「Chromeで動画を見ていると、数秒ごとに止まる…」
「YouTubeがカクカクして、まともに見られない…」
「音声は流れるのに、映像だけフリーズする…」
Chromeで動画を再生中にこんな問題が起きて困っていませんか?
実はこれ、とても多くの人が経験している問題で、原因はいくつかあります。でも安心してください。この記事で紹介する解決策を試せば、ほとんどの場合は快適に動画を見られるようになります。
YouTube、ニコニコ動画、Twitter、Facebookなど、あらゆる動画サイトで使える解決方法を、効果の高い順に詳しく解説していきます。
Chromeで動画が止まる主な症状

まず、どんな症状が起きているか確認しましょう。
よくある症状
1. 数秒ごとにカクカク止まる
動画が2〜3秒ごとに一瞬止まる。音声は普通に流れている。
2. フルスクリーンで特に止まる
通常サイズでは問題ないのに、全画面表示にするとカクカクする。
3. 動画が完全にフリーズする
動画が固まって、マウスを動かすと少し動く。
4. 読み込みが遅くてバッファリングが頻繁
動画が止まって、読み込み中のくるくるマークが表示される。
5. 最初だけ止まる
動画の開始直後だけカクカクして、しばらくすると普通に再生される。
影響を受けやすい動画サイト
この問題は特に以下のサイトで報告が多いです:
- YouTube(最も報告が多い)
- ニコニコ動画
- Twitter/X
- Twitch
- プライムビデオ
- Netflix
動画が止まる10の原因
それでは、なぜChromeで動画が止まるのか、主な原因を見ていきましょう。
原因1:ハードウェアアクセラレーションの問題(最多原因!)
これが最も多い原因です。
ハードウェアアクセラレーションとは、動画処理をCPUではなくGPU(グラフィックカード)に任せて、処理を高速化する機能です。
本来は動画をスムーズに再生するための機能ですが、グラフィックドライバとの相性が悪いと、逆に動画がカクカクしたり止まったりします。
特にこんな環境で起こりやすい:
- 古めのグラフィックドライバを使っている
- 複数のモニターを接続している
- 外部ディスプレイを使っている
- MacBookなど、自動でGPUが切り替わるパソコン
原因2:ブラウザのキャッシュ・Cookieが溜まりすぎ
Chromeは使っているうちに、Webサイトのデータ(キャッシュ)を大量に保存していきます。
このキャッシュが溜まりすぎたり、破損していると、動画の読み込みが遅くなったり、正常に再生できなくなります。
原因3:拡張機能の競合
広告ブロッカーやセキュリティ系の拡張機能が、動画再生を妨げることがあります。
問題を起こしやすい拡張機能:
- 広告ブロッカー(Adblock、uBlock Originなど)
- ダウンロード支援ツール
- VPN拡張機能
- セキュリティ・プライバシー系の拡張機能
原因4:メモリ不足
Chromeはメモリをたくさん使うブラウザとして有名です。
大量のタブを開いていたり、他のプログラムを同時に動かしていると、メモリが足りなくなって動画がカクカクします。
原因5:インターネット接続が遅い・不安定
これは当たり前ですが、ネット回線が遅いと動画が止まります。
チェックポイント:
- Wi-Fiの電波が弱い
- 家族の誰かが大容量ファイルをダウンロードしている
- ルーターが古い、または調子が悪い
- 契約している回線速度が遅い
原因6:JavaScriptが無効になっている
YouTubeなど多くの動画サイトは、JavaScriptという技術を使って動画を再生します。
JavaScriptが無効になっていると、動画が再生できません。
原因7:Chromeのバージョンが古い
古いバージョンのChromeは、最新の動画形式に対応していないことがあります。
また、バグがあるバージョンもあります。
原因8:ウイルス対策ソフトの干渉
一部のウイルス対策ソフト(Trend Micro、Aviraなど)が、Chromeの動作を妨げることがあります。
原因9:別のタブのプロセスがCPUを消費
開いている他のタブが、バックグラウンドでCPUを大量に使っていることがあります。
これによって動画再生に必要な処理能力が足りなくなります。
原因10:QUICプロトコルの実験機能
Chromeの実験的な機能「QUIC」が、一部の環境で動画再生を妨げることがあります。
【最優先】効果的な解決策7選
それでは、成功率の高い順に解決策を紹介していきます。
解決策1:ハードウェアアクセラレーションを無効にする
成功率:約70% – 最も効果的な方法です!
動画が止まる原因の多くは、これで解決します。
完全に無効にする方法
手順:
- Chromeを開く
- 右上の「︙」(3点リーダー)をクリック
- 「設定」を選択
- 左メニューから「システム」をクリック
- 「ハードウェアアクセラレーションが使用可能な場合は使用する」をオフにする
- 「再起動」をクリック
これだけです!
動画デコードだけ無効にする方法(推奨)
全体を無効にすると、Webページ全体の表示速度が落ちる可能性があります。動画デコードだけ無効にする方が良い場合もあります。
手順:
- Chromeのアドレスバーに「chrome://flags/」と入力してEnter
- 検索ボックスに「Hardware-accelerated video decode」と入力
- 「Hardware-accelerated video decode」または「ハードウェア アクセラレーションによる動画デコード」を見つける
- プルダウンメニューから「Disabled」を選択
- 「Relaunch」をクリックしてChromeを再起動
これで動画デコードのみハードウェアアクセラレーションが無効になります。
解決策2:キャッシュとCookieを削除する
成功率:約50%
溜まったデータを削除すると、動画が再びスムーズに再生されることがあります。
手順
- Chromeを開く
- Ctrl + Shift + Delete(Mac:Command + Shift + Delete)を同時に押す
- または右上の「︙」→「その他のツール」→「閲覧履歴を消去」
- 期間を「全期間」に設定
- 以下にチェックを入れる:
- 閲覧履歴
- Cookieと他のサイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
- 「データを削除」をクリック
- Chromeを再起動
解決策3:シークレットモードで試す
診断に役立つ方法
まずはシークレットモードで動画が正常に再生されるか確認しましょう。
手順
- Ctrl + Shift + N(Mac:Command + Shift + N)を押す
- シークレットウィンドウで動画サイトを開く
- 動画を再生してみる
シークレットモードで正常に再生される場合:
拡張機能かキャッシュが原因です。次の解決策4へ進んでください。
シークレットモードでも止まる場合:
拡張機能以外が原因です。解決策5以降を試してください。
解決策4:拡張機能を無効にする
成功率:約40%
拡張機能が原因の場合に有効です。
すべて無効にする方法
- アドレスバーに「chrome://extensions/」と入力してEnter
- すべての拡張機能をオフにする
- 動画サイトを開いて再生してみる
動画が正常に再生される場合:
どれかの拡張機能が原因です。1つずつオンにして、どれが原因か特定しましょう。
問題のある拡張機能を特定する方法
- 拡張機能を1つだけオンにする
- 動画を再生してみる
- 止まらなければ、次の拡張機能もオンにする
- 止まったら、最後にオンにした拡張機能が犯人
犯人が見つかったら、その拡張機能を削除するか、別のものに変更しましょう。
解決策5:メモリを空ける
成功率:約30%
メモリ不足が原因の場合に有効です。
手順
1. 不要なタブを閉じる
動画を見るタブ以外は、できるだけ閉じましょう。
2. 他のプログラムを終了する
- Windowsの場合:Ctrl + Shift + Escでタスクマネージャーを開く
- Macの場合:アクティビティモニタを開く
- メモリを大量に使っているプログラムを終了
3. Chromeのタスクマネージャーで確認
- Shiftキーを押しながらEscを押す(Chromeのタスクマネージャーが開く)
- メモリを大量に使っているタブやプロセスを探す
- 選択して「プロセスを終了」をクリック
解決策6:インターネット接続を改善する
ネット速度をテストする
- 「fast.com」または「speedtest.net」にアクセス
- 速度を測定
必要な速度の目安:
- 標準画質(480p):3 Mbps以上
- HD画質(720p):5 Mbps以上
- フルHD(1080p):8 Mbps以上
- 4K:25 Mbps以上
改善方法
1. ルーターを再起動
- ルーターのコンセントを抜く
- 1〜2分待つ
- コンセントを挿し直す
- ランプが全部点灯するまで待つ(2〜5分)
2. 有線接続に変更
可能であれば、LANケーブルでパソコンとルーターを接続しましょう。Wi-Fiより安定します。
3. ルーターに近づく
Wi-Fiの場合、ルーターから離れすぎていると電波が弱くなります。
4. 他のデバイスの使用を制限
家族が同時に動画を見たり、大容量ファイルをダウンロードしていると、帯域が足りなくなります。
解決策7:動画の画質を下げる
成功率:ほぼ100%(ただし妥協が必要)
根本的な解決ではありませんが、確実に動画が止まらなくなります。
YouTubeの場合
- 動画再生中に、右下の歯車アイコンをクリック
- 「画質」を選択
- 低い解像度を選ぶ(例:1080p → 480p)
画質の目安:
- 1080p、720p:高画質だが重い
- 480p、360p:標準画質、軽い
- 240p、144p:低画質だがとても軽い
その他の解決策

上記で解決しない場合は、以下も試してみてください。
JavaScriptが有効か確認
- アドレスバーに「chrome://settings/content/javascript」と入力
- 「サイトが JavaScript を使用できるようにする」がオンになっているか確認
- オフになっていたらオンにする
Chromeを最新版に更新
- 右上の「︙」→「ヘルプ」→「Google Chromeについて」
- 自動で最新版がチェックされる
- 更新があれば「再起動」をクリック
QUICプロトコルを無効にする
- アドレスバーに「chrome://flags/」と入力
- 検索ボックスに「QUIC」と入力
- 「Experimental QUIC protocol」を見つける
- プルダウンから「Disabled」を選択
- Chromeを再起動
Chromeをリセットする
注意:これを実行すると、設定が初期化されます。
- 右上の「︙」→「設定」
- 左メニューの「リセットとクリーンアップ」
- 「設定を元の既定値に戻す」をクリック
- 「設定のリセット」で確定
ウイルス対策ソフトを一時的に無効にする
一部のウイルス対策ソフトが原因の場合があります。
- ウイルス対策ソフトを一時的に無効にする
- 動画が正常に再生されるか確認
- 正常になった場合、ウイルス対策ソフトの設定でChromeを除外リストに追加
グラフィックドライバを更新
Windows:
- デバイスマネージャーを開く
- 「ディスプレイ アダプター」を展開
- グラフィックカードを右クリック→「ドライバーの更新」
Mac:
システムアップデートで自動的に更新されます。
スマホ(Android/iPhone)で動画が止まる場合
スマホでも同じような問題が起こることがあります。
Androidの場合
1. Chromeアプリを更新
Google Play StoreでChromeを最新版に更新
2. キャッシュを削除
- 設定→アプリ→Chrome
- 「ストレージ」→「キャッシュを削除」
3. Chromeアプリを再インストール
アプリをアンインストールして、再インストール
iPhoneの場合
1. Chromeアプリを更新
App StoreでChromeを最新版に更新
2. アプリを再起動
- アプリを完全に終了
- もう一度開く
3. iPhoneを再起動
一度電源を切って、入れ直す
よくある質問
Q1: ハードウェアアクセラレーションを無効にすると、他に影響はありますか?
A: Webページの表示や、CSSアニメーションなどの処理が少し遅くなる可能性があります。ただし、多くの場合は気にならない程度です。動画がスムーズに再生できるメリットの方が大きいでしょう。
Q2: 特定の動画サイトだけ止まります
A: その場合は、サイト側の問題の可能性があります。以下を確認してください:
- 他のブラウザ(EdgeやFirefox)で試す
- 他のユーザーも同じ問題を報告しているか検索
- サイトの公式Twitter等で障害情報を確認
Q3: 全画面表示の時だけカクカクします
A: ハードウェアアクセラレーションの問題の可能性が高いです。解決策1を試してください。また、複数のモニターを使っている場合、モニターの接続を変えてみると改善することもあります。
Q4: 音声は流れるのに映像だけ止まります
A: これは典型的なハードウェアアクセラレーションの問題です。解決策1で、ハードウェアアクセラレーションを無効にしてください。
Q5: Edgeでは問題ないのに、Chromeだけ止まります
A: ChromeとEdgeは同じChromiumベースですが、細かい設定が異なります。Chrome固有の問題なので、この記事の解決策を順番に試してください。特に解決策1が効果的です。
Q6: 広告ブロッカーが原因の場合、どうすればいいですか?
A: 以下の選択肢があります:
- 広告ブロッカーを別のものに変更(uBlock Originは比較的軽量)
- 動画サイトを広告ブロッカーのホワイトリストに追加
- 動画を見る時だけ一時的に無効にする
Q7: どの解決策を試しても直りません
A: 以下を試してください:
- Chromeを完全にアンインストールして再インストール
- 別のブラウザ(Firefox、Edge、Operaなど)を使う
- パソコン自体を再起動
- Windows Updateを実行
- それでもダメなら、パソコンのスペック不足の可能性もあります
トラブルシューティングのチェックリスト
どうしても解決しない場合は、以下を順番に確認してください。
ステップ1:基本確認
- [ ] Chromeを再起動した
- [ ] パソコンを再起動した
- [ ] Chromeが最新版か確認した
- [ ] 動画サイト以外のページは正常に動く
ステップ2:簡単な対処
- [ ] シークレットモードで試した
- [ ] 不要なタブを閉じた
- [ ] 他のプログラムを終了した
- [ ] 動画の画質を下げた
ステップ3:設定変更
- [ ] ハードウェアアクセラレーションを無効にした
- [ ] キャッシュとCookieを削除した
- [ ] 拡張機能をすべて無効にした
ステップ4:ネット環境
- [ ] ネット速度をテストした
- [ ] ルーターを再起動した
- [ ] 可能なら有線接続にした
ステップ5:最終手段
- [ ] JavaScriptが有効か確認した
- [ ] QUICプロトコルを無効にした
- [ ] Chromeをリセットした
- [ ] グラフィックドライバを更新した
- [ ] ウイルス対策ソフトを無効にして試した
ステップ6:諦める前に
- [ ] 別のブラウザで試した
- [ ] 別のデバイスで試した
- [ ] Chromeを再インストールした
まとめ
Chromeで動画が止まる・カクカクする問題は、多くの場合、ハードウェアアクセラレーションやキャッシュ、拡張機能が原因です。
最も効果的な解決策トップ3:
- ハードウェアアクセラレーションを無効にする(成功率70%)
- キャッシュとCookieを削除する(成功率50%)
- 拡張機能を無効にする(成功率40%)
トラブルシューティングの基本:
- まずシークレットモードで試す
- 原因を絞り込む
- 簡単な方法から順番に試す
- 各方法を試した後、必ず動画再生を確認
覚えておくべきポイント:
- ハードウェアアクセラレーションは便利だが、問題を起こすことも多い
- キャッシュは定期的に削除した方が良い
- 拡張機能は必要最小限に
- ネット速度は動画視聴に直結する
この記事の方法を試せば、ほとんどの場合は快適に動画を見られるようになります。ぜひ順番に試してみてくださいね!

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