「料理中にレシピを見ているのに、すぐに画面が消えてしまう…」
「プレゼン中にiPadがスリープして、恥ずかしい思いをした」
「動画を見ながら作業しているのに、いちいち画面をタップしないといけない」
こんな経験、ありませんか?
iPadは初期設定では、2分間操作しないと自動的に画面が消えてスリープ状態になります。これは電池の節約やセキュリティのための便利な機能ですが、場面によっては邪魔になることもありますよね。
この記事では、iPadの画面をずっと表示させる(スリープさせない)方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
料理中、運動中、プレゼン中など、さまざまな場面で役立つ情報が満載です。
iPadのスリープ機能とは?

まず、iPadの「スリープ」とは何なのか、基本から理解しておきましょう。
スリープ状態の特徴
画面が真っ暗になる
一定時間操作しないと、ディスプレイの電源が切れて画面が黒くなります。
ロックがかかる
スリープと同時に、iPadにロックがかかります。再び使うときは、パスコードやFace ID、Touch IDで解除する必要があります。
電力消費が減る
画面が消えることで、バッテリーの消費が大幅に減ります。
すぐに復帰できる
完全に電源が切れているわけではないので、ボタンを押せばすぐに使い始められます。
なぜスリープ機能があるのか
iPadにスリープ機能が付いている理由は、主に3つあります。
1. バッテリーの節約
画面をつけっぱなしにすると、バッテリーがどんどん減ります。スリープすることで、電池を長持ちさせることができます。
2. セキュリティの保護
画面がつきっぱなしだと、誰でもiPadの中身を見たり操作したりできてしまいます。自動的にロックがかかることで、個人情報を守れます。
3. 画面の保護
同じ画面を長時間表示し続けると、液晶に負担がかかる可能性があります。(焼き付きなど)
デフォルトのスリープ時間
iPadの初期設定では、2分間操作しないと自動的にスリープします。
これは多くの人にとって短すぎると感じる時間かもしれません。
iPadをずっと表示させる基本設定
それでは、iPadの画面を消さないようにする方法を見ていきましょう。
自動ロックを「なし」に設定する
最も簡単で確実な方法は、「自動ロック」の設定を変更することです。
手順1:設定アプリを開く
- ホーム画面で「設定」アプリをタップ
- 灰色の歯車アイコンです
手順2:画面表示と明るさを開く
- 設定画面を下にスクロール
- 「画面表示と明るさ」をタップ
手順3:自動ロックを選択
- 「画面表示と明るさ」の画面を下にスクロール
- 「自動ロック」をタップ
手順4:「なし」を選択
- 自動ロックの設定画面が開く
- 一番下にある「なし」をタップ
- チェックマークが付く
完了!
これで、iPadは操作しなくても画面が消えなくなります。
設定できる時間の選択肢
「なし」以外にも、以下の時間を選べます。
- 30秒
- 1分
- 2分(初期設定)
- 5分
- 10分
- 15分
- なし(スリープしない)
おすすめの設定:
完全にスリープさせたくない場合は「なし」、バッテリーも気になる場合は「10分」や「15分」が良いでしょう。
設定が変更できない場合
もし「自動ロック」の項目がグレーアウトしていて変更できない場合、以下の原因が考えられます。
原因1:低電力モードがオン
低電力モード中は、自動ロックが強制的に30秒に設定されます。
解決方法:
- 設定アプリを開く
- 「バッテリー」をタップ
- 「低電力モード」をオフにする
原因2:スクリーンタイムの制限
ペアレンタルコントロールやスクリーンタイムで制限がかかっている可能性があります。
解決方法:
- 設定アプリを開く
- 「スクリーンタイム」をタップ
- 制限を確認・解除する
原因3:会社や学校の管理プロファイル
仕事や学校用のiPadの場合、管理者によって設定が制限されていることがあります。
解決方法:
IT部門や管理者に相談してください。
場面別の使い方

iPadの画面をずっと表示させると便利な場面と、それぞれのコツをご紹介します。
料理中のレシピ表示
状況:
キッチンでレシピを見ながら料理をしているとき、手が汚れていてiPadを触れないことがあります。
設定のコツ:
- 自動ロックを「10分」または「なし」に設定
- iPadスタンドを使って、見やすい位置に置く
- 明るさを少し上げておくと、手元が暗くても見やすい
注意点:
キッチンでは水や油がかからないように注意しましょう。防水カバーの使用もおすすめです。
プレゼンテーション・会議
状況:
会議やプレゼンで資料を見せるとき、画面が消えると困ります。
設定のコツ:
- 自動ロックを「なし」に設定
- 充電器につないでおく
- 事前に設定を確認しておく
発表が終わったら:
セキュリティのため、自動ロックを元に戻すのを忘れずに。
動画視聴・映画鑑賞
状況:
映画や動画を見ているとき、じっと見ているだけでは画面が消えることがあります。
設定のコツ:
- 自動ロックを「なし」に設定
- ただし、YouTubeやNetflixなどの動画アプリは、再生中は自動的に画面が消えないようになっている
- 充電しながら視聴すると安心
運動・エクササイズ中
状況:
ヨガやワークアウトの動画を見ながら運動するとき。
設定のコツ:
- 自動ロックを「なし」に設定
- 床やマットに置く場合は、タオルなどで保護
- 汗がかからない位置に置く
デジタルフォトフレーム
状況:
使っていないiPadを、写真を表示するデジタルフォトフレームとして活用。
設定のコツ:
- 自動ロックを「なし」に設定
- 充電器につないだまま使用
- 「写真」アプリのスライドショー機能を使う
- 明るさを自動調整にしておく
受付・案内用の端末
状況:
オフィスの受付や展示会のブースで、iPadを案内端末として使用。
設定のコツ:
- 自動ロックを「なし」に設定
- 充電器に常時接続
- 「アクセスガイド」機能を使って、特定のアプリに固定する(後述)
- 盗難防止のスタンドを使う
読書・電子書籍
状況:
電子書籍やPDFを読んでいるとき、ページをめくらずに読んでいると画面が消える。
設定のコツ:
- 自動ロックを「10分」または「15分」に設定
- 長時間読書する場合は「なし」でもOK
- ブルーライトカット機能(Night Shift)を使うと目に優しい
充電しながらの使用
画面をずっと表示させる場合、バッテリーの消費が早くなります。
充電器につなぎっぱなしでも大丈夫?
結論:問題ありません
現代のiPadは、充電管理システムが優れているため、充電器につなぎっぱなしでも基本的に問題ありません。
理由:
- 100%になると自動的に充電を停止
- バッテリーを痛めないように調整される
- 「最適化されたバッテリー充電」機能がある
バッテリーへの影響
長期間つなぎっぱなしの場合:
数日程度なら問題ありませんが、何ヶ月も充電しっぱなしだと、バッテリーの劣化が早まる可能性があります。
対策:
- 時々(週に1回程度)充電器を外して使う
- バッテリー残量を20%〜80%の間で使うのが理想的
おすすめの充電方法
デジタルサイネージや受付用として常時使用する場合:
充電器につなぎっぱなしで問題ありません。ただし、純正品または認証済みの充電器を使いましょう。
動画視聴や料理など、数時間使う場合:
充電しながら使うと、バッテリー切れの心配がありません。
読書など、軽い作業の場合:
バッテリーで使って、なくなったら充電する方が、バッテリーの健康には良いです。
アクセスガイド機能を使う
iPadを受付や展示用として使う場合、「アクセスガイド」という機能が便利です。
アクセスガイドとは?
特定のアプリだけを使えるようにして、他のアプリに切り替えたりホーム画面に戻ったりできないようにする機能です。
メリット:
- ホームボタンや電源ボタンを無効化できる
- 誤操作を防げる
- 来客者に自由に触ってもらえる
アクセスガイドの設定方法
手順1:アクセスガイドを有効にする
- 設定アプリを開く
- 「アクセシビリティ」をタップ
- 下にスクロールして「アクセスガイド」をタップ
- 「アクセスガイド」をオンにする
手順2:パスコードを設定
- 「パスコード設定」をタップ
- 「アクセスガイドのパスコードを設定」をタップ
- 6桁のパスコードを入力(2回)
手順3:Face IDまたはTouch IDを設定(任意)
「Face ID」または「Touch ID」をオンにすると、解除が簡単になります。
アクセスガイドの使い方
起動方法:
- 固定したいアプリを開く
- 電源ボタン(またはホームボタン)を3回連続で押す
- 「アクセスガイド」画面が表示される
- 右上の「開始」をタップ
これで、そのアプリから抜け出せなくなります。
解除方法:
- 電源ボタン(またはホームボタン)を3回連続で押す
- パスコードを入力(またはFace ID/Touch ID)
- 「終了」をタップ
アクセスガイド中の画面表示
アクセスガイドを使っている間は、自動ロックの設定にかかわらず、画面が表示され続けます。
ただし、より確実にするため、自動ロックも「なし」に設定しておくことをおすすめします。
注意点とデメリット
iPadの画面をずっと表示させることには、いくつか注意すべき点があります。
1. バッテリー消費が早い
問題:
画面をつけっぱなしにすると、バッテリーが普段より早く減ります。
対策:
- 充電器につないで使う
- 長時間使わないときは、手動でスリープさせる
- 明るさを下げる(バッテリー消費が減る)
2. セキュリティリスク
問題:
自動ロックがないと、iPadから離れたときに他人が勝手に操作できてしまいます。
対策:
- 席を離れるときは、手動でロックする(電源ボタンを1回押す)
- 大切な情報を開いたままにしない
- 公共の場所では特に注意
3. 画面の焼き付きリスク
問題:
同じ画像を長時間表示し続けると、画面に「焼き付き」が起こる可能性があります。(特にOLEDディスプレイ)
対策:
- 時々画面を変える
- 明るさを最大にしない
- 動きのある画面にする(スライドショーなど)
- iPadの多くはLCDなので、焼き付きは起こりにくい
4. 熱がこもる
問題:
長時間使い続けると、iPadが熱くなることがあります。
対策:
- 風通しの良い場所に置く
- カバーやケースを外す
- 直射日光を避ける
- 充電しながら負荷の高い作業をしない
5. 誤操作のリスク
問題:
スリープしないと、かばんの中などで勝手に操作されることがあります。
対策:
- 持ち運ぶときは、必ず手動でスリープさせる
- スマートカバーを使う(閉じると自動スリープ)
バッテリー寿命への影響

ずっと表示させることで、バッテリーにどのくらい影響があるのでしょうか?
短期的な影響
数時間〜1日程度:
ほとんど影響ありません。バッテリーが減るだけで、バッテリー自体の寿命が縮むわけではありません。
長期的な影響
数週間〜数ヶ月間、毎日長時間使用:
充電サイクルが増えるため、バッテリーの劣化が少し早まる可能性があります。
目安:
通常なら2〜3年持つバッテリーが、1年半〜2年程度になるかもしれません。
バッテリーの健康を保つコツ
1. 熱を避ける
高温はバッテリーの大敵です。涼しい場所で使いましょう。
2. 0%まで使い切らない
完全に放電すると、バッテリーに負担がかかります。20%くらいで充電するのが理想的。
3. 100%で充電し続けない
満充電の状態を長時間続けるのも、バッテリーには良くありません。
4. 最適化されたバッテリー充電を使う
iPadの「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」から、「最適化されたバッテリー充電」をオンにしましょう。
スマートカバーとの関係
iPadのスマートカバー(磁石でくっつくカバー)を使っている場合の設定も確認しておきましょう。
スマートカバーの自動ロック機能
機能:
カバーを閉じると自動的にスリープ、開けると自動的に復帰する機能です。
設定を確認する方法
手順:
- 設定アプリを開く
- 「画面表示と明るさ」をタップ
- 「ロック/ロック解除」という項目を探す
「ロック/ロック解除」がオンの場合:
カバーを閉じると自動的にスリープします。
「ロック/ロック解除」がオフの場合:
カバーを閉じても画面は消えません。
注意点
この項目は、対応するスマートカバーを取り付けている場合のみ表示されます。
カバーを使っていない場合は、表示されません。
その他の便利な設定
画面を表示し続けるときに、一緒に設定しておくと便利な機能を紹介します。
明るさの自動調整
設定方法:
- 設定アプリ→「アクセシビリティ」
- 「画面表示とテキストサイズ」
- 「明るさの自動調節」をオン
周囲の明るさに合わせて、画面の明るさが自動で調整されます。
Night Shift(ナイトシフト)
設定方法:
- 設定アプリ→「画面表示と明るさ」
- 「Night Shift」をタップ
- 時間指定または手動でオン
夜間、画面の色を暖色系に変えて、目に優しくします。
True Tone(トゥルートーン)
設定方法:
- 設定アプリ→「画面表示と明るさ」
- 「True Tone」をオン
周囲の光に合わせて、色温度が自動調整されます。(対応機種のみ)
おやすみモード(集中モード)
設定方法:
- 設定アプリ→「集中モード」
- 「おやすみモード」などを設定
通知を制限できるので、プレゼン中や動画視聴中に便利です。
トラブルシューティング
設定がうまくいかない場合の対処法です。
「なし」を選択できない
原因と対策:
1. 低電力モードがオン
→ 設定→バッテリー→低電力モードをオフ
2. スクリーンタイムの制限
→ 設定→スクリーンタイム→制限を確認
3. 管理プロファイル(MDM)
→ IT管理者に相談
4. iOSのバグ
→ iPadを再起動する
設定しても画面が消える
原因と対策:
1. 設定が反映されていない
→ 設定画面で「なし」にチェックが入っているか確認
2. アプリ独自の設定
→ 一部のアプリは独自のスリープタイマーを持っている
3. バッテリー残量が少ない
→ 充電する
iPadが熱くなりすぎる
対策:
- 涼しい場所に移動
- カバーを外す
- 一時的にスリープさせて冷ます
- 充電しながらの負荷の高い作業を避ける
バッテリーの減りが早すぎる
対策:
- 画面の明るさを下げる
- バックグラウンドアプリを終了
- バッテリーの状態を確認(設定→バッテリー→バッテリーの状態)
- 古いiPadの場合、バッテリー交換を検討
よくある質問(FAQ)
Q1. 画面をずっと表示させると、iPadは壊れますか?
A. いいえ、壊れることはありません。ただし、バッテリーの劣化が少し早まる可能性はあります。
Q2. 充電しっぱなしで使っても大丈夫ですか?
A. はい、問題ありません。現代のiPadは充電管理がしっかりしているので、つなぎっぱなしでも基本的に安全です。
Q3. 画面の焼き付きは心配ないですか?
A. iPadの多くはLCDディスプレイなので、焼き付きは起こりにくいです。ただし、同じ画像を何日も表示し続けるのは避けた方が良いでしょう。
Q4. 自動ロックを「なし」にすると、セキュリティは大丈夫?
A. 自動ロックがないと、他人が勝手に操作できてしまいます。席を離れるときは、必ず手動でロック(電源ボタンを1回押す)しましょう。
Q5. アプリを使っているときだけスリープさせない方法は?
A. 動画アプリなど、一部のアプリは再生中に自動的に画面が消えないようになっています。それ以外の場合は、アクセスガイド機能を使うか、自動ロック設定を変更してください。
Q6. iPadカバーを閉じても画面が消えません
A. 設定→画面表示と明るさ→「ロック/ロック解除」がオフになっている可能性があります。オンにしてみてください。
Q7. 古いiPadでも同じ設定ができますか?
A. はい、ほとんどのiPadで同じ方法が使えます。ただし、非常に古い機種の場合、設定の場所が少し違うことがあります。
Q8. 電池の減りが早くなったら、どうすればいいですか?
A. バッテリーの状態を確認して、劣化している場合はApple StoreやApple正規サービスプロバイダでバッテリー交換を検討してください。
まとめ
iPadの画面をずっと表示する方法について、重要なポイントをおさらいしましょう。
基本設定
- 設定→画面表示と明るさ→自動ロック→「なし」を選択
- これだけでスリープしなくなる
- 時間指定(5分、10分、15分)も選べる
便利な使い道
- 料理中のレシピ表示
- プレゼンテーション・会議
- 動画視聴・映画鑑賞
- 運動・エクササイズ中
- デジタルフォトフレーム
- 受付・案内用の端末
- 読書・電子書籍
充電について
- 長時間使う場合は充電器につなぐ
- つなぎっぱなしでも基本的に問題なし
- 純正品または認証済みの充電器を使う
アクセスガイド機能
- 特定のアプリに固定できる
- 受付や展示用に便利
- ホームボタンを無効化できる
注意点
- バッテリー消費が早い
- セキュリティリスク(手動でロック推奨)
- 画面の焼き付きリスク(少ない)
- 熱がこもる可能性
- 誤操作のリスク
設定ができない場合
- 低電力モードをオフにする
- スクリーンタイムの制限を確認
- 管理プロファイルを確認
- iPadを再起動
バッテリーの健康を保つコツ
- 熱を避ける
- 0%まで使い切らない
- 100%で充電し続けない
- 最適化されたバッテリー充電を使う
スマートカバー
- カバーを閉じても画面を消したくない場合は「ロック/ロック解除」をオフ
- オンのままなら、カバーで自動スリープ
その他の便利な設定
- 明るさの自動調整
- Night Shift(目に優しい)
- True Tone(色温度の自動調整)
- おやすみモード(通知制限)
iPadの画面をずっと表示させるのは、とても簡単です。たった数タップで設定できます。
ただし、バッテリーの消費やセキュリティには注意が必要です。使わないときは、手動でスリープさせる習慣をつけると良いでしょう。
料理、プレゼン、動画視聴、読書など、様々な場面でこの設定が役立ちます。ぜひ、自分に合った使い方を見つけてください。
設定を元に戻すのも簡単なので、必要なときだけスリープを無効にして、普段は自動ロックを有効にしておくのがおすすめです。
これで、iPadがもっと便利に、もっと快適に使えるようになります。楽しいiPadライフをお過ごしください!
参考情報
- Apple公式サポート
- iPadOS最新情報
※本記事の情報は2025年11月時点のものです。iPadOSのアップデートにより、画面や設定項目が変更される可能性があります。

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