iPhoneのデータ、ちゃんとバックアップしていますか?
写真や連絡先、アプリのデータなど、iPhoneには大切な情報がたくさん詰まっていますよね。もし突然故障したり、紛失してしまったら…想像しただけでゾッとします。
でも安心してください。パソコンにバックアップを取っておけば、万が一のときも大切なデータを守れますし、機種変更のときもスムーズにデータ移行できるんです。
この記事では、WindowsとMac、どちらのパソコンでも使える方法を分かりやすく解説していきます。
バックアップって何?なぜ必要なの?

バックアップとは、iPhoneに保存されているデータをコピーして、別の場所に保存しておくことです。
いわば「データの保険」のようなもの。iPhoneが壊れたり、データを間違って消してしまったときに、バックアップから復元すれば元通りになります。
バックアップに含まれるデータ
パソコンへのバックアップには、次のようなデータが含まれます。
- 写真と動画
- 連絡先
- カレンダーの予定
- メモやリマインダー
- インストールしたアプリとそのデータ
- ホーム画面のレイアウト
- 各種設定情報
- メッセージの履歴
ただし、iTunes StoreやApp Storeで購入したコンテンツ、すでにiCloudに同期されているデータは含まれません。これらは別途管理されているため、復元時に再ダウンロードする形になります。
いつバックアップすべき?
こんなタイミングでバックアップを取っておくと安心です。
- 機種変更する前
- iOSのアップデート前
- 修理に出す前
- 定期的に(月1回程度がおすすめ)
特にiOSのメジャーアップデート前は必須といえるでしょう。万が一アップデートに失敗しても、バックアップがあれば安心です。
パソコンバックアップのメリット・デメリット
iPhoneのバックアップには、パソコンを使う方法とiCloudを使う方法がありますが、それぞれに特徴があります。
パソコンバックアップのメリット
容量の制限がない
iCloudは無料プランだと5GBまでしか使えませんが、パソコンなら空き容量がある限り何度でもバックアップできます。最近のiPhoneは128GB、256GBと容量が大きいので、パソコンバックアップの方が安心です。
インターネット不要
一度バックアップを取れば、インターネット接続がなくても復元できるんです。Wi-Fi環境がない場所でも安心ですね。
完全なコピーを保存
暗号化バックアップを選べば、保存したパスワードやヘルスケアデータなど、より多くの情報を保存できます。
デメリットもある
手動で実行する必要がある
iCloudのように自動でバックアップされないため、自分で定期的に実行する必要があります。
パソコンが必要
当たり前ですが、パソコンを持っていないとこの方法は使えません。
パソコン本体のトラブルに注意
パソコンが故障すると、バックアップデータも失われる可能性があります。外付けハードディスクにコピーしておくと、さらに安心です。
Windows PCでバックアップする方法
Windows PCを使っている方向けの手順を解説します。
準備:必要なソフトウェア
Windows PCでiPhoneをバックアップするには、次のどちらかのソフトが必要です。
Windows 10/11の場合:Apple Devicesアプリ
Microsoft Storeから無料でダウンロードできる公式アプリです。最新のWindowsをお使いなら、こちらがおすすめ。
それ以前のWindowsの場合:iTunes
Apple公式サイトから無料でダウンロードできます。古いバージョンのWindowsでも動作します。
どちらも基本的な操作は同じなので、安心してくださいね。
ステップ1:自動同期を無効にする
これ、意外と重要なんです!
iPhoneを接続した瞬間に自動同期が始まると、データが勝手に消えたり、重複したりする可能性があります。必ず最初に設定を確認しましょう。
Apple Devicesアプリの場合:
- アプリを開く
- 画面上部の「編集」メニューをクリック
- 「環境設定」を選択
- 「デバイス」タブを開く
- 「iPod、iPhone、およびiPadを自動的に同期しない」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
iTunesの場合:
- iTunesを起動
- 画面左上の「編集」メニューをクリック(Macの場合は「iTunes」メニュー)
- 「設定」を選択
- 「デバイス」タブを開く
- 「iPod、iPhone、およびiPadを自動的に同期しない」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
この設定は一度やっておけば、次回以降は不要です。
ステップ2:iPhoneをパソコンに接続
iPhoneに付属していたUSBケーブル(LightningケーブルまたはUSB-Cケーブル)を使って、iPhoneとパソコンを接続します。
初めて接続する場合、iPhone側に「このコンピュータを信頼しますか?」というメッセージが表示されることがあります。その場合は「信頼」をタップして、iPhoneのパスコードを入力してください。
これをしないと、パソコンがiPhoneを認識してくれません。
ステップ3:バックアップを実行
Apple Devicesアプリの場合:
- アプリ内の左側のデバイス一覧から、接続したiPhoneを選択
- 「一般」タブをクリック
- 「このコンピュータにiPhoneのすべてのデータをバックアップ」を選択
- 暗号化したい場合は「ローカルのバックアップを暗号化」にチェックを入れ、パスワードを設定
- 「今すぐバックアップ」をクリック
iTunesの場合:
- iTunes画面の左上にあるiPhoneのアイコンをクリック
- 「概要」または「サマリー」タブを選択
- バックアップセクションで「このコンピュータ」を選択
- 暗号化したい場合は「ローカルのバックアップを暗号化」にチェックを入れ、パスワードを設定
- 「今すぐバックアップ」をクリック
バックアップが完了すると、「最新のバックアップ」の欄に現在の日時が表示されます。これで完了です!
暗号化バックアップとは?
暗号化バックアップを選ぶと、通常のバックアップよりも多くの情報を保存できるんです。
追加で保存される情報:
- 保存したパスワード(Wi-Fiパスワードなど)
- ウェブサイトの閲覧履歴
- ヘルスケアとアクティビティのデータ
- LINEのトーク履歴
ただし注意点が一つ。暗号化バックアップを作成したときに設定したパスワードは、絶対に忘れないでください。
このパスワードを忘れると、バックアップからの復元ができなくなってしまいます。パスワードを紙にメモして安全な場所に保管しておくことをおすすめします。
Mac でバックアップする方法

Macユーザーの方は、OSのバージョンによって使うアプリが違います。
macOS Catalina(10.15)以降:Finderを使う
2019年10月以降のmacOSでは、iTunesが廃止され、iPhoneの管理はFinderで行うようになりました。
手順:
- Finderを開く
- iPhoneをMacに接続
- Finderのサイドバーに表示されたiPhoneを選択
- 画面上部の「一般」タブをクリック
- 「このMac上のすべてのデータをiPhoneにバックアップ」を選択
- 暗号化したい場合は「ローカルのバックアップを暗号化」にチェックを入れてパスワードを設定
- 「今すぐバックアップ」をクリック
macOS Mojave(10.14)以前:iTunesを使う
古いバージョンのmacOSをお使いの場合は、iTunesでバックアップします。
手順はWindows版iTunesとほぼ同じです。
- iTunesを起動
- iPhoneをMacに接続
- 画面左上のiPhoneアイコンをクリック
- 「概要」タブを選択
- 「このコンピュータ」を選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
バックアップの保存場所を確認する
バックアップがどこに保存されているか、確認しておくと安心です。
Windowsの場合
以下のフォルダに保存されています。
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Apple Computer\MobileSync\Backup
[ユーザー名]の部分は、自分のWindowsアカウント名に置き換えてください。
Macの場合
以下のフォルダに保存されています。
~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/
このフォルダを丸ごと外付けハードディスクにコピーしておけば、二重のバックアップになって安心ですね。
よくあるトラブルと解決方法
パソコンがiPhoneを認識しない
試してみること:
- ケーブルを別のUSBポートに差し替える
- ケーブルが壊れていないか確認する(充電できるかチェック)
- iPhoneで「このコンピュータを信頼」を選択したか確認
- パソコンとiPhoneを再起動する
- Apple DevicesアプリまたはiTunesを最新版にアップデート
バックアップに時間がかかりすぎる
iPhoneのデータ量が多いと、バックアップに1時間以上かかることもあります。
対策:
- 不要な写真や動画を削減する
- 使っていないアプリを削除する
- Wi-Fi経由ではなくUSBケーブルで接続する(転送速度が速い)
「バックアップが壊れているか互換性がない」と表示される
古いバックアップが原因の可能性があります。
解決方法:
- バックアップフォルダから古いバックアップを削除
- 新しくバックアップを作成し直す
容量不足でバックアップできない
パソコンの空き容量が足りない場合は、次の方法を試してみましょう。
- 不要なファイルを削除してパソコンの空き容量を確保
- 外付けハードディスクにバックアップを保存する設定に変更
- iCloudバックアップと併用する
バックアップからデータを復元する方法
バックアップを取っただけで安心してはいけません。いざというときに復元できなければ意味がないですよね。
復元の手順
Apple DevicesアプリまたはiTunesの場合:
- iPhoneをパソコンに接続
- アプリを起動してiPhoneを選択
- 「バックアップから復元」をクリック
- 復元したいバックアップを選択
- 暗号化バックアップの場合はパスワードを入力
- 復元が完了するまで待つ
復元中はiPhoneを絶対に取り外さないでください。途中で中断すると、データが壊れてしまう可能性があります。
パソコンとiCloud、どっちがいい?
正直なところ、両方使うのがベストです。
- パソコンバックアップ:月に1回程度、手動で実行
- iCloudバックアップ:自動で毎日実行
二重にバックアップを取っておけば、万が一の時も安心です。
ただし、どちらか一方だけなら、こう考えてみてください。
パソコンバックアップがおすすめな人:
- iCloudの有料プランを契約したくない
- パソコンを定期的に使う
- 大容量のiPhoneを使っている
- 完全なローカルコピーを保持したい
iCloudバックアップがおすすめな人:
- パソコンを持っていない、または使わない
- 自動でバックアップしてほしい
- どこからでもバックアップを復元したい
まとめ:定期的なバックアップで安心を
iPhoneのパソコンへのバックアップ、思っていたより簡単だったのではないでしょうか?
重要なポイントをおさらい:
- WindowsはApple DevicesアプリまたはiTunesを使う
- MacはFinder(macOS Catalina以降)またはiTunesを使う
- 自動同期を無効にしてから接続する
- 暗号化バックアップを選べば、より多くのデータを保存できる
- 暗号化パスワードは絶対に忘れないこと
- 月1回程度、定期的にバックアップする習慣をつける
「まだバックアップを取ったことがない」という方は、今すぐこの記事を見ながら実行してみてください。
大切なデータを守るために、バックアップは必須です。転ばぬ先の杖として、ぜひ定期的なバックアップを習慣にしてくださいね!


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