DLLエラーが出た!原因と今すぐできる解決方法|Windows完全ガイド

Windows

「プログラムを開始できません。〇〇.dllがないため…」

Windowsパソコンを使っていて、こんなエラーメッセージが突然表示されたら、焦ってしまいますよね。

アプリケーションを起動しようとしたら動かない、ゲームが始まらない、ソフトをインストールしたらエラーが出る…。DLLエラーは、パソコンを使う上でよく遭遇するトラブルの一つです。

でも安心してください。DLLエラーの多くは、適切な対処をすれば解決できます。

この記事では、DLLエラーとは何か、なぜ起こるのか、そして具体的な解決方法を、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

スポンサーリンク
  1. DLLとは何?
    1. DLLの正式名称
    2. DLLファイルの役割
    3. DLLファイルの例
  2. DLLエラーが起こる原因
    1. 1. ファイルが削除された
    2. 2. ファイルが破損している
    3. 3. 新しいプログラムが古いDLLを上書きした
    4. 4. Windowsアップデートの失敗
    5. 5. ウイルス・マルウェア感染
    6. 6. レジストリの問題
    7. 7. ドライバーの不具合
  3. よくあるDLLエラーメッセージ
    1. パターン1:ファイルが見つからない
    2. パターン2:ファイルの読み込み失敗
    3. パターン3:エントリポイントが見つからない
    4. 具体的なエラー例
  4. 【解決方法1】パソコンを再起動する
    1. 手順
  5. 【解決方法2】プログラムを再インストールする
    1. 手順
  6. 【解決方法3】システムファイルチェッカーを実行する
    1. 手順
  7. 【解決方法4】DISMツールを実行する
    1. 手順
  8. 【解決方法5】Visual C++ 再頒布可能パッケージをインストールする
    1. 対象となるエラー
    2. 手順
  9. 【解決方法6】Windows Updateを実行する
    1. 手順
  10. 【解決方法7】システムの復元を実行する
    1. 注意点
    2. 手順
  11. 【解決方法8】ドライバーを更新する
    1. 手順
  12. 【解決方法9】ウイルススキャンを実行する
    1. 手順(Windows Defender使用)
  13. 【解決方法10】ごみ箱を確認する
    1. 手順
  14. やってはいけないこと
    1. 1. 不明なサイトからDLLファイルをダウンロードしない
    2. 2. System32フォルダを直接編集しない
    3. 3. レジストリを適当にいじらない
  15. 予防策:DLLエラーを防ぐ方法
    1. 1. 定期的にWindows Updateを実行
    2. 2. 信頼できるウイルス対策ソフトを使う
    3. 3. 不要なソフトをアンインストール
    4. 4. ディスククリーンアップを慎重に行う
    5. 5. 重要なデータをバックアップ
    6. 6. システムの復元ポイントを作成
  16. よくある質問
  17. まとめ
    1. すぐに試せる基本対処法
    2. 少し高度な対処法
    3. 絶対にやってはいけないこと
    4. 予防策
    5. 最後に

DLLとは何?

まずは、DLLが何なのかを理解しましょう。

DLLの正式名称

DLL = Dynamic Link Library(ダイナミックリンクライブラリ)

日本語に訳すと「動的リンクライブラリ」という意味です。

DLLファイルの役割

DLLファイルは、複数のプログラムが共有して使える部品のようなものです。

例えば、料理に例えるとこんな感じです。

DLLがない場合

  • Aさんの家:調味料を全部持っている
  • Bさんの家:調味料を全部持っている
  • Cさんの家:調味料を全部持っている

DLLがある場合

  • 共有倉庫:調味料を保管
  • A・B・Cさんの家:必要な時だけ倉庫から借りる

このように、共有することで、パソコンのメモリ(記憶容量)やディスク容量を節約できます。

DLLファイルの例

よく見かけるDLLファイルには、以下のようなものがあります。

  • MSVCP140.dll
  • VCRUNTIME140.dll
  • MSVCR110.dll
  • d3dx9_43.dll
  • xinput1_3.dll

これらは、多くのアプリケーションやゲームが使う共通の機能を提供しています。

DLLエラーが起こる原因

DLLエラーはなぜ発生するのでしょうか?主な原因を見ていきましょう。

1. ファイルが削除された

最も多い原因がこれです。

  • 間違って削除してしまった
  • アプリをアンインストールした時に一緒に消えた
  • ディスク クリーンアップで削除された

2. ファイルが破損している

DLLファイル自体が壊れている場合です。

  • パソコンが突然シャットダウンした
  • ハードディスクに不具合がある
  • ウイルス感染でファイルが破壊された

3. 新しいプログラムが古いDLLを上書きした

新しいソフトをインストールした時に、既存のDLLファイルが書き換えられ、互換性がなくなることがあります。

4. Windowsアップデートの失敗

Windows Updateが途中で止まったり、失敗したりすると、DLLファイルが正しく更新されないことがあります。

5. ウイルス・マルウェア感染

悪意のあるプログラムが、DLLファイルを破壊したり、偽物と入れ替えたりします。

6. レジストリの問題

Windowsの設定情報を管理する「レジストリ」に誤った情報が登録されていると、DLLエラーが発生することがあります。

7. ドライバーの不具合

プリンターやグラフィックカードなどのハードウェアのドライバーが古いと、関連するDLLファイルでエラーが起こります。

よくあるDLLエラーメッセージ

実際に表示されるエラーメッセージの例を見てみましょう。

パターン1:ファイルが見つからない

プログラムを開始できません。
〇〇.dllがコンピューターにないため、
プログラムを開始できません。
この問題を解決するには、プログラムを再インストールしてみてください。

パターン2:ファイルの読み込み失敗

〇〇.dllの読み込みに失敗しました。
指定されたモジュールが見つかりません。

パターン3:エントリポイントが見つからない

プロシージャエントリポイント〇〇が
ダイナミックリンクライブラリ〇〇.dllから見つかりませんでした。

具体的なエラー例

VCRUNTIME140.dllが見つからない

  • Microsoft Visual C++のランタイムライブラリが不足

MSVCR110.dllが見つからない

  • Visual C++ 2012のランタイムが不足

d3dx9_43.dllが見つからない

  • DirectXのコンポーネントが不足(主にゲーム関連)

【解決方法1】パソコンを再起動する

まずはこれを試しましょう。

一時的な不具合であれば、再起動だけで解決することがあります。

手順

  1. 開いているプログラムをすべて閉じる
  2. 「スタート」メニューから「再起動」を選択
  3. パソコンが再起動したら、もう一度エラーが出たプログラムを起動してみる

これで解決すれば、それ以上の対処は不要です。

【解決方法2】プログラムを再インストールする

特定のアプリケーションでのみエラーが出る場合、そのアプリを再インストールすると解決することが多いです。

手順

ステップ1:アンインストール

  1. 「スタート」→「設定」(歯車マーク)
  2. 「アプリ」→「アプリと機能」
  3. エラーが出るプログラムを探してクリック
  4. 「アンインストール」をクリック
  5. 画面の指示に従ってアンインストール

ステップ2:パソコンを再起動

アンインストール後、一度パソコンを再起動します。

ステップ3:再インストール

  1. プログラムの公式サイトから最新版をダウンロード
  2. ダウンロードしたファイルを実行
  3. 画面の指示に従ってインストール
  4. インストール完了後、プログラムが正常に動くか確認

【解決方法3】システムファイルチェッカーを実行する

Windowsの標準機能で、壊れたシステムファイルを自動修復できます。

手順

ステップ1:コマンドプロンプトを管理者として開く

  1. 「スタート」ボタンを右クリック
  2. 「Windows PowerShell(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選択
  3. ユーザーアカウント制御で「はい」をクリック

ステップ2:コマンドを実行

黒い画面(コマンドプロンプト)に以下を入力してEnterキーを押します。

sfc /scannow

ステップ3:スキャンの完了を待つ

  • スキャンには10〜15分程度かかります
  • 途中で中断しないでください
  • 「検証100%が完了しました」と表示されるまで待ちます

ステップ4:結果を確認

成功した場合

Windows リソース保護により、破損したファイルが見つかり、
それらは正常に修復されました。

問題がなかった場合

Windows リソース保護は、整合性違反を検出しませんでした。

ステップ5:パソコンを再起動

スキャン完了後、パソコンを再起動して、エラーが解消されたか確認します。

【解決方法4】DISMツールを実行する

SFCで解決しない場合は、DISMツールを使います。

手順

ステップ1:コマンドプロンプトを管理者として開く

前述と同じ方法で開きます。

ステップ2:コマンドを実行

以下を入力してEnterキーを押します。

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

ステップ3:処理の完了を待つ

  • 15〜20分程度かかる場合があります
  • インターネット接続が必要です(Windowsの修復ファイルをダウンロードするため)

ステップ4:再度SFCを実行

DISMが完了したら、もう一度以下のコマンドを実行します。

sfc /scannow

ステップ5:パソコンを再起動

完了後、再起動して確認します。

【解決方法5】Visual C++ 再頒布可能パッケージをインストールする

多くのDLLエラーは、Microsoft Visual C++のランタイムライブラリが不足していることが原因です。

対象となるエラー

  • VCRUNTIME140.dll
  • VCRUNTIME140_1.dll
  • MSVCP140.dll
  • MSVCR110.dll
  • MSVCR100.dll

これらのエラーが出ている場合は、この方法が有効です。

手順

ステップ1:Microsoftの公式ページにアクセス

ブラウザで以下を検索します。

「Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージ ダウンロード」

ステップ2:必要なバージョンをダウンロード

エラーメッセージに表示されている番号に応じて、以下をダウンロードします。

  • VCRUNTIME140系のエラー → Visual C++ 2015-2022
  • MSVCR110.dll → Visual C++ 2012
  • MSVCR100.dll → Visual C++ 2010

注意:32ビット版と64ビット版の両方をインストールすることをおすすめします

ステップ3:ダウンロードしたファイルを実行

  1. ダウンロードしたファイルをダブルクリック
  2. ライセンス条項に同意
  3. 「インストール」をクリック
  4. インストール完了を待つ

ステップ4:パソコンを再起動

インストール後、パソコンを再起動します。

【解決方法6】Windows Updateを実行する

最新の更新プログラムをインストールすることで、DLLファイルが更新され、エラーが解消されることがあります。

手順

  1. 「スタート」→「設定」
  2. 「更新とセキュリティ」(Windows 10)または「Windows Update」(Windows 11)
  3. 「更新プログラムのチェック」をクリック
  4. 利用可能な更新があれば「ダウンロードしてインストール」
  5. インストール完了後、再起動

【解決方法7】システムの復元を実行する

最近DLLエラーが出始めた場合、システムを以前の正常な状態に戻すことで解決できます。

注意点

システムの復元を実行すると、復元ポイント以降にインストールしたソフトやドライバーが削除される可能性があります。

手順

ステップ1:システムの復元を開く

  1. 「スタート」を右クリック
  2. 「システム」を選択
  3. 「システムの保護」をクリック(左側メニュー)
  4. 「システムの復元」ボタンをクリック

ステップ2:復元ポイントを選択

  1. 「別の復元ポイントを選択する」にチェックを入れて「次へ」
  2. DLLエラーが出る前の日付の復元ポイントを選択
  3. 「影響を受けるプログラムの検出」で削除されるものを確認
  4. 問題なければ「次へ」

ステップ3:復元を実行

  1. 最終確認画面で「完了」をクリック
  2. 警告メッセージで「はい」
  3. パソコンが自動的に再起動し、復元が実行されます

【解決方法8】ドライバーを更新する

プリンターやグラフィックカード使用時にDLLエラーが出る場合は、ドライバーの更新が有効です。

手順

  1. 「スタート」を右クリック
  2. 「デバイスマネージャー」を選択
  3. エラーが出るデバイスを右クリック
  4. 「ドライバーの更新」を選択
  5. 「ドライバーを自動的に検索」を選択
  6. 更新完了後、パソコンを再起動

【解決方法9】ウイルススキャンを実行する

マルウェア感染が原因の場合もあります。

手順(Windows Defender使用)

  1. 「スタート」→「設定」
  2. 「更新とセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」
  3. 「ウイルスと脅威の防止」
  4. 「スキャンのオプション」
  5. 「フルスキャン」を選択して「今すぐスキャン」
  6. スキャン完了を待つ(30分〜1時間程度)
  7. 脅威が検出されたら、指示に従って削除

【解決方法10】ごみ箱を確認する

DLLファイルを誤って削除した可能性がある場合は、ごみ箱を確認しましょう。

手順

  1. デスクトップの「ごみ箱」をダブルクリック
  2. エラーメッセージに表示されているDLLファイル名で検索
  3. 見つかったら右クリックして「元に戻す」
  4. パソコンを再起動

やってはいけないこと

DLLエラーを解決しようとして、逆に問題を悪化させないために注意すべきことがあります。

1. 不明なサイトからDLLファイルをダウンロードしない

これは絶対にやめてください。

インターネットで「〇〇.dll ダウンロード」と検索すると、DLLファイルを配布しているサイトが見つかりますが、これらは危険です。

リスク

  • ウイルスやマルウェアが含まれている可能性
  • 古いバージョンや間違ったバージョンのファイル
  • システム全体が不安定になる

安全なダウンロード先

  • Microsoft公式サイト
  • ソフトウェアの開発元の公式サイト

これら以外からはダウンロードしないでください。

2. System32フォルダを直接編集しない

C:\Windows\System32 フォルダには重要なDLLファイルがたくさんありますが、ここを直接いじるのは危険です。

間違ったファイルを削除すると、Windowsが起動しなくなる可能性があります。

3. レジストリを適当にいじらない

レジストリエディタでDLL関連の設定を変更すると、取り返しのつかないトラブルになることがあります。

専門知識がない場合は、レジストリの編集は避けましょう。

予防策:DLLエラーを防ぐ方法

日頃から以下の対策をしておくと、DLLエラーを防げます。

1. 定期的にWindows Updateを実行

月に一度は、Windows Updateで最新の状態に保ちましょう。

2. 信頼できるウイルス対策ソフトを使う

リアルタイム保護を有効にして、常にスキャンしておきます。

3. 不要なソフトをアンインストール

使わないソフトは削除して、システムをシンプルに保ちます。

4. ディスククリーンアップを慎重に行う

「システムファイルのクリーンアップ」では、必要なファイルまで削除しないよう注意しましょう。

5. 重要なデータをバックアップ

定期的にバックアップを取っておけば、最悪の場合もデータを失わずに済みます。

6. システムの復元ポイントを作成

重要なソフトをインストールする前に、復元ポイントを手動で作成しておくと安心です。

よくある質問

Q. DLLファイルを手動で追加してもいい?

推奨しません。必ず公式な方法(Visual C++のインストールなど)で対処してください。

Q. すべてのDLLエラーが解決できる?

ほとんどのDLLエラーは解決できますが、ハードウェアの故障が原因の場合は、修理が必要になることもあります。

Q. 複数のDLLファイルが見つからないと表示される

これは深刻な問題の可能性があります。まずウイルススキャンを実行し、その後クリーンインストールも検討してください。

Q. どの解決方法から試せばいい?

この記事の順番通りに試すのがおすすめです。簡単な方法から始めて、徐々に高度な方法に進みます。

Q. 解決しない場合はどうすれば?

すべての方法を試しても解決しない場合は、Windowsのクリーンインストールを検討するか、専門業者に相談しましょう。

まとめ

DLLエラーの解決方法をまとめます。

すぐに試せる基本対処法

  1. パソコンを再起動
  2. プログラムを再インストール
  3. システムファイルチェッカー(sfc /scannow)

少し高度な対処法

  1. DISMツールを実行
  2. Visual C++ 再頒布可能パッケージをインストール
  3. Windows Updateを実行
  4. システムの復元
  5. ドライバーを更新
  6. ウイルススキャン

絶対にやってはいけないこと

  • 不明なサイトからDLLファイルをダウンロード
  • System32フォルダを直接編集
  • レジストリを適当にいじる

予防策

  • 定期的なWindows Update
  • ウイルス対策ソフトの使用
  • 不要なソフトの削除
  • 定期的なバックアップ

最後に

DLLエラーは、一見難しそうに見えますが、適切な手順で対処すれば、多くの場合は解決できます。

まずはパソコンの再起動から始めて、この記事で紹介した方法を順番に試してみてください。

ほとんどのDLLエラーは、システムファイルチェッカーやVisual C++のインストールで解決します。

それでも解決しない場合は、ハードウェアの問題やWindowsシステム自体の深刻な破損が考えられるため、専門家に相談することをおすすめします。

焦らず、一つずつ確実に対処していけば、必ず解決の糸口が見つかるはずです!

コメント

タイトルとURLをコピーしました