「iCloudメールにApp Storeの領収書が届くけど、普段使っているGmailでも確認したい…」
「複数のメールアカウントを持っているけど、一つのメールボックスでまとめて管理したい…」
こんな悩みを解決してくれるのが、iCloudメールの転送機能です。
この記事では、iCloudメールを他のアドレスに転送する方法を、自動転送・個別転送・条件付き転送の3つのパターンに分けて詳しく解説します。
iCloudメール転送機能とは?

転送機能の基本
メール転送とは、iCloudメールアドレス(@icloud.com)に届いたメールを、自動的に別のメールアドレスに送る機能です。
転送のイメージ:
送信者 → iCloudメール → 自動転送 → Gmail/Yahooなど
転送機能のメリット
- 複数アカウントの一元管理
- 普段使っているメールアプリで全て確認できる
- iCloudメールをわざわざ開く必要がない
- 重要なメールを見逃さない
- Apple関連の通知や購入確認メールを確実に受信
- 普段チェックしているメールアドレスで受信できる
- バックアップとして活用
- iCloudとGmailの両方にメールを保存
- どちらか一方にトラブルがあっても安心
- 容量の節約
- 転送後に元のメールを削除する設定も可能
- iCloudの無料5GB容量を節約できる
転送できる範囲
iCloudメールの転送機能では、以下のことができます:
| 機能 | 可否 |
|---|---|
| 全てのメールを自動転送 | ✅ 可能 |
| 特定の送信者のみ転送 | ✅ 可能 |
| 特定のキーワードを含むメールのみ転送 | ✅ 可能 |
| 複数のアドレスに同時転送 | ❌ 不可(1つのみ) |
| 転送先の確認・認証 | ❌ 不要(自動) |
【方法1】全てのメールを自動転送する
最も基本的で便利な方法です。iCloudメールに届く全てのメールを、自動的に他のアドレスに転送します。
設定方法(iCloud.com経由)
重要: 転送設定は、iCloud.comのWebサイトからのみ可能です。iPhone・iPad・Macの設定アプリからは設定できません。
必要なもの:
- インターネット接続
- ウェブブラウザ(Safari、Chrome、Edgeなど)
- Apple IDとパスワード
手順:
ステップ1:iCloud.comにアクセス
- ブラウザで「icloud.com」にアクセス
- Apple IDとパスワードでサインイン
- 2ファクタ認証のコードを入力(求められた場合)
ステップ2:メールを開く
- iCloudのホーム画面で「メール」アイコンをクリック
- メールボックスが開く
ステップ3:設定を開く
- 画面左上(メールボックスリストの上)にある歯車アイコンをクリック
- メニューから「設定」を選択
注意: 歯車アイコンの位置は、iCloudの新旧インターフェースで異なる場合があります。
- 新しいバージョン:左上
- 古いバージョン:左下
ステップ4:転送設定を有効にする
- 左側のメニューから「メールの転送」を選択
- 「メールの転送先」のチェックボックスにチェックを入れる
- テキストフィールドに転送先のメールアドレスを入力
- 例:
your.email@gmail.com - Gmail、Yahoo!メール、Outlookなど、どのアドレスでもOK
ステップ5:転送後の処理を選択(オプション)
転送した後、iCloudにメールのコピーを残すかどうかを選択できます。
パターン1:iCloudにもコピーを残す(推奨)
- 「転送後にメッセージを削除」のチェックを外す(デフォルト)
- メリット:両方のメールボックスに保存されるので安心
- デメリット:iCloudの容量を消費する
パターン2:転送後にiCloudから削除
- 「転送後にメッセージを削除」にチェックを入れる
- メリット:iCloudの容量を節約できる
- デメリット:転送先でメールを削除すると完全に消える
ステップ6:設定を保存
- 「完了」または「保存」をクリック
- 設定画面を閉じる
ステップ7:動作確認
- 別のアドレスから自分のiCloudメールアドレス宛にテストメールを送信
- 転送先のメールアドレスで受信できているか確認
- 数分待っても届かない場合は、迷惑メールフォルダも確認
スマホ・タブレットから設定する方法
iPhone・iPadから設定する場合も、ブラウザを使います。
iPhone・iPadでの手順:
- SafariまたはChromeを開く
- 「icloud.com」にアクセス
- ログイン画面が表示されたら、デスクトップ版を表示
Safariの場合:
- アドレスバーの「ぁあ」ボタンをタップ
- 「デスクトップ用Webサイトを表示」を選択
Chromeの場合:
- 右上の「︙」(縦3点)をタップ
- 「PC版サイト」にチェック
- 上記のPC版と同じ手順で設定
【方法2】個別のメールを手動で転送する
特定のメールだけを転送したい場合の方法です。
iPhone・iPadでの手動転送
手順:
- 「メール」アプリを開く
- 転送したいメールを開く
- 下部の「返信」ボタン(左向き矢印)をタップ
- 「転送」を選択
- 「宛先」に転送先のメールアドレスを入力
- 必要に応じてメッセージを追加
- 「送信」ボタン(右上の紙飛行機アイコン)をタップ
ヒント:
- 元のメールに添付ファイルがある場合、自動的に転送に含まれます
- 転送メールの上部に自分のコメントを追加できます
Macでの手動転送
手順:
- 「メール」アプリを開く
- 転送したいメールを選択
- ツールバーの「転送」ボタンをクリック
- またはメニューバーから「メッセージ」 → 「転送」
- キーボードショートカット:Shift + Command + F
- 「宛先」に転送先のメールアドレスを入力
- 必要に応じてメッセージを追加
- 「送信」ボタンをクリック
iCloud.com(Web版)での手動転送
手順:
- icloud.comにアクセスしてログイン
- 「メール」を開く
- 転送したいメールを選択
- 上部ツールバーの「転送」(矢印アイコン)をクリック
- 「宛先」に転送先のメールアドレスを入力
- 必要に応じてメッセージを追加
- 「送信」をクリック
複数のメールをまとめて転送(Macのみ)
手順:
- 「メール」アプリで、Commandキーを押しながら転送したいメールを複数選択
- 「メッセージ」 → 「転送」を選択
- 選択した全てのメールが1通の転送メールに集約される
- 宛先を入力して送信
【方法3】特定の条件でメールを自動転送(ルール設定)
特定の送信者や件名を含むメールだけを転送したい場合に便利です。
転送ルールの作成方法
例:特定の送信者からのメールだけを転送
手順:
ステップ1:iCloud.comのメール設定を開く
- icloud.comにアクセスしてログイン
- 「メール」を開く
- 左上の歯車アイコン → 「設定」
ステップ2:ルールを作成
- 左側のメニューから「ルール」を選択
- 「新規ルールを追加」または「+」ボタンをクリック
ステップ3:条件を設定
- 「メッセージの条件」を設定
例1:特定の送信者からのメールを転送
- 「差出人」 → 「が次である」
- メールアドレスを入力:例
boss@company.com
例2:件名に特定のキーワードを含むメールを転送
- 「件名」 → 「に次を含む」
- キーワードを入力:例
請求書
例3:特定のドメインからのメールを転送
- 「差出人」 → 「が次で終わる」
- ドメインを入力:例
@company.com
ステップ4:アクションを設定
- 「次の操作を実行」セクションで設定
- 「転送先」を選択
- 転送先のメールアドレスを入力
- (オプション)「メッセージを削除」にチェックで、転送後に元のメールを削除
ステップ5:ルールを保存
- ルールにわかりやすい名前を付ける
- 例:「上司からのメールをGmailに転送」
- 「完了」をクリック
転送ルールの例
例1:仕事関連のメールだけをGmailに転送
条件:差出人が「@会社ドメイン.com」で終わる
アクション:転送先「your.work@gmail.com」
例2:オンラインショップの注文確認メールを転送
条件:件名に「ご注文確認」を含む
アクション:転送先「shopping@gmail.com」
転送後にメッセージを削除
例3:家族からのメールを別のアドレスに転送
条件:差出人が「family@example.com」
アクション:転送先「family.backup@gmail.com」
ルールの制限事項
重要な制限:
- 1つのルールにつき転送先は1つだけ
- 複数のアドレスに同時転送はできない
- ルールは最大何個でも作成可能
ルールの編集・削除
編集:
- 「設定」 → 「ルール」
- 編集したいルールを選択
- 内容を変更して「完了」
削除:
- 「設定」 → 「ルール」
- 削除したいルールを選択
- 「ルールを削除」をクリック
- 確認画面で「削除」
転送を停止・解除する方法
自動転送を完全に停止
手順:
- icloud.com → 「メール」 → 歯車アイコン → 「設定」
- 「メールの転送」を選択
- 「メールの転送先」のチェックを外す
- 「完了」をクリック
これで全てのメール転送が停止されます。
特定のルールだけを停止
手順:
- 「設定」 → 「ルール」
- 停止したいルールを選択
- 「ルールを削除」をクリック
一時的に停止したい場合
残念ながら、iCloudメールには転送の「一時停止」機能はありません。
代替案:
- 転送設定を完全に解除
- 必要な時に再度設定し直す
- メモアプリに転送先アドレスを記録しておくと便利
転送がうまくいかない場合のトラブルシューティング

問題1:転送されたメールが届かない
原因と対処法:
1. 迷惑メールフォルダを確認
転送されたメールが迷惑メール判定されている可能性があります。
対処法:
- 転送先のメールボックスの迷惑メールフォルダを確認
- iCloudからのメールを「迷惑メールではない」と登録
- iCloud.comのドメイン(
@icloud.com)をホワイトリストに追加
2. 転送先アドレスが間違っている
対処法:
- 「設定」 → 「メールの転送」で転送先アドレスを再確認
- スペースや余計な文字が入っていないか確認
- 正しいアドレスに修正して保存
3. 転送設定が保存されていない
対処法:
- 設定後に必ず「完了」または「保存」をクリック
- 一度サインアウトして再度サインインし、設定を確認
4. iCloudメール自体が受信できていない
対処法:
- Apple公式の「システム状況」ページを確認
- URL: https://www.apple.com/jp/support/systemstatus/
- 「iCloud Mail」の項目が緑色(正常)か確認
問題2:一部のメールだけ転送されない
原因と対処法:
1. ルールの条件が厳しすぎる
対処法:
- ルールの条件を見直す
- テストメールを送信して、条件に合致するか確認
2. 転送先のメールサービスが拒否している
対処法:
- 転送先のメールサービスの受信設定を確認
- セキュリティ設定を緩和する(一時的に)
問題3:転送後に元のメールが消える
原因:
「転送後にメッセージを削除」にチェックが入っている
対処法:
- 「設定」 → 「メールの転送」
- 「転送後にメッセージを削除」のチェックを外す
- 「完了」をクリック
注意: すでに削除されたメールは復元できません。
問題4:複数のアドレスに転送したいができない
原因:
iCloudメールは1つの転送先しか設定できません。
対処法・回避策:
方法1:段階的な転送
- iCloudメール → Gmailに転送
- Gmailの設定で別のアドレスにも転送
方法2:転送先のメールサービスでフィルター設定
- Gmailなどで受信したメールを自動的に他のアドレスに転送
よくある質問(Q&A)
Q1:転送設定は無料ですか?
A:はい、完全無料です。
iCloudメールの転送機能は、全てのユーザーが無料で利用できます。iCloud+の有料プランも不要です。
Q2:転送先のメールアドレスは何でも使えますか?
A:はい、ほとんどのメールサービスが使えます。
使用できる転送先の例:
- Gmail(
@gmail.com) - Yahoo!メール(
@yahoo.co.jp) - Outlook(
@outlook.com、@hotmail.com) - 独自ドメイン(
@your-domain.com) - 会社のメールアドレス
制限:
- 転送先のアドレスは1つだけ
- 転送先の確認・認証は不要(自動的に転送開始)
Q3:転送元のメールアドレスは相手に表示されますか?
A:はい、表示されます。
転送されたメールには、以下の情報が含まれます:
- 元の差出人:実際にメールを送った人
- 宛先:あなたのiCloudメールアドレス
- 転送者:あなたのiCloudメールアドレス
転送先のメールボックスでは、「転送されたメール」として表示されます。
Q4:転送設定をすると、iCloudメールでは受信できなくなりますか?
A:いいえ、両方で受信できます。
デフォルトの動作:
- iCloudメール:受信ボックスに保存される
- 転送先:転送されたメールが届く
- 結果:両方のメールボックスで確認可能
転送後に削除する設定にした場合:
- iCloudメール:転送後に自動削除される
- 転送先:転送されたメールが届く
- 結果:転送先のみで確認可能
Q5:iPhoneやiPadから転送設定できますか?
A:設定アプリからは不可、ブラウザからは可能です。
設定アプリ:
- ❌ iPhone・iPadの「設定」アプリからは設定不可
Safariやブラウザ:
- ✅ iCloud.comにアクセスすれば設定可能
- デスクトップ版サイトを表示して設定
Q6:エイリアス宛のメールも転送されますか?
A:はい、転送されます。
iCloudメールのエイリアス(最大3つまで作成可能)宛のメールも、自動転送の対象になります。
転送されるメール:
- メインのiCloudメールアドレス宛
- エイリアス1宛
- エイリアス2宛
- エイリアス3宛
- カスタムドメイン宛(iCloud+)
Q7:転送したメールに返信すると、どうなりますか?
A:転送元(iCloud)からの返信になります。
転送されたメールに普通に返信すると:
- 返信先:元の差出人
- 返信元:あなたのiCloudメールアドレス
つまり、転送先のアドレス(例:Gmail)からの返信にはなりません。
Q8:過去のメールも転送されますか?
A:いいえ、設定後に届いたメールのみです。
転送設定は、設定した時点以降に受信したメールにのみ適用されます。
過去のメールを転送したい場合:
- 手動で1通ずつ転送する
- または「メールの読み込み」機能を使う(別の方法)
Q9:転送先でメールを削除すると、iCloudからも消えますか?
A:いいえ、消えません。
転送先でメールを削除しても、iCloudメールには影響しません(逆も同様)。
例外:
「転送後にメッセージを削除」の設定をオンにしている場合、転送時点でiCloudから削除されます。
Q10:転送がうまくいっているか確認する方法は?
A:テストメールを送ってみましょう。
確認手順:
- 別のメールアドレス(GmailやYahoo!など)から、自分のiCloudメールアドレス宛にテストメールを送信
- 数分以内に転送先のメールボックスで受信できるか確認
- 件名を「テスト」などにすると分かりやすい
届かない場合:
- 迷惑メールフォルダを確認
- 転送設定を再確認
- iCloudメール自体が受信できているか確認
まとめ
iCloudメールの転送設定は、複数のメールアカウントを効率的に管理するための便利な機能です。
転送方法の選び方:
| 目的 | 推奨方法 |
|---|---|
| 全てのメールを他のアドレスで受信したい | 【方法1】全メール自動転送 |
| たまに特定のメールだけ転送したい | 【方法2】個別手動転送 |
| 特定の送信者やキーワードのメールだけ転送したい | 【方法3】ルール設定で条件付き転送 |
設定のポイント:
✅ 設定はiCloud.com(Webブラウザ)から行う
✅ 転送先は1つのみ設定可能
✅ 転送後にiCloudにコピーを残すか削除するか選べる
✅ エイリアス宛のメールも自動的に転送される
✅ 転送設定は設定後のメールのみに適用される
おすすめの設定:
パターン1:バックアップ重視
- 転送先:普段使っているGmailなど
- 「転送後にメッセージを削除」:❌ オフ
- メリット:両方に保存されて安心
パターン2:容量節約重視
- 転送先:普段使っているGmailなど
- 「転送後にメッセージを削除」:✅ オン
- メリット:iCloudの5GB容量を節約
トラブル時のチェックリスト:
- ✅ 転送先アドレスが正しいか確認
- ✅ 転送先の迷惑メールフォルダを確認
- ✅ 設定を保存したか確認
- ✅ Appleのシステム状況を確認
- ✅ テストメールで動作確認
iCloudメールの転送機能を活用して、メールチェックの時間を短縮し、大切なメールを見逃さないようにしましょう!

コメント