「面白そうな海外ゲームを見つけたけど、日本語に対応していない…」
Steamには魅力的なゲームが数多くありますが、すべてが日本語対応しているわけではありません。特にインディーゲームや新作タイトルは、英語のみで配信されることも珍しくないのです。
でも、諦める必要はありません。Steamには言語設定の機能があり、日本語非対応のゲームも翻訳ツールを使えば楽しめます。
この記事では、Steamクライアントやゲームの日本語設定方法から、日本語に対応していないゲームを翻訳しながら遊ぶ方法まで、初心者にも分かりやすく解説します。
まず基本:Steamクライアントを日本語化する

ゲームの日本語化に入る前に、Steam本体(クライアント)が日本語表示になっているか確認しましょう。
PC版Steamの言語設定方法
手順1:Steamを起動する
デスクトップからSteamアプリを起動します。
手順2:設定を開く
画面左上の「Steam」をクリックし、表示されるメニューから「設定」を選択します。
Windowsの場合は「表示」→「設定」、Macの場合は「Steam」→「環境設定」となっています。
手順3:インターフェースを選択
左側のメニューから「インターフェース」をクリックします。
手順4:言語を変更
「Steamで使用する言語を選択」のドロップダウンメニューから「日本語(Japanese)」を選択します。
手順5:Steamを再起動
「OK」をクリックすると、Steamの再起動を求められます。再起動すると、全インターフェースが日本語に切り替わります。
トラブルシューティング:日本語にならない場合
症状:設定しても日本語にならない
まれに、日本語を選択しても英語や中国語のまま変わらないことがあります。
解決方法
一度別の言語(例:中国語)に設定してSteamを再起動し、その後再度日本語に設定し直すことで解決することがあります。これは設定ファイルの同期エラーやキャッシュの問題によるものです。
ゲームごとの言語を日本語に変更する
Steamクライアントが日本語でも、各ゲームは個別に言語設定が必要です。
ゲームの言語設定を変更する方法
手順1:ライブラリを開く
Steamクライアントの上部メニューから「ライブラリ」をクリックします。
手順2:ゲームを選択
言語を変更したいゲームを左側のリストから選びます。
手順3:プロパティを開く
ゲームタイトルを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
手順4:言語タブを開く
左側のメニューから「言語」タブをクリックします。
手順5:日本語を選択
「ゲームで使用する言語」のドロップダウンメニューから「日本語(Japanese)」を選択します。
設定は自動的に保存され、次回起動時から日本語で表示されます。
購入前に日本語対応を確認する方法
ゲームを買ってから「日本語に対応していなかった…」となるのを避けるため、購入前に必ず確認しましょう。
確認手順
- Steamストアでゲームのページを開きます
- 画面を下にスクロールして「言語」セクションを探します
- 「日本語」の行を確認します
言語サポートの種類
- インターフェース:メニューやボタンなどのUI部分が日本語
- 字幕:会話やストーリーの字幕が日本語
- フルオーディオ:音声も日本語で収録されている
✓マークが付いている項目だけが対応しています。すべてに✓があれば完全日本語対応、一部だけなら部分対応ということです。
日本語非対応ゲームを翻訳する4つの方法
ここからが本題です。日本語に対応していないゲームを翻訳しながら遊ぶ方法を紹介します。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるので、自分に合った方法を選びましょう。
方法1:PCOT(Process Connect OCR Translator)【おすすめ】
日本人開発者の「ぬるっぽ」さんが開発した無料の翻訳支援ツールです。画面上のテキストをOCR(光学文字認識)で読み取り、自動翻訳してくれます。
PCOTの特徴
メリット
- 完全無料で使える
- 設定が簡単で初心者でも使いやすい
- 35言語に対応(日本語含む)
- RPG、アドベンチャー、ノベルゲームなど固定位置にテキストが表示されるゲームに最適
- DeepL翻訳にも対応(精度が高い)
- ゲーム以外(Kindle、PDF等)にも使える
デメリット
- フルスクリーンゲームには非対応
- リアルタイム翻訳には対応していない
- 翻訳範囲を毎回指定する必要がある(登録すれば1クリックで翻訳可能)
PCOTの導入方法
手順1:公式サイトからダウンロード
「PCOT」で検索するか、開発者のウェブサイトからダウンロードします。ZIPファイル形式で配布されています。
手順2:解凍する
ダウンロードしたZIPファイルを解凍します。インストール作業は不要です。
手順3:起動する
解凍したフォルダ内の「PCOT.exe」をダブルクリックして起動します。
初回起動時に設定画面が表示されることがありますが、基本的にはデフォルト設定で問題ありません。
PCOTの使い方
基本的な使い方
- ゲームを起動してウィンドウモードにします(フルスクリーンでは動作しません)
- PCOTを起動します
- 「フリー選択」ボタンをクリックします
- 翻訳したい範囲をマウスでドラッグして選択します
- 自動的に翻訳結果が表示されます
範囲を登録して効率化
毎回範囲を指定するのが面倒な場合は、「タイトル設定」で範囲を登録できます。
- PCOTの「タイトル設定」をクリックします
- ゲームのプロセスを選択します
- 翻訳範囲を指定して保存します
- 次回からは「翻訳」ボタンをクリックするだけで同じ範囲を翻訳できます
翻訳精度を上げる設定
設定画面で「DeepL」を選択すると、Google翻訳よりも自然な日本語翻訳になります。ただし、DeepLの無料版には月の翻訳文字数制限があるので注意しましょう。
方法2:Googleレンズを使った翻訳【手軽で便利】
スマートフォンを使った翻訳方法です。PCに詳しくない方でも簡単に使えます。
Googleレンズの特徴
メリット
- 追加のソフトウェア不要
- スマホがあればすぐ使える
- 翻訳精度が高い(Google翻訳を使用)
- リアルタイムで翻訳できる
- フルスクリーンゲームでも使える
デメリット
- スマホでPC画面を撮影するので少し面倒
- 画面との距離や角度によって読み取り精度が変わる
- 特殊なフォントは認識しにくい
- 原文と訳文を同時に見るので画面が小さく感じる
Googleレンズの使い方
手順1:Googleアプリを開く
スマートフォンで「Google」アプリを起動します(iPhoneでもAndroidでも使えます)。
手順2:カメラアイコンをタップ
検索バーの横にあるカメラアイコンをタップします。
手順3:画面を撮影
PC画面に向けてスマホのカメラを向けます。翻訳したいテキストが画面に収まるように調整します。
手順4:翻訳を選択
画面下部のメニューから「翻訳」をタップします。
手順5:言語を設定
原文の言語と翻訳先の言語(日本語)を選択すると、リアルタイムで翻訳されます。
実際のプレイ方法
ゲームを進めながらGoogleレンズで翻訳する場合:
- ゲームを一時停止できるシーンで止めます
- スマホのGoogleレンズで画面を翻訳します
- 翻訳内容を確認してからゲームを再開します
文字が多いゲームだと少し手間ですが、ソフトのインストールが不要なので気軽に試せます。
方法3:XUnity.AutoTranslator【Unityゲーム専用】

Unity製のゲーム専用の自動翻訳ツールです。リアルタイムで翻訳してくれます。
XUnity.AutoTranslatorの特徴
メリット
- Unity製ゲームに特化した翻訳
- ゲーム内のテキストを自動検出して翻訳
- リアルタイム翻訳が可能
- 翻訳結果をテキストファイルに保存できる
デメリット
- Unity製ゲームでしか使えない
- 導入方法がやや複雑(MOD導入の知識が必要)
- ゲームによっては動作しないことがある
- 英語の情報が多く日本語の解説が少ない
対応ゲームの確認方法
自分のゲームがUnity製かどうか確認するには、「SteamDB」というサイトを使います。
- SteamDBのサイトにアクセスします
- ゲームを検索します
- 「App Info」をクリックします
- 「Detected Technologies」に「Unity」と表示されていればOKです
Unity製ゲームだけを絞り込んで検索する機能もあるので活用しましょう。
方法4:有志翻訳パッチ【完成度が高い】
ファンが作成した翻訳パッチを導入する方法です。
有志翻訳パッチの特徴
メリット
- 翻訳の質が高い(ゲームを理解している人が翻訳)
- ゲーム内に完全に組み込まれる
- 一度導入すれば追加作業不要
デメリット
- パッチが存在するゲームは限られる
- 導入方法がゲームごとに異なる
- PC操作に慣れていないと難しい
- ゲームのアップデートで使えなくなることがある
- 非公式なので自己責任
有志翻訳パッチの探し方
Steamキュレーター「日本語化情報」
Steamには「日本語化情報」というキュレーターグループがあり、日本語化パッチが存在するゲームの情報をまとめています。
- Steamストアで「日本語化情報」で検索します
- キュレーターページをフォローします
- レビューの「全文を読む」をクリックすると、日本語化サイトにリンクされています
注意点
- 翻訳パッチのダウンロードやインストールは自己責任です
- 最新版のゲームに対応していない場合があります
- ウイルスチェックをしてから使いましょう
その他の翻訳ツール
他にもいくつか翻訳ツールがあるので、簡単に紹介します。
AION – Translator Application
Steam上で販売されている有料翻訳ツールです(価格は変動します)。
- 14言語に対応
- ゲーム、漫画、電子書籍などに使える
- 画面の特定範囲を指定して翻訳
- フォントや色のカスタマイズが可能
Live Translate
Steam上で配信されているアーリーアクセスの翻訳ツールです。
- リアルタイム画面翻訳機能
- システム音声も翻訳可能
- 50以上の言語に対応
- カスタマイズ可能なオーバーレイ表示
アーリーアクセス段階なので、完成版ではありません。今後のアップデートに期待しましょう。
Capture2Text
マウスで範囲を指定するだけで翻訳できるシンプルなツールです。
- 軽量で動作が速い
- 範囲選択が簡単
- Google翻訳を使用
古いツールですが、シンプルで使いやすいのが特徴です。
翻訳を使う際の注意点とコツ

翻訳ツールは便利ですが、完璧ではありません。うまく活用するコツを紹介します。
機械翻訳の限界を理解する
翻訳精度について
機械翻訳は便利ですが、完璧ではありません。特に以下のような場合は注意が必要です:
- 専門用語や造語が多いゲーム
- 言葉遊びやダジャレが重要な要素
- 詩的な表現や比喩が多い文章
- 文脈に依存する会話
大まかな意味を理解する目的で使い、細かいニュアンスは期待しすぎないことが大切です。
ゲームの種類で使い分ける
テキストが固定位置に表示されるゲーム
→ PCOT、有志翻訳パッチがおすすめ
RPG、アドベンチャー、ノベルゲームなど、決まった場所にテキストが表示されるゲームには、PCOTが最適です。一度範囲を設定すればボタン一つで翻訳できます。
アクションゲームやシューティング
→ Googleレンズ、簡単な英語力でプレイ
アクション性の高いゲームは、翻訳ツールを使いながら遊ぶのは大変です。メニュー画面やストーリーシーンだけGoogleレンズで翻訳し、プレイ中は直感的に遊ぶのがおすすめです。
Unity製ゲーム
→ XUnity.AutoTranslatorを試す
Unity製と分かっているゲームなら、XUnity.AutoTranslatorが便利です。導入はやや複雑ですが、一度設定すればリアルタイムで翻訳してくれます。
フォントの問題
特殊なフォント(手書き風、装飾的なフォント)を使っているゲームは、OCRツールでうまく認識できないことがあります。
その場合は、Googleレンズの方が認識精度が高いこともあるので、複数のツールを試してみましょう。
ウィンドウモードでプレイする
PCOTなど多くの翻訳ツールは、フルスクリーンモードでは動作しません。
ゲームの設定で「ウィンドウモード」または「ボーダーレスウィンドウモード」に変更しましょう。
設定方法
ゲーム内の「設定」→「ビデオ」または「グラフィック」→「ウィンドウモード」を選択
よくある質問:翻訳に関するQ&A
Q1. 翻訳ツールを使っても Ban されませんか?
基本的に、画面を読み取って翻訳するタイプのツール(PCOT、Googleレンズ等)は、ゲームファイルを改変しないため問題ありません。
ただし、有志翻訳パッチなどゲームファイルを直接書き換えるタイプは、規約違反になる可能性があります。公式にサポートされていない方法は自己責任で使用してください。
Q2. 日本語音声にも対応していますか?
この記事で紹介した翻訳方法は、すべてテキスト(字幕)の翻訳です。音声は元の言語のままです。
完全日本語音声で遊びたい場合は、公式に日本語フルオーディオ対応しているゲームを選びましょう。
Q3. スマホのSteamアプリを日本語にするには?
Steamモバイルアプリには独立した言語設定機能がありません。アプリの表示言語はスマートフォンのシステム言語設定に依存します。
iPhone の場合
「設定」→「一般」→「言語と地域」から日本語を選択
Android の場合
「設定」→「システム」→「言語と入力」から日本語を選択
Q4. どの翻訳ツールが一番おすすめですか?
初心者には「PCOT」がおすすめです。無料で使いやすく、翻訳精度も十分です。
PCに詳しくない方やインストールが面倒な方は、「Googleレンズ」が手軽です。
Unity製ゲームで完成度の高い翻訳を求めるなら「XUnity.AutoTranslator」、メジャータイトルなら「有志翻訳パッチ」を探してみましょう。
Q5. 翻訳ツールが動かないときは?
以下の点を確認してください:
- ゲームがウィンドウモードになっているか
- 管理者権限で起動しているか
- セキュリティソフトがブロックしていないか
- 最新バージョンのツールを使っているか
- ゲームとの相性問題がないか(別のツールを試す)
まとめ:自分に合った方法で海外ゲームを楽しもう
Steamには魅力的な海外ゲームが数多くありますが、言語の壁で諦める必要はありません。
この記事のポイント
- Steamクライアントとゲームは別々に言語設定が必要
- 購入前にストアページで日本語対応状況を必ず確認する
- 日本語非対応ゲームも翻訳ツールで楽しめる
- 初心者にはPCOTやGoogleレンズがおすすめ
- Unity製ゲームならXUnity.AutoTranslatorも選択肢
- 有志翻訳パッチは質が高いが自己責任
- 機械翻訳は完璧ではないが、大まかな理解には十分
おすすめの使い分け
- 手軽に試したい → Googleレンズ
- RPG・ノベルゲーム → PCOT
- Unity製ゲーム → XUnity.AutoTranslator
- メジャータイトル → 有志翻訳パッチを探す
翻訳ツールを活用すれば、日本語非対応のゲームでも十分楽しめます。完璧な翻訳でなくても、ストーリーやゲームシステムを理解するには十分な精度です。
言語の壁を越えて、世界中の面白いゲームに挑戦してみましょう。Steamには、まだあなたが知らない素晴らしいゲームがたくさん待っていますよ!

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