「自分のChromebookってメモリ何GB搭載されているんだろう?」
「今どれくらいメモリを使っているのか知りたい」
「Chromebookが重いのはメモリ不足が原因かも…」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
ChromeOSには、Windowsのように設定画面で簡単にメモリ容量を確認できる場所がありません。そのため、多くの人が「どうやって調べればいいの?」と困っているんです。
この記事では、ChromeOSで搭載メモリ容量や使用状況を確認する5つの方法を、分かりやすく解説していきます。
メモリ(RAM)って何?なぜ重要なの?

まず、メモリについて簡単に説明しておきましょう。
メモリ(RAM)とは?
RAMは「Random Access Memory(ランダムアクセスメモリ)」の略で、Chromebookが作業するための一時的な記憶領域のことです。
よく例えられるのが「作業机」です。作業机が広ければ広いほど、たくさんの書類や道具を同時に広げて作業できますよね。メモリも同じで、容量が大きいほど、多くのアプリやタブを同時に快適に使えます。
メモリの特徴
- 電源を切ると中身が消える(揮発性メモリ)
- 処理速度が非常に速い
- 容量が大きいほど、マルチタスクが快適になる
- Chromebookでは増設できない機種がほとんど
Chromebookのメモリ容量の目安
- 4GB – 基本的なウェブ閲覧やドキュメント作成なら十分
- 8GB – 複数のタブやアプリを同時に使う人におすすめ
- 16GB以上 – ビデオ編集や重いAndroidアプリを使う人向け
【方法1】chrome://systemで詳細情報を確認する
最も基本的な方法が、ChromeOSに標準搭載されている「chrome://system」ページを使う方法です。追加のアプリをインストールする必要がないので、すぐに確認できます。
確認手順
ステップ1:システムページを開く
- Chromeブラウザを開く
- アドレスバーに「chrome://system」と入力
- Enterキーを押す
ステップ2:メモリ情報を探す
画面にはたくさんの情報が表示されますが、メモリ情報を探すのは簡単です。
- 「Ctrl + F」キーを押して検索窓を開く
- 「mem」と入力して検索
- 「meminfo」という項目を見つける
- 「Expand」ボタンをクリックして展開
ステップ3:メモリ容量を確認する
展開すると、たくさんの情報が表示されますが、注目すべきは最初の2行です。
- MemTotal – 搭載されている総メモリ容量
- MemAvailable – 現在使用可能な空きメモリ容量
数値は「KB(キロバイト)」で表示されています。
KBからGBへの換算方法
表示されている数値の最初の数字の後ろに小数点を入れると、おおよそのGB数が分かります。
例:
- 3,938,392 KB → 約3.9 GB
- 7,876,784 KB → 約7.8 GB
- 15,753,568 KB → 約15.7 GB
正確な計算式は「KB ÷ 1,024 ÷ 1,024 = GB」ですが、上記の簡易的な方法でも十分です。
この方法のメリット・デメリット
メリット
- アプリのインストールが不要
- ChromeOSの標準機能なので信頼性が高い
- CPU、ストレージ、ネットワークなど他の情報も確認できる
デメリット
- 見た目が技術的で分かりにくい
- 単位がKBで表示されるため換算が必要
- リアルタイムの使用状況はやや見づらい
【方法2】診断アプリで視覚的に確認する
ChromeOS バージョン90以降では、「診断」という便利なアプリが標準搭載されています。グラフィカルな画面で、とても分かりやすくメモリ情報を確認できます。
確認手順
方法A:設定から開く
- 画面右下の時刻をクリック
- 設定アイコン(歯車マーク)をクリック
- 左側のメニューから「ChromeOSについて」を選択
- 「診断」をクリック
方法B:検索から開く
- キーボードの検索キー(虫眼鏡マーク)を押す
- 「診断」と入力
- 表示された「診断」アプリをクリック
表示される情報
診断アプリを開くと、3つのセクションが表示されます。
1. バッテリー
- 充電状態
- バッテリーの健康状態
- サイクル数
- 電流情報
2. CPU
- CPU ID
- 各コアの使用率グラフ
- 現在の使用率
- 温度
- 動作速度
3. メモリ
- 使用中のメモリ容量
- 利用可能なメモリ容量
メモリセクションでは、「○○ GB使用中 / ○○ GB利用可能」という形式で、非常に分かりやすく表示されます。
メモリテストを実行する
診断アプリでは、メモリが正常に動作しているかテストすることもできます。
- メモリセクションの「テストを実行」ボタンをクリック
- テストが自動的に実行される
- 結果が表示される
テストに失敗した場合は、メモリに物理的な問題がある可能性があるため、メーカーのサポートに連絡しましょう。
この方法のメリット・デメリット
メリット
- 画面が分かりやすい
- GB単位で表示されるため換算不要
- メモリテストも実行できる
- バッテリーやCPUの情報も一緒に確認できる
デメリット
- ChromeOS 90以降でしか使えない
- どのプロセスがメモリを消費しているかは分からない
【方法3】タスクマネージャーでプロセスごとの使用量を確認する
「どのタブやアプリがメモリを食っているのか知りたい!」という場合は、タスクマネージャーが便利です。
タスクマネージャーの開き方
方法A:キーボードショートカット(最速)
「検索キー + Esc」を同時に押す
方法B:メニューから開く
- Chromeブラウザを開く
- 右上の「︙」(3つの点)をクリック
- 「その他のツール」を選択
- 「タスク マネージャー」をクリック
表示される情報
タスクマネージャーには、以下の列が表示されます。
- タスク – プロセスやタブの名前
- メモリ – 各プロセスが使用しているメモリ容量
- CPU – CPU使用率
- ネットワーク – ネットワーク使用量
- プロセスID – プロセスの識別番号
メモリを多く使っているプロセスを見つける
- 「メモリ」の列見出しをクリック
- メモリ使用量の多い順に並び替えられる
- どのタブやアプリがメモリを消費しているか一目で分かる
プロセスを終了する方法
メモリを大量に消費しているタブやアプリを見つけたら、終了することができます。
- 終了したいプロセスをクリックして選択
- 右下の「プロセスを終了」ボタンをクリック
注意:システムに重要なプロセスは終了しないように気をつけましょう。
この方法のメリット・デメリット
メリット
- どのプロセスがメモリを消費しているか詳細に分かる
- 重いプロセスをその場で終了できる
- リアルタイムで使用状況を監視できる
デメリット
- 総メモリ容量は表示されない
- 全体の使用率(何%使用中か)が分かりにくい
【方法4】Cogアプリで一目で確認する
Cogは、システム情報を見やすく表示してくれるChrome拡張機能です。初心者にもおすすめの方法です。
Cogのインストール手順
- Chrome ウェブストアを開く
- 検索バーに「Cog」と入力
- 「Cog – System Info Viewer」を見つける
- 「Chromeに追加」ボタンをクリック
- 確認画面で「拡張機能を追加」をクリック
Cogの使い方
- アプリドロワー(ランチャー)を開く
- Cogアプリをクリック
- 緑色のウィンドウが表示される
表示される情報
Cogでは、以下の情報が一つの画面にまとめて表示されます。
- Chrome OS バージョン
- CPU情報(名前、アーキテクチャ)
- CPU使用率(リアルタイム)
- メモリ情報
- 総メモリ容量(GB単位)
- 使用中のメモリ
- 空きメモリ
- ネットワーク情報
- バッテリー情報
- ディスプレイ情報
- 温度情報(華氏表示)
温度は華氏(°F)で表示されます。摂氏に換算するには「(°F – 32) × 5/9」の計算式を使いますが、120°F = 約48℃と覚えておけば大丈夫です。
この方法のメリット・デメリット
メリット
- 画面がとても見やすい
- GB単位で表示される
- 全情報が一画面に収まっている
- リアルタイムで更新される
デメリット
- 拡張機能のインストールが必要
- プロセスごとの詳細は分からない
【方法5】croshコマンドで詳細に確認する(上級者向け)

crosh(Chrome Shell)は、ChromeOSのコマンドラインツールです。やや上級者向けですが、正確な情報を確認できます。
croshの開き方
- 「Ctrl + Alt + T」キーを同時に押す
- 黒い画面(ターミナル)が開く
メモリ情報を確認するコマンド
freeコマンドを使う
croshウィンドウに以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
free
すると、以下のような情報が表示されます。
total used free shared buff/cache available
Mem: 7876784 3456789 2345678 123456 2074317 4123456
Swap: 8388608 123456 8265152
表示される項目の意味
- total – 総メモリ容量
- used – 使用中のメモリ
- free – 完全に未使用のメモリ
- available – 実際に利用可能なメモリ(最も重要)
- Swap – スワップ領域(仮想メモリ)
より詳細な情報を見るには
以下のコマンドで、MB(メガバイト)単位で見やすく表示できます。
free -m
メモリテストを実行する
croshでは、メモリテストも実行できます。
memory_test
このコマンドでメモリの健全性をチェックできます。
croshを終了する方法
exit
と入力してEnterキーを押すか、ウィンドウを閉じればOKです。
この方法のメリット・デメリット
メリット
- 非常に正確な情報が得られる
- 追加アプリのインストール不要
- スワップ領域の使用状況も確認できる
- メモリテストも実行できる
デメリット
- コマンド入力が必要で初心者には難しい
- 画面が見づらい
- 数値の単位がKBなので換算が必要
どの方法を使えばいい?目的別おすすめ
それぞれの方法には特徴があるので、目的に応じて使い分けましょう。
単純にメモリ容量を知りたい
おすすめ:診断アプリ
理由:一番見やすく、GB単位で表示される。初心者でも迷わない。
どのタブがメモリを食っているか知りたい
おすすめ:タスクマネージャー
理由:プロセスごとの使用量が一目で分かり、その場で終了もできる。
リアルタイムで使用状況を監視したい
おすすめ:Cogアプリ
理由:常に最新の情報が表示され、画面も見やすい。
正確な数値が必要(技術者・開発者)
おすすめ:chrome://systemまたはcrosh
理由:最も詳細で正確な情報が得られる。
メモリ使用量を最適化する方法
メモリ不足に悩んでいる場合は、以下の方法を試してみましょう。
1. 不要なタブを閉じる
Chromeブラウザは、開いているタブ一つ一つがメモリを消費します。使っていないタブは定期的に閉じましょう。
目安:
- 通常の作業なら10タブ以内
- メモリ4GBのChromebookなら、できれば5〜7タブ程度
2. タブを一時的に停止させる
Chromeには、使っていないタブを自動的に停止する機能があります。
設定方法:
- Chromeの設定を開く
- 「パフォーマンス」セクションを探す
- 「メモリセーバー」をオンにする
これにより、使用していないタブが自動的に停止され、メモリが節約されます。
3. 重いChrome拡張機能を無効化する
拡張機能もメモリを消費します。使っていない拡張機能は無効化しましょう。
確認方法:
- chrome://extensions/ にアクセス
- 各拡張機能のトグルスイッチをオフにする
4. Androidアプリを使いすぎない
AndroidアプリはChromeのタブよりもメモリを多く消費する傾向があります。
特に「ARC : system」というプロセスだけで約265MBものメモリを使うため、必要最小限の使用にとどめましょう。
5. キャッシュとCookieをクリアする
定期的にブラウザのキャッシュをクリアすることで、メモリ使用量を減らせます。
クリア方法:
- Chromeの設定を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「閲覧履歴データの削除」をクリック
- 「キャッシュされた画像とファイル」をチェック
- 「データを削除」をクリック
6. 定期的に再起動する
Chromebookを長時間使い続けると、メモリの断片化が進みます。定期的に再起動することで、メモリがリフレッシュされます。
少なくとも週に1回は再起動することをおすすめします。
メモリ不足の症状と対処法
こんな症状が出たら、メモリ不足の可能性があります。
症状1:動作が重い、カクカクする
確認方法:
タスクマネージャーで使用率を確認
対処法:
- 不要なタブを閉じる
- 重いプロセスを終了する
- 再起動する
症状2:タブがクラッシュする
「ページが応答しません」というメッセージが頻繁に出る場合、メモリ不足が原因かもしれません。
対処法:
- タブの数を減らす
- メモリを大量に消費するサイト(動画サイト、SNSなど)を閉じる
症状3:アプリが起動しない
新しいアプリを開こうとしても起動しない場合があります。
対処法:
- 使用中のアプリを終了する
- Chromebookを再起動する
症状4:スワップが頻繁に発生する
croshのfreeコマンドでSwapの使用量が多い場合、メモリが足りていません。
対処法:
- 根本的には、より多くのメモリを搭載したChromebookへの買い替えを検討
- 当面は、同時に使うアプリの数を減らす
よくある質問

Q: Chromebookのメモリは増設できますか?
A: ほとんどのChromebookでは、メモリは基板に直接はんだ付けされているため、増設や交換はできません。購入時に十分なメモリ容量のモデルを選ぶことが重要です。
Q: 4GBと8GBではどれくらい違いますか?
A: 基本的なウェブ閲覧やドキュメント作成なら4GBでも十分ですが、10個以上のタブを開いたり、Androidアプリを使ったり、動画編集をする場合は8GB以上がおすすめです。快適さが全然違います。
Q: メモリ使用率が90%を超えていますが大丈夫ですか?
A: ChromeOSは効率的にメモリを管理するため、使用率が高くても問題ない場合もあります。ただし、動作が重い、頻繁にクラッシュするなどの症状が出ている場合は、対策が必要です。
Q: スワップって何ですか?
A: スワップは、メモリが足りなくなったときに、ストレージの一部を仮想的なメモリとして使う仕組みです。ただし、本物のメモリよりもはるかに遅いため、スワップが頻繁に発生すると動作が遅くなります。
Q: タスクマネージャーに表示される合計メモリが搭載量より少ないのはなぜ?
A: ChromeOSのシステムが使用している分や、ハードウェア用に予約されている分があるため、実際に利用可能なメモリは搭載量よりやや少なくなります。これは正常な動作です。
Q: 診断アプリがない場合はどうすれば?
A: 診断アプリはChromeOS 90以降で利用可能です。もし見つからない場合は、ChromeOSのバージョンが古い可能性があります。設定から「ChromeOSについて」を開き、アップデートを確認してください。
まとめ
ChromeOSでメモリを確認する方法は複数ありますが、目的に応じて使い分けるのがポイントです。
5つの確認方法のまとめ
- chrome://system – 標準機能、詳細情報、KBで表示
- 診断アプリ – 初心者向け、見やすい、GB単位
- タスクマネージャー – プロセス別、終了も可能
- Cogアプリ – 一画面で全情報、リアルタイム
- crosh(free) – 上級者向け、最も正確
初心者におすすめ:診断アプリ
詳細を知りたい人におすすめ:タスクマネージャー + chrome://system
メモリ不足を感じたら、不要なタブを閉じる、拡張機能を減らす、定期的に再起動するなどの対策を試してみてください。
それでも改善しない場合は、より大容量のメモリを搭載したChromebookへの買い替えを検討するのも一つの選択肢です。
あなたのChromebookが快適に動作することを願っています!

コメント