「タブレットを横にしても画面が回転しない」
「自動回転をオンにしているのに縦のまま」
タブレットで動画を見たり、横長のウェブページを閲覧したりする時、画面が横向きにならないと不便ですよね。
この記事では、iPad、Androidタブレット、Windowsタブレットで画面が回転しない原因と、すぐに試せる解決方法を詳しく解説します。
画面回転の仕組み

まず、タブレットの画面回転がどのように機能しているかを理解しましょう。
加速度センサー(Accelerometer)の役割
タブレットには「加速度センサー」や「ジャイロセンサー」という部品が内蔵されています。
これらのセンサーが、タブレットが地面に対してどの向きに傾いているかを検知し、画面の向きを自動的に変更します。
仕組み:
- タブレットを横に向ける
- センサーが傾きを検知
- システムが画面の向きを変更
- 画面が横向きに表示される
つまり、このセンサーが正常に動作していないと、画面は回転しません。
画面が回転する条件
画面が回転するには、以下の条件が必要です。
必要な条件:
- 自動回転機能がオンになっている
- アプリが画面回転に対応している
- タブレットが地面に対して垂直に近い状態
- 加速度センサーが正常に動作している
- 画面に触れていない(機種による)
これらの条件のどれかが満たされていないと、画面は回転しません。
画面が回転しない主な原因
画面が回転しない原因は、大きく分けて以下の5つです。
1. 回転ロック(画面固定)がオンになっている
最も多い原因です。
回転ロック機能がオンになっていると、タブレットの向きを変えても画面は回転しません。
誤って設定してしまうことが多いので、まず最初に確認しましょう。
2. アプリが画面回転に対応していない
すべてのアプリが画面回転に対応しているわけではありません。
回転しないアプリの例:
- Instagram(縦向き固定)
- 一部のゲームアプリ
- メーカー独自のアプリ
- 電子書籍リーダー(設定による)
他のアプリでは回転するのに、特定のアプリだけ回転しない場合は、アプリの仕様です。
3. タブレットの持ち方が水平すぎる
タブレットを机の上に置いたまま、または地面と水平に近い状態で回転させても、画面は回転しません。
理由:
センサーは重力方向の変化を検知しています。水平状態では、どちらが「上」なのか判断できないため、回転しません。
4. ハードウェアの問題(センサー故障)
落下や衝撃により、加速度センサーが故障している可能性があります。
兆候:
- 以前は動いていたのに、突然回転しなくなった
- 再起動しても改善しない
- どのアプリでも回転しない
5. システムの不具合
ソフトウェアのバグやシステムエラーで、一時的に回転機能が動作しなくなることがあります。
iPad(iOS/iPadOS)での解決方法
iPadで画面が回転しない場合の対処法です。
方法1:回転ロックを解除する(最重要)
手順:
- 画面右上から下にスワイプして「コントロールセンター」を開く
- 「回転ロックボタン」(鍵マークに囲まれた矢印アイコン)を探す
- ボタンが赤くハイライトされている場合、タップしてオフにする
- グレーになれば、回転ロックが解除された
古いiPad(サイドスイッチ付き):
一部の古いiPadには、本体側面に物理的なサイドスイッチがあります。
- 「設定」→「一般」を開く
- 「サイドスイッチの機能」を確認
- 「画面の向きをロック」が選択されている場合、サイドスイッチで回転ロックを切り替えられる
- サイドスイッチを反対側にフリップ
方法2:iPadを再起動する
一時的な不具合の場合、再起動で解決します。
ホームボタンありのiPad:
- トップボタン(または電源ボタン)とホームボタンを同時に長押し
- Appleロゴが表示されるまで押し続ける(25〜30秒程度)
- 起動したら画面回転を試す
ホームボタンなしのiPad:
- 音量上ボタンを押してすぐ離す
- 音量下ボタンを押してすぐ離す
- トップボタンを長押し
- Appleロゴが表示されるまで押し続ける
方法3:アプリが対応しているか確認
Safari など別のアプリで画面回転を試してください。
確認方法:
- Safariを開く
- iPadを横向きにする
- 画面が回転すれば、iPad本体は正常
特定のアプリだけ回転しない場合、そのアプリが画面回転に対応していません。
方法4:iPadOSをアップデート
古いバージョンのiPadOSにバグがある可能性があります。
手順:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- 利用可能なアップデートがあればインストール
- アップデート後、再起動して確認
方法5:すべての設定をリセット
データを消さずに、設定だけをリセットします。
手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPadをリセット」
- 「リセット」→「すべての設定をリセット」
- パスコードを入力
- 確認して実行
注意:
Wi-Fiパスワードや一部の設定は再入力が必要ですが、写真や動画などのデータは消えません。
方法6:Assistive Touchを使う(緊急対処)
センサーが故障している場合の一時的な対処法です。
手順:
- 「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」
- AssistiveTouchをオンにする
- 画面に表示される丸いボタンをタップ
- 「デバイス」→「画面を回転」
- 希望の向きを選択
これで手動で画面を回転できます。
方法7:工場出荷時の状態に戻す
最終手段です。データは完全に消去されます。
事前準備:
必ずiCloudやiTunesでバックアップを取ってください。
手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPadをリセット」
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」
- パスコードを入力
- 実行
これでもダメな場合は、ハードウェア故障の可能性が高いです。
Androidタブレットでの解決方法

Androidタブレットの場合の対処法です。
方法1:自動回転をオンにする
クイック設定パネルから:
- 画面上部から2本指で下にスワイプ
- または、1本指で2回スワイプ
- 「自動回転」または「画面回転」アイコンを探す
- タップしてオンにする
アイコンの見分け方:
- オン(有効): アイコンが青または白でハイライト
- オフ(無効): アイコンがグレー、または「縦向き」「横向き」と表示
設定アプリから:
- 「設定」アプリを開く
- 「ディスプレイ」または「画面」を選択
- 「画面の自動回転」を探す
- スイッチをオンにする
方法2:タブレットを再起動
通常の再起動:
- 電源ボタンを長押し
- 「再起動」または「電源を切る」を選択
- 電源を切った後、再度電源ボタンで起動
強制再起動(機種による):
Samsung Galaxy Tab などの場合:
- 電源ボタン + 音量下ボタンを同時に長押し
- 画面が暗くなりロゴが表示されるまで押し続ける(7〜10秒)
方法3:ホーム画面の回転を有効にする
Androidタブレットは、デフォルトでホーム画面が回転しない設定になっていることがあります。
手順(機種により異なる):
Samsungタブレット:
- ホーム画面を長押し
- 「ホーム画面の設定」をタップ
- 「横向きモードで回転」をオンにする
その他の機種:
- ホーム画面を長押し
- 「設定」または「ホーム設定」をタップ
- 「回転を許可」または「ホーム画面の回転」を探してオンにする
方法4:センサーの診断と調整
加速度センサーが正常に動作しているか確認します。
診断アプリを使う:
- Google Playストアから「GPS Status & Toolbox」アプリをインストール
- アプリを開き、メニュー→「センサーの診断」
- タブレットを傾けて、ジャイロスコープと加速度センサーの値が変化するか確認
- 変化しない場合、センサーが故障している可能性
Samsung端末の場合:
「Samsung Members」アプリで診断できます。
- Samsung Membersアプリを開く
- 「サポート」→「診断」
- 「センサー」テストを実行
方法5:最近インストールしたアプリを削除
特定のアプリが画面回転を妨げている可能性があります。
手順:
- 「設定」→「アプリ」
- 最近インストールしたアプリを探す
- アプリをタップ→「アンインストール」
- 再起動して確認
方法6:Androidをアップデート
ソフトウェアのバグが原因の可能性があります。
手順:
- 「設定」→「システム」→「システムアップデート」
- または「設定」→「端末情報」→「システムアップデート」
- 利用可能な更新があればインストール
方法7:セーフモードで起動
サードパーティアプリが原因か確認します。
手順:
- 電源ボタンを長押し
- 「電源を切る」を長押し
- 「セーフモードで再起動」を選択
- セーフモードで画面回転が動作するか確認
セーフモードで回転する場合、インストールしたアプリが原因です。
方法8:工場出荷時設定にリセット
最終手段です。必ずバックアップを取ってください。
手順:
- 「設定」→「システム」→「リセット」
- 「データの初期化」または「工場出荷時の状態にリセット」
- 指示に従って実行
Android 9以降の「回転の提案」機能
Android 9 Pie以降では、自動回転の代わりに「回転の提案」機能があります。
動作:
- タブレットを横に傾けると、画面下に回転ボタンが表示される
- ボタンをタップすると画面が回転する
この機能が有効な場合、画面は自動では回転せず、手動でタップする必要があります。
Windowsタブレットでの解決方法
Windows 10/11タブレットの場合の対処法です。
方法1:回転ロックを解除
アクションセンターから:
- 画面右下の通知アイコン(吹き出しマーク)をタップ
- アクションセンターが表示される
- 「回転ロック」ボタンを探す
- 青色(オン)なら、タップしてオフ(グレー)にする
設定アプリから:
- 「設定」→「ディスプレイ」
- 「画面の向きを固定」をオフにする
方法2:タブレットモードを確認
キーボードやドッキングステーションを接続していると、画面が固定されます。
確認方法:
キーボードを外し、タブレット単体で使用してください。
タブレットモードでのみ、画面回転が有効になります。
方法3:ディスプレイ設定を確認
手順:
- デスクトップを右クリック
- 「ディスプレイ設定」を選択
- 「ディスプレイの向き」を確認
- 「自動回転」や「横」「縦」などのオプションを確認
方法4:タブレットを再起動
- スタートメニュー→「電源」→「再起動」
- または、電源ボタン長押し→「再起動」
方法5:センサーの確認(BIOS)
一部のWindowsタブレットでは、BIOS設定でセンサーが無効になっている場合があります。
確認方法:
- タブレットを再起動
- 起動時にF2キーまたはDelキーを連打してBIOSに入る
- 「Advanced」→「Device Configuration」
- 「G Sensor/Compass/Gyro」が「Enabled」になっているか確認
- 無効なら有効にして保存
注意:
BIOSの設定を誤ると、タブレットが起動しなくなる可能性があります。不安な場合は、メーカーサポートに相談してください。
タブレットの正しい持ち方
画面を回転させるには、タブレットを正しく持つ必要があります。
回転する持ち方
ポイント:
- タブレットを地面に対して垂直に近い状態で持つ
- 画面が地面と90度に近い角度
例:
- 本を読むように立てて持つ
- 顔の前で持ち上げる
回転しない持ち方
ポイント:
- 机の上に置いたまま
- 地面と水平に寝かせた状態
理由:
センサーが「どちらが上か」を判断できないため、回転しません。
アプリごとの画面回転対応

アプリによって、画面回転への対応状況が異なります。
回転するアプリ
一般的に回転するアプリ:
- Safari / Chrome(ウェブブラウザ)
- YouTube
- Netflix
- メール
- メモ
- Pages / Word(文書作成)
- 写真アプリ
回転しないアプリ
縦向き固定のアプリ例:
- Instagram(フィード画面)
- Twitter(一部の画面)
- LINE(トーク画面)
- 一部のゲームアプリ
- 電卓アプリ(機種による)
アプリ内設定を確認
一部のアプリには、独自の画面回転設定があります。
確認方法:
- アプリを開く
- 設定またはメニューを確認
- 「画面回転」「向き」「ディスプレイ」などの項目を探す
ハードウェア故障の見分け方
以下の兆候がある場合、ハードウェア故障の可能性があります。
ハードウェア故障の兆候
チェックリスト:
- [ ] 落下や衝撃があった後に動かなくなった
- [ ] すべての解決方法を試しても改善しない
- [ ] 再起動しても回転しない
- [ ] 工場出荷時設定にリセットしても回転しない
- [ ] どのアプリでも回転しない
- [ ] センサー診断アプリで加速度センサーが反応しない
これらに複数当てはまる場合、修理が必要です。
修理・サポート
対応方法:
iPad:
- Apple サポートに連絡
- Apple Storeのジーニアスバーで診断
- 正規サービスプロバイダに持ち込み
Androidタブレット:
- メーカーのサポートセンターに連絡
- 購入した店舗に相談
- 修理専門店(非正規)
Windowsタブレット:
- メーカーサポートに連絡
- PCショップの修理サービス
保証期間:
購入から1年以内なら、無料で修理できる可能性があります。保証書を確認しましょう。
画面回転を固定したい場合
逆に、画面が勝手に回転して困る場合の対処法です。
iPadで固定
コントロールセンターから「回転ロック」をオンにするだけです。
Androidタブレットで固定
クイック設定パネルから「自動回転」をオフにします。
さらに細かく設定:
- 「縦向き」に固定
- 「横向き」に固定
特定のアプリだけ固定
サードパーティアプリを使う:
Google Playストアで「Rotation Control」などのアプリを検索すると、アプリごとに回転設定を変更できます。
よくある質問
Q1:一部のアプリだけ回転しないのはなぜ?
A:そのアプリが画面回転に対応していないためです。アプリ開発者が意図的に縦向き、または横向きに固定している場合があります。Instagram、一部のゲームなどが該当します。
Q2:横にしても画面が逆さまになる
A:タブレットを180度回転させてください。センサーが上下を逆に検知している可能性があります。または、180度回転に対応していない機種もあります。
Q3:画面に触れていると回転しない?
A:一部のAndroidタブレットには、画面を触っている間は回転しない機能があります。これは意図的な仕様で、読書中に画面が勝手に回転するのを防ぐためです。画面から指を離すと回転します。
Q4:カバーやケースが原因になることはある?
A:はい、磁石付きのカバーがセンサーに干渉することがあります。特にマグネット充電に対応しているタブレットは、カバーの影響を受けやすいです。カバーを外して試してみてください。
Q5:再起動しても直らない場合は?
A:システム設定のリセットまたは工場出荷時設定へのリセットを試してください。それでもダメならハードウェア故障の可能性が高いので、修理が必要です。
Q6:画面回転が遅い
A:古いタブレットや、CPUに負荷がかかっている場合、回転に時間がかかることがあります。不要なアプリを終了する、または再起動すると改善することがあります。
Q7:ホーム画面だけ回転しない
A:多くのタブレットでは、ホーム画面の回転は別の設定になっています。ホーム画面の回転を有効にする設定を探してください(上記の各OSの手順を参照)。
Q8:センサーの調整(キャリブレーション)はできる?
A:Android端末では、一部の診断アプリでセンサーの調整ができます。iPadは自動調整のため、ユーザー側での手動調整はできません。
まとめ:タブレットの画面回転を復活させよう
タブレットの画面が横にならない原因と解決方法をまとめます。
主な原因:
- 回転ロック(画面固定)がオンになっている
- アプリが画面回転に対応していない
- タブレットの持ち方が水平すぎる
- 加速度センサーの故障
- システムの不具合
すぐ試すべき解決方法:
- 回転ロックを解除(最も重要)
- タブレットを再起動
- 別のアプリで試す(Safari、Chrome など)
- タブレットを垂直に持つ
- OSをアップデート
iPad:
- コントロールセンターで回転ロックを確認
- 強制再起動を試す
- すべての設定をリセット
Androidタブレット:
- クイック設定で自動回転をオン
- ホーム画面回転を有効化
- センサー診断アプリでチェック
Windowsタブレット:
- アクションセンターで回転ロックを確認
- キーボードを外してタブレットモードに
- BIOSでセンサー設定を確認
ハードウェア故障の場合:
- 落下後に動かなくなった
- すべての方法を試してもダメ
- → メーカーサポートに連絡して修理
予防策:
- 衝撃や落下から保護する
- 定期的にOSをアップデート
- 不要なアプリは削除
ほとんどの場合、回転ロックの解除または再起動で解決します。
それでもダメなら、この記事の手順を順番に試してみてください。
画面回転が復活して、快適にタブレットを使えますように!

コメント