カフェの無料Wi-Fiを使うとき、「ちょっと不安だな…」って思ったことはありませんか?
実は、iPhoneには「VPN」という便利な機能が標準装備されています。この機能を使えば、公共のWi-Fiでも安全にインターネットを楽しめるんです。
今回は、VPNって何?という基本から、実際の設定方法まで、誰でも分かるように詳しく解説していきますね。
VPNって何?仕組みを簡単に説明

VPNの基本的な意味
VPNは「Virtual Private Network(バーチャル・プライベート・ネットワーク)」の略称です。日本語では「仮想専用線」と呼ばれています。
簡単に言うと、インターネット上に自分専用の秘密のトンネルを作る技術なんです。
どんな仕組みで動いているの?
普段、私たちがインターネットを使うとき、通信内容は誰でも見られる状態になっています。これは、ガラス張りの部屋で会話しているようなものです。
でもVPNを使うと:
- 暗号化された通信路を作成:データが暗号化されて送られる
- VPNサーバーを経由:直接ウェブサイトにアクセスせず、VPNサーバーを経由する
- 第三者から見えない:通信内容が保護される
つまり、頑丈な鍵のかかったトンネルの中で会話するイメージですね。
iPhoneでVPNを使う5つのメリット
1. 公共Wi-Fiを安心して使える
駅やカフェの無料Wi-Fiは便利ですが、セキュリティが弱いことが多いんです。VPNを使えば、通信が暗号化されるため、パスワードやクレジットカード情報を盗まれるリスクが大幅に減ります。
2. プライバシーを守れる
インターネットサービスプロバイダー(ISP)は、あなたがどんなサイトを見ているか把握できます。VPNを使うと、この閲覧履歴を隠すことができるんです。
3. 地域制限を回避できる場合がある
一部の動画配信サービスは、国によって見られる内容が違います。VPNで別の国のサーバーに接続すれば、その国でしか見られないコンテンツにアクセスできることもあります。
4. 出張や旅行先でも自宅のネットワークに接続
会社や自宅のネットワークにVPNサーバーを設置しておけば、外出先からでも安全に社内ファイルや家のパソコンにアクセスできます。
5. ネット規制の厳しい国でも使える
一部の国では、TwitterやYouTubeなどが使えない場合があります。VPNを使えば、こういった制限を回避できることもあるんです。
iPhoneでVPNを設定する2つの方法
iPhoneでVPNを使うには、大きく分けて2つの方法があります。
方法1:VPNアプリを使う方法(おすすめ!)
方法2:手動で設定する方法
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【方法1】VPNアプリを使った簡単設定(初心者向け)
この方法が一番簡単で、初心者の方におすすめです!
ステップ1:VPNアプリをダウンロード
- App Storeを開く
- 検索バーに「VPN」と入力
- 好きなVPNアプリを選んでダウンロード
後ほど、おすすめのVPNアプリも紹介しますね。
ステップ2:アプリを起動してアカウント作成
- ダウンロードしたアプリを開く
- 新規登録またはログイン
- プランを選択(無料プランがあるアプリもあります)
ステップ3:VPN構成の許可
- 「VPN構成を追加したい」というメッセージが表示される
- 「許可」をタップ
- Face IDやパスコードで認証
これで準備完了です!
ステップ4:VPNに接続
- アプリ内の「接続」ボタンをタップ
- 接続先のサーバーを選択(自動選択でもOK)
- 画面上部に「VPN」アイコンが表示されたら接続成功!
とっても簡単ですよね。
【方法2】手動でVPNを設定する方法(上級者向け)
VPNアプリが提供されていない場合や、会社のVPNに接続したい場合は、手動設定が必要です。
事前に必要な情報
手動設定には、以下の情報が必要になります:
- サーバーアドレス:接続先のVPNサーバーのURL
- アカウント名:VPNサービスのユーザー名
- パスワード:VPNサービスのパスワード
- プロトコルタイプ:IKEv2、L2TP、IPSecのいずれか
- シークレット(場合により):共有キー
これらの情報は、VPNサービス提供元や会社のIT部門から入手してください。
設定手順
ステップ1:設定アプリを開く
- ホーム画面から「設定」アプリをタップ
- 「一般」を選択
ステップ2:VPN設定画面を開く
- 「VPNとデバイス管理」(または「VPN」)をタップ
- 「VPN」を選択
- 「VPN構成を追加」をタップ
ステップ3:接続情報を入力
タイプを選択
まず「タイプ」の項目で、以下から1つ選びます:
- IKEv2:最も推奨されるプロトコル。速度と安全性のバランスが良い
- L2TP:少し古いが広く対応されている
- IPSec:企業向けに使われることが多い
基本情報を入力
- 説明:自分が分かりやすい名前(例:会社VPN、自宅VPN)
- サーバ:VPNサーバーのアドレスを入力
- リモートID:サーバーアドレスと同じ場合が多い
- ローカルID:通常は空欄でOK
認証情報を入力
- ユーザ認証:「ユーザ名」を選択
- ユーザ名:VPNアカウントのユーザー名
- パスワード:VPNアカウントのパスワード
L2TPの場合は、追加で「シークレット」の入力が必要です。
ステップ4:設定を保存
右上の「完了」をタップして保存します。
ステップ5:VPNに接続
- 設定画面に戻る
- 追加したVPN構成のスイッチをオンにする
- 「状況」が「接続済み」になれば成功!
おすすめのVPNアプリ5選

初めてVPNを使う方には、アプリでの設定が断然おすすめです。ここでは、評判の良いVPNアプリを紹介します。
1. NordVPN
特徴
- 60か国以上に6,000台以上のサーバー
- 最大6台まで同時接続可能
- 30日間の返金保証あり
こんな人におすすめ
セキュリティを重視する方、複数デバイスで使いたい方
2. ExpressVPN
特徴
- 通信速度が速い
- 94か国にサーバーを展開
- 24時間サポート対応
こんな人におすすめ
速度重視の方、海外出張が多い方
3. TunnelBear VPN
特徴
- 無料プランあり(月500MBまで)
- かわいいクマのデザインで使いやすい
- 操作がシンプル
こんな人におすすめ
まずは無料で試したい初心者の方
4. SurfEasy VPN
特徴
- データ通信の暗号化が強力
- 使いやすいインターフェース
- 複数端末対応
こんな人におすすめ
バランスの取れたVPNを探している方
5. VPN Gate(筑波大学)
特徴
- 完全無料
- 筑波大学の学術実験プロジェクト
- ボランティアサーバーを利用
こんな人におすすめ
無料で使いたい方
注意点
ボランティアサーバーのため、一部のサーバーは安全性が保証されていません。中国や東南アジアのサーバーは特に注意が必要です。
VPN接続の確認方法
VPNがちゃんと繋がっているか確認する方法をご紹介します。
画面上部のアイコンをチェック
iPhoneの画面上部(時計の横)に「VPN」というアイコンが表示されていれば、正常に接続されています。
IPアドレスで確認
- ブラウザで「確認くん」や「IP確認」などのサイトにアクセス
- 表示されるIPアドレスが、VPNサーバーの場所になっていれば成功
例えば、日本にいるのにアメリカのVPNサーバーに接続していれば、IPアドレスはアメリカのものになります。
VPN接続時のトラブルシューティング
VPNが繋がらない!そんなときの対処法をまとめました。
問題1:接続できない
対処法
- 入力情報を再確認:サーバーアドレス、ユーザー名、パスワードに誤りがないか
- インターネット接続を確認:Wi-Fiやモバイルデータ通信がオンになっているか
- iPhoneを再起動:シンプルですが効果的
- 別のサーバーを試す:アプリの場合は接続先を変更
問題2:通信速度が遅い
対処法
- 近くのサーバーに接続:地理的に近いサーバーほど速い
- プロトコルを変更:IKEv2やWireGuardが速い
- アプリを最新版に更新:バグ修正で速度改善されることも
問題3:勝手に切断される
対処法
- オンデマンド接続をオフ:設定→VPN→情報マーク→「オンデマンド接続」をオフ
- Wi-Fi設定を確認:Wi-Fi自動切り替えがオンになっていないか
- VPNアプリの設定:キルスイッチ機能を確認
問題4:特定のアプリが使えない
一部のアプリやサービスは、VPN接続を検知してブロックすることがあります。
対処法
- VPNを一時的にオフ:該当アプリ使用時のみVPNを切る
- 別のサーバーに接続:ブロックされていないサーバーを探す
- スプリットトンネリング:特定のアプリだけVPNを経由しない設定(一部VPNアプリで可能)
VPNを使う際の注意点
便利なVPNですが、知っておくべき注意点もあります。
1. 完全に安全というわけではない
VPNを使っても、フィッシングサイト(偽サイト)でパスワードを入力してしまえば情報は盗まれます。サイトのURLをよく確認する習慣をつけましょう。
2. 無料VPNには要注意
無料VPNの中には、逆にあなたの通信データを第三者に売っているものもあります。信頼できる会社のVPNを選ぶことが大切です。
3. VPNサービスの評判を確認
使用前に、ネットでレビューを調べたり、プライバシーポリシーを確認したりしましょう。
4. 通信速度が遅くなることがある
VPNを経由することで、通常より通信速度が遅くなる場合があります。動画視聴やオンラインゲームでは影響が出ることも。
5. 一部サービスで制限がかかる
Netflix、Hulu、Amazon Prime Videoなどの動画配信サービスは、VPN接続を検知してブロックすることがあります。
6. iPhoneを再起動するとオフになる場合がある
まれに、iPhoneを再起動するとVPNがオフになることがあります。接続状態を確認する癖をつけましょう。
7. バッテリー消費が増える
暗号化処理のため、VPN使用中は通常よりバッテリーを消費します。
VPNをオフにする方法
VPNが不要なときは、オフにすることもできます。
アプリの場合
- VPNアプリを開く
- 「切断」または「オフ」ボタンをタップ
手動設定の場合
- 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」
- VPNのスイッチをオフにする
VPN構成を完全に削除する場合
- 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」→「VPN」
- 削除したいVPNの横にある「i」マークをタップ
- 「VPNを削除」を選択
よくある質問(FAQ)
Q1. iPhoneに標準でVPNは入っていますか?
iPhoneにはVPN接続機能は標準搭載されていますが、VPNサービス自体は含まれていません。別途VPNサービスに登録するか、アプリをダウンロードする必要があります。
Q2. VPNは常にオンにしておくべき?
公共Wi-Fiを使うときや、プライバシーを守りたいときにオンにするのがおすすめです。自宅の安全なWi-Fiでは、必ずしもオンにする必要はありません。
Q3. 無料VPNと有料VPN、どっちがいい?
有料VPNの方が安全で速度も速いです。無料VPNは通信制限があったり、セキュリティが弱かったりします。本格的に使うなら有料がおすすめ。
Q4. VPNを使うと違法になる?
日本ではVPNの使用自体は合法です。ただし、VPNを使って違法行為(海賊版コンテンツのダウンロードなど)をすることは違法です。
Q5. 家族や友人と同じVPNアカウントを共有できる?
VPNサービスによって同時接続できる端末数が決まっています。例えばNordVPNは最大6台まで同時接続可能です。
Q6. VPNを使うとiPhoneが重くなる?
暗号化処理が行われるため、多少の負荷はかかりますが、最新のiPhoneなら体感できるほどの重さにはなりません。
Q7. OpenVPNはiPhoneで使える?
iPhoneはOpenVPNに標準対応していないため、OpenVPN Connectアプリをダウンロードする必要があります。
Q8. L2TP、IKEv2、IPSecの違いは?
- IKEv2:最新で速度と安全性のバランスが良い(おすすめ)
- L2TP:古いが広く対応されている
- IPSec:企業で多く使われる
迷ったらIKEv2を選びましょう。
まとめ
iPhoneのVPN設定について、詳しく解説してきました。
重要なポイントをおさらい
✓ VPNは通信を暗号化して安全にする技術
✓ 公共Wi-Fiを使うときは特に有効
✓ 初心者にはVPNアプリがおすすめ
✓ 手動設定も可能だが事前情報が必要
✓ 無料VPNは慎重に選ぶこと
✓ 完全に安全というわけではないので注意
VPNを正しく使えば、iPhoneでのインターネットがもっと安全で快適になります。
カフェでの作業や旅行先でのネット利用も、これで安心ですね。まずは無料のVPNアプリを試してみて、使い心地を確かめてみてはいかがでしょうか。
あなたのiPhoneライフがより安全で快適になりますように!

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