「スマホを落として壊してしまった」「突然起動しなくなった」「機種変更したいけどデータ移行が不安」…こんな経験や心配はありませんか?
Androidスマホには、写真や動画、連絡先、大切なメッセージ、アプリのデータなど、失いたくないデータがたくさん入っています。これらのデータは、事前にバックアップを取っておけば、万が一のトラブルでも復元できます。
この記事では、Androidスマホのバックアップ方法を初心者向けにわかりやすく解説します。Google Oneを使った標準的な方法から、SDカードやパソコンを使った方法、復元手順まで詳しく紹介していきます。
なぜバックアップが必要なのか

バックアップが役立つ場面
機種変更のとき
新しいAndroidスマホに簡単にデータを移行できます。連絡先、写真、アプリなどをすべて引き継げます。
スマホの故障
画面が割れたり、水没したり、突然起動しなくなったりしても、バックアップがあれば新しいスマホでデータを復元できます。
紛失・盗難
スマホを失くしても、バックアップからデータを取り戻せます。
OSアップデートの不具合
Androidのバージョンアップ時に万が一トラブルが起きても、バックアップから復元できます。
ウイルス感染
スマホがウイルスに感染した場合、初期化してからバックアップデータを復元することで、感染前の状態に戻せます。
バックアップしないとどうなる?
- すべての写真や動画が消える
- 連絡先が全部なくなる
- LINEのトーク履歴が消える
- ゲームの進行状況がリセットされる
- 手動でアプリを一つ一つ再インストールする必要がある
データを失ってから後悔しても遅いので、定期的にバックアップを取る習慣をつけましょう。
Androidのバックアップ方法3種類
Androidスマホのバックアップには、主に3つの方法があります。
1. Google Oneバックアップ(クラウド)
特徴
- スマホだけで完結(パソコン不要)
- 自動バックアップが可能
- どこからでもアクセス可能
- 無料で15GBまで利用可能
おすすめの人
- 手軽にバックアップしたい
- 自動で定期的にバックアップしたい
- 複数のAndroid端末を使っている
2. SDカードにバックアップ
特徴
- インターネット不要
- 大容量のデータも保存可能
- 物理的に手元に保管
おすすめの人
- クラウドを使いたくない
- Wi-Fi環境がない
- SDカードスロット搭載の機種を使っている
3. パソコンにバックアップ
特徴
- 大容量のデータを保存可能
- インターネット速度に左右されない
- パソコンで直接管理できる
おすすめの人
- パソコンを持っている
- 写真や動画が大量にある
- データを手元で管理したい
Google Oneバックアップの詳しい手順
Google Oneは、Googleが提供するクラウドストレージサービスです。Android 8以降を搭載した端末には標準で搭載されています。
バックアップできるデータ
Google Oneバックアップでは、以下のデータをバックアップできます。
- アプリとアプリデータ
- 通話履歴
- 連絡先
- デバイスの設定(Wi-Fiパスワード、壁紙など)
- SMS・MMS(メッセージ)
- 写真と動画(Googleフォト経由)
- Googleカレンダーの予定
- Chromeのブックマーク
バックアップの設定方法
ステップ1:設定アプリを開く
Androidスマホの「設定」アプリをタップします。
ステップ2:Googleの項目を探す
「Google」をタップします。機種によっては「アカウントとバックアップ」→「Google」となっている場合もあります。
ステップ3:バックアップを選択
「すべてのサービス」をタップしてから「バックアップ」を選択します。
または、直接「バックアップ」が表示されている場合はそれをタップします。
ステップ4:バックアップをオンにする
「Google Oneバックアップ」をオンにします。
ステップ5:バックアップ内容を選択(任意)
「バックアップの詳細」から、バックアップしたいデータを個別に選択できます。
- アプリデータ
- 通話履歴
- 連絡先
- デバイスの設定
- SMSメッセージ
- 写真と動画
ステップ6:今すぐバックアップ(任意)
すぐにバックアップを開始したい場合は、「今すぐバックアップ」をタップします。
設定をオンにしておけば、以下の条件が揃ったときに自動的にバックアップされます。
- Wi-Fiに接続している
- スマホが充電中
- 2時間以上使用していない
バックアップの確認方法
方法1:設定から確認
「設定」→「Google」→「バックアップ」で、最後にバックアップした日時を確認できます。
方法2:Googleドライブから確認
- Googleドライブアプリを開く
- 左上のメニュー(三本線)をタップ
- 「バックアップ」を選択
- 「〇〇(機種名)のバックアップ」をタップ
ここでバックアップされているデータの詳細が確認できます。
容量と料金
無料プラン
15GB まで無料で利用できます。この容量は、Gmail、Googleドライブ、Googleフォトで共有されます。
有料プラン(Google One)
- 100GB:月額250円(年払い2,500円)
- 200GB:月額380円(年払い3,800円)
- 2TB:月額1,300円(年払い13,000円)
写真や動画が多い場合は、有料プランへのアップグレードを検討しましょう。
SDカードでのバックアップ方法
SDカードスロットを搭載しているAndroidスマホなら、SDカードに直接バックアップできます。
必要なもの
- SDカード(容量は保存したいデータ量に応じて選択)
- Files by Googleアプリ(Google Playから無料でダウンロード可能)
バックアップ手順
ステップ1:SDカードを挿入
スマホのSDカードスロットにSDカードを挿入します。
ステップ2:Files by Googleを開く
Files by Googleアプリを起動します。
ステップ3:内部ストレージを選択
「内部ストレージ」または「このデバイス」を選択します。
ステップ4:バックアップしたいデータを選択
写真、動画、音楽、ドキュメントなど、バックアップしたいファイルやフォルダを選択します。
ステップ5:コピー先にSDカードを指定
選択したファイルを長押しして、「コピー」または「移動」を選択します。
コピー先として、挿入したSDカードを選択します。
ステップ6:コピー完了
コピーが完了すれば、SDカードへのバックアップ完了です。
メーカー独自のバックアップアプリ
一部のメーカーは、独自のバックアップアプリを提供しています。
ドコモデータコピー
ドコモのスマホで利用可能。「バックアップ」を選択して「バックアップ開始」をタップするだけです。
Samsung Smart Switch
Samsung Galaxyシリーズで利用可能。PCとの連携も簡単です。
パソコンでのバックアップ方法
パソコンがあれば、大容量のデータも簡単にバックアップできます。
必要なもの
- パソコン(WindowsまたはMac)
- USBケーブル(スマホ付属のもの)
バックアップ手順(Windows)
ステップ1:スマホとパソコンを接続
USBケーブルでAndroidスマホとパソコンを接続します。
ステップ2:ファイル転送を許可
スマホに「USBの使用」という通知が表示されたら、「ファイル転送」または「MTP」を選択します。
初回接続時は「このコンピューターを常に許可する」にチェックを入れておくと便利です。
ステップ3:エクスプローラーを開く
Windowsのエクスプローラー(フォルダアイコン)を開きます。
ステップ4:スマホを選択
左側のメニューに表示されているスマホ名(例:「Xperia 5」「Galaxy S21」)をクリックします。
ステップ5:内部ストレージを開く
「内部共有ストレージ」または「Internal Storage」をダブルクリックします。
ステップ6:バックアップしたいフォルダを探す
主なフォルダ:
- DCIM:カメラで撮影した写真・動画
- Pictures:スクリーンショット、ダウンロードした画像
- Music:音楽ファイル
- Download:ダウンロードしたファイル
- Documents:ドキュメント
ステップ7:パソコンにコピー
バックアップしたいフォルダやファイルを選択し、右クリックして「コピー」を選択します。
パソコンの任意の場所(デスクトップやドキュメントフォルダなど)を開いて、右クリックして「貼り付け」を選択します。
バックアップ手順(Mac)
Macの場合、「Android File Transfer」というアプリが必要です。
ステップ1:Android File Transferをインストール
https://www.android.com/filetransfer/ からダウンロードしてインストールします。
ステップ2:スマホとMacを接続
USBケーブルで接続します。
ステップ3:Android File Transferを起動
自動的に起動しない場合は、手動で起動します。
ステップ4:ファイルをコピー
Windows版と同様に、必要なフォルダやファイルをMacにドラッグ&ドロップします。
データの復元方法
Google Oneバックアップからの復元
新しいスマホのセットアップ時に復元
ステップ1:スマホの電源を入れる
新しいAndroidスマホ、または初期化したスマホの電源を入れます。
ステップ2:言語とWi-Fiを設定
画面の指示に従って、言語を選択し、Wi-Fiネットワークに接続します。
ステップ3:「アプリとデータのコピー」画面
「次へ」をタップして、「以前のデバイスを使えない」を選択します。
ステップ4:Googleアカウントでログイン
バックアップを取ったGoogleアカウントでログインします。
ステップ5:バックアップを選択
利用可能なバックアップが表示されるので、復元したいバックアップを選択します(通常は最新のもの)。
ステップ6:復元するデータを選択
復元したいデータの種類(アプリ、写真、連絡先など)を選択します。
ステップ7:復元開始
「復元」をタップすると、復元が始まります。完了まで最大24時間かかる場合があります。
既にセットアップ済みのスマホで復元
すでにセットアップが完了している場合は、個別にデータを復元できます。
写真と動画の復元
- Googleフォトアプリを開く
- 復元したい写真・動画を選択
- 「デバイスに保存」をタップ
連絡先の復元
- 「設定」→「Google」→「復元」
- 「連絡先を復元」を選択
- 使用するGoogleアカウントを選択
- 「復元」をタップ
SDカードからの復元
ステップ1:SDカードを新しいスマホに挿入
ステップ2:Files by Googleを開く
ステップ3:SDカード内のデータを選択
ステップ4:内部ストレージにコピー
「コピー」を選択して、コピー先を「内部ストレージ」に指定します。
パソコンからの復元
パソコンからの復元も、バックアップ時と同じ手順で、逆方向にファイルをコピーすればOKです。
バックアップできないデータと個別対応

Google Oneバックアップでは、すべてのデータをバックアップできるわけではありません。
バックアップできないデータ
- LINEのトーク履歴(個別にバックアップが必要)
- ゲームアプリのセーブデータ(アプリ側で対応していない場合)
- 一部の音楽・動画ファイル
- おサイフケータイのデータ
- 認証アプリ(Google Authenticatorなど)のデータ
個別にバックアップが必要なアプリ
LINE
- LINEアプリを開く
- 「ホーム」→「設定」→「トーク」
- 「トークのバックアップ」をタップ
- 「Googleドライブにバックアップ」を選択
- 復元時は「アカウント引き継ぎ」をオンにしてから機種変更
ゲームアプリ(例:パズドラ、モンスト)
多くのゲームアプリには、独自の引き継ぎ機能があります。
- 機種変更コードの発行
- SNS連携(Facebook、Twitterなど)
- ゲーム内アカウント連携
各ゲームのヘルプやサポートページで確認しましょう。
- WhatsAppを開く
- 「設定」→「チャット」→「チャットのバックアップ」
- 「バックアップ」をタップ
- Googleドライブにバックアップされます
バックアップ前の準備と注意点
バックアップ前の準備
充電を確保
バックアップ中にバッテリーが切れると失敗する可能性があります。必ず充電しながら行いましょう。
Wi-Fi接続
モバイルデータでもバックアップできますが、Wi-Fiの方が安定していて、通信量を気にせずに済みます。
容量確認
Googleアカウントの空き容量を事前に確認しておきましょう。
Googleアカウントのパスワード確認
復元時に必要になるので、メールアドレスとパスワードを必ず控えておきましょう。
バックアップ時の注意点
定期的に行う
機種変更の直前だけでなく、月に1回程度の定期的なバックアップを習慣づけましょう。
複数の方法を併用
Google Oneとパソコン、Google OneとSDカードなど、複数の方法を併用すると、より安全です。
復元テスト
バックアップが正しく取れているか、時々確認しておくと安心です。
57日ルール
Google Oneバックアップは、57日間スマホを使用しないと自動的に削除されます。長期間使わないスマホのバックアップには注意が必要です。
トラブルシューティング
バックアップできない
原因1:容量不足
Googleアカウントの無料容量(15GB)を使い切っている可能性があります。
対処法
- 不要なメールや写真を削除
- Google Oneの有料プランに加入
- 別のバックアップ方法を併用
原因2:インターネット接続が不安定
対処法
- Wi-Fiに接続し直す
- より安定したWi-Fiネットワークに切り替える
- モバイルデータを使用してみる
原因3:Google Oneアプリが古い
対処法
Google Playストアで「Google One」アプリを最新版に更新します。
バックアップが遅い
原因
インターネット接続が遅い、データ量が多い、複数のアップデートがある
対処法
- より高速なWi-Fiに接続
- データ量を減らす(不要な写真・動画を削除)
- 時間に余裕を持って実施(夜間など)
復元できない・不完全
原因1:Androidバージョンが古い
新しいスマホのAndroidバージョンが、バックアップ元のスマホより古い場合、復元できません。
対処法
Androidバージョンを最新に更新してから復元します。
原因2:一部のデータのみ復元されない
対処法
- スマホがオンラインか確認
- Wi-Fiに接続
- Google Oneアプリを更新
- 十分な空き容量があるか確認
- 出荷時設定にリセットして再度セットアップ
原因3:アプリデータが復元されない
すべてのアプリがGoogle Oneバックアップに対応しているわけではありません。対応していないアプリは、個別にバックアップ・復元が必要です。
よくある質問
Q1. バックアップには何時間かかりますか?
データ量とインターネット速度によりますが、通常は数分〜数時間です。初回は時間がかかりますが、2回目以降は変更分のみバックアップされるので早くなります。完全な復元には最大24時間かかる場合があります。
Q2. モバイルデータでもバックアップできますか?
可能ですが、大量のデータ通信が発生するため、Wi-Fi接続を強く推奨します。設定でモバイルデータでのバックアップを許可する必要がある場合もあります。
Q3. バックアップ中にスマホを使えますか?
使えますが、バックアップの進行が遅くなる可能性があります。できれば充電中で放置しておくのがベストです。
Q4. バックアップは自動で行われますか?
Google Oneバックアップの設定をオンにしておけば、以下の条件が揃ったときに自動的にバックアップされます。
- Wi-Fi接続中
- 充電中
- 2時間以上アイドル状態
手動でバックアップしたい場合は、「今すぐバックアップ」をタップします。
Q5. 機種が違っても復元できますか?
はい、できます。XperiaからGalaxy、PixelからAQUOSなど、メーカーが違っても、Googleアカウントさえあれば復元可能です。ただし、一部のメーカー独自機能は引き継げない場合があります。
Q6. iPhoneからAndroidへデータ移行できますか?
Google Oneバックアップでは、iPhoneからAndroidへの直接移行はできません。ただし、Googleドライブを使って写真や連絡先を移行することは可能です。また、各メーカーが提供する移行ツール(Samsung Smart Switchなど)を使う方法もあります。
Q7. バックアップを削除するとどうなりますか?
Google Oneバックアップをオフにすると、バックアップデータ(Googleフォトの写真・動画を除く)が削除されます。また、57日間スマホを使用しないと自動的に削除されます。
Q8. セキュリティは大丈夫ですか?
Google Oneのバックアップは暗号化されて保存されます。一部のデータは、スマホの画面ロック(PIN、パターン、パスワード)を使ってエンドツーエンドで暗号化されるため、安全です。
まとめ:今すぐバックアップを始めよう
Androidスマホのバックアップは、大切なデータを守るために欠かせません。
バックアップ方法のまとめ
Google Oneバックアップ(おすすめ)
- 「設定」→「Google」→「バックアップ」
- 「Google Oneバックアップ」をオン
- 「今すぐバックアップ」をタップ
- 自動バックアップが設定完了
SDカード
- Files by Googleアプリでファイルをコピー
- ドコモデータコピーなどのメーカーアプリ利用
パソコン
- USBケーブルで接続
- フォルダをコピー&ペースト
復元方法
- 新しいスマホのセットアップ時にGoogleアカウントでログイン
- バックアップを選択して復元
- 完了まで最大24時間待つ
重要なポイント
- 無料で15GBまで利用可能
- Wi-Fi接続+充電中に自動バックアップ
- 57日間未使用でバックアップ削除
- LINEやゲームは個別にバックアップ
- Androidバージョンは同じか新しい方へのみ復元可能
今すぐ実行すること
- Googleアカウントのパスワードを確認・記録
- Google Oneバックアップをオンにする
- 「今すぐバックアップ」を実行
- 定期的(月1回程度)にバックアップを確認
バックアップは「いつか」ではなく「今」取りましょう。スマホが壊れてからでは遅いのです。この記事を読んだら、すぐに設定画面を開いて、バックアップを始めてください。大切な思い出や連絡先、すべてのデータを守るために!


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