メールを受け取ったとき、「この返信って送信者だけに送ればいいのかな?それとも他の人にも見てもらうべき?」と迷ったことはありませんか?
Outlookの「全員に返信」機能は、まさにそんなときに使える便利な機能です。ただし、使い方を間違えると、関係ない人にまでメールを送ってしまう恐れもあります。
この記事では、Outlookの「全員に返信」について、基本的な使い方から知っておくべき注意点まで分かりやすく解説していきますね。
「全員に返信」ってどんな機能?

基本的な仕組み
「全員に返信」は、受信したメールの送信者だけでなく、宛先(To)やCC(Carbon Copy)に入っている人全員に対して返信する機能です。
通常の「返信」との違い
- 返信:送信者だけに返信が届きます
- 全員に返信:送信者+宛先とCCに入っている全員に返信が届きます
例えば、上司から「田中さん、山田さん、佐藤さん」の3人がCCに入ったメールが届いたとしましょう。このとき「全員に返信」を使うと、上司と3人全員にあなたの返信が届くわけです。
BCCについての重要な注意点
ここで覚えておきたいのが、BCCに入っていた人には「全員に返信」を使っても届かないということです。
BCCは「他の受信者には見えない形で送る」機能なので、返信時にも表示されません。これはプライバシー保護のための仕様なんですね。
「全員に返信」の使い方
デスクトップ版Outlookでの操作方法
方法1:ボタンをクリック
- 返信したいメールを選択します
- 画面上部のリボンから二本の矢印が描かれたアイコン(全員に返信ボタン)をクリックします
- 返信画面が開くので、メッセージを入力して「送信」をクリックします
このボタンは、画面のサイズやOutlookのバージョンによって表示位置が変わることがあります。閲覧ウィンドウの上部、メッセージの右端、またはメインリボンのいずれかに表示されているはずです。
方法2:キーボードショートカット
より素早く操作したい方には、キーボードショートカットがおすすめです。
- Windows:
Ctrl + Shift + R - Mac:
Command + Shift + R
メールを選択した状態でこのショートカットを押すと、すぐに全員への返信画面が開きます。慣れるとマウスより断然速いですよ。
Web版Outlookでの操作方法
Web版(Outlook on the web)を使っている場合も、基本的な流れは同じです。
- 返信したいメールを選択します
- メッセージウィンドウの右上にある三点リーダー(…)をクリックします
- 表示されるメニューから「全員に返信」を選択します
- メッセージを入力して「送信」をクリックします
スマートフォン版での操作
モバイル版のOutlookでも「全員に返信」は使えます。
- 返信したいメールを開きます
- 返信ボタンをタップします
- 「返信」「全員に返信」「転送」から「全員に返信」を選択します
- メッセージを入力して送信マークをタップします
スマホの場合は画面が小さいので、誤って「返信」を選んでしまわないよう注意しましょう。
知っておきたい重要な注意点
本当に全員に送る必要があるか確認する
「全員に返信」を使う前に、一呼吸置いて考えてみることが大切です。
特にメールが多くの人や配布リストに送られていた場合、全員があなたの返信を見る必要があるでしょうか?
多くの場合、実際には「返信」を選んで、本当に含めるべき人だけを手動で追加する方が適切です。
不要な受信者は削除できる
もし「全員に返信」を選んだ後で「この人には送らなくてもいいかも」と気づいた場合は、宛先やCCから該当する人を削除することができます。
返信画面の宛先欄で、不要な受信者の名前をクリックして削除キー(Delete)を押すだけです。送信前なら何度でも調整できますよ。
添付ファイルは自動で付かない
「全員に返信」を使っても、元のメールに添付されていたファイルは自動的には含まれません。
もし添付ファイルも一緒に送る必要がある場合は、次のいずれかの方法を使いましょう:
- 手動で添付ファイルを追加する
- 「転送」機能を使う(転送なら元の添付ファイルも含まれます)
メールの洪水を防ぐために
職場でよくある問題が、「全員に返信の連鎖」です。
例えば、30人に送られたお知らせメールに対して、全員が「了解しました」と全員に返信すると、あっという間に900通ものメールが飛び交うことになります。
こうした事態を避けるため、簡単な確認や感謝のメッセージは送信者だけに返信するのがマナーです。
デフォルト設定を変更する方法
「いつも全員に返信することが多い」という方は、デフォルトの返信設定を変更できます。
Web版Outlookでの設定変更
- 画面上部の歯車アイコン(設定)をクリックします
- 「すべてのOutlook設定を表示」を選択します
- 「メール」→「作成と返信」の順にクリックします
- 「返信または全員に返信」セクションで、「全員に返信」を選択します
- 「保存」をクリックします
これで、次回からは閲覧ウィンドウから返信するときのデフォルトが「全員に返信」になります。
デスクトップ版Outlookでの設定変更
残念ながら、デスクトップ版のOutlookでは、閲覧ウィンドウからの返信のデフォルト設定を変更する直接的な方法はありません。
ただし、返信画面が開いた後であれば、受信者リストを自由に編集できます。
よくある疑問と解決策
「返信」を始めた後で「全員に返信」に変えられる?
これはOutlookユーザーからよく聞かれる質問です。残念ながら、デスクトップ版では簡単な切り替え方法はありません。
もし既に返信を書き始めてしまった場合は、次のいずれかの方法を使いましょう:
方法1:受信者を手動で追加する
- 元のメールから宛先とCCの受信者をコピーして、返信メールのCCフィールドに貼り付けます
方法2:書いた内容を保存してやり直す
- 書いた内容をコピーします
- メールを閉じて下書きとして保存します
- 改めて「全員に返信」を選び、コピーした内容を貼り付けます
モバイル版のOutlookでは、返信画面で受信者リストをタップすることで、返信タイプを「返信」「全員に返信」「転送」の間で簡単に切り替えられます。
自分のアドレスは宛先に含まれる?
通常、Outlookでは自分のメールアドレスは自動的に宛先から除外されます。
ただし、Kutools for Outlookなどのサードパーティ製アドインを使っている場合は、設定によって自分を含めることもできます。
返信時に元のメッセージ履歴を削除できる?
デフォルトでは、返信メールには元のメッセージが引用として含まれます。
これを削除したい場合は:
- 「ファイル」→「オプション」をクリックします
- 「メール」を選択します
- 「返信と転送」セクションまでスクロールします
- 「メッセージに返信するとき」のドロップダウンから「元のメッセージを含めない」を選択します
ただし、会話の流れを相手が理解しやすいよう、通常は元のメッセージを残しておくことをおすすめします。
実践的な使い分けのコツ
「返信」を使うべき場合
- 送信者だけに対する個人的な質問や確認
- 他の受信者には関係ない内容
- 簡単な感謝や了解のメッセージ
- 機密情報を含む返信
「全員に返信」を使うべき場合
- チーム全体に共有すべき情報
- プロジェクトの進捗報告
- 複数の人に関わる決定事項の確認
- 議論や意見交換が必要な場合
迷ったときの判断基準
「この情報を知らないと困る人はいるか?」を自問してみましょう。
もし答えが「はい」なら「全員に返信」を、「いいえ」なら「返信」を選ぶのが基本です。
まとめ
Outlookの「全員に返信」機能は、チームでのコミュニケーションを円滑にする便利なツールです。
覚えておきたいポイント
- 全員に返信は送信者+宛先とCCの全員に届きます
- デスクトップ版では「Ctrl + Shift + R」で素早く操作できます
- 送信前に必ず受信者リストを確認しましょう
- 本当に全員が見る必要があるか考えることが大切です
- 添付ファイルは自動で付かないので注意が必要です
適切に使い分けることで、無駄なメールを減らし、必要な人に必要な情報を届けることができます。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、慣れてくれば自然に判断できるようになりますよ。ぜひ今日から意識して使ってみてくださいね。

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