「Geminiを使っていたら急に使えなくなった」
「『現在リクエストが多数届いているため、対応できませんでした。しばらくしてからもう一度お試しください。』って何?」
Google Geminiを使っていると、このようなエラーメッセージが表示されて、突然使えなくなることがあります。
この記事では、Geminiで「リクエストが多数」エラーが表示される原因と、すぐに試せる解決方法を詳しく解説します。
エラーメッセージの種類

Geminiのリクエスト制限エラーには、いくつかのバリエーションがあります。
よく見るエラーメッセージ
日本語のエラー:
- 「現在リクエストが多数届いているため、対応できませんでした。しばらくしてからもう一度お試しください。」
- 「エラーが発生しました。しばらくしてからもう一度お試しください。」
- 「エラーが発生しました」(番号なし)
英語のエラー:
- “Too Many Requests. Try Later.”
- “Error: Too Many Request”
- “The service is receiving too many requests from you”
- “Rate Limit Exceeded”
- “You exceeded your current quota”
エラーコード付き:
- エラー 429(最も一般的)
- エラー 503(サーバーがビジー状態)
- 「エラーが発生しました (5)」「エラーが発生しました (8)」「エラーが発生しました (9)」
これらはすべて、基本的に同じ問題:レート制限(Rate Limit)に引っかかっています。
このエラーが発生する原因
1. リクエスト数の制限超過(最も一般的)
Geminiには、一定時間内に送信できるリクエストの数に制限があります。
これは「レート制限」と呼ばれ、システムの過負荷を防ぎ、すべてのユーザーに公平にサービスを提供するために設けられています。
具体的な制限例(無料ティア):
- Gemini 2.5 Pro: 2リクエスト/分、100リクエスト/日
- Gemini 1.5 Pro: 2リクエスト/分、50リクエスト/日
- Gemini 2.5 Flash: 15リクエスト/分、1,500リクエスト/日
- Gemini 1.5 Flash: 15リクエスト/分、1,500リクエスト/日
つまり、Gemini 2.5 Proの無料版では、1分間に2回までしか質問できないということです。
それ以上送信すると、このエラーが表示されます。
2. トークン数の制限超過
リクエストの回数だけでなく、処理するトークン数(文字数のようなもの)にも制限があります。
トークン制限の種類:
- TPM(Tokens Per Minute): 1分あたりのトークン数
- TPD(Tokens Per Day): 1日あたりのトークン数
長い質問や長い回答を何度もやり取りすると、リクエスト回数は少なくてもトークン数の上限に達することがあります。
3. 1日の上限到達
無料ティアでは、1日に使えるリクエスト数にも上限があります。
たとえば、Gemini 2.5 Proの無料版は1日100リクエストまでです。これを超えると、日付が変わる(太平洋標準時の午前0時)まで使えません。
4. サーバー側の混雑(503エラー)
ユーザー側の問題ではなく、Googleのサーバーが混雑している場合もあります。
この場合、以下のようなメッセージが表示されます:
- “The server is currently overloaded. Please try again later.”
- “503 Service Unavailable”
新しいモデルのリリース直後や、利用者が集中する時間帯に起こりやすいです。
5. 複数デバイスでの同時使用
同じGoogleアカウントで、複数のデバイス(PC、スマホ、タブレットなど)から同時にGeminiを使っていると、制限に引っかかりやすくなります。
制限はGoogleアカウント単位(正確にはプロジェクト単位)で管理されているため、すべてのデバイスでの使用が合算されます。
6. APIキーを使っている場合
Gemini APIを使って開発している場合は、さらに厳しい制限が適用されることがあります。
また、同じAPIキーを複数の環境(開発環境と本番環境など)で使っていると、すぐに上限に達します。
エラーが出やすい使い方
以下のような使い方をすると、エラーが出やすくなります。
エラーが出やすいパターン:
- 連続して何度も質問を送る
- 非常に長い文章を送信する
- 画像や動画を含むリクエストを頻繁に送る(データ量が多い)
- 同じアカウントで複数のタブやデバイスから同時使用
- プロンプトのテスト中に何度も再送信する
- 会話履歴が非常に長くなっている
すぐに試せる解決方法
基本的な対処法
1. 時間をおいて再試行する(最も確実)
エラーメッセージの通り、しばらく待ってから再度試すのが最も確実な方法です。
待ち時間の目安:
- 分単位の制限(RPM): 1〜2分待つ
- 時間単位の制限: 15〜30分待つ
- 日単位の制限(RPD): 日付が変わるまで待つ(太平洋標準時の午前0時にリセット)
急いでいない場合は、5〜10分ほど待ってから再試行すると、ほぼ確実に復旧します。
2. ページを更新する
ブラウザでGeminiを使っている場合:
- ページを更新(F5キー、またはCtrl+R / Command+R)
- キャッシュをクリアしてから再読み込み(Ctrl+Shift+R / Command+Shift+R)
一時的な通信エラーの場合、これで解決することがあります。
3. ブラウザを再起動する
ブラウザを完全に閉じて、もう一度開き直します。
これにより、一時的なセッションの問題が解消されることがあります。
4. Googleアカウントからログアウト&再ログイン
- Geminiからログアウト
- ブラウザのキャッシュとCookieをクリア
- もう一度Googleアカウントでログイン
認証情報の更新により、問題が解決する場合があります。
モデルを変更する
Flashモデルに切り替える(超おすすめ)
Gemini 2.5 ProやGemini 1.5 Proを使っている場合、Flashモデルに変更すると制限が大幅に緩和されます。
変更方法:
- Geminiの画面上部、またはチャット入力欄の近くにあるモデル選択メニューを開く
- 「Gemini 2.5 Flash」または「Gemini 1.5 Flash」を選択
Flashモデルのメリット:
- リクエスト制限が15リクエスト/分(Proの7.5倍)
- 1日の上限が1,500リクエスト(Proの15倍)
- 応答速度が速い
- ほとんどの用途で十分な性能
Proモデルが必要な場合:
- 非常に複雑な推論が必要なタスク
- 高度な数学的問題
- 詳細な分析が必要な文書の処理
これらに該当しない場合は、Flashモデルで十分です。
使い方を工夫する
1. リクエストを分割する
長い質問や複数の質問を一度に送るのではなく、小分けにします。
悪い例:
「このPDF全体を要約して、キーポイントを抽出して、さらに関連する質問を10個作って」
良い例:
- まず「このPDFを要約してください」
- (1分待つ)
- 次に「キーポイントを5つ抽出してください」
- (1分待つ)
- 「関連する質問を5つ作ってください」
2. プロンプトを短くする
不要な情報を削除し、要点だけを伝えます。
悪い例:
「私は最近、プログラミングに興味を持っていて、特にPythonについて学びたいと思っています。将来的にはデータサイエンスの分野で働きたいと考えているのですが、まずは基本から始めたいです。Pythonの変数について、初心者でも分かるように、できるだけ詳しく、例も交えながら、さらに実際のコードも見せてもらえると嬉しいです。」
良い例:
「Pythonの変数について、初心者向けに例とコード付きで説明してください。」
3. 会話履歴をリセットする
会話が長くなると、毎回すべての履歴を処理するため、トークン数が増えます。
リセット方法:
- 「新しいチャット」ボタンをクリック
- または「+」ボタンで新しい会話を開始
定期的に新しいチャットを始めると、トークン数を節約できます。
4. 画像・動画の使用を控える
画像や動画を含むリクエストは、テキストのみよりもはるかに多くのリソースを消費します。
必要最小限の使用にとどめましょう。
通信環境を改善する
1. インターネット接続を確認する
Geminiはオンラインで動作するため、安定したインターネット接続が必須です。
確認ポイント:
- Wi-Fiの電波は強いか
- 他のデバイスでインターネットは使えるか
- モバイル回線の場合、電波は十分か
改善方法:
- ルーターに近づく
- Wi-Fiの2.4GHzと5GHzを切り替えてみる
- モバイル回線とWi-Fiを切り替えてみる
- ルーターを再起動する
2. VPNやプロキシを無効化する
VPNやプロキシを使用していると、Geminiへの接続が不安定になることがあります。
一時的に無効化して、問題が解決するか試してみましょう。
3. 公共Wi-Fiを避ける
カフェや図書館の公共Wi-Fiでは、ファイアウォールやフィルタリングでGoogleサービスが制限されていることがあります。
可能であれば、個人のモバイル回線に切り替えてください。
デバイスとブラウザの対処
1. ブラウザを最新版にする
古いブラウザではGeminiが正常に動作しないことがあります。
更新方法:
- Chrome: 設定 → ヘルプ → Google Chromeについて
- Edge: 設定 → Microsoft Edgeについて
- Safari: macOSのシステム更新で自動更新
2. ブラウザのキャッシュとCookieをクリア
Chrome / Edgeでの手順:
- Ctrl+Shift+Delete(Mac: Command+Shift+Delete)
- 「キャッシュされた画像とファイル」と「Cookieと他のサイトデータ」にチェック
- 「データを削除」をクリック
3. 拡張機能を無効化する
広告ブロッカーやセキュリティ拡張機能が、Geminiの動作を妨げることがあります。
確認方法:
- シークレットモード(プライベートブラウジング)でGeminiを開く
- 問題が解決すれば、拡張機能が原因
- 拡張機能を1つずつオフにして、原因を特定
4. 別のブラウザを試す
Chromeで問題が起きている場合、EdgeやFirefoxで試してみましょう。
5. デバイスを再起動する
スマホやPCを再起動すると、一時的なシステムの問題が解消されます。
アプリ使用時の対処法
Geminiアプリ(スマホ)の場合:
1. アプリを最新版に更新
- Google Play Store(Android)またはApp Store(iOS)を開く
- 「Gemini」アプリを検索
- 「更新」ボタンがあればタップ
2. アプリを再起動
- アプリを完全に終了(バックグラウンドからも削除)
- もう一度アプリを開く
3. アプリのキャッシュをクリア(Android)
- 設定 → アプリ → Gemini
- 「ストレージ」または「ストレージとキャッシュ」
- 「キャッシュを削除」をタップ
注意:「データを削除」は会話履歴も消えるので注意
4. OSを最新版に更新
- Android: Android 10以降が必要
- iOS: iOS 16以降が推奨
設定からシステムアップデートを確認しましょう。
API使用時の対処法(開発者向け)

APIを使ってGeminiを利用している場合の対処法です。
レート制限を確認する
無料ティアの制限例:
- Gemini 2.5 Pro: 2 RPM、4,000 TPM
- Gemini 2.5 Flash: 15 RPM、1,000,000 TPM
詳細は公式ドキュメントを確認してください。
指数バックオフを実装する
429エラーが返ってきたら、すぐに再試行するのではなく、待ち時間を徐々に増やしながら再試行します。
基本的な流れ:
- 最初は1秒待つ
- 2回目は2秒待つ
- 3回目は4秒待つ
- 4回目は8秒待つ
これにより、サーバーへの負荷を減らしながら、確実にリクエストを通せます。
リクエストの間隔を開ける
プログラムでループ処理をする場合、各リクエストの間に最低でも0.1〜0.3秒の待機時間を入れましょう。
有料プランにアップグレード
開発で頻繁に使う場合は、有料プランにすると制限が大幅に緩和されます。
有料プランの例:
- RPMが大幅に増加(モデルによって異なる)
- TPMも増加
- 安定した開発環境が得られる
Google Cloud Consoleから、プロジェクトのアップグレードが可能です。
Google側の問題の可能性
自分で試せることをすべて試してもダメな場合、Google側の問題かもしれません。
サーバー障害の確認方法
1. Googleステータスダッシュボードを確認
Google Workspace Status Dashboardで、Googleサービスの稼働状況を確認できます。
2. SNSで情報を集める
TwitterやRedditで「Gemini down」「Gemini error」などで検索すると、他のユーザーも同じ問題に直面しているか確認できます。
多くの人が同時に報告している場合、Google側の問題の可能性が高いです。
3. DownDetectorを確認
DownDetectorで「Google」や「Gemini」を検索すると、リアルタイムの障害報告を確認できます。
Google側の問題の場合の対処
待つしかない:
残念ながら、Google側の問題の場合、ユーザー側でできることはありません。
復旧を待つしかありません。通常、数時間以内に解決します。
代替サービスを使う:
緊急の場合は、一時的に他のAIサービスを使うのも手です:
- ChatGPT(OpenAI)
- Claude(Anthropic)
- Copilot(Microsoft)
特定のエラーコードの対処法
エラー 429(最も一般的)
意味: レート制限超過、またはクォータ超過
対処法:
- 1〜2分待ってから再試行
- Flashモデルに変更
- 新しいチャットを開始
- 1日の上限に達している場合は、翌日まで待つ
エラー 503
意味: サーバーが混雑している、またはメンテナンス中
対処法:
- 5〜10分待ってから再試行
- Flashモデルに変更(Proより混雑が少ない)
- 時間帯を変える(ピーク時間を避ける)
エラー 500/502
意味: サーバー内部エラー、またはゲートウェイエラー
対処法:
- ページを更新
- 5分ほど待ってから再試行
- 別のブラウザで試す
エラー (5) / (8) / (9) / (13)
これらの番号付きエラーは、具体的な原因が公式に明らかにされていませんが、経験則として:
エラー (8) / (9):
- 処理待ちや接続不安定の影響
- 通信環境の改善が有効
- 長文プロンプトや画像・動画を避ける
エラー (13):
- 年齢制限が関係している可能性
- Googleアカウントの年齢設定を確認
エラー (5):
- モデル切り替え(例: 2.5 Flash → 2.5 Pro)で解決することがある
- 一晩待つと復旧することも報告されている
予防策:エラーを出にくくする方法
エラーが出る前に、以下の予防策を取りましょう。
1. Flashモデルを優先的に使う
特別な理由がない限り、Flashモデルを使いましょう。
Proモデルは制限が厳しいため、エラーが出やすいです。
2. リクエストの間隔を意識する
質問を送信したら、最低でも10〜15秒は間隔を開けましょう。
急いでいても、連打は厳禁です。
3. 会話履歴を定期的にリセットする
長い会話を続けると、トークン数が増えてエラーが出やすくなります。
話題が変わったら、新しいチャットを始めましょう。
4. プロンプトをコンパクトにする
必要な情報だけを簡潔に伝えることで、トークン数を節約できます。
5. 同時使用を避ける
複数のデバイスやタブで同時にGeminiを使わないようにしましょう。
6. ピーク時間を避ける
可能であれば、多くの人が使う時間帯(平日の昼休みや夕方など)を避けましょう。
深夜や早朝は比較的空いています。
7. 有料プランを検討する(ヘビーユーザー)
仕事や勉強で頻繁に使う場合、有料プランにすると快適に使えます。
よくある質問
Q1:なぜ朝一番でエラーが出るの?使ってないのに?
A:1日のクォータ(上限)は太平洋標準時の午前0時にリセットされます。日本時間では午後5時(夏時間)または午後6時(冬時間)です。日本時間の朝は、まだ前日扱いで上限に達している可能性があります。また、前日に他のデバイスで使っていた場合も、その使用分が残っています。
Q2:有料プランでもエラーが出るのはなぜ?
A:有料プランでも上限はあります(無料より大幅に緩いですが)。また、サーバー側の混雑による503エラーは、プランに関係なく発生します。さらに、無料ティアのAPIキーを使っている場合、有料プランの恩恵を受けられません。
Q3:FlashとProの違いは?性能に差があるの?
A:Flashモデルは応答が速く、リクエスト制限も緩いです。Proモデルはより複雑な推論ができますが、制限が厳しいです。日常的な用途(質問応答、要約、コード生成など)では、Flashで十分な性能があります。
Q4:エラーが出たら、どれくらい待てばいいの?
A:最低1〜2分待ちましょう。確実なのは5〜10分です。1日の上限に達している場合は、翌日(太平洋標準時午前0時)まで待つ必要があります。
Q5:他のユーザーも同じエラーが出ているか確認する方法は?
A:TwitterやRedditで「Gemini error」「Gemini down」などで検索するか、DownDetectorで確認できます。Google Workspace Status Dashboardも役立ちます。
Q6:APIキーはどこで確認できる?
A:Google AI StudioでAPIキーを確認・作成できます。
Q7:エラーコード429の「RESOURCE_EXHAUSTED」って何?
A:リソース(リクエスト数やトークン数)が枯渇した、つまり上限に達したという意味です。時間をおくか、Flashモデルに変更しましょう。
Q8:画像を送るとすぐエラーになるのはなぜ?
A:画像を含むリクエストは、テキストのみのリクエストよりもはるかに多くのトークンを消費します。特にProモデルでは、数回の画像送信で上限に達することがあります。Flashモデルに変更するか、画像の使用を控えましょう。
まとめ:Geminiのリクエストエラーを解決しよう
Geminiの「現在リクエストが多数届いているため、対応できませんでした」エラーは、レート制限が原因です。
エラーの主な原因:
- リクエスト数の制限超過(RPM)
- トークン数の制限超過(TPM)
- 1日の上限到達(RPD)
- サーバー側の混雑
- 複数デバイスでの同時使用
すぐに試せる解決方法:
- 1〜2分待ってから再試行(最も確実)
- Flashモデルに切り替える(超おすすめ)
- 新しいチャットを開始する
- ページを更新、またはブラウザを再起動
- Googleアカウントからログアウト&再ログイン
- プロンプトを短く、簡潔にする
- リクエストの間隔を開ける
- 通信環境を改善する
予防策:
- Flashモデルを優先的に使う
- リクエストの間隔を10〜15秒以上開ける
- 会話履歴を定期的にリセット
- 同時使用を避ける
- ピーク時間帯を避ける
エラーコード別の対処:
- 429: 1〜2分待つ、Flashモデルに変更
- 503: 5〜10分待つ、時間帯を変える
- 500/502: ページ更新、5分待つ
どうしてもダメな場合:
- Google側の問題の可能性を確認
- DownDetectorやSNSで他のユーザーの状況を確認
- 代替AIサービスを一時的に使う
ほとんどの場合、Flashモデルへの切り替えと適切な待ち時間で解決します。
焦らず、落ち着いて対処しましょう!


コメント