パソコンで作業中、突然画面が真っ青になって「問題が発生したため、PCを再起動する必要があります」というメッセージと共に、STOP CODE: MEMORY_MANAGEMENTというエラーが表示されたことはありませんか?
このエラーは、Windowsで発生するブルースクリーンエラー(Blue Screen of Death / BSOD)の一種で、メモリ管理に関する重大な問題が発生したことを示しています。
このエラーが出ると、パソコンが強制的に再起動されたり、起動できなくなったり、作業中のデータが失われたりする可能性があります。
この記事では、MEMORY_MANAGEMENTエラーとは何か、なぜ発生するのか、そしてどうやって解決すればいいのかを、初心者の方にも分かりやすく解説します。
- MEMORY_MANAGEMENTエラーとは?
- このエラーで起こる症状
- MEMORY_MANAGEMENTエラーが発生する原因
- MEMORY_MANAGEMENTエラーの解決方法
- 対処法1: パソコンを再起動する
- 対処法2: 外付けデバイスを取り外す
- 対処法3: セーフモードで起動する
- 対処法4: Windowsメモリ診断を実行する
- 対処法5: システムファイルチェッカー(SFC)を実行する
- 対処法6: DISMコマンドを実行する
- 対処法7: CHKDSKでディスクをチェックする
- 対処法8: デバイスドライバを更新する
- 対処法9: Windows Updateを実行する
- 対処法10: 一時ファイルとキャッシュをクリアする
- 対処法11: オーバークロック設定を元に戻す
- 対処法12: ウイルス・マルウェアスキャンを実行する
- 対処法13: メモリを取り外して再装着する
- 対処法14: システムの復元を実行する
- 対処法15: Windowsのリセット(最終手段)
- メモリ(RAM)の交換が必要な場合
- やってはいけないこと
- データ復旧について
- よくある質問
- まとめ: 落ち着いて順番に対処しよう
MEMORY_MANAGEMENTエラーとは?

エラーの基本情報
MEMORY_MANAGEMENTは、Windowsのメモリ(RAM)管理に問題が発生した時に表示されるエラーコードです。
表示される情報
画面には以下のような情報が表示されます。
- エラーメッセージ: 「問題が発生したため、PCを再起動する必要があります」
- 停止コード(STOP CODE): MEMORY_MANAGEMENT
- エラーコード(16進数): 0x0000001A
ブルースクリーン(BSOD)とは?
ブルースクリーン(Blue Screen of Death / BSOD)は、Windowsが致命的なエラーを検出した時に表示される青い画面のことです。
直訳すると「死の青い画面」という恐ろしい名前ですが、これはパソコンが壊れたわけではなく、「これ以上動かすとデータが破損する可能性があるので、一旦止めます」というWindowsの安全機能です。
メモリ管理とは?
メモリ管理とは、パソコンのメモリ(RAM)をプログラムにどう割り当てるかを制御する仕組みのことです。
パソコンは複数のプログラムを同時に実行しますが、それぞれのプログラムが使えるメモリの量や場所を管理する必要があります。この管理がうまくいかないと、MEMORY_MANAGEMENTエラーが発生します。
このエラーで起こる症状
MEMORY_MANAGEMENTエラーが発生すると、以下のような症状が現れます。
1. 突然ブルースクリーンになる
作業中やゲーム中、何の前触れもなく突然画面が青くなり、エラーメッセージが表示されます。
2. 自動的に再起動される
エラーが表示された後、カウントダウンが始まり、パソコンが自動的に再起動されます。
3. 起動できなくなる
エラーが繰り返し発生して、Windowsが正常に起動できなくなることがあります。
4. 再起動ループに陥る
電源を入れる → ブルースクリーンになる → 再起動される、というループから抜け出せなくなることがあります。
5. 作業中のデータが失われる
保存していないデータは、エラー発生時に失われてしまいます。
6. 動作が重くなる(前兆)
エラーが発生する前に、システム全体の動作が遅くなったり、フリーズしたりすることがあります。
MEMORY_MANAGEMENTエラーが発生する原因

このエラーは、ハードウェアとソフトウェアの両方が原因で発生する可能性があります。
ハードウェアの問題
原因1: メモリ(RAM)の故障
最も一般的な原因です。
メモリが物理的に故障していたり、接触不良を起こしていたりすると、このエラーが発生します。
こんな場合に起こりやすい
- メモリが経年劣化している
- メモリの取り付けが緩んでいる
- メモリスロットにホコリがたまっている
- 互換性のないメモリを増設した
原因2: マザーボードの故障
メモリスロットやマザーボード自体に問題があると、メモリを正しく認識できません。
原因3: ストレージ(HDD/SSD)の問題
ハードディスクやSSDに物理的な損傷やセクタエラーがあると、ファイルが破損してエラーの原因になります。
原因4: オーバークロック設定
CPUやメモリ、GPUをオーバークロック(定格以上の速度で動作させること)していると、システムが不安定になります。
ソフトウェアの問題
原因5: デバイスドライバの問題
古いドライバ、破損したドライバ、互換性のないドライバが原因で発生することがあります。
特に問題になりやすいドライバ
- グラフィックカード(GPU)ドライバ
- マザーボードのチップセットドライバ
- ネットワークアダプタのドライバ
原因6: Windowsのシステムファイル破損
Windowsのシステムファイルが破損すると、メモリ管理にも影響を及ぼします。
システムファイルが破損する原因
- ソフトウェアの競合
- マルウェア感染
- 突然の電源切断
- 不完全なWindowsアップデート
原因7: Windows Update の不具合
Windows Updateによって新しいバグが導入されることがあります。
特にメジャーアップデート後にこのエラーが発生しやすくなります。
原因8: 特定のソフトウェアの競合
複数のプログラムが同時にメモリを使用しようとして競合すると、エラーが発生します。
これをメモリリークといい、プログラムがメモリを解放せずに使い続けることで起こります。
原因9: マルウェア・ウイルス感染
ウイルスやマルウェアがメモリ管理プロセスを妨害することがあります。
原因10: 外付けデバイスの問題
USBメモリ、外付けHDD、プリンターなどの外付けデバイスやそのドライバが原因になることがあります。
MEMORY_MANAGEMENTエラーの解決方法

エラーが発生したら、以下の対処法を順番に試していきましょう。
対処法1: パソコンを再起動する
最も基本的で簡単な方法です。
一時的な不具合が原因の場合、再起動するだけで解決することがあります。
手順
- パソコンを通常通り再起動
- エラーが再発しないか確認
もしエラーが出てパソコンが操作できない場合は、電源ボタンを長押しして強制終了してから、再度電源を入れてください。
対処法2: 外付けデバイスを取り外す
外付け機器が原因の場合があるので、すべて取り外してみましょう。
取り外すもの
- USBメモリ
- 外付けHDD/SSD
- プリンター
- スキャナー
- Webカメラ
- その他のUSB機器
手順
- パソコンの電源を切る
- すべての外付けデバイスを取り外す
- パソコンを起動
- エラーが出なければ、デバイスを1つずつ接続して原因を特定
対処法3: セーフモードで起動する
セーフモードは、最小限のドライバとプログラムだけでWindowsを起動するモードです。
セーフモードで起動できれば、ソフトウェアやドライバに問題があると判断できます。
セーフモードの起動方法(Windowsが起動できる場合)
Windows 10/11
- 「設定」を開く
- 「更新とセキュリティ」→「回復」を選択
- 「今すぐ再起動」をクリック(PCの起動をカスタマイズする)
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」
- 「再起動」をクリック
- F5キーを押して「セーフモードとネットワークを有効にする」を選択
セーフモードの起動方法(Windowsが起動できない場合)
- 電源を入れる
- Windowsのロゴが表示されたら、電源ボタンを長押しして強制終了
- これを3回繰り返す
- 自動修復画面が表示される
- 「詳細オプション」から上記と同じ手順でセーフモードを選択
セーフモードで起動できたら
- 最近インストールしたソフトウェアをアンインストール
- 最近更新したドライバをロールバック
- Windowsアップデートをアンインストール
対処法4: Windowsメモリ診断を実行する
メモリに問題がないか診断するツールです。
手順
- 検索バーで「Windowsメモリ診断」と入力
- 「Windowsメモリ診断」をクリック
- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」を選択
- パソコンが再起動し、自動的にメモリ診断が開始される
- 診断が完了すると自動的に再起動される
- デスクトップに診断結果が表示される
診断結果の見方
- エラーなし: メモリは正常です
- エラーあり: メモリに問題があります → メモリの交換が必要
注意: Windowsメモリ診断の精度は完璧ではありません。より詳細な診断には、MemTest86という別のツールの使用をおすすめします。
対処法5: システムファイルチェッカー(SFC)を実行する
破損したシステムファイルを自動的に修復するツールです。
手順
- 検索バーで「cmd」と入力
- 「コマンドプロンプト」を右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
sfc /scannow
- スキャンが完了するまで待つ(3~5分程度)
- 完了したらパソコンを再起動
対処法6: DISMコマンドを実行する
SFCで修復できなかったファイルを修復できる、より強力なツールです。
手順
- コマンドプロンプトを管理者として実行
- 以下のコマンドを順番に実行
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- 完了後、再度SFCコマンドを実行
- パソコンを再起動
対処法7: CHKDSKでディスクをチェックする
ハードディスクやSSDにエラーがないかチェックして修復します。
手順
- コマンドプロンプトを管理者として実行
- 以下のコマンドを入力(Cは該当するドライブ文字に変更)
chkdsk C: /f /r
- 「次回のシステム再起動時にこのボリュームをチェックしますか?」と表示されたら「Y」を入力
- パソコンを再起動
- 起動時に自動的にディスクチェックが実行される
対処法8: デバイスドライバを更新する
古いドライバが原因の場合、最新版に更新することで解決します。
手順
- 「デバイスマネージャー」を開く
- 問題のあるデバイスを右クリック(黄色い警告マークがついている場合がある)
- 「ドライバーの更新」を選択
- 「ドライバーを自動的に検索」を選択
特に更新すべきドライバ
- ディスプレイアダプター(グラフィックカード)
- ネットワークアダプター
- チップセット
対処法9: Windows Updateを実行する
最新のWindowsアップデートを適用すると、既知のバグが修正されます。
手順(Windows 10)
- 「設定」を開く
- 「更新とセキュリティ」を選択
- 「Windows Update」をクリック
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
- 利用可能な更新があればインストール
手順(Windows 11)
- 「設定」を開く
- 左側の「Windows Update」をクリック
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
対処法10: 一時ファイルとキャッシュをクリアする
不要なファイルがシステムに負荷をかけている場合があります。
ディスククリーンアップの手順
- 検索バーで「ディスククリーンアップ」と入力
- クリーンアップするドライブを選択(通常はCドライブ)
- 「OK」をクリック
- 削除するファイルにチェックを入れる
- 「システムファイルのクリーンアップ」をクリック
- 「OK」をクリックして実行
対処法11: オーバークロック設定を元に戻す
オーバークロックツールを使用している場合は、設定を標準(デフォルト)に戻してください。
BIOS設定の初期化
- パソコンを再起動
- 起動時にDel、F2、F10などのキーを押してBIOSに入る(機種により異なる)
- 「Load Default Settings」または「Load Optimized Defaults」を選択
- 設定を保存して終了
対処法12: ウイルス・マルウェアスキャンを実行する
マルウェアが原因の可能性もあるので、フルスキャンを実行しましょう。
Windows Defenderでスキャン
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」
- 「ウイルスと脅威の防止」をクリック
- 「スキャンのオプション」をクリック
- 「フルスキャン」を選択
- 「今すぐスキャン」をクリック
対処法13: メモリを取り外して再装着する
メモリの接触不良が原因の場合、取り外して再装着することで解決します。
注意: パソコンの内部を開ける作業になるので、自信がない方はメーカーや専門店に依頼してください。
手順
- パソコンの電源を完全に切る
- 電源ケーブルを抜く
- パソコンのケースを開ける
- メモリを取り外す(両端のツメを開いて引き抜く)
- スロットとメモリの接点部分を柔らかい布で軽く拭く
- メモリをしっかりと差し込む(カチッと音がするまで)
- ケースを閉じて電源を入れる
複数のメモリがある場合
1つずつ取り外して起動し、どのメモリが原因か特定できます。
対処法14: システムの復元を実行する
問題が発生する前の状態に戻します。
手順
- 検索バーで「システムの復元」と入力
- 「復元ポイントの作成」を選択
- 「システムの復元」をクリック
- エラーが発生する前の日付の復元ポイントを選択
- 「次へ」→「完了」をクリック
注意: 復元ポイントがない場合は使えません。
対処法15: Windowsのリセット(最終手段)
上記の方法で解決しない場合は、Windowsをリセットします。
手順
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」
- 「このPCを初期状態に戻す」の「開始する」をクリック
- 以下のどちらかを選択
- 個人用ファイルを保持する: アプリと設定は削除されるが、個人ファイルは残る
- すべて削除する: すべてのファイル、アプリ、設定が削除される
重要: リセット前に必ずデータのバックアップを取ってください!
メモリ(RAM)の交換が必要な場合
Windowsメモリ診断やMemTest86でエラーが検出された場合、メモリの交換が必要です。
メモリ交換の流れ
- 現在のメモリ規格を確認
- DDR3、DDR4、DDR5のどれか
- メモリの速度(例: 2666MHz)
- 容量(例: 8GB)
- 互換性のあるメモリを購入
- パソコンのマニュアルで対応メモリを確認
- 家電量販店やオンラインショップで購入
- メモリを交換
- 自分で交換するか、専門店に依頼
- 動作確認
- エラーが出なくなったか確認
やってはいけないこと
NG1: 何度も再起動を繰り返す
電源の入り切りを繰り返すと、HDDやSSDの状態が悪化することがあります。
NG2: 原因を特定せずにOSを再インストール
ハードウェアが原因の場合、OSを再インストールしても解決しません。
NG3: データのバックアップをせずにリセット
データが消えてしまうリスクがあります。必ずバックアップを取りましょう。
NG4: よく分からないまま内部をいじる
パソコンの内部を開ける際は、静電気対策をするなど注意が必要です。自信がない場合は専門家に依頼しましょう。
データ復旧について

ブルースクリーンエラーが頻発すると、データが失われるリスクがあります。
大切なデータがある場合の対処
- すぐに作業を中断する
- これ以上パソコンを使わない
- データ復旧の専門業者に相談する
- 自分で修理を試みると、データが取り出せなくなる可能性がある
- バックアップを定期的に取る習慣をつける
- 外付けHDDやクラウドストレージを活用
よくある質問
Q1: MEMORY_MANAGEMENTエラーはどのくらい深刻ですか?
放置すると、データの消失やシステムの不安定化につながる可能性があります。
早めに対処することをおすすめします。
Q2: エラーが出たらパソコンは壊れているのですか?
いいえ、必ずしも壊れているわけではありません。
ソフトウェアの問題なら修復可能ですし、メモリの交換で解決することもあります。
Q3: 自分で修理できますか?
ソフトウェアの問題であれば、この記事の対処法で解決できる可能性が高いです。
ハードウェアの問題の場合、メモリの交換は比較的簡単ですが、自信がなければ専門店に依頼しましょう。
Q4: 修理にどのくらいの費用がかかりますか?
- メモリ交換: 5,000円~15,000円程度(メモリ代+作業費)
- マザーボード交換: 30,000円~80,000円程度
- 専門店での診断: 3,000円~10,000円程度
Q5: エラーが出たり出なかったりします
不定期に発生する場合、メモリの接触不良や熱暴走が原因かもしれません。
パソコン内部の清掃やメモリの再装着を試してみてください。
Q6: 新しいソフトをインストールしたらエラーが出るようになりました
そのソフトウェアが原因の可能性が高いです。
アンインストールして様子を見てください。
Q7: Windows Updateの後にエラーが出るようになりました
アップデートが原因の場合があります。
「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「更新の履歴を表示」→「更新プログラムをアンインストールする」から最新の更新を削除してみてください。
まとめ: 落ち着いて順番に対処しよう
MEMORY_MANAGEMENTエラーについて詳しく解説してきました。
この記事の重要ポイント
- エラーの正体: メモリ管理の問題によるブルースクリーンエラー
- 主な原因: メモリの故障、ドライバの問題、システムファイルの破損
- 基本的な対処法: 再起動、外付けデバイスの取り外し、セーフモード起動
- 診断ツール: Windowsメモリ診断、SFC、DISM、CHKDSK
- 最終手段: メモリ交換、システムの復元、Windowsのリセット
対処法の推奨順序
- 再起動してみる
- 外付けデバイスを取り外す
- セーフモードで起動
- Windowsメモリ診断を実行
- SFC / DISMコマンドを実行
- ドライバとWindows Updateを更新
- ディスククリーンアップを実行
- メモリの再装着または交換
- システムの復元
- Windowsのリセット
予防策
- 定期的にWindowsとドライバを更新する
- 不要なソフトウェアをインストールしない
- ウイルス対策ソフトを使用する
- パソコン内部を定期的に清掃する
- 重要なデータは定期的にバックアップする
エラーが出ても慌てずに、この記事の対処法を順番に試していけば、多くの場合は解決できます。
ただし、何度試してもエラーが解消されない場合や、大切なデータがある場合は、無理をせずに専門家に相談することをおすすめします。
あなたのパソコンが無事に復旧することを願っています!

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