「iCloudメールで写真や動画を送りたいけど、容量オーバーで送れない…」
こんな経験ありませんか?メールに添付できるファイルには、実は容量制限があります。
今回は、iCloudメールの添付ファイル容量制限と、大きなファイルを送る方法について分かりやすく解説していきます。最大5GBまで送れる「Mail Drop」という便利な機能も紹介しますよ。
iCloudメールの添付ファイル容量制限は?

結論から言うと、iCloudメールで送受信できるメッセージの容量は最大20MBです。
この20MBというのは、メール本文と添付ファイルを合わせた容量です。つまり、メール本文が1MBなら、添付できるファイルは約19MBまでということになります。
20MBってどのくらい?具体例で見てみよう
実際の使用シーンで考えてみましょう。
写真の場合:
- iPhone(最近の機種)で撮影した写真:1枚あたり約3〜5MB
- 20MBなら約4〜6枚程度
動画の場合:
- iPhone(1080p、60fps)で撮影した動画:1分あたり約150〜200MB
- 20MBだとわずか数秒程度しか送れない
その他のファイル:
- Word文書(文字のみ):数百KB〜数MB
- PowerPoint(画像多め):5〜20MB
- PDFファイル:数百KB〜数十MB(内容による)
このように、動画や高画質の写真を複数枚送りたい場合は、20MBではすぐに上限に達してしまいます。
20MBを超えるとどうなる?
容量オーバーのファイルを送ろうとすると、以下のような状況になります。
送信時:
- 「メッセージを送信できません」というエラーが表示される
- 送信ボックスに残ったままになる
受信時:
- 20MBを超えるメールは自動的に受信拒否される
- 送信者に「配信できませんでした」という通知が届く
大容量ファイルを送るなら「Mail Drop」を使おう
20MBを超えるファイルを送りたい場合、Appleが用意している「Mail Drop」という機能を使えば、最大5GBまでのファイルを送信できます。
5GBは5,000MBですから、通常の250倍も大きなファイルを送れることになります。
Mail Dropとは?仕組みを理解しよう
Mail Dropは、大きなファイルをiCloud経由で送る機能です。
通常のメール添付との違い:
通常の添付:
- ファイルをそのままメールに添付して送信
- メールサーバーを経由するため、容量制限が厳しい
Mail Drop:
- ファイルを一時的にiCloudサーバーにアップロード
- 受信者にはダウンロード用のリンクが送られる
- メールサーバーを経由しないので大容量でもOK
Mail Dropの特徴とメリット
特徴1:iCloudストレージを消費しない
Mail Dropで送信したファイルは、自分のiCloudストレージ(無料プランの5GB)には含まれません。Mail Drop専用の領域が用意されています。
特徴2:30日間の保存期間
アップロードされたファイルは30日間iCloudに保存されます。この期間内であれば、受信者は何度でもダウンロードできます。
特徴3:30日で最大1TBまで利用可能
30日間で合計1TB(約1,000GB)までのファイルを送信できます。古いファイルは30日経つと自動的に削除され、容量が解放されます。
特徴4:無料で使える
iCloudの無料プラン(5GBプラン)でも、Mail Drop機能は追加料金なしで利用できます。
特徴5:受信者はAppleユーザーでなくてもOK
受信者がiPhoneやMacを使っていなくても、リンクからダウンロードできます。AndroidユーザーやWindowsユーザーにも送信可能です。
iPhoneでMail Dropを使う方法
それでは、実際にiPhoneからMail Dropを使って大容量ファイルを送る手順を見ていきましょう。
ステップ1:iCloudメールを有効にする
Mail Dropを使うには、iCloudメールアカウントから送信する必要があります。
設定確認方法:
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部の自分の名前(Apple ID)をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「iCloudメール」または「メール」を選択
- 「このiPhoneで使用」がオンになっているか確認
ステップ2:メールアプリで新規メッセージを作成
- メールアプリを開く
- 右下の新規作成ボタン(□に鉛筆のアイコン)をタップ
- 宛先、件名を入力
ステップ3:差出人をiCloudメールに設定
これが重要なポイントです。Mail Dropを使うには、差出人がiCloudメールである必要があります。
- 「Cc/Bcc、差出人」の部分をタップ
- 「差出人」をタップ
- iCloudメールアドレス(@icloud.com、@me.com、@mac.comなど)を選択
ステップ4:ファイルを添付する
- 本文入力欄を長押しする
- 表示されたメニューから「▷」をタップ
- 「ファイルを添付」または「写真またはビデオを挿入」を選択
- 送りたいファイルを選択
ステップ5:Mail Dropを使って送信
- 右上の送信ボタン(青い上向き矢印)をタップ
- ファイルサイズが20MBを超えている場合、「Mail Dropを使用」というメッセージが表示される
- 「Mail Dropを使用」をタップ
- ファイルがiCloudにアップロードされ、送信完了
送信時の表示について:
送信中は「○件を送信中」と表示され、その後「メールをチェック中…」に変わります。これが消えたら送信完了です。
送信したメールの確認方法
- メールボックスで「送信済み」をタップ
- 送信したメールを開く
- 添付ファイルの下に「(日付)まで利用可能」と表示される
この日付が、受信者がファイルをダウンロードできる期限です。
MacでMail Dropを使う方法

Macからも同様にMail Dropを使えます。
事前設定:Mail Dropを有効にする(推奨)
- Macでメールアプリを開く
- メニューバーから「メール」→「設定」を選択
- 「アカウント」タブをクリック
- サイドバーからiCloudアカウントを選択
- 「Mail Dropで大きな添付ファイルを送信」にチェックを入れる
この設定をしておくと、大きなファイルを添付した時に自動的にMail Dropが使われます。
ファイルを送信する方法
- メールアプリで新規メッセージを作成
- ファイルをドラッグ&ドロップ、または添付ボタンからファイルを選択
- 送信ボタンをクリック
- ファイルが大きい場合、「Mail Dropを使用」のポップアップが表示される
- 「Mail Dropを使用」をクリック
設定で事前に有効化している場合は、ポップアップなしで自動的にMail Dropが使われます。
iCloud.comからMail Dropを使う方法
WindowsパソコンやChromebookなど、Appleデバイス以外からも使えます。
手順
- ブラウザでiCloud.com にアクセス
- Apple IDでサインイン
- 「メール」を選択
- 新規メッセージを作成
- クリップアイコンをクリックしてファイルを添付
- ファイルが自動的にアップロードされる
- 送信ボタンをクリック
大きなファイルの場合、「Mail Dropを使用しますか?」というポップアップが表示されることがあります。「Mail Dropを使用」を選択してください。
Mail Dropの事前設定(iCloud.com)
- iCloud.comのメール画面で、左下の歯車アイコンをクリック
- 「設定」を選択
- 「作成中」タブをクリック
- 「大きな添付ファイルを送信する際にMail Dropを使用」にチェックを入れる
受信者側の操作:ファイルのダウンロード方法
送られてきたMail Dropのファイルをダウンロードする方法も確認しておきましょう。
iPhoneでダウンロード
- 受信したメールを開く
- 「添付ファイルをダウンロード」と表示されている部分をタップ
- ファイルがダウンロードされる
- ダウンロードしたファイルは「ファイル」アプリの「ダウンロード」フォルダに保存される
パソコンでダウンロード
- 受信したメールを開く
- 添付ファイルのリンクまたはダウンロードボタンをクリック
- ブラウザでダウンロードが始まる
- ダウンロードフォルダに保存される
Mail Dropが使えない?トラブル対処法
Mail Dropを使おうとしても、うまくいかないことがあります。よくある原因と対処法を見ていきましょう。
原因1:ファイルサイズが5GBを超えている
対処法:
- ファイルを複数のメールに分けて送る
- 動画を圧縮する(iPhoneの場合、「ファイル」アプリで圧縮可能)
- 不要な部分をカットして容量を減らす
原因2:非圧縮のフォルダを添付している
フォルダをそのまま添付することはできません。
対処法:
iPhoneの場合:
- 「ファイル」アプリを開く
- フォルダを長押し
- 「圧縮」を選択
- 作成されたZIPファイルを添付
Macの場合:
- フォルダを右クリック
- 「(フォルダ名)を圧縮」を選択
- 作成されたZIPファイルを添付
原因3:1日の送信制限を超えている
iCloudメールには以下の制限があります。
- 1日に送信できるメッセージ:1,000件まで
- 1日に送信できる宛先:1,000人まで
- 1メッセージあたりの宛先:500人まで
対処法:
- 時間をおいてから再送信する(翌日になれば制限がリセットされる)
- 送信ボックスに残っている未送信メールを削除または再送信する
原因4:Mail Dropの1TB制限に達している
30日間で合計1TBを超えるファイルを送っている場合、新しいファイルを送れなくなります。
対処法:
- 古いファイルが期限切れ(30日経過)になるまで待つ
- 別のファイル共有サービスを使う(Google Drive、Dropboxなど)
原因5:差出人がiCloudメールになっていない
Mail DropはiCloudメールアカウントからの送信でのみ利用できます。
対処法:
メール作成時に差出人を確認し、iCloudメールアドレス(@icloud.com、@me.com、@mac.com)に変更する
原因6:インターネット接続が不安定
大きなファイルをアップロードする際は、安定した高速なインターネット接続が必要です。
対処法:
- Wi-Fiに接続する(モバイルデータより安定・高速)
- 接続が安定している場所に移動する
- アップロードが完了するまで待つ(大きなファイルは時間がかかります)
受信者がファイルをダウンロードできない場合
送信は成功したのに、受信者がダウンロードできないこともあります。
原因1:30日の期限が過ぎている
Mail Dropのファイルは30日で自動削除されます。
対処法:
期限内にダウンロードしてもらうよう、メールで伝える。期限が過ぎた場合は再送信する。
原因2:ダウンロードが集中している
同じファイルが多数の人に同時にダウンロードされると、一時的にアクセスできなくなることがあります。
対処法:
時間をおいてから再度ダウンロードを試す。
原因3:受信者のメールサーバーの制限
受信者のメールサービスにも容量制限があるため、リンク自体が届かないことがあります。
対処法:
- 別のメールアドレスに送る
- 別のファイル共有サービスを利用する
Mail Dropと他のファイル共有サービスの比較
Mail Drop以外にも、大容量ファイルを送る方法はあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
Mail Drop
メリット:
- 無料で使える
- iPhoneやMacに標準搭載
- メールから直接送れる
- 受信者は特別なアプリが不要
デメリット:
- 30日で自動削除される
- 最大5GBまで
- iCloudメールからしか送れない
Google Drive
メリット:
- 最大15GB無料
- 永続的に保存できる
- 共同編集が可能
デメリット:
- Googleアカウントが必要
- 別途アップロード作業が必要
Dropbox
メリット:
- 共有リンクの管理が簡単
- ビジネス用途に強い
デメリット:
- 無料プランは2GBまで
- アカウント登録が必要
ギガファイル便(日本のサービス)
メリット:
- 最大300GB無料
- アカウント不要
- 日本語対応
デメリット:
- ブラウザでの操作が必要
- セキュリティ面で企業向けではない
WeTransfer
メリット:
- 最大2GB無料(プランにより20GB)
- シンプルで使いやすい
- アカウント不要
デメリット:
- 7日で自動削除
- 日本語非対応
Mail Dropを使う際の注意点

便利なMail Dropですが、いくつか注意すべきポイントがあります。
1. ファイルサイズと通信環境を確認
大きなファイルをアップロードするには時間がかかります。
目安:
- 1GBのファイル:高速Wi-Fiで約5〜10分
- 5GBのファイル:高速Wi-Fiで約25〜50分
外出先や通信制限中は避けたほうが無難です。
2. 30日以内にダウンロードしてもらう
期限を過ぎるとファイルが消えてしまうので、メールで期限を明記しておくと親切です。
例:「添付ファイルは○月○日までダウンロード可能です」
3. 重要なファイルは別途バックアップを
Mail Dropは一時的な共有手段です。重要なファイルは、別の場所にもバックアップを取っておきましょう。
4. プライバシーとセキュリティ
Mail Dropのファイルは暗号化されて保存されますが、リンクを知っている人なら誰でもダウンロードできます。
機密性の高いファイルを送る場合は:
- パスワード付きZIPファイルにする
- より高度なセキュリティ機能を持つビジネス向けサービスを検討する
5. 受信者の環境を考慮
受信者のメールサーバーやインターネット環境によっては、ダウンロードに時間がかかったり、失敗したりすることがあります。
大容量ファイルを送る前に、相手に確認しておくと安心です。
よくある質問(Q&A)
Q1:Mail Dropは課金が必要ですか?
A:いいえ、無料で使えます。iCloudの無料プラン(5GB)でもMail Drop機能は利用できます。
Q2:iCloudストレージを使い切っていてもMail Dropは使えますか?
A:はい、使えます。Mail Dropは別の領域を使うため、iCloudストレージの残量に関係なく利用できます。
Q3:AndroidユーザーにもMail Dropで送れますか?
A:はい、送れます。受信者がAppleデバイスを持っていなくても、リンクからダウンロードできます。
Q4:Mail Dropで送ったファイルを削除できますか?
A:いいえ、手動での削除はできません。30日経つと自動的に削除されます。
Q5:Mail Dropを使わずに20MB以上のファイルを送る方法は?
A:ファイルを圧縮するか、Google DriveやDropboxなどの別のクラウドストレージサービスを利用する方法があります。
Q6:GmailやYahooメールからMail Dropは使えますか?
A:メールアプリにこれらのアカウントを追加している場合、差出人をiCloudメールに切り替えればMail Dropを使えます。ただし、GmailやYahooメールのWebサイトからは使えません。
Q7:受信者が30日以内にダウンロードしなかったらどうなりますか?
A:ファイルは自動的に削除され、ダウンロードできなくなります。その場合は、もう一度送信する必要があります。
まとめ:iCloudメールで大容量ファイルを賢く送ろう
iCloudメールの添付ファイル容量について、重要なポイントをおさらいしましょう。
基本の容量制限:
- 通常のメール:最大20MB
- Mail Dropを使用:最大5GB(5,000MB)
Mail Dropの特徴:
- 無料で使える
- iCloudストレージを消費しない
- 30日間の保存期間
- 30日で最大1TBまで利用可能
使い方のコツ:
- 差出人を必ずiCloudメールに設定
- フォルダはZIP圧縮してから送る
- 安定したWi-Fi環境で送信
- 受信者に30日以内のダウンロードを促す
20MBを超える大きなファイルを送る場合は、Mail Dropを活用すれば簡単に送信できます。特に動画や大量の写真を送りたい時に便利ですね。
ただし、Mail Dropは一時的なファイル共有手段なので、長期保存が必要な場合はGoogle DriveやDropboxなどのクラウドストレージサービスも検討してみてください。
あなたの使い方に合った方法で、スムーズなファイル共有を実現しましょう!

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