中古のiPhoneを買おうと思ったとき、「ネットワーク利用制限」という言葉を目にしたことはありませんか?
この「ネットワーク利用制限」を知らずに中古iPhoneを購入すると、突然通信ができなくなるという大きなトラブルに巻き込まれる可能性があります。
実際に、フリマアプリで安くiPhoneを買ったのに、数ヶ月後に圏外になって全く使えなくなった…という被害も起きています。
この記事では、ネットワーク利用制限とは何か、○△×の判定の意味、確認方法、中古iPhone購入時の注意点まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
中古iPhoneの購入を考えている方は、ぜひ最後まで読んで、安全な買い物をしてくださいね。
ネットワーク利用制限とは何か?

基本的な意味
ネットワーク利用制限とは、携帯電話会社(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなど)が、特定のiPhoneやスマホに対して通信を制限する措置のことです。
簡単に言うと、「このiPhoneは使っちゃダメ」とキャリアが判断して、通信できなくする仕組みなんですね。
なぜネットワーク利用制限があるのか
ネットワーク利用制限には、重要な目的があります。
主な目的
- 犯罪防止
盗難されたiPhoneが犯罪に使われるのを防ぐ - 不正契約の防止
虚偽の情報で契約されたiPhoneの悪用を防ぐ - 代金未払いの対策
分割払いを踏み倒されないようにする
つまり、正当な理由がある場合にのみ、キャリアが通信を止めるという仕組みなんです。
ネットワーク利用制限がかかるとどうなる?
制限がかかると、以下のことができなくなります。
使えなくなる機能
✗ 電話の発信・着信
✗ モバイルデータ通信(4G/5G)
✗ SMSの送受信
✗ キャリアメール
まだ使える機能
✓ Wi-Fi接続
✓ Wi-Fi経由のインターネット
✓ カメラ、ゲーム、音楽などオフライン機能
つまり、Wi-Fiがあれば一部の機能は使えますが、スマホとしての基本的な役割は果たせなくなるんです。
○△×の判定の意味を詳しく解説
ネットワーク利用制限には、4つの判定があります。
○(まる):安全
意味:問題なし、完全にクリア
状態
- 端末代金が完済されている
- 不正な取得ではない
- 盗難・紛失の届け出がない
安全性
- 最も安全な状態
- 将来的にも制限がかかる心配がない
中古購入時
- 最も推奨される状態
- 価格は高めだが安心
△(さんかく):注意が必要
意味:現在は使えるが、将来×になる可能性あり
状態
- 端末代金の分割払いが残っている
- 今のところ支払いは滞っていない
- 完済すれば○になる
リスク
- 元の持ち主が支払いを止めると×になる
- いつ制限がかかるか分からない
中古購入時
- 価格は○より安い
- リスクを理解した上で購入する必要がある
重要なポイント
△のiPhoneは、購入した時点では問題なく使えるのですが、元の持ち主が支払いを滞納すると、ある日突然×に変わってしまう可能性があります。
これを「赤ロム化」といいます。
×(ばつ):使用不可【赤ロム】
意味:ネットワーク利用制限がかかっている
状態
- 端末代金が未払い
- 盗難・紛失で届け出されている
- 不正契約で入手された
影響
- モバイル通信が一切使えない
- 電話も使えない
- Wi-Fiのみ利用可能
中古購入時
- 絶対に購入してはいけない
- 「赤ロム」と呼ばれる
「赤ロム」とは
×判定のiPhoneを俗に「赤ロム」と呼びます。
昔の携帯電話は、利用制限がかかると画面が赤く表示されたことから、この名前がついたと言われています。
-(ハイフン):判定対象外
意味:キャリアのデータベースに登録されていない
該当するケース
- SIMフリー版のiPhone
- Apple Storeで購入したiPhone
- 海外版のiPhone
- 新品購入直後
- キャリアのデータベースに反映される前
- 通常は数日で○か△になる
- 交換・修理直後
- 保証交換などで端末が新しくなった直後
中古購入時
- SIMフリー版なら問題なし
- キャリア版で-が長く続く場合は要注意
IMEIとは?確認方法を解説
ネットワーク利用制限を調べるには、IMEIという番号が必要です。
IMEIとは
IMEI(アイエムイーアイ)は「International Mobile Equipment Identity」の略で、iPhoneの製造番号のことです。
IMEIの特徴
- 世界中で唯一無二の番号
- 15桁の数字
- 「35」から始まることが多い
- 端末ごとに異なる
いわば、iPhoneの指紋やマイナンバーのようなものですね。
iPhoneでIMEIを確認する方法
IMEIを確認する方法は、いくつかあります。
方法1:設定アプリから確認【おすすめ】
手順
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 「情報」をタップ
- 下にスクロールして「IMEI」を確認
注意点
- iPhone 13以降では「IMEI」と「IMEI2」が表示される
- ネットワーク利用制限の確認には「IMEI」(スロット1)を使う
方法2:電話アプリから確認
手順
- 電話アプリを開く
- 「*#06#」と入力する
- IMEIが画面に表示される
この方法は、iPhoneの電源が入れば簡単に確認できます。
方法3:外箱から確認
手順
- iPhoneの外箱を用意する
- 箱の裏面または側面にあるラベルを見る
- 「IMEI」と書かれた欄の15桁の番号を確認
メリット
- iPhoneが起動しなくても確認できる
デメリット
- 外箱を捨てていたら使えない
方法4:SIMトレイから確認(古いモデル)
対象機種
- iPhone 6s以前の一部モデル
手順
- SIMトレイを取り出す
- トレイにIMEIが刻印されている
最近のiPhoneでは、この方法は使えません。
ネットワーク利用制限の確認方法

IMEIが分かったら、各キャリアの専用サイトで確認します。
キャリア別の確認サイト
ドコモ
確認ページ
「ドコモ ネットワーク利用制限携帯電話機確認サイト」で検索
URL例
https://nw-restriction.nttdocomo.co.jp/
手順
- サイトにアクセス
- IMEIを15桁入力
- 「確認する」をクリック
- 判定結果(○△×-)が表示される
au・UQモバイル
確認ページ
「au ネットワーク利用制限携帯電話機照会」で検索
手順
- サイトにアクセス
- IMEIを15桁入力
- 判定結果が表示される
UQモバイルもau回線を使うため、auのサイトで確認します。
ソフトバンク・ワイモバイル
確認ページ
「ソフトバンク ネットワーク利用制限携帯電話機の確認」で検索
手順
- サイトにアクセス
- IMEIを15桁入力
- 判定結果が表示される
ワイモバイルもソフトバンクのサイトで確認できます。
楽天モバイル
確認ページ
「楽天モバイル ネットワーク利用制限携帯電話機の確認」で検索
手順
- サイトにアクセス
- IMEIを15桁入力
- 判定結果が表示される
複数キャリアを一括確認できるサイト
「IMEIチェッカー」など、複数のキャリアを一度に確認できる便利なサイトもあります。
ただし、公式サイトではないため、最終的には各キャリアの公式サイトで確認することをおすすめします。
中古iPhone購入時の注意点
中古iPhoneを購入する際は、ネットワーク利用制限について十分に注意しましょう。
購入前に必ず確認すること
1. IMEIを確認する
- 商品ページにIMEIが記載されているか
- 記載がない場合は出品者に問い合わせる
2. ネットワーク利用制限の状態を確認する
- ○が最も安全
- △はリスクあり
- ×は絶対に買わない
3. 保証の有無を確認する
- 「赤ロム保証」があるか
- 保証期間はどれくらいか
中古販売店で購入する場合
信頼できる販売店の特徴
✓ IMEIを明記している
✓ ネットワーク利用制限の状態を表示している
✓ 赤ロム保証がある
✓ 返品・交換制度がある
主な中古スマホ販売店
- イオシス
- じゃんぱら
- ゲオ
- にこスマ
これらの店舗では、○判定のiPhoneを中心に販売し、万が一×になった場合の保証も充実しています。
フリマアプリ・オークションで購入する場合
メルカリ、ヤフオク、ラクマなどでの注意点
1. 出品者に必ず確認する
購入前に以下を質問しましょう:
- IMEIを教えてもらえますか?
- ネットワーク利用制限の状態は○ですか?
- 分割払いの残債はありませんか?
- 盗難・紛失品ではありませんか?
2. IMEIを自分で確認する
出品者から教えてもらったIMEIを、キャリアの公式サイトで確認します。
3. △のリスクを理解する
△は安く買えますが、いつ×になるか分からないリスクがあります。
4. ×は絶対に買わない
どんなに安くても、×判定のiPhoneは避けましょう。
トラブル事例
- 購入時は○だったのに、数ヶ月後に×になった
- △で買ったら1週間後に使えなくなった
- 出品者が「○です」と言ったのに、実際は×だった
「赤ロム保証」の重要性
赤ロム保証とは
購入後に△から×に変わった場合、返金や交換をしてくれる保証のことです。
保証の内容例
- 購入後1年以内に×になった場合は全額返金
- 同等品との交換
- 修理対応
注意点
- 保証期間は販売店によって異なる
- 個人間取引(フリマアプリなど)には基本的に保証がない
△のiPhoneを購入するリスク
△判定のiPhoneは、○判定より安く買えるため魅力的に見えますが、大きなリスクがあります。
△から×になる可能性
×になるケース
- 元の持ち主が分割払いを滞納
- 最も多いパターン
- 支払いが止まるとすぐに×になる
- 盗難・紛失の届け出
- 後から盗難届が出される
- 保険金を受け取った後に発見された端末
- 不正契約の発覚
- 虚偽の情報で契約されていた
- 後から判明して×になる
△を購入する場合の対策
どうしても△を買う場合
以下の点を確認しましょう:
✓ 赤ロム保証が充実している販売店で買う
✓ 出品者の評価が高いか確認する
✓ 購入後すぐに使い始めて動作確認する
✓ 定期的にネットワーク利用制限を確認する
個人的なおすすめ
多少高くても、○判定のiPhoneを購入することを強くおすすめします。
数千円の差額で、安心して長く使えるのであれば、その方が結局お得です。
SIMフリー版iPhoneとネットワーク利用制限

SIMフリー版は-(ハイフン)
Apple Storeで購入したSIMフリー版iPhoneや、海外版iPhoneは、キャリアで販売されていないため、判定は「-(ハイフン)」になります。
SIMフリー版の特徴
- キャリアに縛られない
- ネットワーク利用制限の心配がない
- どの通信会社でも使える
中古SIMフリー版の確認方法
Apple IDで確認
- Apple IDにログイン
- 「デバイス」セクションを確認
- 該当するiPhoneのIMEIを確認
または、iPhone本体の設定から確認できます。
ネットワーク利用制限の解除はできる?
基本的に解除は不可能
一度×判定になると、解除することはほぼ不可能です。
解除できる唯一の方法
元の契約者が未払い金を完済する
これが唯一の解除方法ですが、中古で購入した場合、元の持ち主に連絡を取るのは困難です。
盗難・紛失の場合
盗難・紛失で×になった場合は、たとえ代金を払っても解除されません。
正当な持ち主が届け出を取り下げない限り、制限は続きます。
ネットワーク利用制限がかかったらどうする?
すぐに販売店・出品者に連絡
中古販売店で購入した場合
- 購入したお店に連絡
- 赤ロム保証を適用してもらう
- 返金または交換
フリマアプリで購入した場合
- 出品者に連絡
- 返品・返金を交渉
- 応じてもらえない場合はプラットフォームに通報
警察に相談
盗難品だった場合は、警察に相談することも検討しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1:ネットワーク利用制限は自分でかけられますか?
A:いいえ、個人ではかけられません。
ネットワーク利用制限は、キャリアだけが実施できる措置です。
盗難や紛失の際は、キャリアに連絡して利用停止を依頼します。
Q2:SIMカードを変えれば使えるようになりますか?
A:いいえ、SIMカードを変えても使えません。
ネットワーク利用制限は、iPhone本体(IMEI)に対してかけられるため、どのSIMカードを使っても制限は解除されません。
Q3:○だったiPhoneが突然△や×になることはありますか?
A:基本的にありません。
○は「完済済み」を意味するため、後から△や×になることは通常ありません。
ただし、以下の場合は例外です:
- 盗難品だと後から判明した
- 不正契約だと発覚した
Q4:Wi-Fiだけで使う場合、×でも問題ないですか?
A:技術的には使えますが、おすすめしません。
×のiPhoneは:
- 緊急通報(110番、119番)ができない
- GPSが正確に動作しない場合がある
- 将来的に他の制限がかかる可能性
Q5:ネットワーク利用制限は定期的に確認すべきですか?
A:△で購入した場合は、定期的に確認することをおすすめします。
月に1回程度、キャリアのサイトで確認しましょう。
○で購入した場合は、基本的に確認の必要はありません。
Q6:他のキャリアに乗り換えたら制限は外れますか?
A:いいえ、外れません。
ネットワーク利用制限は、どのキャリアでも共通して適用されます。
まとめ
iPhoneのネットワーク利用制限について解説しました。
重要なポイント
✓ ネットワーク利用制限とは
- キャリアが特定の端末の通信を制限する措置
- ×になると通話・通信が一切できなくなる
✓ 4つの判定
- ○:安全、完済済み
- △:注意、分割払い残あり
- ×:制限中、使用不可(赤ロム)
- -:判定対象外(SIMフリーなど)
✓ 確認方法
- IMEIを調べる
- キャリアの公式サイトで確認
- 購入前に必ず確認する
✓ 中古購入時の注意
- ○判定を選ぶのが最も安全
- △はリスクあり
- ×は絶対に買わない
- 赤ロム保証がある店舗で購入
✓ トラブル対策
- 信頼できる販売店で買う
- フリマアプリでは慎重に
- 赤ロム保証を確認
- IMEIを必ず確認
中古iPhoneは、新品より安く手に入る魅力的な選択肢ですが、ネットワーク利用制限を理解せずに購入すると、大きなトラブルになる可能性があります。
この記事で紹介した確認方法を使って、安全な中古iPhone購入を実現してくださいね。
少しでも不安がある場合は、多少高くても○判定のiPhoneを選ぶか、Apple Storeの整備済み製品やキャリアの認定中古品を検討するのも良い選択です。

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