「iPhoneでPC版のサイトを見たい」「ユーザーエージェントを変更したい」
こんな悩みはありませんか?実は、iPhoneのSafariには簡単にPC版サイトを表示する機能があるんです。
この記事では、ユーザーエージェントの基本知識から、iPhoneで変更する具体的な方法まで、わかりやすく解説していきます。
- ユーザーエージェント(User Agent)とは?
- iPhoneのSafariでPC版サイトを表示する方法
- Mac版Safariでユーザーエージェントを変更する方法
- ユーザーエージェント変更でできること
- 注意点とデメリット
- よくある質問|Q&A
- Q1. iPhoneのSafariで完全にユーザーエージェントを自由に変更できますか?
- Q2. 「デスクトップ用Webサイトを表示」を使うと、どんなユーザーエージェントになりますか?
- Q3. ユーザーエージェントを変更したら、設定は保存されますか?
- Q4. ユーザーエージェントを変更すると違法ですか?
- Q5. iPadでもユーザーエージェントを変更できますか?
- Q6. ユーザーエージェントを確認する方法はありますか?
- Q7. Chrome for iPhoneではユーザーエージェントを変更できますか?
- Q8. サードパーティブラウザは安全ですか?
- Q9. ユーザーエージェントを変更してもログイン情報は残りますか?
- Q10. PC版サイトを見たいだけなら、どの方法が一番おすすめですか?
- まとめ
ユーザーエージェント(User Agent)とは?

まず、ユーザーエージェントについて基本を理解しましょう。
ユーザーエージェントの役割
ユーザーエージェント(UA) とは、Webブラウザがサーバーに送る「身分証明書」のようなものです。
この情報には以下が含まれています:
- ブラウザの種類(Safari、Chrome、Firefoxなど)
- ブラウザのバージョン
- OS(オペレーティングシステム)の種類(iOS、Android、Windowsなど)
- OSのバージョン
- デバイスの種類(iPhone、iPad、Macなど)
なぜユーザーエージェントが重要なの?
Webサイト側は、このユーザーエージェント情報を見て、最適な表示を選択します。
例えば:
- iPhoneからのアクセス → スマホ向けのレイアウトを表示
- パソコンからのアクセス → PC向けの大きな画面レイアウトを表示
- 古いブラウザからのアクセス → 警告メッセージを表示
つまり、ユーザーエージェントを変更すれば、「iPhone」として認識されるのか「PC」として認識されるのかをコントロールできるわけです。
iPhoneのSafariのユーザーエージェント例
実際のユーザーエージェント文字列を見てみましょう:
iPhone(iOS 17)のSafari:
Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 17_0 like Mac OS X) AppleWebKit/605.1.15 (KHTML, like Gecko) Version/17.0 Mobile/15E148 Safari/604.1
この文字列を見ると:
- 「iPhone」と明記されている
- iOS 17.0を使っている
- モバイル版Safari
- WebKitエンジンを使用
といった情報が含まれています。
iPhoneのSafariでPC版サイトを表示する方法
iPhoneでユーザーエージェントを変更する、最も簡単で実用的な方法を紹介します。
方法1:Safariの標準機能を使う【最も簡単】
iPhoneのSafariには、PC版サイトを表示する機能が標準搭載されています。
【1ページだけPC版にする方法】
- Safariでサイトを開く
- アドレスバーの左にある「ぁあ」アイコンをタップ
- または、アドレスバーを長押し
- 「デスクトップ用Webサイトを表示」をタップ
これだけで、そのページがPC版表示に切り替わります。
元に戻す方法:
- 同じ手順で「モバイル用Webサイトを表示」をタップ
【全てのサイトをPC版にする方法】
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「Safari」をタップ
- 「デスクトップ用Webサイトを表示」の項目を見つける
- 「すべてのWebサイト」をオンにする
これで、Safariで開くすべてのサイトが自動的にPC版で表示されます。
この方法の特徴:
- 追加アプリ不要
- 設定が簡単
- 無料
- iOS標準機能なので安全
方法2:別のブラウザアプリを使う【本格的な変更】
Safariではユーザーエージェントを細かく変更できませんが、サードパーティのブラウザアプリなら自由に変更できます。
おすすめブラウザアプリ:
1. Sleipnir Mobile(無料)
- 日本製で使いやすい
- ユーザーエージェントを自由に切り替え可能
- タブ操作が快適
【Sleipnirでの設定方法】
- App StoreからSleipnir Mobileをダウンロード
- アプリを開き、左下の「≡」メニューをタップ
- 「設定」をタップ
- 「ユーザーエージェント」をタップ
- 変更したいUA(Chrome、Firefox、Safariなど)を選択
2. Lunascape(無料)
- 国産ブラウザとして20年以上の実績
- ユーザーエージェントの切り替えが可能
- セキュリティも充実
【Lunascapeでの設定方法】
- App Storeからアプリをダウンロード
- 画面下部の歯車アイコンから「設定」を開く
- 「User Agent」をタップ
- 「モバイルサイト」の中から希望のUAを選択
3. ポルンブラウザ(無料)
- 広告ブロック機能標準搭載
- プライバシー保護に強い
- ユーザーエージェント変更可能
方法3:Safari拡張機能を使う【Mac連携が必要】
iOS 15以降では、Safari拡張機能が使えるようになりました。ただし、ユーザーエージェント変更機能を持つ拡張機能は有料のものが多いです。
例:BrowserMask for Safari(有料)
- サイトごとにユーザーエージェントを設定可能
- Chrome、Edge、Firefoxなどに偽装できる
- 価格:数百円〜
Mac版Safariでユーザーエージェントを変更する方法
参考までに、Mac版Safariでの変更方法も紹介します。
Mac版は開発メニューから簡単に変更可能
【設定手順】
- Safariを開く
- メニューバーの「Safari」→「設定…」(または「環境設定…」)
- 「詳細」タブをクリック
- 一番下の「メニューバーに”開発”メニューを表示」にチェック
- メニューバーに「開発」が追加される
- 「開発」→「ユーザエージェント」から選択
- Safari(各iOSバージョン)
- Chrome
- Firefox
- Edge
- カスタム(自分で入力)
特徴:
- 無料で使える
- すぐに切り替えできる
- Web開発者に便利
Mac版では、このようにユーザーエージェントを簡単に変更できますが、残念ながらiPhone版Safariにはこの機能がありません。
ユーザーエージェント変更でできること
ユーザーエージェントを変更すると、どんなことができるのでしょうか。
1. PC版サイトの表示
スマホ版では見られない機能が使えるようになります。
具体例:
- スマホ版にはないメニューが表示される
- より詳細な情報が見られる
- PC専用の機能が使える
- レイアウトが見やすくなる(場合によっては)
2. 地域制限の回避(一部)
一部のサイトは、デバイスやOSで制限をかけていることがあります。
ただし、これで全ての制限が回避できるわけではありません。IPアドレスなど他の情報でも判断されているからです。
3. Web開発のテスト
Web制作者やデザイナーが、異なるデバイスでの表示を確認する際に使います。
4. サイトの動作トラブル解決
まれに、特定のブラウザやOSで正常に動作しないサイトがあります。そんな時、ユーザーエージェントを変更すると解決することがあります。
注意点とデメリット

ユーザーエージェントを変更する際の注意点もあります。
注意点1:全てのサイトでうまく表示されるとは限らない
PC版サイトをスマホで見ると:
- 文字が小さすぎて読めない
- ボタンが押しにくい
- レイアウトが崩れる
- 動作が重くなる
といった問題が起きることがあります。
注意点2:利用規約違反になる可能性
一部のサービスでは、ユーザーエージェントの偽装を禁止している場合があります。
特に:
- 銀行やクレジットカードのサイト
- ゲームサイト
- 動画配信サービス
これらでは、規約違反としてアカウント停止などのペナルティを受ける可能性があります。
注意点3:セキュリティリスク
サードパーティのブラウザアプリを使う場合:
- アプリの信頼性を確認する
- レビューをよく読む
- 必要以上の権限を要求していないかチェック
- 有名な開発元のものを選ぶ
怪しいアプリは避けましょう。
注意点4:Safari拡張機能は有料が多い
iOS用のSafari拡張機能でユーザーエージェントを変更できるものは、ほとんどが有料です。
無料で使いたい場合は、別のブラウザアプリを使う方が現実的です。
よくある質問|Q&A
Q1. iPhoneのSafariで完全にユーザーエージェントを自由に変更できますか?
A. いいえ、iPhone版Safariには標準でユーザーエージェントを自由に変更する機能はありません。「デスクトップ用Webサイトを表示」機能を使えば、ユーザーエージェントがMac(Macintosh)に変わりますが、これは自動的な変更です。細かくカスタマイズしたい場合は、SleipnirやLunascapeなどのサードパーティブラウザアプリを使う必要があります。
Q2. 「デスクトップ用Webサイトを表示」を使うと、どんなユーザーエージェントになりますか?
A. 「デスクトップ用Webサイトを表示」を有効にすると、ユーザーエージェントは以下のように変わります:
通常時(iPhone表示):
Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 17_0 like Mac OS X)...
PC版表示時:
Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_15_7)...
つまり、iPhoneであることが隠され、Macからのアクセスのように見えます。
Q3. ユーザーエージェントを変更したら、設定は保存されますか?
A. 保存される場合とされない場合があります:
- Safariの「デスクトップ用Webサイトを表示」:サイトごとに記憶される
- 設定アプリの「すべてのWebサイト」設定:すべてのサイトに適用され続ける
- サードパーティブラウザ:アプリによって異なりますが、多くは設定を保存可能
- Mac版Safariの開発メニュー:ブラウザを閉じるとリセットされる
Q4. ユーザーエージェントを変更すると違法ですか?
A. ユーザーエージェントの変更自体は違法ではありません。ただし、以下には注意が必要です:
- サービスの利用規約で禁止されている場合がある
- 不正アクセスや詐欺目的での使用は違法
- 一般的なPC版サイトの閲覧程度なら問題ない
- 銀行や決済サービスでは避けた方が無難
常識的な範囲での使用であれば、法的な問題は通常ありません。
Q5. iPadでもユーザーエージェントを変更できますか?
A. はい、できます。iPadも基本的にiPhoneと同じ方法が使えます。ただし、iPadOS 13以降のiPadでは、デフォルトでPC版サイトが表示されるようになっています。そのため、わざわざユーザーエージェントを変更する必要性は、iPhoneより低いです。
Q6. ユーザーエージェントを確認する方法はありますか?
A. はい、以下のサイトで現在のユーザーエージェントを確認できます:
- What is my browser?(https://www.whatismybrowser.com/)
- User Agent String.com(http://www.useragentstring.com/)
これらのサイトにアクセスするだけで、現在使用しているユーザーエージェント文字列が表示されます。
Q7. Chrome for iPhoneではユーザーエージェントを変更できますか?
A. いいえ、iOS版のChrome(CrisiOS)でも、標準機能としてユーザーエージェントの変更はできません。iOS版のChromeは、実はSafariのエンジンを使っているため、機能が制限されています。ユーザーエージェントを変更したい場合は、Sleipnirなどの専用ブラウザを使いましょう。
Q8. サードパーティブラウザは安全ですか?
A. 有名で評判の良いものは基本的に安全です。以下をチェックしましょう:
- App Storeのレビューと評価(★4以上が目安)
- ダウンロード数が多いか
- 開発元が信頼できるか
- 最近もアップデートされているか
- 日本製または大手企業製
Sleipnir、Lunascape、ポルンなどは日本でも実績があり、比較的安全と言えます。
Q9. ユーザーエージェントを変更してもログイン情報は残りますか?
A. ブラウザを変更した場合(SafariからSleipnirなど)は、ログイン情報は引き継がれません。それぞれのブラウザで再度ログインする必要があります。同じブラウザ内でユーザーエージェントだけを変更する場合は、通常ログイン情報は保持されます。
Q10. PC版サイトを見たいだけなら、どの方法が一番おすすめですか?
A. Safariの「デスクトップ用Webサイトを表示」機能が最もおすすめです。理由は:
- 追加アプリ不要
- 設定が簡単
- 安全性が高い
- 無料
- サイトごとに設定を記憶してくれる
これで十分な場合がほとんどです。より細かい制御が必要な場合のみ、サードパーティブラウザを検討しましょう。
まとめ
iPhoneのSafariでユーザーエージェントを変更する方法について、重要なポイントをまとめます。
押さえておきたいポイント:
- ユーザーエージェントとは:ブラウザがサーバーに送る「身分証明書」のようなもの
- iPhone版Safariの制限:標準機能では細かいUA変更はできない
- 最も簡単な方法:Safariの「デスクトップ用Webサイトを表示」機能を使う
- 本格的に変更したい場合:Sleipnir、Lunascapeなどのブラウザアプリを使う
- Mac版は簡単:開発メニューから自由に変更可能
状況別のおすすめ方法:
単純にPC版サイトを見たいだけ:
→ Safariの「デスクトップ用Webサイトを表示」で十分
特定のブラウザとして認識させたい:
→ Sleipnir MobileやLunascapeを使う
頻繁にUA変更が必要:
→ 専用ブラウザアプリの導入がおすすめ
Web開発・テスト目的:
→ Mac版Safariの開発メニューが最適
注意事項:
- サービスの利用規約を確認する
- 不正目的での使用は避ける
- サードパーティアプリは信頼できるものを選ぶ
- セキュリティに気を付ける
iPhoneでPC版サイトを見る程度なら、標準のSafari機能で十分対応できます。それ以上の機能が必要な場合のみ、サードパーティのブラウザアプリを検討しましょう。
用途に合わせて、最適な方法を選んでくださいね!

コメント