iPhoneで使っているiCloudメールをパソコンの大きな画面で見たい、でも設定方法が分からない…そんな悩みはありませんか?
スマホの小さな画面でメールを確認するのは大変ですよね。特に長いメールや複雑な内容のメールは、パソコンで見る方が断然効率的です。
この記事では、iCloudメールをパソコンで見る4つの方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。設定不要の簡単な方法から、Outlookでの本格的な設定まで、あなたに合った方法が見つかります。
iCloudメールをパソコンで見る4つの方法

まず、どの方法があるか全体像を把握しましょう。
方法1:Web版iCloud.com(最も簡単・推奨)
難易度:★☆☆☆☆
設定:不要
ブラウザでiCloud.comにアクセスするだけ。設定不要で今すぐ使えます。
こんな人におすすめ:
- 今すぐメールを確認したい
- 特別な設定をしたくない
- たまにパソコンでメールを見たい
方法2:Windows用iCloudアプリ
難易度:★★☆☆☆
設定:簡単(アプリをインストールするだけ)
Appleの公式アプリをインストールすれば、Outlookに自動的に設定されます。
こんな人におすすめ:
- Outlookを持っている
- 自動的に同期したい
- iPhoneとパソコンでメール・カレンダー・連絡先を統一管理したい
方法3:Outlookに手動設定(IMAP)
難易度:★★★☆☆
設定:やや複雑(サーバー設定が必要)
Outlookがあれば、メールソフトとして本格的に使えます。
こんな人におすすめ:
- すでにOutlookを使っている
- 複数のメールアカウントを一元管理したい
- Windows用iCloudが使えない環境
方法4:Windowsメールアプリ
難易度:★★☆☆☆
設定:簡単
Windows 10/11標準のメールアプリで使えます。
こんな人におすすめ:
- Outlookを持っていない
- シンプルなメールアプリが好き
- Windows標準アプリを使いたい
【方法1】Web版iCloud.com で見る(最も簡単)
設定不要で今すぐ使える方法です。まずはこれから試してください。
手順
- ブラウザを開く
- Chrome、Edge、Firefox、Safariなど、お好みのブラウザを起動
- iCloud.comにアクセス
- アドレスバーに「https://www.icloud.com/」と入力
- Enterキーを押す
- Apple IDでサインイン
- iPhoneで使っているApple IDを入力
- パスワードを入力
- 「→」(矢印)をクリック
- 二段階認証(表示された場合)
- iPhoneに表示される6桁のコードを確認
- そのコードをパソコンに入力
- 「信頼する」をクリック(次回から入力不要になります)
- メールを開く
- iCloudのホーム画面が表示される
- 「メール」アイコンをクリック
これで完了! iPhoneと同じメールボックスが表示されます。
Web版でできること
メールの基本機能:
- メールの受信・閲覧
- メールの送信・返信・転送
- 添付ファイルの表示・ダウンロード
- フォルダの管理
- メールの検索
- 迷惑メール設定
便利な機能:
- 下書きの保存
- 署名の設定
- 自動返信の設定
- メールの振り分けルール
- エイリアスの作成(最大3つの別名アドレス)
メリット・デメリット
メリット:
- 設定が一切不要
- どのパソコンからでもアクセス可能
- アプリのインストール不要
- Windowsでもmacでも使える
- 常に最新の状態
デメリット:
- インターネット接続が必要
- ブラウザを開く手間がある
- オフラインでは使えない
- メールソフトのような高度な機能はない
【方法2】Windows用iCloudアプリを使う
Windows用の公式アプリを使えば、Outlookに自動的に設定されます。
事前に必要なもの
- Windows 10以降のパソコン
- Microsoft Outlook(2016以降推奨)
- Apple ID
- インターネット接続
注意: Outlookが必要です。Outlookを持っていない場合は、方法4(Windowsメールアプリ)をご覧ください。
手順
ステップ1:Windows用iCloudをダウンロード
- Microsoftストアを開く
- 検索欄に「iCloud」と入力
- 「Windows 用 iCloud」を見つける
- 「入手」または「インストール」をクリック
- インストールが完了するまで待つ
または
- Appleの公式サイトにアクセス
- 「Windows用iCloudをダウンロード」をクリック
- ダウンロードしたファイルを実行
- 画面の指示に従ってインストール
ステップ2:サインインと設定
- Windows用iCloudを起動
- スタートメニューから「iCloud」を検索して開く
- Apple IDでサインイン
- iPhoneで使っているApple IDを入力
- パスワードを入力
- 「サインイン」をクリック
- 二段階認証コードを入力(表示された場合)
- iPhoneに表示される6桁のコードを入力
- 同期する項目を選択
- 「iCloudメール」にチェック✓
- 必要に応じて「連絡先」「カレンダー」にもチェック
- 「適用」をクリック
- Outlookが自動的に設定される
- しばらく待つ
- Outlookを起動
- iCloudメールが表示される
設定後の確認
Outlookを開いて、以下を確認してください:
- 左側のフォルダ一覧に「iCloud」が追加されている
- 受信トレイにiPhoneと同じメールが表示される
- カレンダーや連絡先も同期されている(チェックを入れた場合)
トラブルシューティング
Outlookに表示されない場合:
- Outlookを完全に終了して再起動
- パソコンを再起動
- Windows用iCloudを開いて、設定を一度オフ→オン
「アプリ用パスワード」を求められた場合:
これは二段階認証が有効な場合に必要です。後述の「アプリ用パスワードの作成方法」を参照してください。
【方法3】Outlookに手動で設定する(IMAP)
Windows用iCloudが使えない場合や、より細かく設定したい場合の方法です。
事前準備:アプリ用パスワードを作成する
二段階認証を有効にしている場合(ほとんどの方が該当)、通常のパスワードは使えません。アプリ用パスワードを作成する必要があります。
アプリ用パスワードの作成手順
- Apple IDのWebサイトにアクセス
- https://appleid.apple.com/ を開く
- サインイン
- Apple IDとパスワードを入力
- 二段階認証コードを入力(iPhoneに表示される)
- 「サインインとセキュリティ」を開く
- 画面左側のメニューから選択
- 「App用パスワード」をクリック
- 「App用パスワードを生成」をクリック
- ラベルを入力
- 例:「Outlook」「パソコンのメール」など
- 自分が分かりやすい名前でOK
- 「作成」をクリック
- パスワードが表示される
- 「xxxx-xxxx-xxxx-xxxx」のような形式
- このパスワードをコピー(後で使います)
- 「完了」をクリック
重要: このパスワードは一度しか表示されません。必ずコピーしておいてください。
Outlookへの設定手順
新しいOutlookの場合
- Outlookを開く
- アカウントの追加
- 「ファイル」→「アカウント情報」→「アカウントの追加」
- メールアドレスを入力
- iCloudメールアドレスを入力(例:example@icloud.com)
- 「詳細オプション」をクリック
- 「自分でアカウントを手動で設定」にチェック✓
- 「接続」をクリック
- アカウントの種類を選択
- 「IMAP」を選択
- 受信メールの設定 項目 設定値 サーバー imap.mail.me.com ポート 993 暗号化方式 SSL/TLS ユーザー名 メールアドレス全体(例:example@icloud.com)
- 送信メールの設定 項目 設定値 サーバー smtp.mail.me.com ポート 587 暗号化方式 STARTTLS
- 「次へ」をクリック
- パスワードを入力
- 先ほど作成したアプリ用パスワードを入力
- 「接続」をクリック
- 完了
- 「完了」をクリック
クラシックOutlookの場合
- Outlookを開く
- 「ファイル」→「アカウントの追加」
- 「自分で電子メールやその他のサービスを使うための設定をする(手動設定)」を選択
- 「次へ」をクリック
- 「POPまたはIMAP」を選択
- 「次へ」をクリック
- アカウント情報を入力 ユーザー情報:
- 名前:任意(送信者名として表示されます)
- 電子メール アドレス:iCloudメールアドレス サーバー情報:
- アカウントの種類:IMAP
- 受信メール サーバー:imap.mail.me.com
- 送信メール サーバー (SMTP):smtp.mail.me.com メール サーバーへのログオン情報:
- アカウント名:メールアドレス全体
- パスワード:アプリ用パスワード
- 「パスワードを保存する」にチェック✓
- 「詳細設定」をクリック
- 「送信サーバー」タブ
- 「送信サーバー(SMTP)は認証が必要」にチェック✓
- 「受信メール サーバーと同じ設定を使用する」を選択
- 「詳細設定」タブ 受信サーバー (IMAP):
- ポート:993
- 「このサーバーでは暗号化された接続 (SSL/TLS) が必要」にチェック✓ 送信サーバー (SMTP):
- ポート:587
- 使用する暗号化接続の種類:STARTTLS
- 「OK」→「次へ」
- テスト送信が実行される
- すべて成功すれば設定完了
- 「閉じる」→「完了」をクリック
【方法4】Windowsメールアプリで設定する
Windows 10/11に標準搭載されているメールアプリで使う方法です。
手順
- メールアプリを開く
- スタートメニューから「メール」を検索して開く
- アカウントの追加
- 初回起動の場合:「アカウントの追加」が自動表示
- 2回目以降の場合:左下の設定(歯車)→「アカウントの管理」→「アカウントの追加」
- 「iCloud」を選択
- サインイン
- iCloudメールアドレスを入力
- 「次へ」をクリック
- パスワードを入力(二段階認証の場合はアプリ用パスワード)
- 「サインイン」をクリック
- 完了
- 「完了」をクリック
- メールが表示される
Windowsメールアプリの特徴
メリット:
- 無料で使える
- シンプルで使いやすい
- 自動的にiCloudを認識してくれる
- 軽量で動作が速い
デメリット:
- Outlookほど高機能ではない
- ビジネス用途には向かない
それぞれの方法の比較表
どの方法を選ぶべきか迷っている方へ、比較表をご用意しました。
| 項目 | Web版 | Windows用iCloud | Outlook手動設定 | Windowsメールアプリ |
|---|---|---|---|---|
| 難易度 | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
| 設定時間 | 0分 | 5分 | 10分 | 5分 |
| オフライン利用 | × | ○ | ○ | ○ |
| 自動同期 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| カレンダー同期 | – | ○ | × | × |
| 連絡先同期 | – | ○ | × | × |
| 費用 | 無料 | 無料(Outlook必要) | 無料(Outlook必要) | 無料 |
| おすすめ度 | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
よくあるトラブルと解決方法
トラブル1:パスワードが正しいのにサインインできない
原因: 二段階認証が有効になっている
解決方法:
- 通常のパスワードではなく「アプリ用パスワード」を使う必要があります
- 前述の「アプリ用パスワードの作成方法」を参照して作成してください
トラブル2:メールは見られるが送信できない
原因: 送信サーバーの設定が間違っている
解決方法:
- Outlookの「アカウント設定」を開く
- iCloudアカウントを選択→「変更」
- 「詳細設定」→「送信サーバー」タブ
- 「送信サーバー(SMTP)は認証が必要」にチェック
- 「受信メール サーバーと同じ設定を使用する」を選択
トラブル3:Windows用iCloudでOutlookに表示されない
原因: 同期が正しく設定されていない
解決方法:
- Windows用iCloudを開く
- 「メール、連絡先、カレンダー、タスク」のチェックを一度外す
- 「適用」をクリック
- 数秒待つ
- 再度チェックを入れる
- 「適用」をクリック
- Outlookを再起動
トラブル4:「このサーバーのセキュリティ証明書に問題があります」
原因: 日付・時刻がずれている、またはサーバー名が間違っている
解決方法:
- Windowsの日付と時刻を確認・修正
- サーバー名を再確認
- 受信:imap.mail.me.com
- 送信:smtp.mail.me.com
- SSL/TLS設定を確認
トラブル5:古いメールが表示されない
原因: 同期期間が限定されている
解決方法:
Outlookの場合:
- 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」
- iCloudアカウントを選択→「変更」
- 「詳細設定」→「詳細設定」タブ
- 「メールをオフラインで保持する期間」を「すべて」に変更
Windowsメールアプリの場合:
- 設定(歯車)→「アカウントの管理」
- iCloudアカウントを選択
- 「メールボックスの同期設定を変更」
- 「次の期間のメールをダウンロード」を「すべて」に変更
iCloudメールの制限事項
パソコンで使う前に、iCloudメールの制限を知っておきましょう。
送信制限
- 1日の送信上限: 200通
- 1日の宛先上限: 1,000人
- 1通の宛先上限: 100人
- メールサイズ: 20MB まで
注意: この制限を超えると、一時的に送信できなくなります。
ストレージ
- 無料容量: 5GB
- メール、写真、バックアップなどの合計
- 容量不足の場合はiCloud+への加入が必要(月額130円〜)
セキュリティのベストプラクティス
iCloudメールを安全に使うための推奨事項です。
必ず二段階認証を有効にする
- iPhoneで「設定」を開く
- 画面上部の自分の名前をタップ
- 「サインインとセキュリティ」をタップ
- 「2ファクタ認証」をオンにする
アプリ用パスワードの管理
- 使わなくなったアプリ用パスワードは削除する
- パスワードごとに分かりやすい名前を付ける
- 定期的に見直す
公共のパソコンでの注意
- Web版を使う場合は、必ずログアウトする
- パスワードを保存しない
- できれば使用を避ける
まとめ
iCloudメールをパソコンで見る4つの方法を紹介しました。
おすすめの選び方:
- 今すぐ見たい、設定不要がいい
→ 方法1:Web版iCloud.com(最も簡単) - Outlookを持っていて、自動的に同期したい
→ 方法2:Windows用iCloudアプリ(最もおすすめ) - Outlookで使いたいが、Windows用iCloudが使えない
→ 方法3:Outlook手動設定 - Outlookを持っていない、シンプルに使いたい
→ 方法4:Windowsメールアプリ
重要なポイント:
- Web版は設定不要で今すぐ使える
- 二段階認証が有効な場合は「アプリ用パスワード」が必要
- Windows用iCloudが最も便利(Outlook所有者)
- iCloudメールには送信制限がある(1日200通)
- セキュリティのため二段階認証は必ず有効に
どの方法を選んでも、iPhoneとパソコンでメールが同期され、大きな画面で快適にメール管理ができるようになります。
まずは設定不要のWeb版から試して、必要に応じて他の方法に移行するのがおすすめです。設定に困った場合は、この記事のトラブルシューティングを参考にしてください。

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