「メールプロモーション」という言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
実は、この言葉には2つの意味があるんです。1つは企業から送られてくる「広告メール」そのもの。もう1つは、Gmailの受信箱にある「プロモーションタブ」のこと。
今回の記事では、多くの人が誤解しているGmailのプロモーションタブの真実と、その賢い使い方について詳しく解説していきます。
「プロモーションタブに入ったメールは読まれない」と思っていませんか?実は、それは大きな勘違いなんです。
メールプロモーションの2つの意味

1. プロモーションメール(広告メール)
プロモーションメールとは、企業が商品やサービスを宣伝するために送るメールのことです。
具体的には以下のようなメールが該当します。
- セールやキャンペーンのお知らせ
- クーポンや割引情報
- 新商品の案内
- メールマガジン(メルマガ)
- 会員向けの特典情報
これらのメールは、あなたがどこかのサービスに登録したり、商品を購入したりした際に「メール配信を許可する」にチェックを入れることで送られてくるようになります。
2. Gmailのプロモーションタブ
Gmailには、受信したメールを自動的に分類する「タブ機能」があります。その中の1つが「プロモーションタブ」です。
このタブは、Googleのアルゴリズム(自動判定システム)が「これは広告メールだな」と判断したメールを自動的に振り分ける場所なんです。
Gmailの5つのタブを理解しよう
Gmailでは、メールを5つのカテゴリーに自動分類しています。それぞれのタブの役割を見ていきましょう。
メインタブ
個人的なやり取りや重要なメールが届く場所です。
友達からのメール、家族とのやり取り、仕事の重要な連絡などがここに入ります。テキストだけのシンプルなメールや、他のカテゴリーに当てはまらないメールもメインタブに表示されます。
ソーシャルタブ
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)からの通知が届く場所です。
TwitterやFacebook、Instagramなどからの「いいねがつきました」「フォローされました」といった通知メールがここに集まります。
プロモーションタブ
企業からの広告メールやマーケティングメールが届く場所です。
セール情報、クーポン、キャンペーンなど、商業的な内容を含むメールがここに振り分けられます。メルマガの多くもこのタブに入ることになります。
新着タブ
サービスからの通知や取引関連のメールが届く場所です。
オンラインショッピングの注文確認、配送通知、領収書、請求書などがここに表示されます。Slackなどのビジネスツールからの通知もこのタブに入ります。
フォーラムタブ
オンライングループやメーリングリストからのメールが届く場所です。
掲示板やディスカッションフォーラム、コミュニティからのメールがここに集められます。
プロモーションタブの仕組み
どうやって振り分けられるの?
Googleは具体的な判定基準を公開していませんが、以下のような要素でメールを分類していると考えられています。
メールの内容
- 画像やHTMLタグの多さ
- 「無料」「今すぐ」「限定」などのキーワード
- リンクの数
- フッター(ページ下部)の内容
送信者の情報
- 送信元のメールアドレス
- 一度に大量のメールを送っているかどうか
- 過去の配信実績
読者の行動
- そのメールをどれくらい開いているか
- リンクをクリックしているか
- 返信しているか
これらの情報を総合的に判断して、Googleが自動的に振り分けを行っています。
2025年の最新アップデート
2025年9月、Gmailのプロモーションタブに大きな変更がありました。
従来の仕組み
新しいメールが上に来る「時系列順」の表示でした。
新しい仕組み
あなたがよく開くメールや興味を持ちそうなメールが上に来る「関連性順」の表示に変わりました。
つまり、あなたが普段からよく見ているブランドのメールや、興味を持ちそうなセール情報が優先的に表示されるようになったんです。
もちろん、設定で「最新順」に戻すこともできます。
期限付きセールの優先表示
さらに、期限が近いセールやキャンペーンの情報は「今がチャンス」として特別に強調表示されるようになりました。ブラックフライデーやサイバーマンデーなど、期間限定のお得情報を見逃さないための配慮です。
プロモーションタブは本当に悪者なのか?
多くの人が「プロモーションタブに入ったメールは読まれない」と思っています。でも、それは誤解なんです。
実際の統計データ
調査会社Return Pathの調査によると、驚きの結果が出ています。
45%近くのユーザーが毎日プロモーションタブを確認している
つまり、半数近くの人が定期的にプロモーションタブをチェックしているということです。
業種によっては開封率が上がった
プロモーションタブが導入された後、以下の業種では開封率(メールを開く割合)が実際に上がりました。
- エンターテインメント業界
- ペット関連業界
- レストラン業界
- 家具業界
スパムフォルダに入る確率が減った
プロモーションタブができたことで、正規の広告メールが「迷惑メール」として判定される確率が下がりました。これは企業にとっても、読者にとっても良いことです。
プロモーションタブを見るユーザーの心理
プロモーションタブを開く人は、「何かお得な情報はないかな?」という気持ちで見ています。
ショッピングモールをぶらぶら歩いているような状態なんです。つまり、購買意欲が高い状態でメールを見ているということ。
実際、セール期間中はプロモーションタブからの購入率が他のメールサービスより高いというデータもあります。
Gmail Annotations(アノテーション)とは
プロモーションタブには、メールを目立たせる特別な機能があります。それが「Gmail Annotations(アノテーション)」です。
アノテーションでできること
メールを開く前の一覧画面で、以下の情報を表示できます。
商品画像
セール中の商品や注目アイテムの写真を表示できます。複数の画像を並べて見せる「カルーセル表示」も可能です(最大10枚)。
価格情報
商品の値段や割引額を表示できます。「通常価格5,000円→セール価格3,500円」のように、お得感を伝えられます。
有効期限
「あと3日で終了!」のように、キャンペーンの期限を表示できます。この機能を使うと、期限が近づいたときに再び上位に表示されるチャンスがあります。
企業ロゴ
あなたの会社やブランドのロゴを表示して、一目で分かるようにできます。
特別オファー
「送料無料」「50%OFF」などのバッジを表示できます。
これらの情報は、メールを開かなくても見えるので、読者の注目を集めやすくなります。
受信者向け:プロモーションタブの使い方
メールをメインタブに移動する方法
「このブランドのメールは重要だから、メインタブで受け取りたい」という場合の設定方法です。
方法1:ドラッグ&ドロップ
- プロモーションタブを開く
- 移動させたいメールをクリックしたまま、メインタブまで引っ張る(ドラッグ)
- 「今後も○○からのメールをメインに表示しますか?」と聞かれるので「はい」を選択
これで、そのメールアドレスからのメールは今後メインタブに届くようになります。
方法2:フィルタ設定
より確実に設定したい場合は、フィルタ機能を使いましょう。
- メールを開く
- 右上の「︙」(縦3点)メニューをクリック
- 「メールの自動振り分け設定」を選択
- 条件を確認して「フィルタを作成」
- 「カテゴリ:メイン」を選択
プロモーションタブを一括削除する方法
たまったメールをまとめて削除したい場合の手順です。
- プロモーションタブを開く
- 左上のチェックボックスをクリック
- 「プロモーションのメールをすべて選択」をクリック
- ゴミ箱アイコンをクリック
ただし、重要なメルマガも一緒に消えてしまうので注意が必要です。
送信者向け:プロモーションタブへの対応

企業やメルマガ発行者の方向けの情報です。
プロモーションタブは避けるべき?
結論から言うと、無理にメインタブを狙う必要はありません。
その理由は以下の通りです。
1. プロモーションタブでも読まれる
先ほどの統計データで見た通り、多くのユーザーがプロモーションタブを定期的にチェックしています。
2. 読者の期待に応える
広告メールを送っているのに、無理やりメインタブに入れようとすると、読者は「だまされた」と感じるかもしれません。これは信頼を失う原因になります。
3. アノテーション機能が使える
プロモーションタブだけで使える特別な表示機能(アノテーション)を活用できます。
メインタブに入れたい場合の工夫
それでも、どうしてもメインタブに届けたい場合は、以下の工夫が考えられます。
パーソナライズを強化する
- 件名や本文に読者の名前を入れる
- 読者の興味や購入履歴に合わせた内容にする
シンプルなデザインにする
- 画像を減らし、テキスト中心にする
- HTMLタグを最小限にする
- リンクは1~2個に絞る
スパムワードを避ける
- 「無料」「今すぐ」「限定」などの言葉を多用しない
- 全部大文字の件名にしない
- 「!!!」などの記号を連続で使わない
少人数に分けて送る
- 一度に大量のメールを送るのではなく、時間をずらして送信する
- 読者をグループ分けして、それぞれに合った内容を送る
ただし、これらの工夫をすると、メールが「広告っぽくない」ものになってしまいます。商品画像やリンクを減らすと、逆に効果が下がる可能性もあるので注意が必要です。
プロモーションタブとスパムフォルダの違い
「プロモーションタブ = スパム」と誤解している人がいますが、これは全く別のものです。
プロモーションタブ
- 正規の広告メールが入る場所
- 読者が許可して受け取っているメール
- 受信トレイの一部として機能
- ユーザーが定期的にチェックする
スパムフォルダ(迷惑メール)
- 不正なメールや悪質なメールが入る場所
- 受信を許可していないメール
- セキュリティ上の問題があるメール
- ほとんどのユーザーが見ない
プロモーションタブができたことで、正規の企業からのメールがスパムフォルダに入る確率が減りました。これは良い変化と言えます。
他のメールサービスでも同じ機能がある?
Gmailだけでなく、他の主要なメールサービスでも似たような機能が導入されています。
Yahoo!メール
2013年に「最近のアクティビティ」という機能を導入し、メールを分類しています。
Outlook(旧Hotmail)
2017年に「優先受信トレイ」機能を導入。重要なメールとそれ以外を自動で分けています。
Apple Mail
2024年に「タブ別受信トレイ」を導入。機械学習を使ってメールをカテゴリー分けしています。
つまり、メールの自動分類は業界全体のトレンドなんです。Gmail以外を使っている人でも、同じような仕組みが働いています。
まとめ
メールプロモーションについて、重要なポイントをおさらいしましょう。
メールプロモーションには2つの意味がある
- 企業が送る広告メールそのもの
- Gmailの受信箱にあるプロモーションタブ
プロモーションタブは悪者ではない
- 45%近くのユーザーが毎日チェックしている
- 業種によっては開封率が上がっている
- スパムフォルダに入る確率が減った
受信者ができること
- ドラッグ&ドロップでメインタブに移動できる
- フィルタ設定で確実にメインタブに振り分けられる
- 不要なメールは一括削除できる
送信者が知っておくべきこと
- 無理にメインタブを狙う必要はない
- アノテーション機能を活用すると目立つ
- パーソナライズとシンプルさが鍵
2025年のアップデート
- 関連性の高いメールが優先表示される
- 期限付きセールが強調される
- ユーザーの興味に合わせた表示
プロモーションタブは、読者にとっても送信者にとっても便利な機能です。「プロモーションタブに入ったら終わり」ではなく、「プロモーションタブをうまく活用する」という発想が大切なんです。
あなたがメールを受け取る側なら、定期的にプロモーションタブをチェックして、お得な情報を見逃さないようにしましょう。
あなたがメールを送る側なら、プロモーションタブに適したメールの作り方を学んで、読者に価値ある情報を届けてください。
メールプロモーションをうまく使いこなして、より快適なメール生活を送りましょう!
参考情報
- Gmail公式ヘルプ
- Google Developers – Gmail Promotions Tab
- 各種メールマーケティング調査レポート

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