Safariで英語のウェブページを見て、「内容が分からない…」と困ったことはありませんか?
「海外のニュースサイトを読みたい」「英語のレシピを参考にしたい」「海外通販サイトで買い物したい」…。そんなとき、わざわざGoogle翻訳にコピー&ペーストするのは面倒ですよね。
実は、iPhoneやiPad、MacのSafariには、ウェブページを丸ごと日本語に翻訳できる便利な機能が標準で搭載されているんです。追加のアプリも不要で、ボタンひとつで翻訳できますよ。
この記事では、Safariの翻訳機能の使い方を、デバイス別に分かりやすく解説します。翻訳できないときの対処法も紹介していますので、最後まで読んでくださいね。
Safari翻訳機能とは?
標準搭載の翻訳機能
Safari翻訳機能は、AppleがiPhone、iPad、Mac向けに提供している無料のウェブページ翻訳ツールです。
特徴
- 追加アプリ不要(Safariに標準搭載)
- ウェブページ全体を一括翻訳
- レイアウトをほぼ保ったまま翻訳
- プライバシー保護(Appleはページ内容を保存しない)
- オンデバイス処理(一部)でセキュア
対応OS・デバイス
iPhone・iPad
- iOS 14以降(iOS 15以降推奨)
- iPadOS 14以降(iPadOS 15以降推奨)
- 対応機種:iPhone XR、XS以降
Mac
- macOS Big Sur(11.0)以降
- macOS Ventura以降では精度向上
2020年のiOS 14から段階的に機能追加され、現在では高精度な翻訳が可能になっています。
対応言語
Safariは20以上の言語に対応しています。
主な対応言語
- 英語(アメリカ、イギリス)
- 日本語
- 中国語(簡体字、繁体字)
- 韓国語
- スペイン語
- フランス語
- ドイツ語
- イタリア語
- ロシア語
- ポルトガル語(ブラジル)
- アラビア語
- オランダ語
- インドネシア語
- タイ語
- トルコ語
- ベトナム語
- ポーランド語
- ウクライナ語
macOS Venturaでは、さらに6言語が追加されました。
iPhone・iPadでの翻訳方法
基本的な翻訳手順
英語のウェブページを日本語に翻訳する方法は、とても簡単です。
ステップ1:英語のページを開く
- Safariアプリを起動
- 翻訳したい英語のウェブページにアクセス
ステップ2:翻訳ボタンをタップ
- 画面下部(または上部)のアドレスバー左側にある「ぁあ」アイコンをタップ
- メニューが表示されます
ステップ3:「日本語に翻訳」を選択
- メニューから「日本語に翻訳」をタップ
- 初回のみ「翻訳を有効にする」の確認が表示されるので「有効にする」をタップ
ステップ4:翻訳完了
ページ全体が自動的に日本語に翻訳されます。レイアウトはそのままで、文字だけが日本語になります。
一時的に表示される翻訳アイコン
ページを読み込んだ直後、アドレスバーに翻訳アイコンが一瞬表示されることがあります。
表示内容
- アイコン:翻訳マーク
- メッセージ:「翻訳を利用できます」
このアイコンをタップすれば、すぐに翻訳できます。
見逃した場合
アイコンが消えても大丈夫。「ぁあ」アイコンから同じように翻訳できます。
英語以外の言語の場合
英語以外の外国語ページでは、表示が少し異なります。
手順
- 「ぁあ」アイコンをタップ
- 「Webサイトを翻訳」をタップ(英語の場合と表記が違う)
- 「日本語」または「English」を選択
- 「日本語」をタップ
これで、中国語、韓国語、フランス語なども日本語に翻訳できます。
翻訳を解除して元に戻す
原文を確認したいときは、簡単に元に戻せます。
方法1:一時的に戻す
- アドレスバーの翻訳アイコン(「ぁあ」の位置)をタップ
- 「元のページに戻す」または「原文を表示」をタップ
方法2:再度翻訳する
元に戻した後、もう一度「日本語に翻訳」を選べば再翻訳できます。
切り替えながら読む
原文と翻訳を何度も切り替えながら読むことで、正確な内容理解に役立ちます。特に専門用語がある場合に便利です。
Macでの翻訳方法
基本的な翻訳手順
Mac版Safariでも、ほぼ同じ手順で翻訳できます。
ステップ1:英語のページを開く
- Safariを起動
- 翻訳したい英語のウェブページにアクセス
ステップ2:翻訳ボタンをクリック
アドレスバー右側に翻訳ボタン(翻訳アイコン)が表示されます。
表示される条件
- ページが翻訳可能な言語で書かれている
- 「翻訳を利用できます」とポップアップ表示
ステップ3:言語を選択
- 翻訳ボタンをクリック
- 「日本語に翻訳」を選択
- 初回のみ「翻訳を有効にする」をクリック
ステップ4:翻訳完了
ページ全体が日本語に翻訳されます。
翻訳ボタンが表示されない場合
翻訳ボタンが見つからない場合は、メニューバーから操作できます。
方法1:メニューバーから
- メニューバー→「表示」
- 「翻訳」→「日本語に翻訳」を選択
方法2:右クリックメニュー
- ページ上で右クリック
- 「Webページを翻訳」→「日本語に翻訳」を選択
方法3:「…」メニュー
- アドレスバー右側の「…」(三点リーダー)をクリック
- 「Webページを翻訳」→「日本語に翻訳」を選択
翻訳を解除する
Mac版でも、簡単に原文に戻せます。
方法
- 翻訳ボタンをクリック
- 「原文を表示」を選択
または、メニューバー→「表示」→「翻訳」→「原文を表示」でもOKです。
翻訳言語を追加する
iPhoneやiPadで言語を追加
日本語と英語以外の言語も翻訳できるように設定できます。
手順
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「言語と地域」をタップ
- 「言語を追加…」をタップ
- 追加したい言語を選択(例:フランス語、中国語など)
- 「日本語のまま」をタップ
重要な注意点
言語を選択した後、必ず「日本語のまま」(または現在使用中の言語)をタップしてください。
追加した言語の方(例:「フランス語に変更」)をタップすると、iPhoneの表示言語自体がフランス語になってしまいます。
確認
追加後、Safariで該当言語のページを開くと、「Webサイトを翻訳」メニューに追加した言語が表示されるようになります。
Macで言語を追加
方法1:Safari内から
- Safariで翻訳ボタンをクリック
- 「優先する言語」を選択
- 自動的に「システム設定」→「一般」→「言語と地域」が開く
- 「優先する言語」の下にある「+」ボタンをクリック
- 追加したい言語を選択
- 「追加」をクリック
- 「日本語を使用」を選択(システム言語を変更しない場合)
方法2:システム設定から
- Appleメニュー→「システム設定」
- 「一般」→「言語と地域」
- 上記と同じ手順で言語を追加
キーボードの選択
言語によっては、キーボードの選択画面が表示される場合があります。必要に応じて選択してください。
画像内の文字も翻訳する
テキスト認識表示機能
iOS 15以降では、画像内の文字も翻訳できる「テキスト認識表示」機能があります。
対応機種
- iPhone XS、iPhone XR以降
- iOS 15以降
対応言語
現時点では以下の言語に対応:
- 英語
- 中国語
- フランス語
- イタリア語
- ドイツ語
- ポルトガル語
- スペイン語
日本語を認識して他の言語に翻訳することはまだできませんが、上記の言語から日本語への翻訳は可能です。
テキスト認識表示を有効にする
手順
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「言語と地域」をタップ
- 「テキスト認識表示」をオンにする
画像内の文字を翻訳する方法
手順
- Safariで画像を長押し
- 「テキスト表示」または「翻訳」が表示される
- 「翻訳」をタップ
- 画像内の文字が翻訳されます
これで、メニューの写真やインフォグラフィック内の文字も読めるようになります。
翻訳できないときの対処法
対処法1:対応言語か確認する
Safariは20以上の言語に対応していますが、すべての言語に対応しているわけではありません。
確認方法
「ぁあ」アイコンをタップして、「翻訳」オプションが表示されるか確認します。
対応していない言語の例
- マイナーな言語
- 古語や方言
代替策
Google翻訳アプリや他の翻訳ツールを使いましょう。
対処法2:ページの互換性を確認
一部のウェブページは、Safari翻訳機能に対応していません。
対応していないページ
- 動的コンテンツが多いページ
- JavaScriptで生成されるテキスト
- 一部のニュースサイトやブログ
確認方法
他の英語サイトで翻訳機能が動作するか試してみましょう。
対処法3:iOSやmacOSを最新版にアップデート
古いOSバージョンでは、翻訳機能が正しく動作しないことがあります。
確認方法
- iPhone・iPad:「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- Mac:Appleメニュー→「システム設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
iOS 15、iPadOS 15、macOS Big Sur以降を推奨します。
対処法4:Safariを再起動する
アプリに一時的な不具合がある場合があります。
iPhone・iPad
- ホーム画面に戻る
- 画面下から上にスワイプ(またはホームボタン2回押し)
- Safariを上にスワイプして終了
- Safariを再起動
Mac
- Safari→「Safari を終了」
- Safariを再起動
対処法5:プライベートブラウズモードを解除
プライベートブラウズモードでは、翻訳機能が使えません。
確認方法(iPhone・iPad)
- タブ切り替えボタン(右下の四角いアイコン)をタップ
- 画面下部に「プライベート」と表示されていたら、プライベートモード中
- 「〇個のタブ」(通常モード)をタップして切り替え
確認方法(Mac)
- メニューバー→「ファイル」
- 「新規プライベートウインドウ」の前にチェックがついていたら、プライベートモード
- 通常のウインドウを開く
対処法6:インターネット接続を確認
Safariの翻訳機能は、Apple のサーバーと通信する必要があります。
確認ポイント
- Wi-Fiまたはモバイルデータ通信が接続されているか
- 機内モードがオフになっているか
- 通信速度が十分か
注意
翻訳完了後、Appleはページ内容を保存せず削除するので、プライバシーは保護されています。
対処法7:地域設定を確認
一部の地域では、翻訳機能が利用できない場合があります。
確認方法
- iPhone・iPad:「設定」→「一般」→「言語と地域」→「地域」を確認
- Mac:「システム設定」→「一般」→「言語と地域」→「地域」を確認
日本に設定されていることを確認しましょう。
対処法8:Safariのキャッシュをクリア
キャッシュが溜まっていると、正常に動作しないことがあります。
手順(iPhone・iPad)
- 「設定」アプリを開く
- 「Safari」をタップ
- 「履歴とWebサイトデータを消去」をタップ
- 「履歴とデータを消去」で確認
手順(Mac)
- Safari→「設定」(または「環境設定」)
- 「詳細」タブ
- 「メニューバーに”開発”メニューを表示」にチェック
- メニューバー→「開発」→「キャッシュを空にする」
翻訳精度について
翻訳の正確性
Safari翻訳機能は、Appleの独自翻訳技術を使用しています。
精度のレベル
- 会話文や一般的な説明文:かなり自然な日本語
- 商品紹介ページ:十分に意味が伝わる
- ニュース記事:大まかな内容理解には問題なし
- 技術文書や専門用語:やや不自然なことも
Google翻訳やDeepLとの比較
- Safari:Appleの独自技術、プライバシー重視
- Google翻訳:膨大なデータ学習、高精度
- DeepL:自然な翻訳で定評
用途や精度の好みに応じて使い分けるのがおすすめです。
翻訳の改善を報告
翻訳がおかしいと感じたら、Appleにフィードバックできます。
報告方法(iPhone・iPad)
- 翻訳されたページで「ぁあ」アイコンをタップ
- 「翻訳の問題を報告」をタップ
- 確認画面で「報告」をタップ
報告方法(Mac)
- 翻訳ボタンをクリック
- 「翻訳の問題を報告」を選択
または、メニューバー→「表示」→「翻訳の問題を報告」
注意
具体的な箇所を記載する必要はありません。Appleが自動的に情報を収集します。
他の翻訳方法との比較
Safari標準翻訳 vs Google翻訳
Safari標準翻訳の利点
- アプリ追加不要
- レイアウトそのまま
- プライバシー保護
- 高速
Safari標準翻訳の欠点
- 対応言語が限定的
- PDF翻訳不可
- カメラ翻訳不可
Google翻訳の利点
- 100以上の言語対応
- カメラ翻訳可能
- 手書き入力対応
- オフライン対応
Google翻訳の欠点
- アプリのインストールが必要
- プライバシー懸念
Safari翻訳拡張機能
Mac版Safariでは、翻訳拡張機能を追加することもできます。
人気の拡張機能
- Translate for Safari:Google翻訳を使用、140以上の言語対応
- Microsoft Translator:Microsoft製、精度が高い
追加方法
- Mac App Storeで検索
- インストール
- Safari→「環境設定」→「機能拡張」で有効化
よくある質問(Q&A)
翻訳は無料?
はい、完全無料です。
Safariの翻訳機能は、iOSやmacOSに標準搭載されているので、追加料金は一切かかりません。
オフラインでも使える?
いいえ、使えません。
Safariの翻訳機能は、Appleのサーバーと通信して翻訳するため、インターネット接続が必要です。
オフライン翻訳したい場合
Google翻訳アプリなど、オフライン対応のアプリを使いましょう。
翻訳されたページは保存される?
いいえ、保存されません。
Appleは、翻訳が完了した後、ウェブページの内容を削除します。プライバシーは保護されています。
自動翻訳の設定はできる?
現在、特定のサイトを自動的に翻訳する設定はありません。
毎回手動で「日本語に翻訳」をタップする必要があります。
ただし、同じサイト内の別のページを開くと、一度翻訳した言語で自動的に翻訳されることがあります。
PDFも翻訳できる?
Safari標準機能では、PDFの翻訳はできません。
代替方法
- PDF内のテキストをコピーして、翻訳アプリに貼り付ける
- Safari拡張機能「Translate for Safari」を使う(Mac)
- Google翻訳アプリのカメラ機能を使う
複数の言語が混ざったページは?
基本的に、ページ全体が1つの言語として認識されます。
例
英語と日本語が混在するページでは、主要な言語(英語)として認識され、日本語部分も英語から日本語に「翻訳」されてしまうことがあります。
この場合、原文と翻訳を切り替えながら読むのがおすすめです。
翻訳の精度を上げる方法は?
Safariの翻訳精度は、基本的にApple側で改善されます。
ユーザーにできること
- iOSやmacOSを最新版にアップデート
- 不正確な翻訳を報告する
- 原文と翻訳を見比べて理解する
Chrome拡張機能は使える?
いいえ、使えません。
ChromeとSafariは異なるブラウザなので、Chrome拡張機能はSafariでは動作しません。
Safariで使いたい場合
Mac App Storeで「Safari 拡張機能」を検索してインストールしましょう。
まとめ
Safariの翻訳機能についてまとめます。
基本情報
- iOS 14、iPadOS 14、macOS Big Sur以降で利用可能
- 20以上の言語に対応
- 完全無料、追加アプリ不要
- プライバシー保護(ページ内容は保存されない)
iPhone・iPadでの使い方
- Safariで英語ページを開く
- 「ぁあ」アイコンをタップ
- 「日本語に翻訳」をタップ
- 初回のみ「翻訳を有効にする」
Macでの使い方
- Safariで英語ページを開く
- アドレスバーの翻訳ボタンをクリック
- 「日本語に翻訳」を選択
- 初回のみ「翻訳を有効にする」
元に戻す方法
- 翻訳アイコンをタップ→「原文を表示」
言語を追加
- 設定→一般→言語と地域→言語を追加
- 追加後は「日本語のまま」を選択(システム言語を変更しない)
画像内の文字も翻訳
- テキスト認識表示を有効化(iOS 15以降)
- 画像を長押し→「翻訳」
翻訳できないときの対処法
- 対応言語か確認
- ページの互換性を確認
- OSを最新版にアップデート
- Safariを再起動
- プライベートブラウズモードを解除
- インターネット接続を確認
- 地域設定を確認
- キャッシュをクリア
翻訳精度
- 一般的な内容:自然な日本語
- 技術文書:やや不自然なことも
- 大意を掴むには十分
他の翻訳ツール
- Google翻訳:100以上の言語、カメラ翻訳対応
- DeepL:自然な翻訳で定評
- Safari拡張機能:Macで追加可能
制限事項
- インターネット接続が必要(オフライン不可)
- PDFの翻訳は不可
- 自動翻訳設定なし
Safariの翻訳機能を使えば、海外のウェブサイトも気軽に読めるようになります。買い物、レシピ、ニュース、論文など、世界中の情報にアクセスできますよ。
ぜひ今日から使ってみてくださいね!

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