仕事ではOutlook、プライベートではGoogleカレンダーを使っていて、予定の管理が大変…そんな悩みを抱えていませんか?
複数のカレンダーを別々に管理していると、ダブルブッキングしてしまったり、大事な予定を見落としてしまったりするリスクがあります。
この記事では、OutlookとGoogleカレンダーを同期して一元管理する方法を、無料でできる方法から本格的なツールまで、分かりやすく解説します。
「同期」と「インポート」の違いを理解しよう

まず最初に、重要な違いを押さえておきましょう。
インポートとは
インポートは、カレンダーのデータを「その時点のスナップショット」として取り込むことです。
例えば、Googleカレンダーのデータを1月1日にOutlookにインポートした場合、その時点での予定は取り込まれます。しかし、1月2日以降にGoogleカレンダーに追加した予定は、Outlookには反映されません。
つまり、一度きりのコピー作業だと考えてください。
同期とは
一方、同期は、カレンダー同士を常に最新の状態に保ち続けることです。
Googleカレンダーに新しい予定を追加すれば、自動的にOutlookにも反映されます。これが本当の意味での「同期」です。
この記事で紹介する「同期」について
この記事では、継続的に更新される本当の同期方法を中心に解説します。ただし、完全な双方向同期(両方のカレンダーで変更が相互に反映される)には、一部の方法ではサードパーティのツールが必要になることもあります。
同期方法の種類と選び方
OutlookとGoogleカレンダーの同期には、大きく分けて3つの方法があります。
方法1:Googleカレンダー → Outlookへの一方向同期(無料・推奨)
こんな人におすすめ:
- Googleカレンダーがメインで、Outlookでも見たい
- 無料で同期したい
- PC版Outlookを使っている
GoogleカレンダーのデータをOutlookで表示できます。Googleカレンダーで予定を変更すれば、Outlookにも自動的に反映されます。
ただし、Outlook側で変更してもGoogleカレンダーには反映されません。
方法2:Outlook → Googleカレンダーへの一方向同期(無料)
こんな人におすすめ:
- Outlookがメインで、Googleカレンダーでも見たい
- スマホでGoogleカレンダーアプリを使っている
- Web版Outlookを使っている
Outlookの予定をGoogleカレンダーで表示できます。Outlookで予定を変更すれば、Googleカレンダーにも反映されます。
ただし、Googleカレンダー側で変更してもOutlookには反映されません。
方法3:完全な双方向同期(ツール使用)
こんな人におすすめ:
- どちらのカレンダーでも予定を編集したい
- 複数のカレンダーを管理している
- 確実な同期が必要
専用ツールを使うことで、両方のカレンダーで変更が相互に反映されます。無料ツールと有料ツールがあります。
【方法1】Googleカレンダー → Outlookへの同期(無料)
最もよく使われる方法です。GoogleカレンダーをメインとしてOutlookでも見られるようにします。
手順1:GoogleカレンダーでiCal URLを取得する
- ブラウザでGoogleカレンダー(https://calendar.google.com/)を開く
- Googleアカウントでログイン
- 左側の「マイカレンダー」から同期したいカレンダーを探す
- カレンダー名にマウスを合わせると表示される「︙」(縦の3点メニュー)をクリック
- 「設定と共有」をクリック
- 下にスクロールして「カレンダーの統合」セクションを探す
- 「iCal形式の非公開URL」の右側にある目のアイコンをクリックしてURLを表示
- URLを右クリックして「コピー」を選択
重要: この非公開URLは、誰でもあなたの予定を見られる特殊なリンクです。他人には絶対に教えないでください。
手順2:OutlookでGoogleカレンダーを購読する
PC版Outlookの場合:
- Outlookを起動
- カレンダー画面を開く
- 画面上部の「ホーム」タブをクリック
- 「予定表を開く」→「インターネットから」をクリック
- さきほどコピーしたURLを貼り付ける
- 「OK」をクリック
- カレンダー名を入力(例:「Googleカレンダー」)
- 「OK」をクリック
新しいOutlook(Web版)の場合:
- Outlook(https://outlook.live.com/)を開く
- カレンダーを開く
- 左下の「予定表の追加」をクリック
- 「Webからサブスクライブ」を選択
- コピーしたURLを貼り付ける
- カレンダー名を入力
- 必要に応じて色やアイコンを設定
- 「インポート」をクリック
同期のタイミングについて
OutlookはGoogleカレンダーの更新を定期的にチェックします。ただし、即座に反映されるわけではありません。
- Outlook起動時にチェック
- Outlookが開いている間も定期的にチェック
- 更新頻度はGoogleカレンダー側が決定(通常は数時間ごと)
注意点: Googleカレンダーで予定を変更しても、Outlookに反映されるまで最大24時間かかることがあります。急ぎの場合は、一度Outlookからカレンダーを削除して、再度購読し直すと最新の状態になります。
【方法2】Outlook → Googleカレンダーへの同期(無料)
Outlookの予定をGoogleカレンダーで見られるようにします。
手順1:Outlookで予定表を公開する
Web版Outlookの場合:
- Outlook(https://outlook.live.com/)を開く
- カレンダーを開く
- 右上の歯車アイコン(設定)をクリック
- 「Outlookのすべての設定を表示」をクリック
- 左側のメニューから「予定表」→「共有予定表」をクリック
- 「予定表を公開する」セクションで、カレンダーを選択
- アクセス許可を選択
- 「自分の予定が入っている時間を閲覧可能」(時間枠のみ)
- 「すべての詳細を閲覧可能」(推奨)
- 「公開」をクリック
- ICSのリンクが表示されるので、右クリックして「リンクをコピー」
PC版Outlookの場合:
- Outlookを起動してカレンダーを開く
- 公開したいカレンダーを右クリック
- 「プロパティ」→「公開」タブをクリック
- 「このカレンダーを公開する」にチェック
- アクセス許可レベルを選択
- 表示されたURLをコピー
手順2:GoogleカレンダーでOutlookカレンダーを追加する
- Googleカレンダー(https://calendar.google.com/)を開く
- 左側の「他のカレンダー」の横にある「+」をクリック
- 「URLで追加」を選択
- コピーしたICS URLを貼り付ける
- 「カレンダーを追加」をクリック
注意点: こちらも更新には時間がかかります。Outlookで予定を変更しても、Googleカレンダーに反映されるまで数時間から最大24時間かかることがあります。
【方法3】完全な双方向同期(ツール使用)

両方のカレンダーで変更が相互に反映される、本当の意味での双方向同期を実現する方法です。
おすすめツール1:Outlook Google Calendar Sync(無料・オープンソース)
特徴:
- 完全無料
- Windows用のデスクトップアプリ
- 双方向同期に対応
- カスタマイズ可能
使い方:
- 公式サイト(https://www.outlookgooglecalendarsync.com/)からダウンロード
- インストールして起動
- GoogleアカウントとOutlookアカウントでログイン
- 同期の方向を選択
- Outlook → Google
- Google → Outlook
- 双方向
- 同期間隔を設定(5分ごと、10分ごとなど)
- 「同期」ボタンをクリック
メリット:
- 無料で使える
- 細かい設定ができる
- 定期的に自動同期
デメリット:
- Windowsのみ対応
- パソコンを起動していないと同期されない
- 設定がやや複雑
おすすめツール2:CalendarBridge(有料・推奨)
特徴:
- クラウドベースで常時同期
- パソコンの電源を切っていても同期される
- 複数カレンダーの一括同期に対応
- リアルタイムに近い同期速度
料金: 月額数ドル~(無料トライアルあり)
使い方:
- CalendarBridge(https://calendarbridge.com/)でアカウント作成
- GoogleアカウントとMicrosoftアカウントを接続
- 同期ペアを作成(Google → Outlook、Outlook → Google)
- 同期の詳細レベルを選択(全詳細 or 空き時間のみ)
- 同期開始
メリット:
- クラウドベースで常時稼働
- 複数カレンダーの管理が楽
- リアルタイム同期
デメリット:
- 有料(ただし比較的安価)
おすすめツール3:Zapier(自動化プラットフォーム)
特徴:
- カレンダー以外も自動化できる
- コードを書かずに設定可能
- 双方向同期も可能
使い方:
- Zapier(https://zapier.com/)でアカウント作成
- 新しいZapを作成
- トリガー:「Googleカレンダーに新しい予定が追加されたとき」
- アクション:「Outlookカレンダーに予定を作成」
- 逆方向も同様に設定
メリット:
- カレンダー以外も自動化できる
- 直感的な設定画面
デメリット:
- 無料プランは制限あり
- カレンダー専用ではないため、やや複雑
スマホでOutlookとGoogleカレンダーを同期する方法
スマートフォンの標準カレンダーアプリを使えば、両方のカレンダーを一つの画面で見ることができます。
iPhone/iPadの場合
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「カレンダー」をタップ
- 「アカウント」をタップ
- 「アカウントを追加」をタップ
- 「Google」を選択してGoogleアカウントでログイン
- 同様に「Outlook.com」も追加
これで、iPhoneの標準カレンダーアプリで両方のカレンダーが表示されます。
Androidの場合
- 「設定」→「アカウント」を開く
- 「アカウントを追加」をタップ
- Googleアカウントを追加(通常は既に追加済み)
- Outlookアプリをインストール
- Outlookアプリでログイン
Androidの標準カレンダーアプリでは、Googleカレンダーとの統合が優れています。Outlookの予定を見たい場合は、Outlookアプリを併用するのがおすすめです。
よくある質問
同期が遅い・反映されないときは?
無料の一方向同期(iCal URLを使用)の場合、更新には数時間から最大24時間かかることがあります。
解決方法:
- Outlookからカレンダーを一度削除
- 再度同じURLで購読し直す
- 最新の状態に更新される
より速い同期が必要な場合は、双方向同期ツールの使用を検討してください。
Outlook側で変更した予定がGoogleカレンダーに反映されない
無料の一方向同期では、片方向にしか更新が反映されません。
- Googleカレンダー → Outlook同期:Outlook側の変更は反映されない
- Outlook → Googleカレンダー同期:Googleカレンダー側の変更は反映されない
両方で編集したい場合は、双方向同期ツールが必要です。
複数のGoogleカレンダーを同期できる?
はい、できます。
同期したい各Googleカレンダーごとに、手順1と手順2を繰り返してください。Outlookには複数のカレンダーが並んで表示されます。
非公開URLが漏れたらどうなる?
非公開URLを知っている人は、あなたのカレンダーの全内容を見ることができてしまいます。
対処方法:
- Googleカレンダーの「設定と共有」を開く
- 「カレンダーの統合」セクションで「リセット」ボタンをクリック
- 新しいURLが生成される
- Outlook側で古いカレンダーを削除し、新しいURLで再度購読
会社のOutlookでも使える?
会社によっては、セキュリティポリシーで外部カレンダーとの同期が禁止されている場合があります。
使用前に必ず会社のIT部門に確認してください。特に、機密情報を含む予定がある場合は注意が必要です。
同期したカレンダーを削除したい
Outlookから削除:
- カレンダー画面を開く
- 削除したいカレンダーを右クリック
- 「カレンダーの削除」または「予定表グループから削除」を選択
Googleカレンダーから削除:
- Googleカレンダーを開く
- 左側のカレンダー一覧から削除したいカレンダーを探す
- カレンダー名の横の「︙」をクリック
- 「リストから非表示」を選択
まとめ
OutlookとGoogleカレンダーを同期する方法は、用途に応じて選ぶことが大切です。
無料で簡単に始めたい:
→ Googleカレンダー → Outlookの一方向同期(方法1)がおすすめ
スマホでも見たい:
→ スマホの標準カレンダーアプリに両方のアカウントを追加
本格的に双方向同期したい:
→ Outlook Google Calendar Sync(無料)またはCalendarBridge(有料)
主なポイント:
- 「同期」と「インポート」は違う
- 無料の方法は一方向のみ更新される
- 双方向同期にはツールが必要
- 更新には時間がかかる(数時間~24時間)
- 非公開URLは絶対に他人に教えない
自分の使い方に合った方法を選んで、効率的にスケジュールを管理しましょう。複数のカレンダーを一元管理できれば、ダブルブッキングや予定の見落としを防ぎ、仕事もプライベートもスムーズに進められます。


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