リモートワークが当たり前になった今、「ちょっとした質問」や「さっと確認したいこと」をどうやって伝えるか悩んでいませんか?
オフィスにいた頃は、同僚の席まで歩いて行って「これってどうだっけ?」と気軽に聞けました。でもリモートになると、わざわざZoomのミーティングを設定するのも大げさだし、テキストで説明するのも面倒ですよね。
そんな悩みを解決してくれるのが、Slackのハドルミーティングです。
この記事では、ハドルミーティングとは何なのか、どうやって使うのか、どんな場面で役立つのかを詳しく解説していきます。使いこなせば、チームのコミュニケーションがぐっとスムーズになりますよ。
ハドルミーティングって何?

ハドルミーティングは、Slack上で音声通話やビデオ通話ができる機能です。チャンネルやダイレクトメッセージ(DM)から、クリック一つですぐに通話を始められます。
「ハドル(Huddle)」という名前は、アメリカンフットボールの試合中に行われる短い作戦会議が由来になっています。つまり、10分から30分程度のカジュアルで短時間の打ち合わせをイメージした機能なんです。
オフィスでの立ち話や、ちょっとした相談のような、形式張らない会話をオンラインで再現できる――それがハドルミーティングの魅力です。
Slackコールとの違いは?
以前Slackには「Slackコール」という音声通話機能がありましたが、2023年3月に廃止されており、Slackコールの機能はすべてハドルミーティングに統合されています。
つまり、現在のSlackで音声通話をするなら、ハドルミーティングが唯一の選択肢というわけです。
ハドルミーティングの主な機能
ハドルミーティングには、リモートワークを快適にする便利な機能がたくさん詰まっています。一つずつ見ていきましょう。
音声通話とビデオ通話
無料プランは1対1での音声通話に対応しており、有料プランに申し込むと最大50人までの音声通話が可能になります。
ハドルは基本的に音声のみでスタートしますが、必要に応じてカメラアイコンをクリックすれば、いつでもビデオ通話に切り替えられます。
音声だけで始められるから、身支度を気にせず気軽に参加できるのがポイントです。朝一番のパジャマ姿でも、髪がボサボサでも大丈夫!
画面共有機能
ハドルミーティングでは、通話をしながら最大2人まで画面を共有でき、共有されている画面に直接フリーハンドで書き込みも可能です。
たとえば、デザインのフィードバックをするときに画面を共有して「ここをこうしたらどう?」と描きながら説明できます。ペアプログラミングでコードを一緒に見ながら問題を解決することもできますよ。
全画面の共有だけでなく、特定のウィンドウやChromeのタブだけを共有することも可能です。
ハドル専用スレッド
ハドル中に送信されたメッセージ、リンク、ファイルは、専用のスレッドに自動的に保存されます。
会話しながら「あのリンクどこだっけ?」となっても、スレッドを見ればすぐに見つかります。ハドルが終わった後も、そのスレッドは残るので、後から議事録代わりに振り返ることができて便利です。
絵文字リアクション
ハドル中に絵文字で反応することもできます。「いいね!」って思ったら👍、面白かったら😂、同意したら✅――相手の話を遮らずに意思表示できるんです。
特に大人数のハドルでは、全員が口を挟むと収拾がつかなくなりますよね。絵文字リアクションなら、「聞いてますよ」「賛成です」という意思を静かに伝えられます。
ライブキャプション(自動字幕)
ライブキャプションとは、ハドルミーティングでの会話に自動で字幕が付く機能で、会話が自動で文字起こしされます。
ただし、2024年1月時点では英語のみの対応となっており、日本語での使用はできません。将来的に日本語対応が期待されますね。
プラン別の参加人数制限
ハドルミーティングは、Slackのどのプランでも使えますが、参加できる人数に違いがあります。
無料プラン:
- 最大2人まで参加可能
- 1対1の音声通話やビデオ通話に限定されます
有料プラン(プロ、ビジネスプラス、Enterprise Grid):
- 最大50人まで参加可能
- 無制限の時間で使用できます
小規模チームなら無料プランでも十分ですが、大きなプロジェクトやチーム全体でのブレインストーミングには有料プランが必要です。
ハドルミーティングの始め方【PC版】
パソコンでハドルミーティングを始める方法は本当に簡単です。
基本的な開始手順
- ハドルを始めたいチャンネルまたはDMを開きます
- 画面上部にあるヘッドフォンアイコンをクリックします
- これだけで、ハドルがスタートします!
同じチャンネルにいる他のメンバーには、「ハドルが開始されました」という通知が表示され、いつでも参加できるようになります。
キーボードショートカット
さらに素早く始めたい場合は、ショートカットキーが便利です。
- Mac: Command + Shift + H
- Windows/Linux: Ctrl + Shift + H
このショートカットを覚えておくと、瞬時にハドルを開始できますよ。
別ウィンドウで表示する
ハドルは最初、Slackウィンドウの左下に小さく表示されます。
もっと大きく表示したい場合は、ハドル画面の右上にある新しいウィンドウアイコンをクリックしてください。別ウィンドウで開けば、他の作業をしながらハドルに参加しやすくなります。
ハドルミーティングの始め方【スマホ版】
スマホからもハドルミーティングを開始できます。外出先や移動中でも参加できるのが便利ですね。
iPhoneでの開始方法
- Slackアプリを開きます
- ハドルを始めたいチャンネルまたはDMをタップします
- 画面右上のヘッドフォンアイコンをタップします
- ハドルが開始されます
Androidでの開始方法
AndroidもiPhoneと同じ手順です。基本的な操作は変わりません。
ただし、スマホ版では画面共有などの一部機能が制限される場合があります。本格的なミーティングをする場合は、パソコンからの参加がおすすめです。
ハドルミーティングへの参加方法
自分がハドルを開始するだけでなく、誰かが始めたハドルに参加する方法も知っておきましょう。
チャンネルからの参加
チャンネルでハドルが始まると、チャンネル名の横にヘッドフォンアイコンが表示されます。
このアイコンをクリックするだけで、すぐにハドルに参加できます。会話の途中から参加しても、途中で抜けても大丈夫。まさにオフィスでの立ち話のように、自由に出入りできるんです。
招待リンクから参加
ハドルには専用のリンクが発行されます。このリンクを使えば、チャンネルのメンバー以外の人も招待できます。
リンクをコピーする手順:
- チャンネルまたはDMで、ヘッドフォンアイコンの横にある矢印をクリックします
- 「ハドルミーティングのリンクをコピーする」を選択します
- リンクをメッセージやカレンダー招待に貼り付けて共有します
社外のゲストや、そのチャンネルに参加していない社内メンバーを招待したいときに便利です。
ビデオと画面共有の使い方
ハドルは音声だけでも十分便利ですが、視覚的なコミュニケーションが必要なときもありますよね。
ビデオをオンにする
ハドル中にカメラアイコンをクリックするだけで、ビデオがオンになります。
最初は音声だけでスタートして、必要になったらビデオに切り替える――この柔軟さがハドルの良いところです。
画面を共有する
画面共有を始める手順:
- ハドル画面の画面共有アイコン(ディスプレイのマーク)をクリックします
- 共有したい画面を選択します
- デスクトップ全体
- 特定のウィンドウ
- Chromeのタブ
- 「音声を共有する」にチェックを入れると、システムサウンドも共有できます
共有した画面は、最初は小さく表示されますが、クリックすれば別ウィンドウで大きく表示できます。
ハドルミーティングの終了方法

ハドルを終わらせるのも簡単です。
自分だけ退出する場合
ハドル画面の「退出」ボタンをクリックするだけです。
他の人がまだハドルに残っていても、自分だけ抜けることができます。会議の途中で席を立つような気まずさはありません。
ハドル全体を終了する場合
最後の一人が退出すると、ハドルは自動的に終了します。
明示的に終了させたい場合は、ハドル画面の設定メニューから「ハドルを終了」を選べます。
ハドルミーティングのメリット
なぜハドルミーティングがこんなに便利なのか、具体的なメリットを見ていきましょう。
会議室の予約が不要
ハドルミーティングを活用すれば、会議室を使用しなくなります。よって、会議室の予約手続き・メンバーのスケジュール調整などの業務が不要になるんです。
「明後日の午後3時、30分だけ会議室空いてる?」なんてやり取りはもう不要。必要な時に、必要なメンバーで、すぐに話し合えます。
意思決定のスピードアップ
ハドルミーティングは、短時間でのミーティングを基本とします。そのため、余計な雑談をする時間が少なくなります。
「話がそれる」「なかなか結論が出ない」といった会議特有の問題がなくなり、短時間で必要な会話を終えられるから、意思決定のスピードもアップします。
ビデオ疲れの軽減
Zoom疲れって言葉、聞いたことありませんか?ずっとカメラの前にいるのって、思った以上に疲れるんですよね。
ハドルは音声のみでもOKなので、カメラを気にせずリラックスして会話できます。表情を読まれる緊張感がないから、より自然なコミュニケーションが可能です。
コミュニケーション機会の増加
気軽に通話できるから、組織におけるコミュニケーションの機会が増えるため、活性化も期待できます。
リモートワークでは、どうしても必要最低限の会話だけになりがちです。でもハドルがあれば、「ちょっといい?」って声をかける感覚で会話が始められます。
ハドルミーティングのデメリット・注意点
便利なハドルミーティングですが、知っておくべき制約もあります。
録画機能がない
ハドルミーティングには、会議の内容を録画できないといった問題があります。
重要な意思決定をする場合や、後から見返したい内容の場合は、ZoomやGoogle Meetなど、録画機能がある別のツールを使ったほうが良いでしょう。
ただし、Slack AIアドオンを使えば、AIが自動的にメモを取ってくれる機能もあります(有料プラン限定)。
背景変更やぼかしができない
Slackのハドルミーティングでは、背景の変更やぼかし機能は提供されていません。ハドルは音声中心のコミュニケーションを目的としているため、背景の設定に関する機能が搭載されていないのが現状です。
自宅の背景を見られたくない場合は、ビデオをオフにするか、物理的に背景を整えるしかありません。
日時予約機能がない
ハドルミーティングには日時予約機能がないのも欠点の一つです。
「来週の火曜日、14時にハドルしましょう」と約束しても、その時間になったら誰かが手動でハドルを開始する必要があります。
定期的なミーティングには、GoogleカレンダーやOutlookと連携させて、通知機能を活用するのがおすすめです。
ハドルミーティングの活用シーン
実際にどんな場面でハドルミーティングが役立つのか、具体例を見ていきましょう。
ペアプログラミング
たとえば、あるエンジニアが技術的な問題に突き当たっているとします。チームではこれまでに遭遇したことのない問題のため、Slackで対策を調べるという方法は使えません。そこで、知恵を借りたいというリクエストをチャンネルに投稿し、ハドルミーティングを開始します。
画面を共有しながら、問題の箇所を一緒に見て、描画機能で丸を付けたり矢印を描いたりしながら解決策を探せます。
ブレインストーミング
新しいアイデアを出し合うとき、テキストだけだと盛り上がりに欠けますよね。
ハドルを開いて、口頭でアイデアを出し合い、絵文字でリアクションし合えば、創造的な雰囲気が生まれます。思いついたアイデアをどんどん専用スレッドにメモしていけば、議事録も自然とできあがります。
1on1ミーティング
上司と部下の定期的な1on1にもハドルは最適です。
Slackのハドルミーティングは音声のみの機能で、これにより人々の表情やボディランゲージを読み取るストレスが軽減され、常にカメラの前にいることによる疲労も減少します。
カメラなしだからこそ、よりリラックスして本音で話せることもあります。
緊急対応(作戦指令室)
大がかりなリリースや導入作業をオフィスで管理していた頃は、チームの「作戦指令室」と称して、会議用のテーブルに陣取って作業を進めることが一般的でした。Slackハドルミーティングは、チームのメンバーがあちこちに散らばっている状況で、この「作戦指令室」に似た役割を果たすことができます。
システム障害やリリース当日など、リアルタイムでの対応が必要な場面では、ハドルを開きっぱなしにして、みんなが自由に出入りできる状態を作ると便利です。
バーチャルコーヒーブレイク
仕事の話だけじゃなく、雑談も大事ですよね。
チームチャンネルで「コーヒーブレイクハドル」を開いて、休憩しながら気楽におしゃべり。リモートワークで失われがちな、同僚との何気ない会話を取り戻せます。
よくあるトラブルと解決方法
ハドルミーティングを使っていて困ったときの対処法をまとめました。
ハドルが開始できない
考えられる原因と対処法:
原因1:ネットワーク接続の問題
インターネット接続を確認してください。Wi-Fiを一度切って繋ぎ直すだけで解決することもあります。
原因2:アプリのバージョンが古い
Slackアプリを最新バージョンにアップデートしてください。
原因3:ブラウザの問題
ブラウザ版を使っている場合、ChromeかFirefoxを使っているか確認しましょう。また、ブラウザのマイク権限が許可されているかもチェックしてください。
音声が聞こえない・相手に聞こえない
以下を順番に確認してください。
- マイクがミュートになっていないか確認
- Slackの設定で正しいマイクとスピーカーが選択されているか確認
- 自分のアイコン → 環境設定 → 音声とビデオ
- デバイス(PCやヘッドセット)の音量設定を確認
- 他のアプリがマイクを占有していないか確認
画面共有ができない
Mac の場合:
システム環境設定で、Slackに画面収録の権限を与える必要があります。
- システム環境設定 → セキュリティとプライバシー → 画面収録
Windows の場合:
デスクトップアプリを使っているか確認してください。ブラウザ版では一部機能が制限されることがあります。
誰も参加してくれない
ハドルミーティングを開催しているのに自分以外誰も参加しないと、一定時間で自動的にマイクがミュートされます。
あらかじめチャンネルで「今からハドル開きます」とメッセージを送っておくと、メンバーが気づきやすくなります。
ハドルミーティングをもっと便利に使うコツ

使いこなすための実践的なテクニックを紹介します。
ステータスを活用する
ハドル参加中は、ステータスが自動的に「In a huddle ・#チャンネル名」に切り替わり、ヘッドフォンアイコンが表示されます。
話しかけたい相手のステータスを見れば、今ハドル中かどうかすぐに分かるので便利です。
Canvas機能でメモを取る
Slack のCanvas(キャンバス)機能を使えば、ハドル中にリアルタイムでメモを取れます。
議題や決定事項、アクションアイテムなどを箇条書きにしていけば、簡易的な議事録が完成。ハドル終了後も、Canvasはチャンネルに残るので後から見返せます。
定期的なハドルをスケジュールする
予約機能はありませんが、カレンダーと連携させることはできます。
- ハドルのリンクをコピー
- GoogleカレンダーやOutlookの定期イベントとして登録
- 時間になったらリンクをクリックして参加
これで毎週決まった時間のチーム定例会もスムーズに運営できます。
チャンネルの使い分け
プロジェクトごと、チームごとに専用チャンネルを作っておくと、ハドルも整理しやすくなります。
「#dev-huddles」(開発チーム用)、「#design-huddles」(デザインチーム用)のように分けておけば、関係ない通知で邪魔されることもありません。
まとめ
Slackのハドルミーティングについて、詳しく解説してきました。
ハドルミーティングの要点をおさらいしましょう:
- Slack上でワンクリックで始められる音声・ビデオ通話機能です
- 無料プランは2人まで、有料プランは50人まで参加可能です
- 画面共有や専用スレッド、絵文字リアクションなど便利な機能が満載です
- 会議室予約不要で、気軽に短時間のコミュニケーションができます
- 録画機能や背景変更はできませんが、カジュアルな会話には最適です
リモートワークの課題の一つは、カジュアルなコミュニケーションの減少でした。
ハドルミーティングは、オフィスでの立ち話や雑談のような、形式張らない会話をオンラインで実現してくれます。大げさな会議設定は不要、思い立ったらすぐに会話を始められる――この手軽さが、チームのコミュニケーションを活性化させるんです。
「メールやチャットだと説明しづらいな」「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」――そんなときこそ、ハドルミーティングの出番です。ぜひ今日から使ってみてください。
最初は慣れないかもしれませんが、使っているうちに自然と習慣になります。チームのみんなが使い始めれば、リモートワークがもっと快適になるはずですよ。

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