバイルデータ通信を、パソコンやタブレットなど他の機器と共有する機能です。
スマホが「モバイルWi-Fiルーター」の役割を果たすイメージですね。
テザリングの種類
- Wi-Fiテザリング
- 最も一般的
- 複数デバイス接続可能
- バッテリー消費が多い
- USBテザリング
- ケーブルで有線接続
- 通信が安定
- 充電しながら使える
- Bluetoothテザリング
- バッテリー消費が少ない
- 速度は遅め
- 1台のみ接続
【徹底比較】固定回線 vs テザリング
それでは、様々な観点から2つを比較していきましょう。
1. 通信速度の比較
固定回線(光回線)の速度
実測値の目安:
- ダウンロード:100〜900Mbps
- アップロード:100〜900Mbps
光回線は最大1Gbps(1000Mbps)のプランが一般的で、実際には100〜900Mbps程度の速度が出ます。
テザリングの速度
実測値の目安:
- ダウンロード:10〜100Mbps
- アップロード:5〜50Mbps
テザリングの速度は、スマホの電波状況やキャリアによって大きく変わります。5G対応エリアなら高速ですが、4G/LTEエリアでは固定回線より遅くなることが多いです。
結論
速度重視なら、圧倒的に 固定回線の勝ち です。特に大容量ファイルのダウンロードや4K動画の視聴、オンラインゲームをするなら、固定回線が必須でしょう。
2. 通信の安定性
固定回線の安定性
- 有線接続なので非常に安定
- 天候や時間帯の影響を受けにくい
- 遅延(ping値)が低い
- オンライン会議やゲームも快適
テザリングの安定性
- 電波状況に左右される
- 建物の構造や周囲の環境の影響を受ける
- 混雑時に速度が低下しやすい
- 移動すると接続が切れることも
結論
安定性では 固定回線が圧勝 です。リモートワークでビデオ会議をする、オンラインゲームをプレイする場合は、固定回線の安定性が重要になります。
3. データ容量(通信制限)
固定回線
- 完全無制限
- どれだけ使っても速度制限なし
- 家族全員で使っても問題なし
テザリング
- 契約プランによる制限あり
- 無制限プランでも、実際にはテザリング使用量に上限がある場合も
- 制限を超えると低速化(128kbps〜1Mbps程度)
例:
- 楽天モバイル:テザリングも無制限(ただし楽天回線エリアのみ)
- ドコモ・au・ソフトバンク:プランによって30GB〜無制限
結論
データ容量を気にせず使いたいなら 固定回線 が安心です。テザリングは無制限プランでも、実際には月に100GB程度使うと制限がかかることがあります。
4. 月額料金の比較
固定回線の料金
- 戸建て:月額5,000〜6,500円
- マンション:月額4,000〜5,500円
- 工事費:15,000〜40,000円(実質無料キャンペーンあり)
- 初期費用:事務手数料3,000円程度
テザリングの料金
- 追加料金:基本的に0円(スマホ料金に含まれる)
- スマホプラン代:月額3,000〜7,000円程度
- 初期費用:なし
結論
料金面では テザリングの勝ち です。すでに支払っているスマホ代だけで済むので、追加費用がかかりません。ただし、固定回線を契約すれば家族全員で使えることを考えると、一概にテザリングが安いとも言えません。
5. 導入の手軽さ
固定回線
- 開通工事が必要(1〜2ヶ月かかることも)
- 工事の立ち会いが必要
- 賃貸の場合、大家さんの許可が必要なことも
- 引っ越し時に解約・移転手続きが面倒
テザリング
- すぐに使える(設定は数分)
- 工事不要
- 引っ越してもそのまま使える
- スマホさえあればOK
結論
手軽さでは テザリングの圧勝 です。「今すぐネットを使いたい」「短期間の滞在」という場合は、テザリングが最適ですね。
6. 複数デバイスでの利用
固定回線
- 同時接続台数:ルーターによるが、10〜20台以上可能
- 家族全員が同時に使っても快適
- スマホ、PC、タブレット、ゲーム機、IoT家電すべて接続可
テザリング
- 同時接続台数:5〜10台程度(機種による)
- 複数デバイス接続で速度が大幅低下
- スマホのバッテリー消費が激しい
- 一人で2〜3台使うのが限界
結論
家族で使う、複数デバイスを接続するなら 固定回線が必須 です。テザリングは基本的に一人用と考えましょう。
7. バッテリー消費
固定回線
- スマホのバッテリーに影響なし
- ルーターは常時電源に接続
テザリング
- スマホのバッテリー消費が激しい
- 数時間でバッテリー切れになることも
- 充電しながら使うと発熱する
- スマホ本体の寿命に影響する可能性
結論
長時間使うなら 固定回線 が安心です。テザリングは短時間の利用に向いています。
実際の利用シーン別おすすめ
ここからは、具体的な使い方に応じて、どちらがおすすめかを見ていきましょう。
ケース1:動画視聴
YouTube・Netflix・Amazon Primeなどを見る
標準画質(SD)
- テザリング:○ 問題なく視聴可能
- データ消費:1時間で約300MB
高画質(HD)
- テザリング:△ 楽天モバイルなど無制限プランなら可
- データ消費:1時間で約1GB
超高画質(4K)
- 固定回線推奨:◎
- データ消費:1時間で約7GB
- テザリングだとすぐに制限がかかる
おすすめ:毎日動画を見るなら固定回線。たまに見る程度ならテザリングでもOK。
ケース2:オンラインゲーム
スマホゲーム(パズドラ、モンストなど)
- テザリング:◎ 問題なし
対戦型オンラインゲーム(APEX、Valorant、スプラトゥーンなど)
- 固定回線推奨:◎◎◎
- テザリングだと遅延(ラグ)が発生しやすい
- 瞬間移動して見えたり、突然切断されることも
おすすめ:対戦ゲームをするなら固定回線一択です。
ケース3:リモートワーク・オンライン会議
メールやチャットだけ
- テザリング:◎ 十分
Zoom・Teams・Google Meetなどのビデオ会議
- 固定回線推奨:◎
- テザリングだと、映像が止まったり音声が途切れたりするリスクあり
- データ消費:1時間で約500MB〜1GB
大容量ファイルの送受信
- 固定回線推奨:◎◎
- テザリングだと時間がかかりすぎる
おすすめ:週に数回のビデオ会議ならテザリングでもなんとかなりますが、毎日リモートワークするなら固定回線が安心です。
ケース4:SNS・ネットサーフィン
Twitter、Instagram、LINE、Webブラウジング
- テザリング:◎ まったく問題なし
- データ消費も少ない
おすすめ:これだけならテザリングで十分です。
ケース5:家族での利用
大人2人+子供2人の家族
- 固定回線推奨:◎◎◎
- 全員がスマホ、パソコン、タブレット、ゲーム機を使うと、テザリングでは絶対に足りない
一人暮らし
- テザリング:○ 用途次第で十分
おすすめ:家族で住むなら固定回線は必須。一人暮らしならテザリングも選択肢に入ります。
固定回線がおすすめな人

以下に当てはまる人は、固定回線を選ぶべきです。
✓ 家族で住んでいる
✓ オンラインゲームをする
✓ リモートワークで毎日ビデオ会議がある
✓ 高画質の動画を頻繁に見る
✓ 大容量ファイルをダウンロード・アップロードする
✓ 通信速度と安定性を重視する
✓ データ容量を気にせず使いたい
✓ 複数のIoT家電(スマート家電)を使っている
固定回線は初期費用と工事の手間がかかりますが、一度設置すれば快適なネット環境が手に入ります。
テザリングがおすすめな人
以下に当てはまる人は、テザリングだけでも十分です。
✓ 一人暮らしでネット利用が少ない
✓ SNSとWebブラウジングが中心
✓ 動画はたまに見る程度
✓ オンラインゲームはしない
✓ 短期間の滞在(単身赴任、学生の一人暮らしなど)
✓ 引っ越しが多い
✓ 初期費用を抑えたい
✓ 工事が面倒、または許可が下りない
楽天モバイルなど、無制限で使えるプランを契約すれば、固定回線の代わりとして十分機能します。
【両方のいいとこ取り】併用という選択肢
実は、固定回線とテザリングを 併用する という賢い使い方もあります。
併用のメリット
自宅では固定回線、外出先ではテザリング
この組み合わせなら、場所を問わず快適にネットが使えます。
固定回線の工事待ち期間にテザリング
固定回線の開通工事まで1〜2ヶ月かかることがあります。その間、テザリングでネットを使えば困りません。
固定回線の障害時のバックアップ
万が一、固定回線にトラブルが起きても、テザリングがあれば安心です。リモートワーク中に回線が切れたら大変ですからね。
併用する場合のコツ
- スマホは無制限プランまたは大容量プランを契約
- モバイルバッテリーを常備
- テザリング用の格安スマホを別途持つ(楽天モバイルなど)
【注目】楽天モバイルのテザリングを固定回線代わりに使う
最近、人気が高まっているのが 楽天モバイルのテザリングを固定回線代わりに使う 方法です。
楽天モバイルが人気の理由
1. 月額3,278円でデータ無制限
固定回線の半額以下の料金で、データ無制限で使えます。
2. テザリングも無制限
楽天モバイルは、テザリング使用量にも制限がありません。他社は無制限プランでもテザリングは30GBまで、といった制限があることが多いんです。
3. 工事不要、すぐ使える
SIMカードが届いたら、即日使用開始できます。
楽天モバイルを固定回線代わりにする際の注意点
楽天回線エリア内であることが必須
楽天回線エリア外だと、パートナー回線(au回線)に切り替わり、月5GBまでの制限がかかります。
公式サイトで必ずエリアを確認してください。
速度は固定回線より遅い
実測で10〜50Mbps程度です。普通に使う分には問題ありませんが、光回線の100〜900Mbpsには及びません。
オンラインゲームは厳しい
FPSなど対戦型ゲームでは、遅延が発生してプレイしづらいです。
一時的に接続が切れることがある
テザリングは一定時間通信がないと自動でオフになる仕様です。
どんな人に向いている?
- 一人暮らしで固定回線を引きたくない人
- 動画視聴やネットサーフィンが中心の人
- 通信費を節約したい人
- 楽天回線エリア内に住んでいる人
イーサネットテザリングで安定性アップ
Android 11以降の一部機種では、イーサネットテザリング という機能が使えます。
イーサネットテザリングとは?
スマホとWi-Fiルーターを有線LANケーブルで接続する方法です。
通常のWi-Fiテザリングより、速度と安定性が向上します。
必要なもの
- Android 11以降のスマホ
- 有線LANアダプタ(USB-C to LANアダプタ)
- LANケーブル
- Wi-Fiルーター
メリット
- 通信が安定する
- 複数デバイスを快適に接続できる
- 充電しながら使える
「テザリングを固定回線代わりに本気で使いたい」という人は、試してみる価値がありますよ。
まとめ:結局どっちを選べばいい?
ここまで、固定回線とテザリングを様々な角度から比較してきました。
この記事のポイント
✓ 速度・安定性・データ容量は固定回線が圧倒的に有利
✓ 料金・手軽さではテザリングが優秀
✓ 家族で使うなら固定回線一択
✓ 一人暮らしで軽めの利用ならテザリングでもOK
✓ オンラインゲーム・リモートワークなら固定回線が必須
✓ 楽天モバイルのテザリングは固定回線の代替になりえる
✓ 併用するのも賢い選択
最終判断の目安
固定回線を選ぶべき人
→ 家族で住んでいる、高速通信が必要、安定性重視
テザリングで十分な人
→ 一人暮らし、ネット利用が少なめ、初期費用を抑えたい
両方併用がおすすめな人
→ 自宅でも外でもネットをフル活用したい
あなたのライフスタイルと照らし合わせて、最適な選択をしてくださいね。
「とりあえずテザリングで始めて、足りなくなったら固定回線を引く」という段階的なアプローチも、賢い方法ですよ!

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