iPhoneに有線イヤホンをしっかり挿しているのに、イヤホンから音が出ずに本体スピーカーから音が鳴ってしまう…。
電車の中や図書館で突然スピーカーから音楽が流れたら、本当に恥ずかしいですよね。
実はこの問題、イヤホンの故障だと思われがちですが、多くの場合、iPhone側の設定や一時的な不具合が原因なんです。この記事では、有線イヤホンを接続しているのに本体から音が出てしまう原因と、その解決方法を詳しく解説します。
簡単な設定変更や再起動で直ることがほとんどなので、修理に出す前にぜひ試してみてください!
iPhoneで有線イヤホンなのに本体から音が出る現象とは

まず、この問題がどういう状況で起きるのか整理しましょう。
よくある症状
- イヤホンを挿しているのに、音楽や動画の音が本体スピーカーから出る
- 通話中の相手の声がイヤホンから聞こえず、本体から聞こえる
- 最初はイヤホンで聞こえていたのに、途中から急に本体スピーカーに切り替わる
- イヤホンのボリュームボタンは反応するのに、音だけが本体から出る
影響を受けるイヤホンの種類
この問題は、以下のような有線イヤホンで発生します。
- 3.5mmイヤホンジャック用イヤホン(変換アダプタ使用)
- Lightning接続イヤホン(iPhone 7以降)
- USB-C接続イヤホン(iPhone 15以降)
どのタイプでも、基本的な対処方法は同じです。
音が本体から出てしまう5つの主な原因
なぜイヤホンを挿しているのに、音が本体スピーカーから出るのでしょうか。
原因1:Bluetooth機器との接続が残っている
iPhoneは、Bluetoothイヤホンやスピーカーを最近使った場合、その機器への接続を優先することがあります。
有線イヤホンを挿しても、Bluetooth機器が近くにあると、自動的にそちらに接続しようとして、結果的に音が本体スピーカーから出てしまうんです。
こんな時に起きやすい:
- 車のBluetooth接続を使った後
- AirPodsを最近使っていた
- Bluetoothスピーカーで音楽を聴いた後
原因2:音声出力先が正しく設定されていない
iPhoneでは、音声の出力先を手動で選ぶことができます。
この設定が「iPhone」や別のデバイスになっていると、有線イヤホンを挿していても、そこから音は出ません。特にiOS 11以降、この出力先の切り替え機能が追加されてから、この問題が増えました。
原因3:イヤホンジャックやLightning端子の汚れ・接触不良
端子部分にホコリやゴミが詰まっていると、イヤホンが正しく認識されないことがあります。
見た目ではわからなくても、奥にホコリが溜まっていて、接触が不完全になっているケースは意外と多いんです。
原因4:通話オーディオルーティングの設定
iPhoneには、通話時の音声をどこから出すか設定する「通話オーディオルーティング」という機能があります。
この設定が適切でないと、通話中にイヤホンから音が聞こえなくなることがあります。
原因5:iOSの一時的な不具合やバグ
システムの一時的なエラーで、イヤホンが正しく認識されないことがあります。
特にiOSアップデート直後や、長時間iPhoneを使い続けている時に起きやすいです。過去のiOS 10や11では、この問題がよく報告されていました。
【基本編】まず試したい5つの対処法
問題が起きたら、まずは以下の基本的な対処法を順番に試してみましょう。
対処法1:音声出力先を確認・変更する
最も効果的で、すぐにできる方法です。
手順:
- 音楽や動画を再生した状態で、コントロールセンターを開く
- iPhone X以降:画面右上から下にスワイプ
- iPhone 8以前:画面下から上にスワイプ
- 再生中の音楽コントロール部分を長押しする
- 右上のAirPlayアイコン(三角と波線のマーク)をタップ
- 出力先のリストが表示されるので、「iPhone」または「有線イヤホン」を選択
正しい表示:
- イヤホンが認識されている場合:「Lightning」「ヘッドフォン」などと表示されます
- イヤホンから音を出したい場合:この項目をタップして選択
もし「iPhone」が選択されていたら、それが原因です。イヤホンの項目に切り替えましょう。
対処法2:Bluetoothをオフにする
Bluetooth接続が邪魔をしている可能性があるので、一度オフにしてみます。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「Bluetooth」をタップ
- Bluetoothのスイッチをオフにする
- イヤホンを挿し直す
- 音が出るか確認
音が正常に出るようになったら、Bluetooth接続が原因だったことがわかります。
Bluetooth機器との接続を解除する方法:
Bluetoothを完全にオフにしたくない場合は、特定のデバイスだけ切断できます。
- 「設定」→「Bluetooth」
- 接続中のデバイスの横にある「ⓘ」マークをタップ
- 「接続解除」または「このデバイスの登録を解除」をタップ
対処法3:イヤホンを挿し直す
シンプルですが、意外と効果的な方法です。
正しい挿し直し方:
- イヤホンを完全に抜く
- 5秒ほど待つ
- iPhoneケースを使っている場合は、ケースを外す
- イヤホンをカチッと音がするまでしっかり挿し込む
Lightning端子やUSB-Cは、奥までしっかり差し込まないと認識されないことがあります。「少し緩いかな?」と感じたら、もう一度挿し直してみてください。
対処法4:iPhoneを再起動する
一時的なシステムエラーは、再起動で解決することが多いです。
再起動の手順:
iPhone X以降(Face ID搭載モデル)
- 音量ボタン(上または下)とサイドボタンを同時に長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライド
- 電源が切れたら、サイドボタンを長押しして再起動
iPhone 8以前(ホームボタンあり)
- サイドボタン(または上部ボタン)を長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライド
- 電源が切れたら、ボタンを長押しして再起動
再起動後、イヤホンを挿し直して音が出るか確認しましょう。
対処法5:音量を確認する
意外と見落としがちなのが、音量設定です。
確認ポイント:
iPhoneでは、イヤホンの音量と本体スピーカーの音量が別々に管理されています。
- 本体スピーカーで音が出ていても、イヤホンの音量がゼロになっていることがある
- イヤホンを挿した状態で、本体横の音量ボタンを押して音量を上げる
設定から確認する方法:
- 「設定」→「サウンドと触覚」
- 「着信音と通知音」のスライダーを確認
- イヤホンを挿した状態で音量を調整
【応用編】基本対処法で直らない場合の解決策

基本的な方法で解決しなかった場合は、以下の応用的な対処法を試してみましょう。
対処法6:通話オーディオルーティングを確認・変更する
通話アプリ(LINE、FaceTime、Teamsなど)で音が出ない場合、この設定が重要です。
設定手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「アクセシビリティ」をタップ
- 「タッチ」をタップ
- 「通話オーディオルーティング」をタップ
- 「自動」を選択
各設定の意味:
- 自動:イヤホンが挿さっていればイヤホンから、挿さっていなければ本体スピーカーから音を出す(推奨)
- Bluetoothヘッドセット:Bluetooth機器を優先
- スピーカー:常に本体スピーカーから音を出す
「自動」以外が選択されていると、有線イヤホンを挿しても音が本体から出ることがあります。
対処法7:イヤホンジャック・Lightning端子を清掃する
端子の汚れが原因の場合、清掃が効果的です。
安全な清掃方法:
用意するもの:
- エアダスター(パソコン用のホコリ飛ばしスプレー)
- 爪楊枝(先端が細いもの)
- 綿棒(細めのもの)
- 懐中電灯やスマホのライト
清掃手順:
- iPhoneの電源を切る(必須)
- 懐中電灯で端子内部を照らして、ホコリやゴミがないか確認
- エアダスターで軽く吹き飛ばす
- それでも取れない場合は、爪楊枝の先端で優しくホコリをかき出す
- 綿棒で軽く拭く
注意点:
- 金属製のピンなど、硬いものは絶対に使わない(端子が傷つきます)
- 強く押し込まない
- 水分は厳禁
- アルコールの使用も避ける
端子内部を傷つけると、修理が必要になってしまうので、慎重に行いましょう。
対処法8:別のイヤホンで試す
イヤホン本体の故障かどうか確認します。
確認方法:
- 別の有線イヤホンを用意する
- そのイヤホンをiPhoneに挿す
- 正常に音が出るか確認
結果の判断:
- 別のイヤホンで正常に音が出る場合
→ 最初のイヤホンが故障している可能性が高い - 別のイヤホンでも同じ症状が出る場合
→ iPhone側に問題がある
イヤホンが故障している場合は、修理よりも新しいイヤホンを購入した方が安く済むことが多いです。
対処法9:すべてのアプリを終了する
バックグラウンドで起動しているアプリが原因のこともあります。
手順:
- マルチタスク画面を表示
- iPhone X以降:画面下から上にスワイプして途中で止める
- iPhone 8以前:ホームボタンを2回素早く押す
- 起動中のアプリを上にスワイプしてすべて終了
- 音楽アプリや動画アプリも含めて、すべて終了させる
- イヤホンを挿し直して、再度アプリを起動
複数のアプリが音声出力を取り合って、混乱していることがあるんです。
対処法10:iOSを最新版にアップデートする
古いバージョンのiOSにバグがある場合、アップデートで解決することがあります。
アップデート手順:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- 利用可能なアップデートがあれば「ダウンロードしてインストール」
- パスコードを入力
- 「今すぐインストール」をタップ
アップデート前の注意:
- Wi-Fiに接続する
- バッテリー残量が50%以上あることを確認
- バックアップを取っておく
Lightning接続イヤホン特有のトラブルと解決法
Lightning端子で接続するイヤホン(iPhone 7以降)には、独特の問題があります。
「Lightning」が出力先に表示されない場合
Lightning接続イヤホンが認識されない時の対処法です。
解決策:
- イヤホンを挿した状態でBluetooth設定を開く
- 「設定」→「Bluetooth」
- デバイス一覧の中に「Lightning」という項目が表示されることがある
- これをタップして接続
これは少し特殊な方法ですが、うまくいくケースが報告されています。
Lightning変換アダプタ使用時の注意点
3.5mmイヤホンをLightning変換アダプタで使っている場合の注意点です。
よくあるトラブル:
- アダプタの接触不良
- 非純正アダプタの相性問題
- アダプタ側の故障
対処法:
- 変換アダプタを挿し直す
- 別の変換アダプタで試す(可能なら純正品)
- アダプタとイヤホンの接続部分も清掃する
純正のLightning-3.5mmアダプタを使うと、トラブルが少なくなります。
音楽アプリでは聞こえるのに通話で聞こえない場合
音楽は正常にイヤホンから聞こえるのに、通話だけ本体スピーカーから聞こえるケースがあります。
原因:通話専用の設定が別になっている
iPhoneでは、音楽再生と通話で、音声出力の設定が別々に管理されています。
特に影響を受けるアプリ:
- LINE通話
- FaceTime
- Microsoft Teams
- Discord
- Zoom
解決方法
方法1:通話中に出力先を切り替える
- 通話が始まったら、画面上のスピーカーボタンをタップ
- 「スピーカー」が選択されている場合は、「iPhone」をタップ
- その後、「ヘッドフォン」または「イヤホン」を選択
方法2:通話オーディオルーティングを確認(再掲)
- 「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「通話オーディオルーティング」
- 「自動」を選択
方法3:アプリ個別の設定を確認
LINEやTeamsなど、アプリ内に独自の音声設定がある場合があります。
アプリの設定画面で、音声出力に関する項目がないか確認してみましょう。
イヤホンが原因か本体が原因か見分ける方法
問題の切り分けをすることで、適切な対処ができます。
イヤホン側の問題かチェックする方法
確認1:他のデバイスで試す
- イヤホンを別のスマホやパソコンに挿してみる
- 他のデバイスでも音が出ない → イヤホンの故障
- 他のデバイスでは正常 → iPhone側の問題
確認2:断線をチェック
有線イヤホンは、以下の部分が断線しやすいです。
- イヤホンプラグの根元
- コードの途中(特に折れ曲がった部分)
- イヤホン本体とコードの接続部分
コードを軽く動かしながら音楽を再生して、音が途切れたり復活したりする場合は、断線の可能性が高いです。
iPhone側の問題かチェックする方法
確認1:複数のイヤホンで試す
- 手持ちのイヤホンを2〜3個試してみる
- どのイヤホンでも同じ症状が出る → iPhone側の問題
確認2:ヘッドフォンモードになっているか確認
イヤホンを抜いても「ヘッドフォンモード」のままになっている場合があります。
- イヤホンを抜く
- 音量ボタンを押す
- 画面に表示されるアイコンが「スピーカー」ではなく「ヘッドフォン」になっている
→ iPhoneがイヤホンを挿したままだと誤認識している
この場合、端子内部に異物が挟まっているか、端子の故障が考えられます。
それでも解決しない場合の最終手段
ここまでの方法を試しても直らない場合の対処法です。
ネットワーク設定をリセット
音声出力の設定がおかしくなっている場合、これで直ることがあります。
手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」を選択
- パスコードを入力して実行
注意:
- Wi-Fiのパスワードが消えるので、再入力が必要
- Bluetooth接続も解除される
すべての設定をリセット
手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「リセット」→「すべての設定をリセット」
- パスコードを入力して実行
影響範囲:
- Wi-Fi、Bluetooth、通知などの設定がすべて初期化される
- 写真、アプリ、メッセージなどのデータは消えない
Apple サポートに問い合わせ
自力で解決できない場合は、専門家に相談しましょう。
問い合わせ方法:
- Apple公式サポートサイト(support.apple.com/ja-jp)にアクセス
- 「iPhone」→「音楽とオーディオ」を選択
- 「チャット」または「電話」を選択
- 症状を説明
持ち込み修理:
- Apple Store
- Apple正規サービスプロバイダ
端子の故障や水濡れが原因の場合、修理が必要になることがあります。保証期間内なら、無料または安価で修理できる可能性があります。
予防策:同じトラブルを繰り返さないために

一度解決しても、また同じ問題が起きないように、日頃から気をつけたいポイントです。
端子を清潔に保つ
定期的な清掃:
- 月に1回程度、エアダスターで軽く清掃
- ポケットに入れる時は、端子にホコリが入らないようカバーをつける
イヤホンの取り扱いに注意
断線を防ぐコツ:
- イヤホンを抜く時は、コードではなくプラグを持って引き抜く
- 使用後はくるくる巻かずに、緩く束ねて保管
- コードを強く引っ張らない
Bluetooth機器の管理
不要な接続を削除:
- 「設定」→「Bluetooth」
- 使っていないデバイスの横にある「ⓘ」をタップ
- 「このデバイスの登録を解除」
使わないBluetooth機器が登録されたままだと、予期せぬ接続が起きることがあります。
iOSを常に最新に保つ
自動アップデートの設定:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- 「自動アップデート」をオンにする
バグ修正が含まれたアップデートが自動で適用されます。
まとめ:有線イヤホン問題は設定確認から始めよう
iPhoneに有線イヤホンを挿しても本体から音が出てしまう問題は、多くの場合、簡単な設定変更や再起動で解決できます。
最も効果的な対処法トップ5:
- 音声出力先をコントロールセンターから確認・変更する
- Bluetoothをオフにする
- iPhoneを再起動する
- イヤホンを挿し直す(しっかり奥まで)
- 通話オーディオルーティングを「自動」に設定する
まずはこの5つを試してみてください。
イヤホンか本体か迷ったら:
- 別のイヤホンで試して、正常に動作すればイヤホンの問題
- 複数のイヤホンで同じ症状ならiPhone側の問題
端子の清掃や設定のリセットを試しても直らない場合は、Apple サポートに相談するのが安心です。
iPhoneとイヤホンのトラブルは、意外と身近な問題です。この記事を参考に、焦らず一つずつ対処していけば、きっと解決できますよ!

コメント