Outlookでメールを見ていたとき、何気なくキーボードの「BackSpace(バックスペース)」キーを押したら、メールが突然消えてしまった経験はありませんか?
慌てて「削除済みアイテム」フォルダを確認しても、そこにメールが見当たらない…。もしかして完全に消えてしまった!?と焦ってしまいますよね。
でも、安心してください。メールは削除されていません!
この記事では、Outlookでバックスペースを押したときに何が起きているのか、消えたメールをどうやって見つけるのか、そして今後同じことが起きないようにする方法まで、わかりやすく解説します。
バックスペースを押すとメールはどこへ行く?

結論から言うと、バックスペースを押したメールは「アーカイブ」フォルダに移動しています。
アーカイブって何?
アーカイブ(Archive)とは、「保管庫」という意味です。
Outlookのアーカイブ機能は、メールを削除せずに受信トレイから移動して整理するための機能として設計されています。つまり、処理済みのメールや、今すぐには必要ないけれど残しておきたいメールを保管する場所なんです。
なぜ削除済みアイテムに入らないの?
- Delete(デリート)キー → 削除済みアイテムに移動
- BackSpace(バックスペース)キー → アーカイブフォルダに移動
この2つは全く別の操作として設定されているため、バックスペースで移動したメールは削除済みアイテムには入りません。
消えたメールを見つける方法
それでは、実際に消えたメールを探す方法を説明します。
方法1:アーカイブフォルダを確認する
手順:
- Outlookの画面左側にあるフォルダー一覧を確認
- 受信トレイの下あたりに「アーカイブ」または「Archive」という名前のフォルダを探す
- そのフォルダをクリックして開く
- 消えたメールがそこにあるはずです
フォルダの位置:
アーカイブフォルダは、通常以下の場所にあります。
- メールアカウント名の下
- 受信トレイと同じ階層
- または受信トレイの下
もし見つからない場合は、フォルダー一覧を下にスクロールしてみてください。
方法2:検索機能を使う
アーカイブフォルダが見つからない、または大量のメールの中から探すのが大変な場合は、検索機能を使いましょう。
手順:
- Outlookの画面上部にある検索ボックスをクリック
- 消えたメールの送信者名や件名、キーワードを入力
- 検索範囲を「すべてのOutlookアイテム」または「現在のメールボックス」に変更
- 検索結果から該当のメールを見つける
この方法なら、どのフォルダに入っていても確実に見つけられます。
方法3:最近変更されたアイテムを確認
直前にバックスペースを押した場合は、最近変更されたアイテムとして見つかることもあります。
手順:
- 受信トレイの上部にあるフィルターまたは並べ替えオプションをクリック
- 「変更日」で並べ替え
- 最新のものから順に確認
メールを受信トレイに戻す方法
消えたメールを見つけたら、元の場所に戻しましょう。
ドラッグ&ドロップで移動
手順:
- アーカイブフォルダで戻したいメールを選択
- そのメールをマウスでつかんだまま(ドラッグ)
- 左側のフォルダー一覧の「受信トレイ」まで移動
- マウスのボタンを離す(ドロップ)
これで、メールが受信トレイに戻ります。
右クリックメニューから移動
ドラッグ操作が難しい場合は、右クリックメニューを使いましょう。
手順:
- 戻したいメールを右クリック
- 「移動」または「フォルダーに移動」を選択
- 「受信トレイ」を選択
- 「OK」をクリック
複数のメールをまとめて移動
間違って複数のメールをアーカイブしてしまった場合も、一度に戻せます。
手順:
- Ctrlキーを押しながら、戻したいメール一つ一つをクリック
- 選択したメールを右クリック
- 「移動」→「受信トレイ」を選択
または
- 最初のメールをクリック
- Shiftキーを押しながら最後のメールをクリック(範囲選択)
- 右クリックして移動
なぜバックスペースでアーカイブされるの?
この機能は、Outlook 2016以降で追加されたものです。
設計の意図
Microsoftは、キーボードだけで効率的にメールを処理できるように、この機能を追加しました。
想定されている使い方:
- 矢印キー(↑↓)でメールを選択
- Spaceキーでメールの内容を読む
- Ctrl+Rで返信、または処理する
- BackSpaceキーでアーカイブ(受信トレイから移動)
この流れで、マウスを使わずに次々とメールを処理できるというわけです。
問題点
しかし、この機能には以下のような問題があります。
- 知らない人が多い: 説明もなく突然メールが消えるため、混乱する
- 誤操作が起きやすい: 意図せずバックスペースを押してしまうことがある
- 検索中の誤操作: 検索バーで文字を修正しようとバックスペースを押すと、メールがアーカイブされる
- スペルチェック時の誤操作: 新しいOutlookでは、スペルミスを修正しようとすると、作成中のメール自体が消えてしまうバグも報告されている
バックスペースでのアーカイブを無効化する方法
「この機能は使わないから、バックスペースでアーカイブされないようにしたい」という方のために、無効化する方法を紹介します。
レジストリを編集して無効化する
注意: この方法では、Windowsのレジストリを編集します。間違った操作をするとパソコンが正常に動作しなくなる可能性があるため、慎重に行ってください。
手順:
- Windowsキー + Rを同時に押す
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウで「regedit」と入力
- 「OK」をクリック
- ユーザーアカウント制御の確認が表示されたら「はい」をクリック
レジストリエディターでの操作:
- 以下のパスに移動します:
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Office\16.0\Outlook\Options
- 「Options」フォルダを右クリック
- 「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択
- 名前を「DisableOneClickArchive」に変更
- この新しい値をダブルクリック
- 「値のデータ」に「1」を入力
- 「OK」をクリック
- レジストリエディターを閉じる
- Outlookを再起動
これで、バックスペースキーを押してもメールがアーカイブされなくなります。
Officeバージョンの確認
上記の手順で「16.0」というフォルダが見つからない場合は、お使いのOfficeバージョンが異なる可能性があります。
- Office 2019/2021/Microsoft 365: 16.0
- Office 2016: 16.0
- Office 2013: 15.0
該当するバージョンのフォルダを選択してください。
元に戻したい場合
アーカイブ機能をまた使いたくなった場合は、以下の手順で元に戻せます。
- レジストリエディターを開く
- 同じ場所に移動
- 「DisableOneClickArchive」を右クリック
- 「削除」を選択
- Outlookを再起動
新しいOutlookでの問題と対処法
最近「新しいOutlook」に切り替えた方から、バックスペース関連の深刻な問題が多数報告されています。
問題1:メール作成中にバックスペースで消える
状況:
メールを作成中、スペルミスを修正しようとバックスペースを押すと、作成中のメール全体が消えてしまう
原因:
スペルチェックのポップアップが表示されると、フォーカス(操作対象)がメール本文からメール一覧に移ってしまうため
対処法:
方法1:インライン編集をオフにする
- Outlookの「設定」(歯車アイコン)をクリック
- 「メール」→「作成と返信」を選択
- 「メッセージの作成」の設定を「ポップアウト」に変更
これで、メール作成時に別ウィンドウが開くため、バックスペースの問題が回避できます。
方法2:従来のOutlookに戻す
新しいOutlookの右上にあるトグルスイッチをクリックすると、従来のOutlookに戻せます。
問題2:検索中にバックスペースでメールが消える
状況:
検索バーで文字を入力して、間違いを直そうとバックスペースを押すと、選択されていたメールがアーカイブされる
対処法:
- 検索中は、メール一覧の選択を解除してから操作する
- または、検索バーに完全にフォーカスが当たっていることを確認してから入力する
よくある質問と回答

Q1:アーカイブフォルダ自体が見つからない場合は?
A: メールアカウントの種類によって、アーカイブフォルダが作成されない場合があります。
その場合、バックスペースを押すと:
- 削除済みアイテムに移動する
- または、メールが見つからなくなる
検索機能(すべてのOutlookアイテム)で探してみてください。
Q2:Shift+BackSpaceを押したら?
A: 特に何も起きません。
バックスペース関連のショートカットは:
- BackSpace単独: アーカイブに移動
- Delete: 削除済みアイテムに移動
- Shift+Delete: 完全削除(復元不可能)
Q3:スマートフォンのOutlookアプリでも同じ?
A: いいえ、この機能はデスクトップ版Outlookに限定されています。
スマートフォンアプリでは、スワイプ操作でアーカイブや削除を行います。
Q4:アーカイブされたメールは自動的に削除される?
A: いいえ、アーカイブフォルダのメールは自動的には削除されません。
ただし、会社のメールでメールボックスの容量制限や自動アーカイブポリシーが設定されている場合は、古いメールが自動的に移動または削除される可能性があります。
Q5:複数のメールを一度に誤ってアーカイブしてしまった
A: バックスペースを連打すると、選択されたメールが次々とアーカイブされます。
復元方法:
- アーカイブフォルダを開く
- 「変更日」で並べ替えて、最近移動したメールを表示
- 該当するメールをすべて選択(Ctrl+クリックまたはShift+クリック)
- 一括で受信トレイに移動
その他の便利なOutlookショートカットキー
バックスペースの機能がわかったところで、他の便利なショートカットも覚えておきましょう。
メール操作の基本ショートカット
| ショートカット | 動作 |
|---|---|
| Delete | 削除済みアイテムに移動 |
| Shift+Delete | 完全削除 |
| BackSpace | アーカイブに移動 |
| Ctrl+R | 返信 |
| Ctrl+Shift+R | 全員に返信 |
| Ctrl+F | 転送 |
| Ctrl+N | 新規メール作成 |
| Ctrl+Enter | メール送信 |
メール閲覧のショートカット
| ショートカット | 動作 |
|---|---|
| ↑↓矢印キー | 前後のメールを選択 |
| Space | メールをスクロール(末尾で次のメールへ) |
| Enter | メールを別ウィンドウで開く |
| Ctrl+Shift+V | フォルダーに移動 |
これらを覚えると、マウスを使わずにメール処理ができて、作業効率が大幅に向上します。
まとめ
Outlookでバックスペースを押してメールが消えた場合の対処法をまとめます。
メールが消えた時の対処:
- アーカイブフォルダを確認する
- 見つからない場合は検索機能を使う
- メールをドラッグ&ドロップまたは右クリックで受信トレイに戻す
バックスペースキーの動作:
- メールを選択した状態でBackSpace → アーカイブフォルダに移動
- Delete → 削除済みアイテムに移動
- Shift+Delete → 完全削除(復元不可)
アーカイブを無効化する方法:
- レジストリエディターで「DisableOneClickArchive」を作成し、値を「1」に設定
新しいOutlookでの問題:
- メール作成中のバックスペース問題は、ポップアウト編集に変更するか、従来のOutlookに戻すことで解決
バックスペースでのアーカイブは、慣れれば便利な機能ですが、知らないと混乱の原因になります。
もし使わない機能であれば無効化してしまうのも一つの方法ですし、逆に積極的に活用して受信トレイを整理するのも良いでしょう。
自分の使い方に合わせて設定を調整して、快適なメール環境を作ってくださいね!


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