「信頼済みサイトに追加してください」と表示されたけど、どこで設定すればいいの?と困っていませんか?
信頼済みサイトは、特定のWebサイトを安全なサイトとして登録して、セキュリティ制限を緩和する機能です。主に、e-Taxや銀行のオンラインバンキング、行政の電子申請サイトなどで設定が必要になります。
この記事では、信頼済みサイトの基本から、Windows各バージョンでの設定方法、各ブラウザでの追加手順まで、詳しく解説していきます。
信頼済みサイトとは

基本的な仕組み
信頼済みサイトとは、Windowsのセキュリティ機能の一つで、特定のWebサイトを「信頼できるサイト」として登録する機能のことです。
登録すると、そのサイトに対して:
- セキュリティ警告が表示されなくなる
- Cookieが確実に保存される
- ポップアップウィンドウが開ける
- ファイルのダウンロードがスムーズになる
- 各種機能が正常に動作する
つまり、普段は厳しいセキュリティ設定を、特定のサイトだけ緩和できるというわけですね。
どんな時に必要?
信頼済みサイトへの登録が必要になる主なケースは:
公的機関のサイト:
- e-Tax(国税電子申告・納税システム)
- 登記・供託オンライン申請システム
- e-Gov(電子申請)
- eLTAX(地方税ポータルシステム)
金融機関:
- 銀行のインターネットバンキング
- 証券会社のオンライン取引
- 信用金庫のWebサービス
業務システム:
- 電子入札システム
- 企業の社内システム
- オンライン研修プラットフォーム
これらのサイトでは、セキュリティ上の理由から、信頼済みサイトへの登録を求められることが多いんです。
登録しないとどうなる?
信頼済みサイトに登録せずに利用すると:
- セキュリティ警告が頻繁に表示される
- 画面が正しく表示されない
- ログインできない
- ファイルがダウンロードできない
- ポップアップがブロックされる
- 申請や取引が完了しない
といった問題が起こることがあります。
Windows共通の設定方法(インターネットオプション)
Internet Explorerベースの設定
Windows 10、Windows 11では、以下の方法で信頼済みサイトを設定できます。
手順:
- インターネットオプションを開く
- Windows キー + S を押す
- 「インターネットオプション」と入力
- 検索結果から「インターネットオプション」をクリック
- セキュリティタブを開く
- 「セキュリティ」タブをクリック
- 信頼済みサイトを選択
- 「信頼済みサイト」(緑色のチェックマークのアイコン)をクリック
- サイトボタンをクリック
- 下部の「サイト」ボタンをクリック
- URLを追加
- 「このWebサイトをゾーンに追加する」の入力欄にURLを入力
- 例:
https://www.e-tax.nta.go.jp - 「追加」ボタンをクリック
- 確認して閉じる
- 「Webサイト」の一覧に追加されたことを確認
- 「閉じる」をクリック
- 設定を保存
- 「適用」ボタンをクリック(グレーアウトしている場合はスキップ)
- 「OK」をクリック
- ブラウザを再起動
- すべてのブラウザを閉じて、再度開く
HTTPサイトを追加する場合
通常、信頼済みサイトには「https://」で始まるサイトのみ追加できます。
もしHTTP(暗号化されていない)サイトを追加する必要がある場合:
- 「サイト」ボタンをクリック後の画面で
- 「このゾーンのサイトにはすべてサーバーの確認(https:)を必要とする」のチェックを外す
- HTTPのURLを入力して追加
ただし、HTTPサイトはセキュリティリスクが高いため、本当に信頼できるサイトか十分確認してくださいね。
Windows 11での設定方法
コントロールパネルから設定
Windows 11では、設定アプリからは信頼済みサイトを設定できません。コントロールパネルを使います。
手順:
- コントロールパネルを開く
- Windows キー + R を押す
- 「control」と入力してEnter
- ネットワークとインターネットを開く
- 「ネットワークとインターネット」をクリック
- インターネットオプションを開く
- 「インターネットオプション」をクリック
- 前述の「Windows共通の設定方法」の手順2以降を実行
検索から直接開く
より簡単な方法:
- タスクバーの検索アイコンをクリック
- 「インターネットオプション」と入力
- 表示された「インターネットオプション」をクリック
- セキュリティタブから設定
Windows 10での設定方法
基本的な手順
Windows 10でも、基本的にはWindows 11と同じ手順です。
簡単なアクセス方法:
方法1:検索から
- スタートメニューを開く
- 「インターネットオプション」と入力
- 表示された項目をクリック
方法2:コントロールパネルから
- スタートメニュー > Windowsシステムツール > コントロールパネル
- 表示方法を「大きいアイコン」に変更
- 「インターネットオプション」をクリック
Microsoft Edgeでの設定

新しいEdge(Chromiumベース)
新しいMicrosoft Edgeでは、Windowsのインターネットオプションから設定した信頼済みサイトが自動的に適用されます。
ただし、Edge独自のCookie設定も確認しましょう。
Cookieの許可設定:
- Edgeを開く
- 右上の「…」(設定など)をクリック
- 「設定」を選択
- 「Cookieとサイトのアクセス許可」をクリック
- 「Cookieとサイトデータの管理と削除」をクリック
- 「許可」セクションの「追加」をクリック
- サイトのURLを入力して「追加」
旧Edge(EdgeHTML版)
Windows 10の古いバージョンに搭載されていた旧Edgeの場合:
- Windowsのインターネットオプションから設定
- 上記「Windows共通の設定方法」の手順に従う
Google Chromeでの設定
インターネットオプション経由
Chromeでも、Windowsのインターネットオプションで設定した信頼済みサイトが適用されることがあります。
基本的には「Windows共通の設定方法」を実行すればOKです。
Chrome独自の設定
Chrome独自でサイトを信頼したい場合:
Cookieの許可:
- Chromeを開く
- 右上の「⋮」(3つの点)をクリック
- 「設定」を選択
- 左側メニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「Cookieと他のサイトデータ」をクリック
- 「常にCookieを使用できるサイト」の「追加」をクリック
- サイトのURLを入力
- 「サードパーティのCookieを含める」にチェック(必要に応じて)
- 「追加」をクリック
ポップアップの許可
業務システムなどでポップアップが必要な場合:
- 設定 > プライバシーとセキュリティ
- 「サイトの設定」をクリック
- 「ポップアップとリダイレクト」をクリック
- 「許可」セクションの「追加」をクリック
- サイトのURLを入力して追加
Firefoxでの設定
Cookieの例外設定
Firefoxには「信頼済みサイト」という概念はありませんが、サイトごとに例外を設定できます。
Cookieの許可:
- Firefoxを開く
- 右上の「≡」(三本線)をクリック
- 「設定」を選択
- 左側メニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「Cookieとサイトデータ」セクションの「例外サイト」をクリック
- 「Webサイトのアドレス」にURLを入力
- 「許可」をクリック
- 「変更を保存」をクリック
ポップアップの例外設定
- 設定 > プライバシーとセキュリティ
- 「許可設定」セクションを見つける
- 「ポップアップウィンドウをブロックする」の「例外サイト」をクリック
- サイトのURLを入力
- 「許可」をクリック
Safari(Mac)での設定
Macを使っている方向けに、Safariでの設定方法も紹介します。
Cookieの設定
- Safariを開く
- メニューバーの「Safari」> 「設定」
- 「プライバシー」タブを選択
- 「Webサイトによるデータの保存を管理」をクリック
- 特定のサイトを許可リストに追加
セキュリティレベルの調整
信頼済みサイトゾーンの設定
信頼済みサイトを追加した後、セキュリティレベルを調整できます。
手順:
- インターネットオプション > セキュリティタブ
- 「信頼済みサイト」を選択
- 「レベルのカスタマイズ」ボタンをクリック
推奨設定:
- セキュリティレベル:中または中高
- ファイルのダウンロード:有効
- ポップアップウィンドウ:許可
- Cookie:有効
保護モードの設定
Windows 11では、保護モードの設定にも注意が必要です。
一部のサイトでは、保護モードをオフにする必要があります:
- インターネットオプション > セキュリティタブ
- 「信頼済みサイト」を選択
- 「保護モードを有効にする」のチェックを外す
- 「適用」> 「OK」
信頼済みサイトの確認方法
登録されているか確認
サイトが正しく登録されているか確認する方法:
方法1:インターネットオプションから
- インターネットオプション > セキュリティタブ
- 「信頼済みサイト」を選択
- 「サイト」ボタンをクリック
- 「Webサイト」の一覧を確認
方法2:ブラウザのステータスバーから
Internet Explorerでサイトを開いた時:
- ブラウザの下部(ステータスバー)を確認
- 「信頼済みサイト」と表示されていればOK
- 「インターネット」と表示されていれば未登録
信頼済みサイトの削除方法
個別に削除
不要になった信頼済みサイトは削除できます。
手順:
- インターネットオプション > セキュリティタブ
- 「信頼済みサイト」を選択
- 「サイト」ボタンをクリック
- 「Webサイト」の一覧から削除したいサイトをクリック
- 「削除」ボタンをクリック
- 「閉じる」> 「OK」
複数まとめて削除
複数のサイトを削除する場合:
- 一覧から削除したいサイトを一つずつ選択
- それぞれ「削除」ボタンをクリック
- 繰り返し実行
よくある問題と対処法
サイトが追加できない
原因1:グループポリシーで制限されている
会社や学校のPCの場合、管理者がグループポリシーで設定を制限していることがあります。
対処:
- IT管理者に相談
- 管理者権限が必要な場合がある
原因2:URLが間違っている
入力したURLに誤りがある場合、追加できません。
対処:
- 正確なURLを再確認
- httpsとhttpの違いに注意
- 末尾のスラッシュ(/)の有無を確認
追加したのに設定が反映されない
対処法:
- ブラウザを完全に閉じて再起動
- 全てのブラウザウィンドウを閉じる
- タスクマネージャーでプロセスが残っていないか確認
- PCを再起動
- 設定が反映されない場合は再起動
- キャッシュをクリア
- ブラウザのキャッシュと Cookie を削除
信頼済みサイトに追加したのにエラーが出る
信頼済みサイトに追加しても、特定の機能が動かない場合:
確認すべきポイント:
- 複数のURLが必要な場合がある
- メインサイトだけでなく、関連する全てのURLを追加
- 例:e-Taxなら
*.e-tax.nta.go.jpなど複数のドメイン
- セキュリティレベルの確認
- 「レベルのカスタマイズ」で各項目を確認
- 必要な機能が「無効」になっていないか
- ブラウザの互換性
- 一部のサイトはInternet Explorer専用
- 互換モードの使用が必要な場合も
ワイルドカード(*)の使い方
サブドメインをまとめて登録
サイト全体を信頼済みに追加したい場合、ワイルドカードが便利です。
例:
*.e-tax.nta.go.jpと入力するとwww.e-tax.nta.go.jpdownload.e-tax.nta.go.jpservice.e-tax.nta.go.jp
すべてのサブドメインが信頼済みサイトになります。
設定方法:
- URLの入力欄に
*.ドメイン名と入力 - 例:
*.majorgeeks.com - 「追加」をクリック
これで、そのドメインの全ページが信頼済みサイトとして登録されます。
セキュリティ上の注意点

本当に信頼できるサイトのみ追加
信頼済みサイトに追加すると、セキュリティ制限が緩和されます。
追加する前に確認:
- 公式サイトか確認(URLを慎重にチェック)
- 似た名前の偽サイトではないか
- 本当に信頼できる企業・機関か
フィッシングサイトや悪意のあるサイトを追加してしまうと、非常に危険です。
定期的に見直す
信頼済みサイトは、定期的に見直しましょう。
チェックポイント:
- もう使わないサイトは削除
- 不明なサイトが勝手に追加されていないか確認
- 年に1〜2回は一覧をチェック
個人PCと業務PCで使い分け
個人のPCで信頼済みサイトを追加する場合は、特に慎重に。
業務で必要なサイトは、会社のIT部門に確認してから追加することをおすすめします。
e-Taxでの具体的な設定例
必要なURL
e-Taxを使う場合、以下のURLを信頼済みサイトに追加します:
https://www.e-tax.nta.go.jphttps://clientweb.e-tax.nta.go.jphttps://kaishi.e-tax.nta.go.jp
手順:
- インターネットオプション > セキュリティ > 信頼済みサイト > サイト
- 上記3つのURLを一つずつ追加
- 全て追加されたことを確認
- 閉じる > OK
- ブラウザを再起動
まとめ
信頼済みサイトの設定は、一見複雑に見えますが、手順を覚えれば簡単です。
この記事の重要ポイント:
- 基本設定:インターネットオプション > セキュリティ > 信頼済みサイト > サイト
- URL入力:正確なURLを入力して「追加」
- 必ず再起動:ブラウザを閉じて再起動が必須
- 複数URL:関連する全てのURLを追加する
- セキュリティ:本当に信頼できるサイトのみ追加
主な用途:
- e-Tax、登記オンライン、e-Gov などの行政サイト
- インターネットバンキング
- 企業の業務システム
ブラウザ別の対応:
- Internet Explorer:完全対応
- Microsoft Edge:インターネットオプションの設定を継承
- Chrome・Firefox:独自の例外設定も併用
信頼済みサイトの設定は、セキュリティと利便性のバランスを取るための重要な機能です。
特に確定申告の時期には、e-Taxがスムーズに使えるよう、早めに設定しておくことをおすすめします。設定でつまずいた時は、この記事を参考にしてくださいね!

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