「Chromebookの動きが遅い…」
「タブを開くたびにカクカクする」
「アプリがよくクラッシュする」
こんな症状に悩まされていませんか?その原因、メモリ不足かもしれません。
でも安心してください。ChromeOSには、メモリを効果的に解放する方法がいくつもあります。この記事では、今すぐ実践できる即効性のある方法から、長期的な対策まで、メモリ解放のテクニックを徹底的に解説していきます。
なぜメモリを解放する必要があるの?

まず、なぜメモリ解放が重要なのか、簡単に理解しておきましょう。
メモリ不足が引き起こす問題
メモリが不足すると、以下のような症状が現れます。
- Chromebookの動作が全体的に遅くなる
- タブの切り替えに時間がかかる
- アプリやタブが突然クラッシュする
- 「ページが応答しません」というメッセージが頻繁に出る
- 新しいタブやアプリが開けなくなる
- スワップが発生して更に遅くなる
スワップとは?
メモリが足りなくなると、ChromeOSは「スワップ」という仕組みを使います。これは、内蔵ストレージの一部を仮想的なメモリとして使う技術です。
ただし、ストレージはメモリよりもはるかに遅いため、スワップが頻繁に発生すると、動作が極端に遅くなってしまいます。
4GBと8GBの違い
Chromebookに搭載されているメモリ容量によって、必要な対策の深刻度が変わります。
4GBメモリの場合
- 基本的なウェブ閲覧なら問題なし
- ただし、10個以上のタブやAndroidアプリを使うと厳しい
- こまめなメモリ管理が必須
8GB以上の場合
- ほとんどの作業で余裕あり
- ただし、大量のタブや重いアプリを使えば不足する可能性も
- 定期的なメンテナンスで快適さを維持
【即効性あり】今すぐできるメモリ解放方法
まずは、今すぐ実践できて効果が高い方法から紹介します。
方法1:タスクマネージャーでメモリを食っているプロセスを終了する
最も基本的で即効性がある方法が、タスクマネージャーを使った方法です。
タスクマネージャーの開き方
方法A:キーボードショートカット(最速)
「検索キー + Esc」を同時に押す
方法B:メニューから開く
- Chromeブラウザを開く
- 右上の「︙」をクリック
- 「その他のツール」→「タスク マネージャー」を選択
メモリを多く使っているプロセスを見つける
- タスクマネージャーが開いたら、「メモリ」の列見出しをクリック
- メモリ使用量の多い順に並び替えられる
- 不要なタブやプロセスを見つける
プロセスを終了してメモリを解放
- 終了したいプロセスをクリックして選択
- 右下の「プロセスを終了」ボタンをクリック
- 即座にメモリが解放される
注意点:
- 作業中のタブを終了すると、保存していないデータが消える可能性があります
- システムに重要なプロセスは終了しないよう注意
どのプロセスを終了すべき?
優先的に終了を検討すべきプロセス:
- 使っていないタブ(特に動画サイトやSNS)
- バックグラウンドで動いている不要なアプリ
- 使っていない拡張機能
- 「ARC : system」関連のプロセス(Androidアプリを使わない場合)
方法2:不要なタブをまとめて閉じる
開きっぱなしのタブは、メモリの大食いです。特にChromeブラウザは、1つのタブにつき1つのプロセスを使うため、タブが多いほどメモリ消費が増えます。
効率的なタブの閉じ方
一つずつ閉じる
- タブの「×」をクリック
- または「Ctrl + W」で現在のタブを閉じる
右側のタブをまとめて閉じる
- タブを右クリック
- 「右側のタブを閉じる」を選択
他のタブをすべて閉じる
- 残したいタブを右クリック
- 「他のタブを閉じる」を選択
タブの数の目安
- 4GBメモリ – 5〜7タブ程度
- 8GBメモリ – 10〜15タブ程度
- 16GBメモリ – 20タブ以上でも大丈夫
これはあくまで目安で、開いているサイトの種類によって変わります。
方法3:ウィンドウをまとめて閉じる
複数のChromeウィンドウを開いている場合、不要なウィンドウごと閉じるのが効果的です。
- 閉じたいウィンドウをアクティブにする
- 「Alt + F4」キーを押す
- または、右上の「×」をクリック
方法4:Androidアプリを終了する
Androidアプリは、Chromeのタブよりもメモリを多く消費する傾向があります。
アプリを終了する方法
- タスクマネージャーを開く(検索キー + Esc)
- Androidアプリのプロセスを探す
- 選択して「プロセスを終了」をクリック
または、アプリを普通に閉じるだけでも効果があります。
Androidアプリのメモリ消費の実態
- 「ARC : system」プロセスだけで約265MB使用
- 各アプリがさらに数十〜数百MB使用
- 合計で500MB〜1GB以上消費することも
【自動化】メモリセーバー機能を活用する
手動でのメモリ解放が面倒な方には、Chromeの「メモリセーバー」機能がおすすめです。
メモリセーバーとは?
メモリセーバーは、使っていないタブを自動的に休止状態にして、メモリを解放する機能です。Chromeの比較的新しいバージョンに搭載されています。
メモリセーバーの効果
- 最大30%のメモリ削減効果
- バックグラウンドのタブが自動的に休止
- 必要な時にタブをクリックすれば即座に復活
メモリセーバーの設定方法
- Chromeブラウザを開く
- 右上の「︙」をクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューから「パフォーマンス」を選択
- 「メモリセーバー」のトグルスイッチをオンにする
- Chromeを再起動する
特定のサイトを除外する方法
重要なサイトや常に更新をチェックしたいサイトは、メモリセーバーから除外できます。
- パフォーマンス設定の「メモリセーバー」セクションを開く
- 「常にアクティブにするサイト」の「追加」ボタンをクリック
- 現在開いているタブの一覧から選択、または手動でURLを入力
- 「追加」をクリック
除外すべきサイトの例
- オンラインビデオ会議ツール(Zoom、Google Meetなど)
- 音楽ストリーミングサービス
- クラウドストレージの同期中のページ
- 編集中のドキュメントやスプレッドシート
- リアルタイム通知が必要なサイト
メモリセーバーのメリット・デメリット
メリット
- 自動でメモリを管理してくれる
- 設定は一度だけでOK
- タブを開きすぎても快適に動作
デメリット
- 休止中のタブを開くと再読み込みが必要
- 更新や通知を見逃す可能性
- インターネット接続が必要
【拡張機能】メモリ管理を助けるツール

Chrome拡張機能を使うことで、さらに効率的にメモリを管理できます。
OneTab – タブをリストに変換してメモリを大幅削減
特徴
- 開いているすべてのタブを1つのリストに変換
- 最大95%のメモリを節約(開発元の主張)
- ワンクリックですべてのタブを復元可能
- 200万人以上のユーザーが利用
使い方
- Chrome ウェブストアから「OneTab」をインストール
- ツールバーのOneTabアイコンをクリック
- すべてのタブがリストに変換され、メモリが解放される
- タブを復元したい時は、リストから選択
こんな人におすすめ
- 大量のタブを開いて調べ物をする人
- 後で読むタブが山積みになっている人
- メモリが4GBしかない人
The Great Suspender – タブを自動で休止
特徴
- 一定時間使われていないタブを自動的に休止
- 休止までの時間は自分で設定可能(デフォルトは1時間)
- 休止したタブをクリックすると即座に復活
- 個別のサイトを除外可能
使い方
- Chrome ウェブストアからインストール
- 設定で休止までの時間を調整
- あとは自動で動作
こんな人におすすめ
- タブを開きっぱなしにする習慣がある人
- たまにしか見ないタブを開いたままにしている人
- 自動化が好きな人
Tab Wrangler – 自動クローズ&保存
特徴
- 一定時間使っていないタブを自動的に閉じる
- 閉じたタブは自動的にリストに保存される
- OneTabとThe Great Suspenderの良いとこ取り
こんな人におすすめ
- タブ管理を完全に自動化したい人
- 開きっぱなしのタブが増えがちな人
注意:拡張機能の使いすぎに注意
拡張機能自体もメモリを消費します。本当に必要なものだけをインストールし、使っていない拡張機能は削除しましょう。
【根本対策】メモリを食わない使い方
その場しのぎではなく、根本的にメモリ消費を抑える使い方を身につけましょう。
対策1:不要なChrome拡張機能を削除する
拡張機能は、使っていなくてもバックグラウンドで動作し、メモリを消費しています。
拡張機能の確認と削除
- chrome://extensions/ にアクセス
- インストールされている拡張機能の一覧を確認
- 使っていないものを「削除」
- たまにしか使わないものは「無効化」
どれを削除すべき?
- インストールしたことを忘れていた拡張機能
- 似た機能を持つ拡張機能が複数ある場合
- 最終更新日が古すぎる拡張機能(セキュリティリスクもあり)
- 開発元が不明な拡張機能
対策2:Androidアプリを無効化する
Androidアプリを全く使わない場合、Google Playストア自体を無効化することで、大幅にメモリを節約できます。
Google Playストアを無効化する手順
- 設定アプリを開く
- 検索バーに「Google Play ストア」と入力
- Google Play ストアの設定を開く
- 「削除」をクリック
- 確認画面で「Androidアプリを削除」をクリック
効果
- 「ARC : system」プロセス(約265MB)が消える
- 合計で300〜500MBのメモリが解放される
- 4GBメモリのChromebookでは特に効果大
注意点
- すべてのAndroidアプリが使えなくなる
- 再度有効化すれば元に戻せる
- ウェブアプリで代替できる場合が多い
対策3:Linux仮想マシンを停止する
Linux環境(ベータ版)を有効にしている場合、バックグラウンドで常に動作しています。使っていない時は停止しましょう。
Linux仮想マシンを停止する方法
- タスクマネージャーを開く(検索キー + Esc)
- 「Linux仮想マシン」セクションを見つける
- 各プロセスを選択して「プロセスを終了」をクリック
効果
- 数百MBのメモリが解放される
- Linuxアプリが使えなくなる(再起動後は元に戻る)
注意点
- Linuxアプリを起動すると自動的に再起動される
- 完全に無効化したい場合は、設定からLinux環境を削除
対策4:キャッシュとCookieを定期的にクリアする
溜まったキャッシュも、間接的にメモリ消費に影響します。
キャッシュをクリアする手順
- Chromeの設定を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「閲覧履歴データの削除」をクリック
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 期間を選択(「全期間」推奨)
- 「データを削除」をクリック
定期的にクリアすべき理由
- ブラウザの動作が軽くなる
- ストレージの空き容量も増える
- プライバシー保護にもなる
目安:月に1回程度クリアすると良い
対策5:ハードウェアアクセラレーションを調整する
ハードウェアアクセラレーションは、GPUを使って処理を高速化する機能ですが、環境によってはメモリ負荷を増やす原因になることがあります。
無効化する方法
- Chromeの設定を開く
- 「システム」セクションを開く
- 「ハードウェア アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」をオフにする
- Chromeを再起動
注意:
ハードウェアアクセラレーションは通常はパフォーマンス向上に貢献しています。無効化すると逆に遅くなる可能性もあるため、動作が不安定な場合のみ試してみてください。
【定期メンテナンス】快適な状態を維持する方法
メモリ不足を根本的に防ぐには、定期的なメンテナンスが重要です。
メンテナンス1:週に1回は再起動する
Chromebookを長時間使い続けると、メモリの断片化が進みます。
再起動の効果
- メモリがリフレッシュされる
- バックグラウンドプロセスがクリアされる
- システムアップデートが適用される
再起動の方法
- 画面右下の時刻をクリック
- 電源アイコンをクリック
- 「再起動」を選択
目安:週に1回、最低でも月に2回は再起動しましょう
メンテナンス2:月に1回はシステムの見直し
月に1回程度、以下をチェックしましょう。
- 不要な拡張機能が増えていないか
- ダウンロードフォルダに不要なファイルが溜まっていないか
- ChromeOSのアップデートがないか
- タスクマネージャーで常に重いプロセスがないか
メンテナンス3:ChromeOSを最新版に保つ
ChromeOSのアップデートには、メモリ管理の改善が含まれていることがあります。
アップデートの確認方法
- 設定アプリを開く
- 「ChromeOSについて」を選択
- 「アップデートを確認」をクリック
メモリ解放しても改善しない場合
すべての方法を試してもChromebookが重い場合、以下の可能性があります。
原因1:メモリの物理的な故障
診断アプリでメモリテストを実行してみましょう。
- 設定から「診断」を開く
- 「メモリ」セクションで「テストを実行」をクリック
- テストに失敗した場合は、メーカーサポートに連絡
原因2:CPUの問題
メモリではなく、CPUがボトルネックになっている可能性もあります。
タスクマネージャーで「CPU」の列を確認し、常に100%近くになっている場合はCPUの問題です。
原因3:ストレージの不足
内蔵ストレージがほとんど満杯だと、スワップ領域も不足し、動作が重くなります。
ファイルアプリでストレージの空き容量を確認し、不要なファイルを削除しましょう。
最終手段:Powerwash(初期化)
どうしても改善しない場合は、Powerwashを検討しましょう。
注意:すべてのローカルデータが削除されるため、必ずバックアップを取ってください。
Powerwashの方法は別記事で詳しく解説していますので、そちらを参照してください。
よくある質問
Q: メモリを解放すると、作業中のデータは消えますか?
A: タスクマネージャーでタブやアプリのプロセスを終了すると、保存していないデータは失われます。必ず事前に保存してから終了してください。メモリセーバーの場合は、データは保持されます。
Q: メモリセーバーを使うと、タブが勝手に閉じますか?
A: いいえ、メモリセーバーはタブを休止状態にするだけで、閉じません。タブはそのまま残り、クリックすれば即座に復活します。
Q: 拡張機能を使わずにメモリを節約する方法はありますか?
A: はい、メモリセーバー機能を有効にする、不要なタブをこまめに閉じる、Androidアプリを無効化する、といった方法で十分効果があります。
Q: 4GBメモリでは足りませんか?
A: 基本的なウェブ閲覧やドキュメント作成なら4GBで十分です。ただし、大量のタブやAndroidアプリ、動画編集などを行う場合は8GB以上がおすすめです。
Q: メモリ使用率が常に90%以上ですが大丈夫ですか?
A: ChromeOSは効率的にメモリを管理するため、使用率が高くても問題ない場合もあります。ただし、動作が重い、頻繁にクラッシュするなどの症状があれば、対策が必要です。
Q: タスクマネージャーで見ると、Chromeのプロセスがたくさんありますが正常ですか?
A: はい、正常です。Chromeは各タブや拡張機能に個別のプロセスを割り当てる設計になっています。これにより、1つのタブがクラッシュしても他のタブに影響しません。
まとめ
ChromeOSのメモリを効果的に解放する方法をまとめます。
今すぐできる即効性のある方法
- タスクマネージャーで重いプロセスを終了
- 不要なタブを閉じる
- Androidアプリを終了する
自動化して楽にする方法
- メモリセーバー機能を有効化
- OneTabやThe Great Suspenderなどの拡張機能を使う
根本的な対策
- 不要な拡張機能を削除
- Androidアプリを無効化(使わない場合)
- Linux仮想マシンを停止(使わない場合)
- キャッシュを定期的にクリア
定期メンテナンス
- 週に1回は再起動
- 月に1回はシステムの見直し
- ChromeOSを最新版に保つ
メモリ容量別の推奨対策
- 4GBメモリ – すべての対策を積極的に実施、こまめな管理が必須
- 8GBメモリ – メモリセーバーと基本的な対策でOK
- 16GB以上 – 定期メンテナンス程度で十分
メモリ不足は、Chromebookの動作を重くする主要な原因の一つですが、適切な対策を行えば快適に使い続けることができます。
まずは即効性のある方法から試して、徐々に習慣化していきましょう。あなたのChromebookが軽快に動作することを願っています!


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