「Google Driveの管理者権限って何ができるの?」「共有ドライブで誰にどんな権限を与えればいいんだろう?」
こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
Google Driveには複数の権限レベルがあり、それぞれでできることが大きく違います。特に組織やチームでファイルを共有する際には、適切な権限設定がとても重要です。
この記事では、Google Driveの管理者権限について、初めての方にも分かりやすく解説していきます。どんなことができるのか、どう設定すればいいのか、実用的な情報をお届けしますね。
Google Driveの管理者権限とは?
Google Driveの「管理者権限」には、実は2つの意味があります。
1つ目は、Google Workspaceの「管理コンソール」にアクセスできる管理者のこと。これは組織全体のGoogle Driveの設定を管理する人です。
2つ目は、共有ドライブ内で最も強い権限を持つ「管理者」という役割のことを指します。
この2つは別々のものなので、混同しないように注意しましょう。
個人用と組織用、2つのドライブの違い
Google Driveには大きく分けて2種類のドライブがあります。
マイドライブ(個人用)
個人が自由に使える領域です。無料のGoogleアカウントでも利用できます。
ファイルの所有権は個人にあるため、その人がアカウントを削除すると共有していたファイルにもアクセスできなくなってしまいます。
共有ドライブ(組織用)
チームや部署で共同利用するための領域。ファイルの所有権は個人ではなく「チーム全体」にあります。
そのため、メンバーが退職しても、ファイルは共有ドライブに残り続けるんです。
ただし共有ドライブは、Google Workspace Business Standard以上の有料プランでのみ利用可能です。
共有ドライブの5つの権限レベル
共有ドライブでは、メンバーに5段階の権限を設定できます。それぞれでできることが異なるので、役割に応じて適切な権限を割り当てることが大切です。
1. 管理者(Manager)
最も強い権限を持つ役割です。
できること:
- ファイルやフォルダの作成、編集、削除
- メンバーの追加・削除
- 全メンバーの権限変更
- 共有ドライブ自体の設定変更
- ファイルを別の共有ドライブに移動
- 組織外のユーザーとの共有制御
組織の中でIT担当者やプロジェクトリーダーなど、責任者に与える権限ですね。
2. コンテンツ管理者(Content Manager)
管理者に次いで強い権限です。
できること:
- ファイルやフォルダの作成、編集、削除
- ファイルやフォルダを同じ共有ドライブ内で移動
- フォルダの共有(管理者が許可している場合)
できないこと:
- メンバーの追加や削除
- 他の共有ドライブへのファイル移動
コンテンツを自由に整理したいけれど、メンバー管理は不要な人に適しています。
3. 投稿者(Contributor)
日常的に作業する一般メンバー向けの権限です。
できること:
- ファイルの作成、編集
- 自分がアップロードしたファイルの削除や移動
できないこと:
- 他の人が作成したファイルの削除や移動
- フォルダの共有
チームメンバーとして資料を追加したり編集したりする人に向いています。
4. 閲覧者(コメント可)(Commenter)
編集はできないけれど、意見を述べることができる権限。
できること:
- ファイルの閲覧
- コメントや提案の追加
できないこと:
- ファイルの編集、作成、削除
レビュアーやクライアントなど、フィードバックを求めたい相手に適しています。
5. 閲覧者(Viewer)
最も弱い権限で、見るだけの役割です。
できること:
- ファイルの閲覧のみ
できないこと:
- 編集、コメント、ファイルの作成など全ての変更
参考資料として見るだけでいい人や、外部の関係者に情報を共有する際に使います。
Google Workspace管理コンソールでできること
Google Workspaceの管理者アカウントでは、「管理コンソール」から組織全体のGoogle Drive設定を管理できます。
主な管理機能
外部共有の制御
- 組織外のユーザーとファイルを共有できるかどうかを設定
- 特定のドメインだけ許可する「ホワイトリスト」の設定
共有ドライブの管理
- 全ての共有ドライブの一覧表示
- メンバーの追加・削除
- 各メンバーの権限変更
セキュリティ設定
- ダウンロード、コピー、印刷の禁止
- 組織外ユーザーへの共有禁止
- 外部共有時の警告表示の設定
ファイル所有権の移行
- 退職者のファイルを別のユーザーに一括譲渡
管理コンソールへのアクセス方法
- 管理者アカウントでGoogleにログイン
admin.google.comにアクセス- 「アプリ」→「Google Workspace」→「ドライブとドキュメント」を選択
ここから各種設定を変更できます。
権限設定のベストプラクティス
適切な権限設定をすることで、セキュリティを保ちながらスムーズな共同作業が可能になります。
最小権限の原則
必要最低限の権限だけを与えるようにしましょう。
例えば:
- 参照するだけなら「閲覧者」
- フィードバックが欲しいなら「閲覧者(コメント可)」
- 日常的に作業するなら「投稿者」
こうすることで、誤って重要なファイルを削除してしまうリスクを減らせます。
管理者は複数人設定する
1人だけが管理者だと、その人が休暇中や退職時に困ることがあります。
最低でも2〜3人の管理者を設定しておくと安心ですね。
グループ機能を活用
個別にメンバーを追加するより、Googleグループを作成して権限を付与する方が管理しやすくなります。
例:
- 営業部グループ → 投稿者権限
- 役員グループ → 管理者権限
メンバーの異動があっても、グループの所属を変更するだけで対応できます。
定期的な権限の見直し
プロジェクト終了後や人事異動のタイミングで、不要になった権限は削除しましょう。
放置しておくと、退職者や関係ない人がアクセスできる状態が続いてしまいます。
注意すべきポイント
共有ドライブの権限は階層的
共有ドライブ全体の権限よりも厳しい権限を、その中のフォルダに設定することはできません。
例えば、共有ドライブに「投稿者」権限で参加している人に対して、特定のフォルダだけ「閲覧者」に制限することはできないんです。
機密情報を扱う場合は、専用の共有ドライブを別に作成するのがおすすめです。
マイドライブから移動したファイルの扱い
マイドライブから共有ドライブにファイルを移動すると、いくつか変更が起こります:
- 元のフォルダから継承されていた権限は引き継がれない
- 共有ドライブの設定が適用される
- ファイルIDが変わる場合がある
事前にテストしてから本番移行するのが安全です。
外部共有の危険性
組織外のユーザーと共有する際は慎重に。
管理者が外部共有を許可している場合でも、機密情報や個人情報が含まれるファイルは共有しないようにしましょう。
まとめ
Google Driveの管理者権限について、重要なポイントをまとめます。
- Google Driveには「マイドライブ」と「共有ドライブ」の2種類がある
- 共有ドライブには5段階の権限レベルがあり、役割に応じて設定する
- Google Workspace管理者は管理コンソールから組織全体を管理できる
- 最小権限の原則に従い、必要最低限の権限だけを付与する
- 定期的に権限を見直してセキュリティを保つ
適切な権限管理をすることで、チームの生産性を上げながら、大切なデータを守ることができます。
最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、一度理解してしまえば、Google Driveはとても便利なツールです。この記事を参考に、ぜひ効果的な権限設定を実践してみてください。


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