「YouTubeのクリップを非公開にしたい」
そう思って検索してきた方に、まずお伝えしなければならないことがあります。
実は、YouTubeのクリップ機能には「非公開」設定が存在しません。
「え、でも他のサイトには非公開にする方法が書いてあったよ?」と思われるかもしれません。しかし、それらの多くは誤った情報か、通常の動画の公開設定と混同している情報なんです。
この記事では、YouTubeクリップの公開設定について正確な情報をお伝えし、それでもプライバシーを守りたい方のための対処法を詳しく解説します。クリップ機能を安全に使うために知っておくべきことを、初心者の方にも分かりやすく説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。
1. YouTubeクリップの公開設定の真実

まず、最も重要な事実からお伝えします。
クリップには「非公開」設定が存在しない
YouTube公式ヘルプには、以下のように明記されています。
「クリップは一般公開されるため、クリップにアクセスでき、元の動画も視聴できるユーザーであれば、誰でも見ることができます」
つまり、クリップは基本的に公開されること前提の機能なんです。
よくある誤解を解く
インターネット上には「クリップを非公開にする方法」として、以下のような情報が散見されます。
誤った情報の例:
- 「限定公開」設定でクリップを非公開にできる
- 「非公開」チェックボックスにチェックを入れる
- クリップ作成時に公開設定を変更できる
しかし、2025年11月現在、これらの設定は実際には存在しません。
一部のサイトでは通常の動画アップロード時の公開設定(公開・限定公開・非公開)とクリップの設定を混同して説明しているため、混乱が生じているんです。
クリップの実際の公開仕様
クリップの公開に関する正確な情報は以下の通りです。
現在の仕様:
- クリップは作成すると自動的に公開される
- URLを知っている人は誰でも視聴できる
- 検索結果に表示される可能性がある
- 元動画を視聴できる人なら、クリップも視聴できる
唯一の例外:
元動画が非公開または限定公開の場合、クリップもそれに準じた扱いになります。
2. クリップ機能の基本を理解する
「非公開にできない」と分かったところで、クリップ機能について正しく理解しましょう。
YouTubeクリップとは
クリップ機能は、動画やライブ配信の一部(5秒〜60秒)を切り取って共有できる機能です。
クリップの特徴:
- 元動画を編集するわけではない
- 元動画とは別のURLが発行される
- 誰でも簡単に作成できる
- SNSで簡単に共有できる
クリップを作成できる条件
全ての動画でクリップが作れるわけではありません。
クリップ作成の条件:
- 動画の長さが2分以上
- 子供向けでない動画
- 動画のクリエイターがクリップ作成を許可している
- YouTubeにログインしている
- 自分のチャンネルを持っている
クリップ作成の手順
参考までに、クリップの作成方法を簡単に説明します。
PC版の手順:
- クリップを作りたい動画を再生
- 動画プレーヤー下の「はさみマーク」をクリック
- 「クリップ」を選択
- 開始位置と終了位置を指定(5秒〜60秒)
- クリップにタイトルを付ける
- 「クリップを共有」をクリック
スマホアプリの手順:
- 動画再生画面で「共有」をタップ
- 「クリップ」を選択
- 範囲を指定
- タイトルを入力
- 「クリップを共有」をタップ
この時点で公開設定を変更するオプションは表示されません。
3. クリップの公開範囲を制限する方法
非公開にはできませんが、公開範囲を制限する方法はあります。
方法1:元動画の公開設定を変更する
クリップは元動画の公開設定に準じます。
元動画を限定公開にする:
- YouTube Studioにアクセス
- 左メニューから「コンテンツ」を選択
- 該当の動画を選択
- 「公開設定」で「限定公開」を選択
- 「保存」をクリック
元動画を限定公開にすると、そこから作られたクリップもURLを知っている人のみが視聴できるようになります。
元動画を非公開にする:
元動画を完全非公開にすると、クリップは削除されます。
これは究極の方法ですが、動画自体も見られなくなるので注意が必要です。
方法2:URLを慎重に管理する
クリップのURLを知っている人しか見られないという特性を活用します。
安全な共有方法:
- 信頼できる人にだけURLを送る
- SNSに投稿しない
- 公開プレイリストに追加しない
- ブログやウェブサイトに埋め込まない
注意点:
URLを受け取った人が、そのURLを第三者に共有する可能性があることは理解しておきましょう。
完全なプライバシー保護は難しいんです。
方法3:クリップを作成しない
最も確実な方法は、そもそもクリップを作らないことです。
代替手段:
- 動画編集ソフトで必要な部分だけ切り出す
- ローカルに保存してプライベートで楽しむ
- 信頼できるクラウドストレージで共有する
YouTube以外の方法なら、完全にプライベートな共有が可能です。
4. 自分の動画からクリップを作られないようにする
クリエイター側の立場なら、視聴者にクリップを作らせない設定ができます。
YouTube Studioでクリップ機能をオフにする
設定手順:
- YouTube Studioにアクセス
- 左メニューから「設定」をクリック
- 「チャンネル」→「詳細設定」を選択
- 「クリップ」セクションを見つける
- 「コンテンツのクリップを視聴者に許可する」のチェックを外す
- 「保存」をクリック
これで、あなたの動画からは誰もクリップを作れなくなります。
特定のユーザーをブロックする
特定の人だけがクリップを作れないようにすることもできます。
ブロック手順:
- YouTube Studioの「設定」を開く
- 「コミュニティ」タブを選択
- 「非表示のユーザー」リストに追加
- ブロックしたいユーザー名を入力
ブロックされたユーザーは、あなたの動画からクリップを作成できなくなります。
特定の単語を禁止する
クリップのタイトルに使われる単語を制限できます。
設定方法:
- YouTube Studioの「設定」
- 「コミュニティ」
- 「ブロックする単語」に単語を追加
これらの単語は、クリップのタイトルで使用できなくなります。
5. 作成したクリップを管理・削除する方法

自分で作ったクリップの管理方法を説明します。
作成したクリップを確認する
PC版の確認方法:
- YouTubeホーム画面の左側メニュー
- 「自分のクリップ」をクリック
- 作成したクリップの一覧が表示される
スマホアプリの確認方法:
- 画面下部の「ライブラリ」をタップ
- 「クリップ」セクションを確認
- 自分が作成したクリップが表示される
クリップを削除する方法
クリップは後から削除できます。
PC版の削除手順:
- 「自分のクリップ」を開く
- 削除したいクリップにカーソルを合わせる
- 「︙(その他)」アイコンをクリック
- 「クリップを削除」を選択
- 「完全に削除」で確定
スマホアプリの削除手順:
- 「ライブラリ」→「クリップ」を開く
- 削除したいクリップをタップ
- 「︙(その他)」をタップ
- 「クリップを削除」を選択
- 確認画面で「削除」
重要な注意点:
クリップを削除すると、そのURLにアクセスしても「このクリップは利用できません」と表示され、誰も見られなくなります。
削除は取り消せないので、慎重に判断してください。
クリップの共有を取り消す
一度共有したクリップのURLは、削除以外に無効化する方法がありません。
つまり、URLを知っている人は削除するまで視聴できるということです。
これがクリップ機能の大きな注意点です。
6. よくある質問と回答
クリップに関するよくある疑問にお答えします。
Q1:クリップを作ったことは元動画の投稿者に通知される?
A:いいえ、通知は行きません。
ただし、投稿者はYouTube Studioで自分の動画から作られたクリップを確認できます。
確認方法:
- YouTube Studio → コンテンツ
- 動画を選択
- 「クリップ」タブで確認
Q2:クリップのURLを変更できる?
A:できません。
クリップ作成時に自動的にURLが発行され、後から変更はできません。
URLを知られたくない場合は、クリップを削除して新しく作り直す必要があります。
Q3:限定公開の動画からクリップを作るとどうなる?
A:クリップも限定公開扱いになります。
元動画と同じ公開設定が適用されるため、URLを知っている人のみが視聴できます。
Q4:クリップを後から編集できる?
A:タイトルのみ編集可能です。
クリップの範囲(開始・終了位置)は後から変更できません。
範囲を変えたい場合は、削除して新しく作り直す必要があります。
Q5:他人が作ったクリップを削除できる?
A:動画の投稿者なら可能です。
自分の動画から他の人が作ったクリップは、YouTube Studioから報告・削除できます。
手順:
- YouTube Studio → クリップタブ
- 問題のクリップを選択
- 「報告」または「削除」を選択
Q6:クリップの著作権は誰にある?
A:元動画の投稿者にあります。
クリップは元動画の一部を切り取っただけなので、著作権は元動画の権利者が保持します。
他人の動画のクリップを無断で商用利用するのは著作権侵害になる可能性があります。
7. まとめ
YouTubeのクリップ機能について、正確な情報をお伝えしました。
この記事の重要ポイント:
- YouTubeクリップには「非公開」設定が存在しない
- クリップは基本的に公開されることが前提の機能
- 元動画の公開設定を変更すれば、クリップの公開範囲も変わる
- 完全にプライベートにしたいなら、YouTube以外の方法を検討する
- クリップは作成後も削除できる
- 動画投稿者はクリップ機能自体をオフにできる
プライバシーを守るための対策:
- 視聴者の立場なら:
- URLを慎重に管理する
- SNSで公開しない
- 信頼できる人にのみ共有
- 不要になったら速やかに削除
- クリエイターの立場なら:
- クリップ機能をオフにする
- 特定のユーザーをブロック
- 不適切なクリップは報告・削除
- 元動画の公開設定を調整
- どうしても非公開で共有したいなら:
- 動画編集ソフトで切り出す
- GoogleドライブやDropboxで共有
- プライベートメッセージで動画ファイルを送る
最後に:
クリップ機能は便利ですが、完全なプライバシー保護には向いていません。
本当にプライベートな内容を共有したい場合は、YouTube以外の方法を選択することをおすすめします。
この記事の情報が、あなたのYouTube活用の助けになれば幸いです。安全で楽しいYouTubeライフをお過ごしください!


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